「まだまだ掘られるエイリアン」エイリアン ロムルス MAKOさんの映画レビュー(感想・評価)
まだまだ掘られるエイリアン
自分はSFというジャンルは好きだがその王道たる「スター・ウォーズ」があまり好きではない。なんだかんだ観てはいるんだが。
そんな自分にとって「エイリアン」はツボだった。
美しい映像、白と黒の対比、ショックシーンとちょっぴりのお色気。
未だに1作目のファンは多いと思うし個人的にはシリーズ全て傑作だと思う。ウーピー・ゴールドバーグが出て来るのを除いて。
そして本作は1作目と2作目の間のアナザーストーリーに当たるらしい。
今更そんな映画作る必要有ったかとは思う。リドリー・スコットが製作に参加しているが、だったらそれより「プロメテウス」シリーズをきっちり終わらせてくれよと思う。しかし何故か評価がいまいちな「プロメテウス」シリーズの次を作るには、本作をヒットさせてエイリアン熱を再燃させるという役割がこの映画に与えられたのではないかな。勝手な想像だが。
今となってはレトロフューチャーな宇宙船内のセットが自分は大好きだし、そこを再現して更にあのキャラクターを再登場させたのも嬉しい驚きだった。
登場人物を若者に絞ってそこに現代の問題を違和感無く絡めた脚本も良く出来てると感じた。
が、オマージュと言えば聞こえはいいが良くも悪くも1作目の焼き直し感が強く、今更フェイスハガーに襲われてワチャワチャするシーンは、『もういいよソコ』と感じてしまったし、クライマックスは、『またソレ?』と思えたのも事実だ。
同じ感想を持った人、多いんじゃないかなぁ。
「プロメテウス」では "人間とは " が大きなテーマだったが本作では "人間性とは "がもう1つのテーマになっている。
だが人間性とは本作で描かれている非合理性だけではない。弱さも優しさも、狡さや悪さも全て人間性なのだ。そこを踏まえて発展してきたんじゃないのか。
なんてことを観終わってふと考えてしまった本作。
なんだか支離滅裂なレビューになってしまったが、1本のSFホラーとしてなら充分に良作。そこは「ドント・ブリーズ」のフェデ・アルバレス監督ですからね。外しませんわ。
シリーズ未見の方にこそ
オススメ。
蛇足
もしサム・ライミがプロデューサーだったらどうなっただろう?
サム・ライミ製作総指揮の「エイリアン」外伝。観たくない?