エイリアン ロムルスのレビュー・感想・評価
全588件中、241~260件目を表示
シリーズとしての評価と今作のみ評価は分けた方が良いかな?
この作品だけでの評価は中々良かったのかも?
4以降の作品も観てると更に散りばめられたネタバラシも分かるんだろーけど。SFホラーとしては怖いとは思いますね。閉鎖空間、タイムリミットってのはベタな設定ですけど。僕が思うには!足りないのはエイリアン自体への圧倒的な絶望感。出てくるのは1みたいに1体だけでも良いから。人知を超えた生き物に対して乏しい対抗手段でのサバイバル。コレの方が追い詰められてる気分でたのかも。
奇をてらい過ぎてないし王道の強さ!奇をてらい過ぎたのはラストのエイリアンの造形かな?4のエイリアンより人型になり過ぎ!と思う。4の気持ち悪さはあくまでも人間の遺伝子を無理矢理取り込んだ姿って所に生理的な拒否感があったので。あそこまで人間に寄せちゃうとエイリアンらしさが無いような笑
シリーズ物として観れば?ウ~ン難しいのかなぁ。やはり1の完成度は圧倒的だったと思います。2の評価がメチャ高いようですが。ボク個人としては2より3なんですよね。2の数の暴力から来る絶望感もありますけど。2ってドンパチし過ぎて焦燥感足りなかったです。ボクにとって。その分、3の方が1の雰囲気に近くて好きかな。4?ネタ枠として観たら良いし笑
プロメテウスやコヴェナントは一旦切り離して考えても。旧エイリアの美味しいところを摘んでシリーズファンはニンマリ!初エイリアンの方には1の雰囲気に近い怖さを感じさせた映画なのでは?と思います。エイリアンを殆ど観てない人と見ましたがその方は普通に面白かった!と言ってましたしね。。この作品に対して旧作を擦り過ぎとか?使い古されたって評価はエイリアン好きのシリーズ通して観ての感想だと思います。だから今作だけの評価の参考になりにくいのかなぁ。ま、今作だけを観に来る人も多いと思いますからね。だって旧シリーズ何年前なんだ!って事です笑
面白かったんだけどね
Have a nice day
好きかな
巣窟
なんかやたら怖かった。
物語の骨組はシリーズを踏襲してるようで変わり映えはしない。限定された空間でエイリアンから逃げる。
むしろセルフオマージュとも言えるくらいの構成だ。
なんだけど、群を抜いて怖い。
音楽のせいかな?
監督の趣向もあるんだろうな。相性がめちゃくちゃ良いと思われる。
その限定された空間が「廃墟」のような設定も効いてるんだと思われる。禁忌の空間というか、踏み込みさえしなければ、そんな恐怖に見舞われる事もなかったろうにと思えてしまう。まぁ、舞台装置は前作からの引き続きのような所もあるので、ゾクリとはするのだけれど。
毎回思うのだけど、エイリアンの全身をなかなか映してくれない。その辺りも伝統なのかと思わなくもないのだけれど、サービスカットくらいは欲しい。ただ未知なる恐怖の表現であるならば、全貌を把握できないってのは効果的なのだろうなぁ。
今回のエイリアンも雰囲気◎だ。
フェイスハガーから始まって、顔を覆われる様とか、幼体が腹を食い破って出てくるとことか、エイリアン的名場面をしっかりアピールしてくる。ぶっちゃけ何度も観たシチュエーションだ。でもその都度怖い。今回は特に怖かった…。
Androidの無機質さとかは、アングルの妙もあってエイリアンとは別の恐怖を与えてくれる。
本能が拒絶する恐怖とは別に、深い闇を伺うようなそんな異質さが際立ってた。
とまあ、シリーズの旨味を凝縮して進化させたような本作であった。
成体との攻防戦は絶体絶命の連続で息つく暇もない。無重力で回避するとことか、九死に一生って感が凄く強くて良かったわー。
このあたりの描写や設定は監督の持ち味が存分に反映されてるとこでもあるんだろうなぁ。
そして予想はしてたけどエイリアンx人間のハイブリッド…こいつがまた輪をかけて異質で異様。
その前に赤ん坊状態を見せる周到さとか…可愛い→怖いのギャップが技あり!
