劇場公開日 2024年11月29日

  • 予告編を見る

雨の中の慾情のレビュー・感想・評価

全90件中、1~20件目を表示

4.0「超大作」の体をなした「猛毒映画」か

2024年12月4日
Androidアプリから投稿

あながち関係ない話でもないのだが、映画「ルックバック」について、ちょっと触れる。

映画「ルックバック」は確かに興味深く観させていただいたが、やっぱりオレは原作の「間」や感じるアングラ感が好きで、音楽や声も本当に必要なく、静止した画に十分感じる躍動感を動く絵で表現するのは映画なので仕方ないとは思うものの、どんなに斬新であろうとも「ああ、そうするんだ」と冷めて観てしまった。

つげ義春。オレは映画「ねじ式」(’98)から入って、原作を眺めた程度だが、原作を見るまでは、映画は非常に面白く観させてもらったが、原作を読むと、映画のほうは、役者の演技、映像表現、録音そして音楽と、目いっぱいアングラ感が出ているものの、原作の一コマのパワーの前では、「ああ、ここをこういう風に映画はやりたかったのね」と冷めるわけだ。

こればっかりは漫画と映画の決定的な「文化の差」として映画を見る側としては、割引くしかない。この辺はオレが言わずとも、誰もが、そして映画関係者が一番感じることだろう。(そして原作者。)

なので、原作とかどうとかは、これが最後でここでは触れないようにしたい。

「雨の中の慾情」




それでは、どうしてわざわざ原作と映画について、前置きを置いたかというと、まさかこんな超大作にしてしまうなんて思ってもみなかったからだ。

すごい!!

「さがす」で一躍名を馳せた片山慎三監督のこれまでのキャリアが爆発。

オープニングの雨のシーンから撮影がすごい。そこからアングラの真逆を行くロケ撮、カメラワーク。時に大自然、夕日、海を大作感たっぷりに美しく撮り、戦場での1カット長回し、時にあえての手振れを起こす手持ち撮影、新旧合わせ技のトリック撮影、まさしく「総動員」。

大枠は「ねじ式」と同じく、いくつかのストーリーを足し合わせての構成だが、うまいのはちゃんとラストが収まるように、つまり「超大作」としての体をなすべく物語を完結させている点。

映画なので、集客はしなければならないため、戦場シーンを予告にいれたのは、ちょっとばかし驚きを殺してしまってはいるが、それでもそんなシーンがあんなところで、と鑑賞中でもインパクトは絶大。

ただ公式で「あの作品」を参考にしている、と監督が発言されたらしいが、それを言ってはダメ!!(主人公の顔のぐるんぐるんして逃亡するカットもこれのオマージュですかね)

ということだから、というわけでもないだろうが、「ラブストーリー」ということで宣伝はされているが、必然的に「反戦映画」としての一面も持ち合わせている。天井のシミが「あれ」になって「始まる」のだから、絵描き志望の想像力か、童貞の想像力か、ともあれなんとも切ない。

ただしちょっと物議を醸しだす設定、描写もあるため、批判も多いとは思う。

だけど、激しい性描写も含め、「超大作」の体をなした「猛毒映画」というバランスが、オレはとっても心地よかった。

序盤は我慢しなさい。

追記

中盤、「アマポーラ」が流れることからも、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」、個人的には、ジャコ・ヴァン・ドルマルの「ミスター・ノーバディ」('09)あたりの語り口の良さも感じていい気分で帰った。

追記2

同時に「ルート29」のことをちょっと思い出した。「詞」を「詞的」に映像表現することもそりゃあ、もう大変なことだ。ただ森井監督には次作はスコーンと観られるものをお願いしたいなと。

いずれにせよ、片山監督と森井監督には今後も大注目。

コメントする 1件)
共感した! 5件)
しんざん

1.0なんだなんだ

2025年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

寝られる

主人公(成田凌)は漫画家、引越の手伝いである女(中村映里子)と知り合う。
そして女は小説家の恋人(森田剛)と主人公の部屋に転がり込んでくる。
あとはよくわからなかった。
昔からこのような映画は女性の裸が多い。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
いやよセブン

2.5エロい男女の恋愛ものかと思ったら 現実と妄想の世界で考えながら鑑賞...

