雨の中の慾情のレビュー・感想・評価
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淫夢と現実のなかで。
売れない漫画家の義男と、自称小説家の伊守と、引っ越しの手伝い先で出会い気になる存在となる伊守の女・福子の話。
悪徳商売がバレ、義男宅に世話になることになる伊守と福子だか、ある日、実は家庭があるからと言い伊守は福子を置いて義男宅から出ていき、義男、福子の2人の生活が始まるが…。
タイトル「雨の中の慾情」、冒頭の入り雨宿りする田んぼに囲まれたポツンとある屋根のあるバスの停留所と書けば分かりやすいだろうか(そんなイメージ)、雨に濡れ雨宿りする独りの女性に服に付いてる金具に雷落ちるかもですよと言って独りの女性をパンツ1枚まで脱がしその姿に欲情しちゃって…♡
もうその冒頭でバッチリ心掴まるてるのと同時に、この監督、脚本書いてるのはド変態野郎だなと思ってしまう私。終始漂うエロさと福子の艶っぽさで観れたってのが正直なところ、てか福子の艶っぽさがヤバかったね!(笑)
ストーリー進めば、この福子との行為、生活は夢?現実は戦時中?と現実軸がどっちなのかと解りにくさもあったものの。義男演じた成田凌の凌はホントに大丈夫?反応してない?てか反応してるよね!とそっちばかりが気になった(笑)
90分くらいが良かったかな
かなり難解、四重構造の世界線?
冒頭からの世界線:義男が漫画家、伊守は小説家を志す
義男が兵隊:左手・右足を失っている、伊守は戦友
義男が兵隊:瀕死の状態
冒頭からの世界線:福子が日本人ではない世界
以上のような世界線から成立しているのかなと思いましたが、
何が虚で実なのかは、正直わかりませんでした。
漫画家の義男×艶っぽい福子、この下品になりすぎない客観的なエロさと
戦争の悲惨さ、壮絶さを目の当たりにする義男が兵隊の世界線の
絶妙な交わり具合というかごった煮具合というか、
頭の中がぐちゃぐちゃになりましたね。
原作は未読ですが、同じ内容なんですかね。ちょっぴり気になります。
映画の日の鑑賞でしたが、私を入れて観客6名でした。
興行収入は厳しい作品だろうなぁと思いましたね。
日中戦争。。夢 幻覚 妄想。。。
台湾ロケ大成功過ぎ…
一炊の夢の如し
『つげ義春』の短編〔雨の中の慾情〕と、
それ以外の幾つもの作品を取り込んで一本の映画に仕立てている。
基本『義男(成田凌)』と『福子(中村映里子)』の物語りも、
そこに友人で作家志望の『伊守(森田剛)』と
松葉杖をつく大家の『尾弥次(竹中直人)』が絡む。
『義男』は夢から覚めると、
見た記憶を基に売れない漫画を描く。
『尾弥次』はそんな彼にトラック運転のアルバイトをさせ、
『福子』と出会ったのも、行った先の家でのこと。
『伊守』は『福子』と懇ろになるが、
商売に失敗し、彼女を捨て街を出て行ってしまう。
彼らが住むのは、検問所で南北に分断された国。
「南」は富む一方、「北」は貧民が住む。
『尾弥次』はそこで子供を集めて脅かし、脳髄を吸い取る怪しげな商売をしているが、
その関係で「南」とも行き来でき、
三人は『伊守』を探すため、「南」の地を訪れる。
と、ここまでは、寓話的ではあるものの一貫性のある流れ。
が、以降は語り口が激変する。
今と未来と過去、夢と現を垣根無く往還し、
何が現実で何が妄想なのかも判然としない。
原作を複数取り込んだことが要因ではなく、
入れ子構造を意図的に狙ったよう。
ある時には『義男』は『福子』と子供を持ち、
幸せな家庭を築いている。
が、庭で遊んでいるハズの子供を探して振り返れば、
そこに片腕を失くした軍人の姿を見る。
次の瞬間『義男』は、片腕・片足を失くし、
股間をも傷つけられた傷病兵として
病院のベットに横たわる。
舞台はどうやら、第二次大戦中の
中国東北部の戦場に転移したよう。
そこでは『伊守』は『義男』を気遣う戦友。
『福子』は慰安所で働いている。
こうした時空の激しい変転を受け入れられるかが、
本作の評価のキモだろう。
頭で理解しようとすれば追いつかず、
あくまでも監督の仕掛けた激流に身をまかせるのが吉のよう。
目覚めてのち描かれる漫画は複数あり、
冒頭エピソードの文法からすれば、
直前の挿話は全て夢の中の出来事となる。
いや、本当にそうだろうか?