あの一瞬、全く違う空気になったもの。今までの事が一旦リセットされるような感じかしら。
そこからの揺り返しは、強烈だった。
なんか捕食シーンを初めて見たような気がする。
それも母親を喰ってるわけだから悍ましさMAXだ。
強烈なインパクトで、コイツだけは宇宙の藻屑になってもらわんとエラい事になると、体内アラートが最大出力で鳴り響く。
ラストに至る仕掛けもすこぶる良くて、エンディングで座席に埋まるかと思うほど脱力したのは言うまでもない。
ラストは何作目かで見たような引き際なれど、エイリアンシリーズはコレが正解なんだと思われる。
考えてみたら、全作通してここまで密室を意識した事がなかったように思う。
ほぼ宇宙船内で起こる事なのだけど、今まではソコを意識した事がなかった。
その辺りも演出の妙なのかもしれないなあー。
原点回帰を果たしたような本作。1作目のコンセプトを突き詰めて昇華させたような印象であった。
可愛い弟
ロムルスの続編は期待しないかな
アッシュと同型のアンドロイドが登場したり
アンディがユタニの利益のために行動したり
フェイスハガー・チェストバスター・ゼノモーフへの変化を見せる辺りは
エイリアン1寄りかと思いきや
銃器でゼノモーフを撃ちまくったり、最後に貨物室で敵と対峙したりは
エイリアン2寄りか
思い返せばゼノモーフへの変化を見せる辺り2の方がわかりやすかった
エイリアンに対する怖さでドキドキした1だったけど、本作ではそのような感覚があまりなかった
優秀な前作があるとどうしても比較してしまう。
ノストロモ号から回収した繭からエイリアンを培養して黒い液体を作成して逃げる、裏にはユタニの関与が
とシリーズに繋がる要素はいっぱいあるけど新しい発見が無いのでちょっと物足りない
コヴェナントの続きが見たい側からすると物足りない
書いてもしょうがないんだけど、疑問が出てしまって考えはじめたら楽しみが半減してしまった
・植民星から抜け出したい労働者が恒星移動できる宇宙船を持っているのは何故か
・研究用宇宙施設がジャクソン星近くにきた理由
・ユタニが研究用宇宙施設を放棄した理由
・エイリアンが成長のたびに大きくなるその原資、質量保存の法則
・ケイの子供も同様
・エンジニアが黒い液体を開発した理由
ロムルスの続編は期待するところが無い気がする
懐かしい感じのパニックホラー
エイリアンシリーズは好きな映画で特にエイリアン2が好きな映画の上位に入ってくる自分にとっては満足度が高かったです。
閉鎖空間で制限時間と化け物に追われながら脱出を目指すって展開が昔懐かしいパニックホラーですね。
ただ逃げ回るだけでなく銃火器で対抗する所がエイリアン2の系譜を感じます。
オタにとっては出てくる兵器類にも注目したいですね。今回登場のF44AAパルスライフルはオートエイムとフレンドリーファイア防止機能付き。おまけに装弾数450発!エイリアン2に登場した海兵隊のM41Aパルスライフルより高性能ですがエイリアン2より前の時系列じゃなかったでしたっけ?
終盤の迫るエイリアンの集団をオートエイムで次々撃破していくシーンもエイリアン2のセントリーガンがエイリアンを迎撃するシーンを思い出させますね。どんどん減っていく残弾表示が緊張感を演出してドキドキさせてくれます。
ホラーと言うよりはSFアクションって感じでとても楽しめました。この路線で続編作って欲しいです。
子供向けのB級品に成り下がった。
タイトルなし(ネタバレ)
「これまでの作品をオマージュしてる」っていうか、ラストなんてほぼ1stの展開と同じやんけ!
全体的にお化け屋敷アトラクション感、面白かったけど「映画的なカタルシス」は無く感じる。びっくりハウスでした。
ディズニーランドはこれをテーマにしたアトラクションでも作る気なのかと勘ぐってしまうくらいチャレンジ精神旺盛。
ナイスポイント=1stと2ndの間のストーリーだから、その辺の細かいディテール(メカニックデザインや時代考証)はちゃんとしてて良し。ブラウン管TVとかサイコーに好き。過去イチのゴア描写で攻めてたのはすごい、あれは高評価。
バッドポイント=エンディングがもう…まんま一緒だからズッコケるわあれは…「え、次はまた戦争になるの?キャメロンに監督させるの?」みたいな。
タイトルなし
まさにエイリアンのアトラクション!!