2025年2月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

エロい男女の恋愛ものかと思ったら
現実と妄想の世界で考えながら鑑賞する
映画だった

コメントする (0件)
共感した! 0件)
いのしし

4.0俳優、成田凌を鑑賞


2025年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

最近気になっている俳優の一人だ。
断っておくが、私は至ってノーマルなオジサンだ。

彼は典型的な「男前」と評されるタイプではないと思っている。
しかし、個性的な顔立ちでもなく、むしろ端正な造形の持ち主だ。
ただし、その整い方が華やかでも、威圧的でもない。

佇まいにギラついた自己主張がなく、どこか静かで含みのある空気が漂う。それが単なる無邪気さなのか、それとも深い思索の表れなのかは判然としない。
同様に知性を感じさせるものの、本当に賢いのか、それともそう見えるだけなのか(失礼)も測りかねる。
それが彼の魅力の一端だろう。

短い台詞を発するたび、その言葉の裏に何かを感じさせ、惑わせる。
そして時折、穏やかな佇まいの奥に、ふと凶暴性を秘めているのではないかと思わせる瞬間がある。
それでいて、どこか安心感をも与える不思議な存在。

彼の魅力は、明確な個性にあるのではなく、その曖昧さと余白の中にこそ宿っているのかもしれない。

コメントする 1件)
共感した! 5件)
ピッポ

2.0夢の中?

2025年2月12日
Androidアプリから投稿

雨の中急に始まるセックス、
太平洋戦争時の日本の様な、
朝鮮戦争時代の北朝鮮の様な、
手足を失った負傷兵になったり、
福子が車にはねられたり、
ずっと夢の中にいる様な作品。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
上みちる

3.5歌のないオペラ

2025年2月11日
Androidアプリから投稿

つげ義春原作の短編漫画4作品をベースに創作されたラブストーリーだそうだ。学生時代つげ義春の漫画が一時流行った記憶があるのだが、サブカルにはまっていた友人から貸してもらった漫画を読んでも何が面白いのかサッパリ。要するに当時の私がガキすぎて、つげの魅力がわからなかったのである。現代のウォークカルチャーの枠に当てはめるとすべてNGになりそうな、エロ、エロ、エロのオンパレード。しかしながら、無機質な絵と乾いたコメディに漂うなんともいえないペーソスが癖になった人も多いのではないだろうか。

なぜこの令和の時代につげ義春をピックアップしたのかは不明だが、片山監督が今までの路線とはまったく違う映画を撮りたかったことだけは伝わってくる。ポン・ジュノ譲りの生臭いバイオレンスとカタルシスを捨て去って、監督は本作で“(歌のない)オペラ”をやりたかったのではないか。日本統治下の台湾で瀕死の重症を負った一兵卒が死に際にみた支離滅裂な“夢”を、ベルトリッチ風に幻想的につなげた作品ではなかったのだろうか。監督御本人は本作を撮るために、『ジェイコブズ・ラダー』や『エターナル・サンシャイン』を参考にしたと語っていた。

男が死の床で思い出すのは、初恋の女や長年連れ添った女房のことではなく、娼婦と交わった激しいSEXのことらしい。義男(成田凌)が最期に思い出したのも、従軍慰安施設に暮らす娼婦“福子(中村映里子)”のことだった。義男の夢の中で、小説家の情婦やアドレノクロム採取施設の看護婦、ピンボールのように車に撥ね飛ばされる女、はては義男に漫画を描くためのカリグラフィーをプレゼントしてくれた恋人へと、次々とそのキャラ設定を変えていくのである。『マルホランド・ドライブ』のナオミ・ワッツのように。

