「送りバント」エイリアン ロムルス Mさんの映画レビュー(感想・評価)
送りバント
エイリアンシリーズは、「2」でキャメロンがアクション映画に舵を切るという切り札を早々に切ってしまった為、スラッシャー映画でいうところの殺人鬼とファイナルガールが両方存続するいう奇妙で魅力的なシリーズになったが、それが諸刃の剣となり「4」で一旦終了してしまった。(殺しても死なないファイナルガールをどうすればいいの?)
その後紆余曲折あって本作に至るのだが、現状エイリアンシリーズは打つ手を打ち尽くして死に体にあると思うのだが、だからこそ本作に求められていたのは、閉塞感を打破する一発逆転のホームランではなかったのか?
しかし、実際に出来上がった本作は手堅い送りバント映画になっていた。(そんなジャンルはないが)
本作を簡単に説明するとエイリアンオタクが考えた二次創作であり、だからこそ上手くいっているのだが、余計な事をせずエイリアン映画のツボをテンポよく押さえにくるので、観ているうちに、まあこれはこれで良いんじゃないと思ってくる。ラスト15分前までは
ラスト15分に登場する新種のエイリアンのデザインが今まで積み上げてきたものを無に還す、誰得な?デザインになっている。
「4」のオマージュ?、エイリアン映画=レイプ映画の論理?理由はどうあれ酷すぎた。
送りバント映画なんだから、最後までバントに徹してくれよ。最後に色気出してバット振ってピッチャー前ゴロ、馬鹿じゃないの?
監督フェデ・アルバレスは過大評価のホラー映画「ドント・ブリーズ」一躍世に出たが、フェデ・アルバレスごときに期待したお前が悪いと言われればそれまでだが、予告メチャクチャ面白そうだったじゃん。
ラスト15分に目を瞑れば十分料金分の価値はあり、送りバントでもいいから本作位のクオリティのエイリアン映画を数年に一回は観てみたいかな。あと主演のケイリー・スピーニーが良かった。
本作を観終えて改め思うのは、原点回帰すべきは「1」ではなく「2」なんだよなって事、まあリドリー・スコットの目の黒いうちはないとは思うけど。