エイリアンシリーズは全て何回も見るくらいエイリアン好きです。
今回前情報はシャットアウトして何も知らない状態で初日鑑賞。
とにかく2時間息もつかせぬ怒涛のエンターテイメントで大満足!
リプリーは登場しない完全新規メンバーでの新作で登場人物はみんな若く、主役のケイリー・スピーニーがまた可愛くていい
冒頭主人公たちの生活環境などの描写が結構長い尺で映されるが、個人的には足りないくらいで、映画2時間半にしてもいいからもっと見たかった。
監督はドントブリーズの監督だけど変に先代巨匠達に引っ張られずに、自分の得意分野で攻めたのは非常に良かったと思う。
エイリアンの恐怖にうまくギミックをプラスしてホラー要素に一味加えてる。
見てて思ったのはゲームの「デッドスペース」や「エイリアンアイソレーション」「カリストプロトコル」などのゲーム的要素もあって、少なからず影響して取り入れたのかな?と感じました。
パルスライフルの残弾表示とかエイム機能、重力ギミックとかゲーム好きにはたまらない演出!
プロメテウスや過去作に繋がる要素も本筋に邪魔にならない程度に盛り込まれ、エイリアンマニア層やそうでない客層にもちょうどいい配慮かなと。
過去作オマージュは気に入る人と嫌がる人で意見分かれそうだけど僕は好きでした。
レトロフューチャー的な船内や衣装も良かった(プロメテウスはちょっと未来感ありすぎて宇宙服とか違和感あったから・・・)、音楽も注意ぶかく聞いてると・・・ファンなら「なるほど~~こうきたか」となる場面も。
ラストに関しては・・・ブラッドボーンのアレを実写にするとこんな感じか!と。それで喜んでたのは…たぶん僕くらいかなと💦
細かい所気にすると「???」って箇所はあるけど個人的にはあまり深い事考えずに
エンターテイメントを思いっきり楽しんで観るのがいいと思います!
過去のエイリアン作品は名作が多いので監督はプレッシャーもあったと思いますが、良い意味で現代版エイリアンとして上手に仕上げたなと思います。
なんとなくですけどカットされたシーンも多いような気がするのでブルーレイでの完全版に大いに期待したいです!
『ドント・ブリーズ』化したエイリアンの世界。旧作への究極愛が炸裂するシリーズ継承作!
ああ、主役の女の子って『プリシラ』でヒロインやってた子だったのか!!
観ていて全然気づいていなかった……。
あれだけ『プリシラ』観たとき、可愛い可愛いって言ってたのにな、俺(笑)。
さすがにこういう恰好して出てたら、偽ロリには見えないのな。
珍しくSF映画を封切りにて視聴。
『エイリアン』は1~3は観ているが、最近の続編ものは面倒くさくなってちゃんと観ていない。もともとミステリーとホラーについては三度の飯より好きなのだが、SFにはほとんど思い入れがないタイプ。『エイリアン』に関しても、「ホラー味が薄れる」ほどに関心も失せていったという感じでしょうか。
なので、『エイリアン』にさして思い入れがあるわけではないし、一連のクロニクルにはまったくもって詳しくない。あくまで知識のないホラーファンが、ホラー寄りの観点で書いている、うっすい感想ということでご容赦ください。
― ― ― ―
『エイリアン』シリーズの新作を作ろうと考えたとき、確かに『ドント・ブリーズ』の監督ほどにドンピシャでふさわしい監督も、なかなかいないにちがいない。
そういや、あれも密室空間で、実力が段違いの強大な敵に「狩られる」構造の映画で、逆に『エイリアン』リスペクトの香りのするくらいの作品だった。
まして、「禁足地にわざわざ踏み込んで、起こさなくても良い怪物を起こしてしまう」という、まさに『ドント・ブリーズ』そのまんまの設定。
この人なら「あの独特の感じ」をうまく出してくれるだろうってことで、白羽の矢が立ったんだろうな……と思って鑑賞後パンフを読んでみたら、なんとこの映画、フェデ・アルバレス監督自身がアイディアをリドリー・スコットのところに持ち込んで実現した企画らしい。なるほど、もともと熱狂的な『エイリアン』ファンだった監督が、旧作への最上位の敬意と愛着をもって取り組んだ結果が、この作品ということか。