映画冒頭はつげ義春原作の『雨の中の慾情』とまったく同じ展開だが、映画ラストをあえて原作漫画とは異なる終わらせ方にしている。原作では、田んぼの中で激しい情事に及んだ義男と人妻が、雨上がりの🌈がかかっている中を、何事もなかったようにバスに乗り込む場面で終わっているらしい。しかし、片山はその“🌈”だけ拝借した独自の解釈で本作を終わらせている。聞くところによると、ロケ地となった台湾では🌈の橋を渡って死人があの世に向かうという言い伝えがあるそうで、(漫画も映画も)エンディングは誰かさんの“昇天”を暗示していたのではないだろうか。

台湾でロケハンの最中も、中国軍艦がこれ見よがしに近郊の湾に停泊していたらしく、日本人が想像する以上の緊張感が周囲に漲っていたという。片山監督はその雰囲気を察して、戦争シーンをわざわざ後から付け加えたのだとか。私は思うのである。男と女が本能のままに激しく交わってさえいれば、そもそも戦争なんて起こりえないのではないか。それを法律や道徳、カルチャーで無理やり抑えつけたりするから戦争が起こるのではないか。人間の本能の中に隠れているエロスには、生殖以外にも我々がいまだ気づいていない役割が他にあるような気がするのである。たとえそれが、雨上がりの🌈のごとく、女の記憶からはかなく消え去っていく男の幻想だったとしても。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
かなり悪いオヤジ

4.0騙し絵のような映像

2025年2月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

冒頭、義男の部屋の壁にプリズム様な光が映り細かに動く、これがラストシーンに繋がる。

物語の前半は所謂夢落ち物かと思いきや、やがて二重三重に畳み掛ける多重構造であることに気付かされる。夢の断片が儚く舞い散る様を映し出し、登場人物の内面に潜む複雑な感情や欲望を象徴する。夢の中でしか存在し得ない非現実的な光景と、幻覚のように錯綜する映像表現は、観る者に多層的な解釈を促す鍵となっている。監督は、意識の深淵に潜む夢と幻覚を大胆に表現し、その斬新な演出と緻密な心理描写は、観る者に深い感動と衝撃を与える。

ラストシーン、義男が今際の際に冒頭のプリズム様の光を再び見る。細かく揺れながらやがて臨終を迎えると同時に消えさる。死を迎え瞳孔が開き眼球の虹彩が消えるという比喩なのか。
結局、義男が見ていた夢幻は銃で撃たれ死ぬ間際に見た一瞬の走馬灯だったのだと観客は気付く。良くぞこれ程、複雑で綿密な構成をしたものだと感服した。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
るな

4.5虚構の数珠

Kさん
2025年2月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

観れば観るほどに、作中に散りばめられた仕掛けに夢中になる。記憶の片鱗から紡がれた虚構が数珠のようにつながりぐるぐると巡る。漫画家の頭の中というのはこのようなものなのだろう。
学生の頃に読んだ、記憶の中にある懐かしく奇妙なつげワールドのエッセンスを存分に体現し、さらに細部まで凝られた舞台セット、小道具、光、色彩で原作に負けない映像作品として完成しているのが素晴らしいと思う。『無能の人』の竹中直人がキャスティングされているのも心憎い。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
K

3.5つげ義春先生はご存命

2025年1月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

短編がほとんどとは言え膨大にあるつげ義春作品は大昔にねじ式を読んだだけ。幻想的でよくわからなかった上、今となっては魔太郎みたいな顔の主人公とメメクラゲしか記憶にない。その程度のつげレベルで本作を観たのだが、話をどう解釈するかは人それぞれでも、夢と現実を行き来する構成は原作ほどの意味不明さはなくけっこうわかりやすい。

福子がポーンと車に撥ねられるシーンや子どものつむじから液体を吸いとるエピソードなど、所どころで違和感ありありのつげ義春世界を、壁のシミを福子の裸体と被らせたり日常から惨劇の戦場に突然切り替えたり、片山慎三監督の演出で見応えある映像にしていたと思う。夢と現実との交錯は、思えば序盤から女子中学生のぎこちない日本語からすでに始まっていたのだろうけど、鑑賞したのがすでにひと月近く前なので、オレの記憶もどこまで本当なのかあやしくなっている…。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
ジョンスペ

 様々な時代、夢と現実を往来するつげ義春原作の映画化作。  「欲情...

