劇場公開日 2025年2月14日

聖なるイチジクの種のレビュー・感想・評価

全113件中、101~113件目を表示

3.5兆し

2025年2月15日
Androidアプリから投稿

怖い

知的

難しい

父親と言えどやはり[男]。深い男尊女卑。女性が解放されるのはまだまだ先かなと今作を観て感じた。が、冒頭のナレーションや題名といい、その兆しを描いた映画でもありました。そこが素晴らしかった。

ただ、長〜い!💦後半もうちょっとまとめて2時間に収まっていれば👍

コメントする (0件)
共感した! 4件)
komomo_chata

5.0「護身用」の拳銃は誰が誰を誰から守るために使うもの?

2025年2月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

この映画を見て既視感を覚えた。「悪は存在せず」か?その映画の監督さんだった!何にも知らずに見た自分にがっかりした。「悪は存在せず」は4つの話、その最初の話に私はあまりにショックを受け、そのときの感覚と映画のシーンを思いだした。

この映画は二部構成といっていいと思う。前半は、主人公の出世の喜びと同時に護身の為に拳銃を与えられ、盗聴に注意など急にきな臭くなる仕事環境の変化に戸惑い恐怖が増大していく。そして何より職が辛い。資料を丁寧に読み真っ当な判断をしなければと思っているのに、資料は分厚く何人分もあり時間も与えられずサインしなければ仕事が先に進まない。死刑承諾のサイン。その自分の仕事に対する疑問、でも続けなくてはならないストレスフルな状況の中でだんだんとおかしくなっていく経緯が描かれる。

妻は娘二人に色々と小言を言う。でも長女(ルーニー・マーラに似ている!)の友達の顔のひどい怪我に対して娘達は何もできない一方で、母親は彼女の顔に打ち込まれた散弾銃の一つ一つを冷静に丁寧に取り除きすべて洗い流す。娘二人はリベラルでテレビは嘘ばかりと言う。ママはパパの仕事のために友達付き合いも考えろと言う。ママの手はいつも仕事して動いている。アイロン、台所シンクの掃除、食事やお茶の用意、時には娘達の眉毛の手入れ、夫のひげ剃りにヘアカットもする。大学生の長女は理論的に今のイランの状況を批判する、次女は髪を青く染めたい、ネイルしたいという。母親は娘達に父親の仕事とその後の昇進故に邪魔になるようなことはやめろという。もちろん娘達はむかつく。一方で母親は夫と話す時は娘達のことをもっと考えて欲しいと言う。

後半は主人公と女性達=妻と二人の娘との関わりがテーマとなる。主人公は信じて愛しているはずの家族の女性三人に対して取り調べる。彼の実家である場所に移り彼女達を映しながら訊問する。地下室のような場所に閉じ込める。そこから、妻と娘二人を追い探す場面は外の空間で、美しくもとても怖い。映画「シャイニング」のようだった。

宗教、神とはなんだ?なぜ男性中心主義になるのだろう?イスラム教に限らない。宗教がなさそうなところでも、いまだによく訳がわからない家父長制的な考えで沢山の女性が苦しんでいる。

考える意味でも面白いという意味でもいい映画で時間を全く考えなくて済んだ。夫・父親・働く人・妻・母・娘、それぞれの立場と役割、世代間の問題なども入ってる濃厚な映画で見応えがあった。

コメントする 13件)
共感した! 22件)
talisman

4.0パパの言いなり

2025年2月14日
Androidアプリから投稿

神への服従と信仰心、父権制・夫への忠誠心。ヒジャブに象徴される国家や文化が求めてくる(その多くは女性に強いてくる)、体制への疑問符と大文字の"NO!"を突きつける。作品が見せる表情が作中何度も(大きくは2度、三幕劇)変わっては、予想打にしない展開に雪崩込んでいく衝撃の展開から目が離せない…。冒頭に流れるタイトルの意味も込みで考えさせられる勇敢な作品だ。
旧態依然の考え方で夫ファーストで夫を立てて尽くし、娘たちにも清廉潔白を求める妻と、もっと今の時代を反映して当たり前に進歩的な娘たちの対比。朝早くから夜遅くまで帰って来ない父の仕事もよく分からないまま息苦しそうな家庭。本編前半中盤程度まではその多くが家の中で展開される作りだがダレないし、実際の映像と思しきスマホ撮影の映像が頻繁に挿し込まれることで、ドキュメンタリー性を帯びる。
常に目がある、いつも誰かに見られている。革命裁判所に勤続20年、夢にまで見た要職に就く主人公イマン。昇進と同時に渡された拳銃。国家権力・体制のために働き、裁いた人から逆恨みされる危険性のある仕事柄、周囲の人々に自身の仕事を軽々と言えないわけだけど、昇進を機に家族には伝える。…が、そこから家族の夢見る幸せへの歯車が狂っていくさまが秀逸で、家族各人のキャラクター描写も見事。
作品終盤の父が狂っていくさまは、『シャイニング』『モスキート・コースト』『ノア 約束の舟』等を彷彿とさせる、まさかの命がけかくれんぼに!舞台となるイランの背景を知らないことには、本作の核心・本質を正しく理解することはできないかもしれないが、それでも力強く強烈な映画体験だった。アスガー・ファルハディ監督作品も彷彿とさせた、表現の責務と可能性。不当なものへの闘いには、スマホを向けて(←されるとムカつく)白日のもとに曝してやれ!