『義男』の語る物語りとして観て来たものの、
最後の場面を観た後では、それすらも懐疑的になる。
監督の『片山慎三』のフィルモグラフィーを確認すれば、
助監督時代の作品を含め過半を観ている計算。
しかし本作、過去作のいずれとも異なる作風で
「R15+」のレイティングを纏い、
『大林宣彦』があの世から舞い戻って来たのかと思った。
何を見せられているのか…。映画の日としてはさすがに。
今年423本目(合計1,514本目/今月(2024年12月度)1本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
映画の日といえばどなたでも(特別上映等除き)1000円という特別な日ですが(もっとも私は重度身障なので常に1000円で見られる)、さすがにハズレくじを引いたなというところです。
舞台は架空の日本、大正時代から戦中が想定されています(旧体字や「右から読む字」などの存在)。それらと「子供への薬物投与」「中国(台湾?実はエンディングロールは台湾協力なので台湾出兵か?)出兵」、そして「R15とは思えないアダルトシーン」というこれまた脈略がまるでないので困ったところです。
特にアダルトシーンに関してはモロに本番行為な上にモザイクもかかるという、R15でいいのレベルの内容だったりします。この点、「他の論点」がなければ実質的に「成人映画館」の扱いでありそれらを専門にする映画館もありますが(大阪でも東京でも、地方都市でも色々)、この映画は上記のように「いろいろな話題を扱いつつ」もそれらが時間差で色々出てくる(時間軸が複数存在する?)という関係で「他の見所」が探しにくく、実質的に「これは成人映画館の放映ですか?」みたいな状態になっているのアレかな(行為自体は5回以上、モザイクも3回以上出てくる)というところです。
かつ、原作小説・ドラマ等がないようで(ただ、台湾の方が多く出演されているので日台合作オリジナル映画?)、その観点からもみにくい一方、台湾(あるいは中国)出兵を想定させるシーンもあり、特に台湾に関しては「戦中の日本の扱い、賠償」と「映画などでの交流」は「別扱い」という立場を強くとりますが、そうすると「日本の出兵を描く映画、あるいは、台湾側からみた日本の侵略の在り方」という観点でも見るのは無理で(ほかにワクチンネタやら、雑誌作成ネタ等が出てくる)、結局「何を見せられているのだろう」という点に大半尽きる気がします。
あまりにストーリーがあっちこっち飛ぶので(最初の「行為」は最初の3分くらいで出てきて、ここから架空の国やら出兵やら出てくる)、「チョイスした映画がこれでいいのか」とこのようなサイト(評価サイト等)を確認されるためにスマホを使われている方も一定数いらっしゃいましたが、もう仕方なしという印象です(正直、成人映画館が移転してきたのかというくらいにヘンテコ)。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.8/人によってかなりの不愉快さを覚える)
ここは個人差もあろうかと思いますが、ほぼ限りなく「成人映画館でやるべきでは」というレベルにきついので(しかもR15で通った理由も謎。16歳や17歳がこれ見ていいんでしょうか…)、さすがに何らか配慮が欲しかったです(少なくとも当該シーンが等も出て、しかもモザイクがバンバンかかるのって、2021年ごろ(私がここでレビューをかきはじめたころ)の「DAUナターシャ」レベルにヘンテコです)。
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アート的?な奇妙かつファンタジーな変態映画
予告でわりと流れてて気になり見てみました。序盤の感じは予告で見ていて想定していた感じのものでサクサクと進んでいきます。設定的に時代背景や日本なのか海外なのかもよくわかりません。ま、でもその辺はこういう世界なんだなとすんなり受け入れて見ていけば気になりませんでした。後半になり、実は戦争で負傷した主人公の夢だったことがわかるのですがそこからが時系列がめちゃくちゃになり、見ながら見る側の解釈でうまく整理していかないとついていけなくなります。最終的にはあの戦時中の映像も主人公の妄想なのかな?と、思う感じに終わります。たぶん唯一の現実は最後のシーンだけなのかなと思いました。自分はそういう風に解釈しました。あとはすべてヨシオの妄想の世界を映し出した?感じなのかな。
もはやこの作品は私が思うにはストーリーがどうとかはもうどうでもよくてその時、その時に描かれる描写を見ていく、なんとなく美術的なアート作品を延々と見るようなそんな感覚で見ていきました。もう少し尺は90分くらいでもいいのかなと思いました。最後の方はもう早く終わんないかなと思ってしまったので。