2025年1月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 様々な時代、夢と現実を往来するつげ義春原作の映画化作。

 「欲情」ではなく「慾情」とした事にオッサンは「劣情」をそそられたのだが、どうしてこんなに複雑な入れ子構造の夢物語にしなくてはならなかったのか釈然としなかった。単なる「慾情」がカッコ付けて着飾っているだけの様に見えて、観る者のストレートな「劣情」が度々蹴躓いてしまった。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
La Strada

3.5つげ義春の、というのではないエロスと平和と戦争

2025年1月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

2025年最初の映画。思いの外と言っては失礼かもしれない力作にしてそこそこの大作風。タイトルが小品感を醸しているのと、予告編はこれまたまったくそれとも違う感じで派手な感じもしたのだが、見ればもっとずっしりな野心作。まあ片山慎三なのでそりゃそうだ。エロスを包み込む戦争と平和。なんじゃそりゃ、と思うが本当にそういう出来。但しパーツパーツは野心みなぎるが物語設計は夢物語風味だからか大きな推進力に欠ける。最も単純なふたりの男とひとりの女の構図だけでも決して巧みに見せきれてるとは言い難い。成田凌はとてもいいし、なんとなく昭和エロス的シチュエーションはあるが長編を引っ張るほどのスリリングなアイデアはない。かといってつまらないかというとそんなこともなく、断片断片ははっとさせられる表現はてんこ盛り(雷、雨、車ですっ飛ぶ女体、シームレスに入ってくる日本軍の攻撃) 片山真三はサービス精神の塊なのかもしれない。力技でそうはなっているけれど、本来短編で強いエッセンスのものは短編のままのほうが強い印象を残すんだな、とは思った
なので予告編的要素とはぜんぜん違う面白さではあった

コメントする (0件)
共感した! 3件)
ONI

3.0妄想の世界

2024年12月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

妄想と現実が入り交じった感じのお話でした
妄想の世界であって表現が結構ぶっ飛んでました

コメントする (0件)
共感した! 1件)
nami

3.0幸せへの執着

2024年12月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

今年一のイミフ映画。
片山監督のクセが全面に出ている。いくら何でもとっちらかり過ぎて2時間強画面を見続けるのがやっと。にしても設定と構成に対して尺が長すぎるって笑
成田凌目的での鑑賞だったけど、「スマホを落としただけなのに」に引き続き理想の成田凌が見れたからこれは満足。目をかっぴらくだけで狂気を演じれるのズルいって笑 怖い超えて笑っちゃうもん。まともじゃない彼が大好き。どんどん映画出てくれ頼む。

まぁ、とにかく中身のない映画。
ストーリーとかも何もなくて、ただひたすら犯罪行為を繰り返したり、男女の交わりを繰り返したりして時間が経過していくだけ。しかも描写が土臭くて全然綺麗じゃない。狙ってるんだろうけど、せめてモザイクはやめて欲しい。R15+に留めておきたいならカメラワークで見せないようにして欲しいし、全体をうつすならR18+にして本気でやって欲しい。この中途半端な感じがどうも気に食わず、同じく成田凌主演「窮鼠はチーズの夢を見る」が見たくなった。男同士のBLだったけど、あの生々しさは一周まわって綺麗で非常に上手い撮り方だった。

しかも全てにおいて肝心なシーンが短くて、どうも面白味に欠ける。特に、共同生活を始めるくだりがこの映画ではいちばん大事なはずなのにあっけなく終わってしまうし、そこからの展開も尾弥次が首を突っ込んでくる以外はほとんど動きがないもんだから、奇天烈なカットのおかげで飽きはしないけど、絶望的にワクワクがない。
そこからの現実と夢?の行き来の下りもなんかよく分からないし、ようやく映画っぽくなったと思ったら中身は相変わらずでお色気シーンが続くばかり。戦争の描写もあったけど、主人公の立ち位置が理解出来ず、一体誰に向けたなんの映画?って感じでどうもハマれなかった。