結果として、『エイリアン:ロムルス』は以下のような映画になった。
●徹底的に旧作(とくに初代)の展開や要素をなぞる、リスペクト度の高い良い意味での模倣作となった。
●前半、ホラー要素ゼロのSF的/社会批判的な状況説明パートがかなりあって、ここはぶっちゃけ長い気がする。
●エイリアンが具体的に跳梁し始めるのは全体の3分の1が過ぎたあたりから。そこからはお化け屋敷ムービーとして愉しめる、娯楽度・アクション度の高い及第点の仕上がり。
●新要素としては、今回の犠牲者が「若者」たちだけという部分が大きい。
●ヤングアダルト的要素を増した分、「子供じみた夢」「幼稚な判断」「反権力」「大人世代との対立」といった、ユースカルチャー的な側面が際立っている。
●もう一点、「黒人」で「ポンコツ」の「白人少女に庇護されている」「アンドロイド」が、ほぼ無双系のヒーローとして君臨するという展開が、いかにも現代のポリコレ要素満載で面白い。アンディの立ち位置は、昔でいえばまさに『ターミネーター2』なのだが、今はその役割を担うのが白人でもマッチョでもない「被差別者」じゃないといけないんだなあ、と。
― ― ― ―
登場人物を全員、密航して他の星域に脱出しようとしている若者たちに設定したことで、ジュヴィナイルSF感がいや増しに増しているのは確かだ。
あとは、「若者」を思い切りバカで、状況判断のできない、感情的な未熟者として描くことで、80年代スラッシャー・ホラー的な雰囲気が加味されている点も見逃せない。
要するに、『狩られる犠牲者』たちが、『13日の金曜日』や『エルム街の悪夢』と同様の世代設定なので、「若気の至りでやらないでもいいことをやって」「オジサン世代のSランクモンスターに追いかけまわされる」空気をそのまま『エイリアン』に移築することに成功している。言い換えれば、『エイリアン』の『ドント・ブリーズ』化と言ってもいい。
とくに、中盤のフェイスハガーだらけの毒グモ屋敷みたいな広間を敵中突破するために、気温を体温まであげたうえで、声を出すな、汗をかくな、興奮するなって……本当にまんま『ドント・ブリーズ』じゃあーりませんか(笑)。
その割に、前半戦で極力ホラー味を抑えて、植民惑星の社会問題とか、労働問題とか、人種(アンドロイド)問題とか、バイオ産業の倫理問題とかに踏み込んで、ねちねちと社会派SFっぽいノリで通しているので、後半に『ドント・ブリーズ』っぽい「入っちゃいけない廃屋で冒険とかやったら大変なことになる伝統的な若者虐殺ホラー」が控えていることは、結構うまく隠蔽されている。
とはいえ、僕はかなり前半は退屈だったけど……。
後半に入っての彼らの「判断の間違いっぷり」は清々しいまでで(笑)、とにかく「行ってはいけない方に行き」「入ってはいけないところに入り」「やってはいけないことをやって」取り返しのつかないことになる、の無限ループに突入する。
ここに常に「肉親の情愛」「夢の追求」「仲間どうしの友愛」といった前向きな要素が絡んでくるのが本作のミソで、このあたりは偽ヒーロー映画(ヒーローが判断を間違い続ける映画)の傑作、フランク・タラボンの『ミスト』(07)を思わせる部分もある。
要するに、彼らは若く、理想に燃え、仲間を想い、ヒーローたらんとするがゆえに、逆説的に判断を間違い続けるのだ。
この対極として登場するのが、アンドロイドのアンディである。
― ― ― ―
本作においてもアンドロイドは、他のシリーズ諸作品同様に、きわめて重要な役割を果たしている。第一作のアンドロイドは、人のふりをしてクルーに紛れ込み、企業組織に従った活動に従事している悪役じみた設定だったが、その後、シリーズの紆余曲折を経て、今回のアンドロイド「アンディ」はむしろ複層的な役割を担っている。