内容的にだいぶ頭のおかしいバカバカしいところが結構あるのですがその辺がギャグやコントみたいにならずどこかシリアスな空気感を出してやれてるのはやはり演者の皆さんの間違いない演技力があってこそだと思います。
中西柚貴さんや中村映里子さんは初めて見た女優さんでしたが体を張っていて演技もとても良かったです。中西さんは最初、元BiSHのチッチなのかと思っちゃいました(笑)
出演者の方はどの方も間違いない演技力をお持ちの方なのでその辺りは評価されるべき点かなと思います。
ただ、内容が内容なだけに劇場で見ると人によっては金返せと言いたくなるかもしれませんので、どんな作品でも寛容的に捉えられる方でない場合はサブスクになってから見るでもいいと思います。
自分としては見て悪くなかったなと思います。
期待度○観賞後の満足度◎ もろ「ザ・昭和」の題名(つげ義春作品だから当然だか)だけれども、『海の沈黙』や『正体』で消化不良となった眼にはこれぞ「ザ・映画」。
①キーワード:“眠らないよ、眠ったら起きちゃうもの。”
②成田凌もだんだん大人の役者になってきたね。
③「夢」の中ではそれが「夢」だとは思っていなくてそれがリアルだと思っているよね。すんごく離れている町なのにちょった歩いていて其処に着いたり、突然目の前に川が出現してデカイ魚が泳いでいてもいつの間にかそれが普通と思ったり(しかも知らぬ間に足浸けてる)、知らぬ間に知らぬ筈の町に来てもいつの間にか何度も来ている町で向こうの角の先に何かあるか何故か分かっていたりこの道がどこに続くか分かっていたり、学生時代の友達が会社にいて同僚として一緒に働いても全く自然に思っていたり、好きだった人を突然思いもしないところで見かけたり、前に「夢」の中で訪ねたところをいつの間にか再訪していたり(道とか店とか事務所とかどこで電車を乗り換えたらよいかも日常生活みたいに知っている)、“あっ、今のは「夢」だった”。と起きたつもりが実はまだ別の「夢」の中だったり、何故かこれは「夢」だと分かっていてしかもこの先嫌なことが起こるのが何故か分かるので“起きなきゃ!”と必死の思いでその「夢」から覚めたり=起きたり、まだまだ数えきれなくあるけれど、まあ今ポーッと思い出せる自分「夢」の残像はこんなところです。
④そんな「夢」のあわいを次々と移り行く映像で綴っていく映画。現実は漫画家になりたかった兵隊の自分と戦地(?)で知り合った現地の女とのかりそめの情事だろうけれど、そんなことどうでもよいように思える不思議な映画体験である。
⑤でもボカシはそろそろ止めてほしいよな。
どれが夢やら現(うつつ)やら
今日は調子悪いだけ
つげ義春ワールド
長え😅
日台合作なのね…
福子の魅力が半減してしまう、脚本の欠陥とは
つげ義春先生の原作は未読です。ねじ式とか、他の作品は何作か拝見したと思いますが、あまりに良い意味で支離滅裂(笑)、そしてシュール過ぎる作風からか話の筋が全くというほど記憶に残っておりません。もしかしたら深層心理の奥のほうに刻まれてるのかもしれませんけど。
今作は冒頭の雨宿りのシーンから品の無い欲情映像全開でいったいどんなエロが展開されるのか大変興味が湧きましたが、そこからつげ義春テイストが徐々に発揮され不条理でありつつも映像が落ち着いていきます。
台湾ロケとのことですが昭和の戦中戦後を思わせる様な気怠い退廃的な空気が再現されており、音楽も古風かつロマンチックで作品世界に非常にマッチしていたと思います。
もともとつげ義春先生の漫画作品を言うほどエロいとか女性キャラが美くしいなどと思ったことはほとんどありませんでした。しかし、今作では福子を演じた中村映里子さんが綺麗な裸体を惜しげもなく披露しつつ妖艶かつ謎めいたキャラクターを全力で演じられており、エロ度と女性的魅力がかなりブーストされていた印象です。本当に素晴らしい役作りをされたと思います。ついついファンになってしまいました(笑)。
夢なのか現実なのか、はたまた欲望の妄想なのか分かりませんが、登場人物の設定やら場面設定やら時間軸などが目まぐるしく変化していく中で、常に主人公が惹きつけられる女性として福子が描かれます。福子に対する主人公のねじ曲がった愛情や欲情、嫉妬や執着、それらが静かに腹の底で黒くグツグツ煮えてる感じがしてとても良かったです。
ただ、前述の場面や人物の設定の変化があまりに頻繁で、映像に対しての集中力がその度にどんどん削がれるというなんとももったいない脚本の欠陥があったのも事実でした。
「え、またこれ?なんかしつこいし長いなあ」と正直思いつつ、福子の濡れ場だけはしっかり凝視してしまった自分が悲しいです・・・。
では。
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