まあでもキャストは良かったし、全シーン台湾ロケというのもあって全体的な質感はなかなか引き込まれるものがあった。ただ、予告とイメージが違いすぎて、正直期待はずれ。色々やってるけど結局は枠内に収まったことしかやってないし、ぶっ飛び具合もあんまり。成田凌の怪演を見るだけのための映画。「さがす」みたいなオモロエンタメはなかなか作れないよねぇ。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
サプライズ

2.0片山慎三ワールドを堪能

2024年12月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

難しい

つげ義春よりも片山慎三監督の世界観が色濃く出ている作品。難解なのは覚悟していたが上映時間が少し長かったかなと感じた。そしてよく成田凌がこの役を引き受けたなと感心するくらい難役だった。一般受けする作品ではないが片山監督作品は是非映画館で観て欲しい。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
よう

2.5相変わらずいい表情するねー

2024年12月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

のっけからぶっ飛ばしてくるわ(突き刺してできた穴…)
まさにエログロナンセンス全く月並みでない作品やね。
多分ほとんど理解できてないんやろうな~そう観てる方も何がわかっていてわかってないのかが曖昧、その辺が着地点なんやろうな。すべてをわかろうとするなんて、人間の傲慢ですね(^^;

コメントする 1件)
共感した! 4件)
shige12

4.52024年の日本映画のベストワン候補となる傑作

2024年12月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

タイトルから色モノかと思いきや全然違っていた。

成田凌くん演じる義男の中村映里子さん演じる福子への強い思いが幾重にも重なるラブストーリーではあるが。

複数のステージが用意され、どれが現実でどれが夢なのか分からなくなる複雑な構造。観る我々は迷宮の中を心地よく彷徨う。

福子に翻弄される義男、あるいは自分。
強く追い求めても手に入ることはない。
まさに目眩くという言葉が相応しい。

リンチの「マルホランド・ドライブ」を思った。

それにしても中村映里子さん。綺麗でした。本当に素敵でした。女優賞を総ナメにしてほしいけど、、、

コメントする (0件)
共感した! 2件)
エロくそチキン2

3.0「何か」が足りない

2024年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

シュールな世界を作りたかったんだろうけど、全てが偽物っぽくてノレなかった。
役者はみんないい演技してたけど。
中村映里子は魅力的だけど。
-------------------------------------------------------------
片山慎三監督の作品は『さがす』も観ました。
うまく言語化できないけど、この監督の作品は他の映画にある「何か」が足りない気がします。
いい映画になるために必要な「何か」。
何なのかはわからないけど。(^^;

コメントする (0件)
共感した! 1件)
いのさん

3.0A274 ガッチャーン、吹っ飛ぶ女 おお!ゴンズ様新記録!

2024年12月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2024年公開
一歩引いていても成田凌カッコええわ
中村映里子ってこんなに艶やかやった?
森田剛、俳優ぽかったよね。
竹中直人胡散臭くていいねえ。

出演者に演技オーラが光っているので
話の筋がぐちゃぐちゃなのは気にならず。
普通に考えると大東亜戦争遠方の国で
現地娼婦と仲良くなり日本に帰ろう
という矢先に負傷。
夢の中でも貧乏生活。
が繰り返される。
夢の中ならもう少し華やかな夢を見たいが。
観衆にえ?いったいどういうこと?
わからんやろ、それが狙いよ
と監督が思っているなら巨匠気どりは
やめてほしいけどね。
60点
初鑑賞 2024年12月13日 イオンシネマ桂川
配給 カルチュア・パブリッシャーズ

コメントする (0件)
共感した! 4件)
NWFchamp1973

4.5つげ義春漫画と映画の根本性の見事な止揚

2024年12月13日
iPhoneアプリから投稿

つげ義春は現実とも夢ともつかない混沌世界を描いた作品を数多く執筆した。『ねじ式』や『ヨシボーの犯罪』、『コマツ岬の生活』、あるいは本作の原作『雨の中の慾情』もそれに当たる。

これらすべてに共通しているのは、現実と夢の間に、あるいは正気と狂気の間に決して境界線を引かないことだ。すべてはシームレスに繋がっている。さっきまで目医者を探していたはずの男は気がつけば機関車に乗っている。犯罪の証拠隠滅に街を奔走していた青年は山中に雰囲気のよい旅館を発見して小躍りする。