まずは、「弟キャラ」「ポンコツ」「親父のおふる」「コミックリリーフ」「道化役」の属性を身にまとって登場。ヒロインのレインに庇護される立ち位置で、基本的に役に立たない。
他の連中からは、「無能」「中古」「廃棄前」として扱われ、「黒人型」「貧相」「低身長」の外見を揶揄される。彼は間違いなく「被差別者」であり「いじめられっこ」である。
ところが、中盤で必要に駆られてレインがアンディのモジュールを入れ替えたことで、アンディは大幅のバージョンアップを経験することに。その結果として彼は「リーダー」「ヒーロー」「冷徹」「高性能」「データバンク」「圧倒的身体能力」といった属性を身に着けることになる。
これはある種の「下剋上」であり、主客の逆転現象だ。
「なろう」でいうところの、まさに異世界チート現象である(笑)。
アンディのチート化は、感情と友情に判断を左右される「愚かな若者たち」の対極的存在として、情にほだされないで冷静に状況を分析して行動できる「サイコパス的指導者」像、あるいは「老成した年長者的なリーダー」像をアンディに付与せしめる。
さらには、上半身アンドロイドとの接触によって、「レインに尽くすことが第一義のアンドロイド」から、「企業の意志に従って大義のために行動するアンドロイド」へと動機付けに上書きが発生し、アンディのなかで複雑な何層もの属性が入り乱れて主張し合う状況に。
密室状況下のサヴァイヴァルで、アンディは結局どの属性を「選び取る」ことになるのかが、本作の一つのテーマとなってくるわけだ。
宇宙における、人とAIの対決もしくは協調を描いた作品といえば『2001年宇宙の旅』にとどめを刺すが、パンフ巻末のスペシャル・インタビューで、リドリー・スコットは『エイリアン』のアンドロイドの発想源が、『2001年』のHALであることを明かしている。
人を守るか、船を守るか。人員を優先するか、使命を優先するか。
究極の状況判断が迫られる際に、どうしても人とコンピュータでは、判断が異なって来る。
まさに本作のアンディは、HALの直面していたテーマの後継的存在なのだ。
― ― ― ―
もう一点、『エイリアン』らしい特性に関していえば、「生殖・繁殖」の要素と女性との絡みが挙げられるだろう。
エイリアンは、他のレジェンド・モンスターと比べても、性的なほのめかしが濃厚な存在である。まあ、ジェイソンやマイケルに女を殺させたうえにレイプまでさせたら、あまりに安きに流れ過ぎて上映できないって部分もあるだろうが(笑)、伝統的にアメリカの殺人鬼映画に性的な要素は希薄であるように思う。
少なくとも、ヴァンパイアは疑う余地なく性的な存在だが、あれは基本的には個の「誘惑」と「堕落」の物語であって、あまり生殖とは結び付かない気がする。
一方でエイリアンは、本来的に「仲間を増やす」ことが第一義の生命体である。彼らにとって人間は、殺すべき敵であると同時に、何よりも繁殖用の素材として重要だ。その意味でエイリアンには、日本のラノベ『ゴブリンスレイヤー』の「ゴブリン」や、数多の大人向けアニメに登場する「●獣」「触●」みたいなところがある。
フェイスハガーから延びる管は、明らかにディープスロートのメタファーであり、性交のアナロジーとなっている。ゼノモーフの口腔部の形状や、人体を取り込んでいる「巣」の外観にも、性的なほのめかしが容易に見て取れる。
エイリアンは自らの繁殖に際して、相手の男女の性別を問わないが、「そうではない有性生殖による進化」を常に念頭に置いている気配があって、最終的なターゲットとして受胎能力のある女性が狙われる傾向が強い。
だからこそ、『エイリアン』シリーズは、毎回、女性が主人公でなければならなかったといえる。
『エイリアン:ロムルス』でも、すでに妊娠しているケイが、エイリアンの重要なターゲットとされ、いろいろと酷い目に遇いまくったあげくに、例の「黒い液体」のせいで『ローズマリーの赤ちゃん』(68)のような恐ろしい経験をすることになる。一番最期のところにしても、あれってお乳を吸いにきてたんだよね……?
