「精神障害と天才。周囲は大変だ。」ビューティフル・マインド Takehiroさんの映画レビュー(感想・評価)
精神障害と天才。周囲は大変だ。
『ビューティフルマインド』(2001)
タイトルが良さそうだったので、録画した後ではなく、直接NHKBSプレミアムで視聴した。主役のラッセル・クロウの『グラディエーター』は観たはずが、同一人物とわからなかった。私はラッセルの顔を覚えられていないという事である。ノーベル経済学賞を受賞したジョン・ナッシュという学者のエピソードと言うことだが、調べたらタクシー乗車中に事故に遭い夫人と一緒に死亡したのが数年前。思えばなんとなくそういうニュースが新聞などで出ていた気もする。きっとその報に接したが、よく覚えていない。このアカデミー賞などを受賞した名作と言われるのだろう映画にしても、性的な課題に関しては、決してジョン・ナッシュという人物は褒められたものではなかったようだ。妻以外の女性を妊娠出産させてしまった人物でもあったらしい。頭脳や戦争に対する関係性では、考えさせる面を持つ体験者だったというのだろうが、その反面で、性的な倫理は疎かにみられる。だが後に離婚したがパートナーはそれからも主人公をフォローして、同じ元夫婦で再婚しなおしたとかしないとか。それが一緒に事故死ではアメリカはこの映画があったし、驚いた事だろう。人間関係が苦手だったり、大学では授業に出るのは時間の無駄だと自分の研究だけしてしたりと破天荒である。ネット時代以降でないと不可能だったが、主人公の奥さん役は実際には主人公のルームメート役と結婚してしまったというのも面白いが、どうしてアメリカは、日本も真似してしまったかも知れないが、離婚と再婚が多くなってしまったのか。奥さん役のジェニファー・コネリーにしてもそうだった。私と同年代に近い人たちだから、20年近く以前だと、美人としてけっこうテレビなんかにも出ていたような記憶があるような。かなりの変人でも合う女性であったのだろう。天才変人数学者は結婚出来た。そこらへんからアメリカとソ連の争いや精神症状などのエピソードが入ってくる。ここまで観たところ、どうしてこの映画作品がアカデミー賞などを受賞したのか、私にはよくわからない。妄想だったが、防衛のための秘密保持から狙われて、相当なプレッシャーを与えられてしまい精神が疲れていく。精密な頭脳を持ち、ソ連に狙われてしまったと妄想し、講演から抜け出たり、精神科医を殴ったり。それで鎮静剤を打たれておとなしくされたり。しかし、ルームメートまでずっと幻覚だったのか。さっぱりわからない。実際のジェニファーと結婚した人も幻覚なわけはないぞ。部屋中雑誌の切り抜きが貼ってあるわけのわからない部屋。奥さんも大変だっただろう。しかし妄想していた人が現実にいると思ってしまうとは、わけがわからない。実在とは何なのか。仮想通貨のことだろうか。映像の中の人の行為も記録だし。とにかくジョンにとって奥さんは実在だったから幸福だっただろうし、事故死にまで付き合ってしまったのだった。しかし映画の中では、精神安定剤の影響で夜の夫婦の営みが出来なくなり、夫人が物を壊すなど暴力的になってしまったり、女性もそういうものなのだろうか。そうした治療中でも妄想が現れてしまった。映画はフィクションだが、実際にああした症状があったのだとしたら、妄想の不思議については考えさせられる。一度離婚しているとあるが、こうしたケースではわかる。奥さんは辛かっただろう。しかし後年、同居させて面倒をまたみてくれるとは、すごい夫婦愛があったといえる。それなのに別の女性を妊娠出産させたりもしたのか。天才変人ではあったか。妄想が出て暴れてしまうが、実在の学生時代の友人は暖かだった。だが妄想での楽しかったルームメートもいたのである。妄想の二人と泣きながら別れたりする。それでも出てきたり、実在の大学の若者たちがジョンを馬鹿にしたりする。幻覚の人物は老齢になるまで見えていたという。そんな障害の中でもノーベル経済学賞を受賞することになり、そのスピーチでは愛にこそ解への道筋があり、妻こそ私の全てというようなことを語ったという。なんだか妄想の障害と、ノーベル賞受賞式が突然で繋がりが唐突な気もしたし、そんなにアカデミー賞になるような作品なのかという私にはわからない映画だったからそんなに評価しないが、退屈せずに観た。