原因と結果が論理を媒介することなく結びついている彼の漫画世界は、ある意味で統合失調症的とも形容しうる危うさはあるものの、我々の論理的な思考体系に揺さぶりをかけてくれる。その揺さぶられる快感こそがつげ義春漫画の妙味だ。

以上を踏まえた上で本作についてチョロチョロ書いてみたい。

物語はとある村を舞台に、義男(成田凌)、福子(中村映里子)、伊守(森田剛)の3人の人間関係を描き出していく。義男は福子に想いを寄せるが、友人の伊守が福子とくっついてしまう。福子の媚態を目の当たりにしながらそれをものにできない不能感が逆説的に福子のコケティッシュさに拍車をかける、という官能物語がしばらく続く。

しかし中盤以降、それまでの世界に変調が訪れる。さっきまでラフなシャツ姿で漫画を描いていた義男は、気がつけば軍服を纏って戦争地帯を逃げ回っている。どうやら本作の舞台となる世界は「村」と「戦場」に大別できそうだ。しかしそのどちらが「現実」であり「夢」であるのかはなかなか明らかにされない。

というのも、それぞれの世界が互いに断絶しているわけではないからだ。互いが互いを参照し合い、どちらにも決定的な優位性は与えられない。このあたりはつげ義春っぽいなと思った。ワンショットの中で「村」「戦場」が切り替わるシーンはことさら強烈だった。

村の外れで轢き逃げされたはずの女を見かけ「大丈夫だったんですね」と声をかける義男、唐突に悲鳴を上げる女、カメラが右側にパンすると、逃げ惑う群衆とそれを追う日本兵たちが迫ってくる。さながらテオ・アンゲロプロスやエミール・クストリッツァのような叙事詩的ショットだった。

とはいえ2つの世界の混線ぶりの中に、次第に一筋の最も妥当な「現実」の可能性が浮上する。それは、義男は戦場で少女に射殺され、福子は娼婦のまま義男に再会することができないというものだ。つまり「戦場」が「現実」であり、「村」は「夢」であるということ。

原作であれば何もかもが宙ぶらりんのまま完結しているところだが、そこに敢えて明確な(それでいて内容を著しく毀損することのない)境界線を引くというオチのつけ方に、監督・片山慎三の作家性を見た。片山の代表作『岬の兄妹』が雄弁に語るように、彼の視線は常に突飛な空想の底を走る揺るぎなくどうしようもない現実を眼差している。

正直つげ義春作品なんだから宙ぶらりんのまま終幕してもらった方が原作ファンとしては嬉しかったのだが、それでは映画である意味がない。「現実」と「夢」に明確な境界線を引くという本作の結末は、本作が一個の映画として屹立するための必然性だったのだろうと思う。

思えば石井輝男『ねじ式』は一言一句原作通りに原作を再現しているにもかかわらず決定的に退屈な作品だった。やはり「この世界のどこかに実在しているもの」を撮って繋げるという映画芸術の性質上、現実をまったく無視することはできない。無理やりしようとすれば、それは嘘臭さとして表出してしまう。

本作は「つげ義春っぽさ」を最終的には放棄しているにもかかわらず、つげ義春の映画作品を観たという圧倒的な読後感が味わえる。それは、つげ義春漫画の性質と映画の根本性が見事に止揚された結果だと言える。年末に思わぬ傑作が観られてよかった。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
因果

4.5思いがけない傑作

2024年12月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

冒頭、「慾情」というタイトル通りのシーンで思わず「バッカじゃないの」と叫びかけましたが(ほめ言葉)、
それが展開するにつれてこんな映画になっていくとは!
実はエロスとタナトスの対比だったのです。だって本当は主人公は……

妄想と空想と願望と現実とが渾然一体となり、IFでもありマルチバースでもありタイムループでもある、それが一つの悲しみに集約されていくラスト、本当に素晴らしかった。
片山監督にこんな映像と演出のセンスがあるとは思いませんでした。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
Pocaris