ちなみに、最後に産まれて来る「究極生命体」って、明らかに『進撃の巨人』のビジュアルイメージに影響受けてる気がするけど……ホントのところ、どうなんでしょうか(笑)。
― ― ―
今回のパンフレットは、徹底的にスタッフトークだけで固めた資料価値の高い内容で、読んでいてとても勉強になった。
「リドリー・スコット監督の『エイリアン』に対するフェデの愛はすさまじいですよ。あれほどまでにほかの監督の映画を愛している映画監督に、僕は出会ったことがありません」(トム・モラン、製作総指揮)
特に興味深かったのは、コンセプトとして本作が『エイリアン』の1と2の間に位置づけられる作品となるから、撮影方法やパペットの技術など、技術的側面まで80年代に「わざわざざ寄せて」撮っていたという話。可能な限りCGを使わず、実写で撮ることにこだわりを持っていたのみならず、衣装に関しても、「80年代に撮影された映画のようにしたい」との要望で、その時期の服をベースに作っていたらしい。
要するに、本作は「1980年代に夢見た未来」を再現するべく作られた映画だということだ。これまでにも、「この話はクロニクルの●作目と●作目の間にあたるエピソード」といった映画はたくさんあった気がするが、ここまでこだわって「作品の時代感」を踏襲しようとしたプロダクション・スタイルは珍しいのではないか。
結果として、それは俳優たちにもいい影響を与えたようだ。
「特に、CGがこれだけ少ないと、演技なんかしなくて済んじゃう部分が多いんですよ。実際にリアルな環境の中で、フェイスハガーがかぶりついてくるんで、そのまま反応すればいいんです。予算が潤沢なモンスター・ムービーでも、テニスボールやグリーン・スクリーンに向かってお芝居をすることが多いなか、あんなにいろんなものを実際に組み立ててもらえて本当に恵まれてました」(ケイト・スピーニー、主演)
本作から漂ってくる「本気度」の高さや、シリーズ作としての違和感の薄さは、こういう監督の異常な情熱とこだわりがあってこそのものだったのか、と改めて感服した次第。
原点
R.スコット監督作エイリアン公開1979年。時が経ち、2024年俊英フェデ.アルバレス監督が、再びエイリアンに挑む。
製作プロデューサーでスコットが支える。
面白い。
初作エイリアン、今観ても色褪せることのないSFホラーの今や古典的傑作。シリーズものとなるフランチャイズのオリジナル。
今作リブート的作品ではあるが、様々な描写をアップデートしながら、新たな高みに作品を押し上げている。
時間軸を1と2の間に設定、地球を離れた植民惑星で過酷な労働にあえぐ若者たち。未来はみえない。そんな状況からの脱出を目指し、廃棄となった宇宙ステーションを発見する。
しかしそこにいたものは宇宙最強生物、エイリアンだった…。
生か死か。脱出するか、抵抗して死ぬか。密閉空間の中、エイリアンとの追跡劇が改めて展開される。
物語はSFパニックホラーの定型ではあるが、恐くてしかし
面白い。ラストまで観客を飽きさせない。
1作目へのオマージュがそこここに描写されている。
全てを、CGやVFXに頼り切るところがないことにも好感を持てる。
名のある俳優は少なく、若者たちの恐怖と抵抗をたたみかけるスピードで魅せる。
そんな中、1作目のシガニーウィーバーを彷彿させる
ケイリースピーニーが印象深い。エイリアンとの絶望的な闘いと闘争をスクリーンに焼き付けている。彼女には
10月公開のシビルウォーも待機している。
今作を見て、改めてオリジナル初作のエイリアン、独創性斬新さを思う。
シナリオのダン.オバノン、エイリアンをデザインしたH.R.ギーガー、監督したスコット。まだ映画では新人時代。
ギーガーのデザインは生き続け、インパクト大だ。
今作、ラストの描写は賛否あるだろう。
物語に身を任せ、恐怖や驚きを感じながら観ていると時間があっという間に過ぎていた。
いくらでも作れそう
閉ざされた宇宙船での息詰まる閉塞感と恐怖
痛み苦しみの場面がエグすぎ
ヒトの生理的嫌悪感にこれでもかとハマりまくる描写は、あいかわらずの「エイリアン」でしたが。
死亡フラグたった人は確実にやられる
(順番も予想通り)
妊婦が出てきて、産まれるのはニンゲン外のもの
ヒロインに忠実なアンドロイド(時々…違ったり)