コメントする (0件)
共感した! 5件)
とぽとぽ

5.0独自の視点で濃い内容、しかも面白い

2025年2月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

冒頭は少し違った国のシステムみたいなものを捉えきれなくてムズい作品なのか!?と不安を感じました。しかも長いんですよねーヤバイなーヤバイよーと思っていたのは杞憂でした。
閉鎖的で秘密が多いということが分かれば、後は展開・ストーリーを楽しむだけでした。社会的な背景を存分に生かしつつ、徐々に移り変わっていく微妙な人間関係をじっくりと描きつつ、それがいつの間にかサスペンスへと誘っていく見事な構成、最後の迷路のような逃走劇なんか、めっちゃ見入ったし、最高でした。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
SH

3.5ラストは、一家総出の「鬼ごっこ」

2025年2月14日
iPhoneアプリから投稿

悲しい

怖い

難しい

長女レズワンの友人に起こった悲劇に絡むストーリーが展開され、どうなるのかと思ったら、イマン一家の究極の鬼ごっこだった。鬼役のイマンに捕まらないよう女性3人が必死に逃げ廻り、次女サナの奮闘が凄い。
「あっ」と声を出してしまいそうになったところでエンドロールを迎えた。
要所に出て来る政府に対する抗議デモの実写シーンは、「酷い」としか言いようがない。3時間近い上映だけど、興味深い作品だったので、長いと感じなかった。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
ちゃ坊主

1.0結末丸見え

2025年2月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

欧米が喜ぶ映画、アカデミーでも何でもあげりゃ良い。
2時間TVサスペンスドラマを映画館で見せられるとは。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
JOY

5.0

2025年2月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

終始、胸が締め付けられる展開

そもそも夫婦共々、家族のために、が念頭にある行動なのに、ドンドンドツボにはまっていく皮肉

父親のプレッシャーもわかるし、妻の家族のためにも間違っていなく、子供達の気持ちも理解できる

銃を巡るアーダコーダが、普通の家族をダークサイドに(家族の尋問シーンの恐さ…)

もう一度、観るのも辛くなるほどの映画だった、オワリ!

コメントする (0件)
共感した! 4件)
うんこたれぞう

5.0タイトルなし

2025年2月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 5件)
えみり

3.5家でも外でも

2025年2月11日
iPhoneアプリから投稿

家の中でも落ち着かないのか…嫌だな。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
Oyster Boy

4.5道徳警察って何か知ってる?

2025年2月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

とんでもないものを観てしまった。これは是非アカデミー賞で注目してもらいたい作品だ。ネタバレしたくないので多くは語れないが、イランという国を知るのにとても良い機会となったし、それを抜きにしても一本の作品として非常に面白い。
監督自身が本国で収監されている間の2022年9月に起こった、マサ・アミニさんの事件にインスパイアされた作品とのこと。
監督やキャスト、スタッフは今でも政府からの圧力を受けていると聞く。命懸けで紡いでくれた物語を、私も大切に繋いでいきたい。
是非一度観て、イランという国について考えて欲しい。
※恥ずかしながら、道徳警察について初めて知った…。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
FMov

3.5疑心暗鬼

Kさん
2025年1月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

ヒジャブ事件を背景にした長尺映画。
死刑制度に踏み込んだ衝撃作。

ミステリー、家父長制、
サスペンス、ドキュメンタリー、
アクションスリラーが入っていて
とてもダイナミックな作品でした。

ラストの30分は特に凄い…!
一丁の銃を巡って家族が豹変。

“古い体制を締め殺して
新しい世界を引き起こす”

イランの家族構成を忠実にしていて
メタファーの表現も素晴らしかったです。
監督が命懸けで作り上げた傑作。

イチジクの成長過程も勉強になりました。
特典のステッカーありがとうございました。

コメントする 1件)
共感した! 6件)
K

3.0「たかがそんな事」で虐げられる不条理

2024年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

単純

イスラム国家で論議の的となっている女性の人権問題を、一家の出来事に置き換えたサスペンス。近日日本公開の『TATAMI/タタミ』も、母国のイラン政府からの不当な圧力に苦しむ女性柔道家を描いていたが、「たかがそんな事」で虐げられてしまう生き辛さったらありゃしない。正直、終盤の展開は冗長に感じなくもなかったが、最低限のエンタメ要素は残したいというモハマド・ラスロフ監督の意志と汲み取りたい。
誤解や偏見がもたらす「たかがそんな事」は、それらを生む権威に歪みがある。でも、そうした歪みを糧に表現者は訴求力の強い作品を生む事ができる。本作もまた、ラスロフ監督を含む数名の製作スタッフもイランを亡命せざるを得なくなった。幾度となく拘束・収監されようと、しつこく母国に噛みつく作品を撮り続けるジャファール・パナヒ同様、もはやイランは骨太なフィルムメーカーを輩出する土壌となっているのが、なんとも皮肉だ。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
regency

2.5見事な前半と脱力する後半

2024年12月28日
PCから投稿

舞台はテヘラン。父親は政治犯専門の裁判官で保守的な暮らしを守っているが、高校に通う娘2人は東京やNYの娘と変わらない生活を楽しんでいる。親子の間の緊張をはらみつつ平穏な暮らしが続いていたが、イランの政治状況が厳しさを増してくると、父親は職場で宗教弾圧をすすめる立場に立つようになり、娘たちの学校も学生デモへの取り締まりが苛烈さを増してくる。国内の暮らしが動揺するのと同時に、家庭の平和も壊れ始める。

テヘランの政治状況を果敢に取り込んだ作品で、カメラもおおむね端正でよい映画。…なんだが終盤からとつぜんイラン版『シャイニング』みたいな謎展開になりはじめて、なんじゃこれはと終わってしまう。こういうのが評価されてしまうくらい、2024年は世界的に不作の年だったってことですな。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
milou