それと、強い女性の、母性の発揮
生き延びるのは女性
エイリアンはシガニー・ウィーバーの第一作から女性の映画だったわ
基本的にベタな作りで、想像通り。
オマージュと言えば聞こえは良いですが、既視感ありあり
あちこちからいろんなものを持ってきてツギハギして1本作った、大変省エネな映画だと思った。それでもホラーSFとしてヘビーで見応えあり。
1と2の間の話とのことだが、こんな感じなら何作でも作れそう。
でも私は「プロメテウス」の続き~完結編が観たいです。(できれば「コヴェナント」はなかったことにして)
レインが強くて愛らしいだけじゃなく、頭が切れて冷静で、なんてまあ好ましいヒロイン。
おばさん感情移入して、いつの間にか手に汗握ってがんばれがんばれと応援、彼女の絶対に諦めない強さと根性には感動だけど、凄すぎて「そんなあ」と笑ってしまった。
アンディ、ほんの少しだけいい仕事もしたが、アンドロイドのくせに生身の人間の「姉」レインの母性に守られて生き延びるって不甲斐なさすぎ。
ひたすら気持ち悪い「赤子」は、あんな短時間で大きくなりすぎ、そして造形に意外性がない。ハリー・ポッターに出演してませんでした?と聞きたくなった。
ケリーはさんざん痛く苦しい思いをして最後は自分の子に食われて気の毒すぎ。
不安が大きく残るラストがこのシリーズらしいが、「1」と同じにしたんですね。
どこで起きていることなのか位置関係がよく分からなかった。
ビジュアルは凄い。特に広がり迫るアステロイドが、見たことのない光景で見入ってしまった。また、重力のオンオフのアイデアが斬新で面白かった。
これまでの悪い流れを正す作品
字幕版を IMAX で鑑賞。エイリアンシリーズの最新作である。今までのシリーズ作へのリスペクトが強く感じられる良作で、リドリー・スコットが始めた「プロメテウス」以降の世界観に否定的なところに好感が持てた。
シリーズにおいてエイリアンの生態は完全には判明していないが、基本的には、以下の段階を経て成獣になると思われている。
1.フェイスハガーを内包したエッグが宇宙船内部に産み付けられて、他の動物が近づいてくるのを何十年でも待ち続ける。
2.エッグの変化に対象動物が気付いて覗き込むと、フェイスハガーがエッグから飛び出して、顔に取り憑いて口から胚を送り込み、剥がそうとすると犠牲者の首を絞めて脅迫して傷つけられると強酸の血液が周囲を溶かすので手が出せない。ただ、酸であれば、硫酸の1京倍と言われるフルオロ酸でもビクともしないテフロンで覆ってしまえば回避できるはずである。
3.やがて犠牲者の体内で胚が成長して、犠牲者の胸を食い破ってチェスト バスターが外界に出てくる。犠牲者は出血性ショックで死亡する
4.チェスト バスターは脱皮を繰り返しながら極めて速く成長して、最終形態ビッグチャップとなる。
5.エッグを作っている者の正体は誰かという点がシリーズによって異なっている。
5-1.この生物を考え出した脚本家のダン・オバノンによれば、ビッグチャップが捕まえた犠牲者の身体をエッグに変質させる無性生殖を行うという秀逸な設定になっていた。広い宇宙で生殖の相手となる個体を見つけるのは極めて困難であるため、無性生殖は極めて合理的であり、この生物の不気味さを爆上げしていたが、リドリー スコット監督が犠牲者がエッグに変質させられる途中の状態を撮影しておきながら、完成版からカットしたため、エッグの製作者は不明になってしまい、後続のシリーズ作で数々のヴァリエーションが誕生することとなってしまった。
5-2.シリーズ2作目の「エイリアン2」では夥しいエッグを産むための「エイリアン クイーン」が登場した。どこかで雄と交尾しなければエッグを埋めなくなることになった。また、クイーンのデザインにオリジナルのデザインを手がけたH. R. ギーガーは参加しておらず、ジェイムズ キャメロン監督らがデザインしたものである。
5-3.シリーズ3作目のエイリアンではH. R. ギーガーが復帰したが、エッグの製造者には触れられておらず、また、フェイスハガーが寄生する生物に依存してビッグチャップの形態が変化するという設定が加わった。DNA レベルで寄生が行われていることになる。
5-4.シリーズ4作目の「エイリアン4」では、クイーンが卵生を捨てて胎生に変化してしまい、夥しい子孫を残すことは不可能になっており、生物としての恐怖は軽度になった印象が拭えない。新種のビッグ チャップのデザインは神秘性も美的センスもない最悪なものだった。
5-5.エイリアン1作目より前の時代を描いた「プロメテウス」では、通称エンジニアと呼ばれる古代人が正体不明の黒い液体を飲んだらエイリアンが生まれたという話になっており、神秘性も何もない思いつきに呆れ果てた。折角ダン・オバノンが創造した魅力的な生き物が底の浅い話にされてしまったのは到底許せなかった。オバノンに遠く及ばないスコットの想像力は幼児並みだと思った。
5-6.プロメテウスの続編となる「エイリアン:コヴェナント」では、あろうことかアンドロイドのデイヴィッドがエイリアンのエッグを人工的に作ったということにされていて、神秘性も何も消し飛んでしまった。いまだにこのクソ作を受け入れることは到底できない。スコットはこれ以上シリーズの汚点を増やさずにさっさと手を引けと言いたくなった。初作の監督がシリーズをゴミ箱に放り投げたも同然で、許し難い暴挙だった。
今作はこれらのシリーズ作に半端ない敬意を払って作られていた。宇宙船の起動音から初作の再現を図っており、時代設定が 20 年しか違わないのだから妥当だと思われた。パルスライフルなどの武器は「2」との共通性を感じさせたが、「3」はあまりお気に召さなかったのか、引用と思われる部分は皆無だった。問題は、今回登場した新種である。形態は「4」の流れのようだが、ぐっとスマートになっている。顔は「プロメテウス」の古代人のものだった。
プロメテウス以降の話は触れられてもいないので、この監督も私の同志のように思われた。プロデューサーにスコットが名を連ねている状況で、この判断は勇気があると思った。
話はウェイランド ユタニの劣悪な鉱山のある惑星を舞台にして始まり、主人公らがノストロモ号型の宇宙船を盗んで逃亡しようとするところから極めて過酷な状況に陥っていく。シリーズに欠かせないアンドロイドは2体登場しており、壊れかけの方は初作のノストロモ号に搭載されていたアッシュと同じ顔をしていた。イアン・ホルムは 2020 年に亡くなっているので、完全に CG だと思われるが、非常に精巧に出来ていた。
仲間を見捨てられない人間と、生き残りたければ仲間だろうと見捨てるのが合理的だという話が交錯するのは見応えがあり、そう発言したアンドロイドさえも救おうとする人間の行動は、このシリーズに不可欠のものである。音楽は「ツイスター」と同じ人で、初作を担当したジェリー・ゴールドスミスを彷彿とさせる見事な曲を書いていた。
監督はホラー作品で売り出した人のようで、演出上のツボを外していないのは流石だった。個人的に残念に思うのは、エッグが出て来なかったことと、チェストバスターの扱いが軽度だったことと、新種のデザインが全く気に入らなかったことである。この作品が初作の次に公開されていたらただの二番煎じと軽視されていただろうが、これまでの流れの後で出すことには大きな意味があると思った。
(映像5+脚本4+役者4+音楽5+演出4)= 88 点
リドリー・スコットも焼きが回ったな。。。
ツッコミどころ満載の2時間10分のつまらない映画。
20世紀フォックスのオープニング曲のアレンジも意味がわからない。
放棄されたユタニ社の宇宙船に忍び込み、冷凍休眠装置を盗み出してからユヴァーガ星へ脱走する話しのアンチョコさ。
単細胞で気短な従弟ビヨン、妊婦なのにバカな妹レイ(アメリカ映画にはよく出てくるバカ女)。ストーリーの中で赤ちゃんの父親を明かしている。
貨物用宇宙船はユタニ社の宇宙船にぶつかって被害を受けているはずなのに脱出に使う。
第1作でアッシュ役だったイアン・ホルムのプラクティカルエフェクトとCG、ディープフェイクAIの技術を組み合わせて作成された合成人間「ルーク」。(オマージュ?)
エイリアン(ゼノモーフ)はそもそも何十年も捕食しないで卵を産み続けてこれたのか?
監督:フェデ・アルバレス(ウルグアイ出身)
制作:リドリー・スコット
リドリー・スコットが制作に加わっているのに不作の映画。
面白かったエイリアンシリーズも本作で終わりにして欲しい。
全588件中、241~260件目を表示