「エイリアンの宿命」エイリアン ロムルス La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
エイリアンの宿命
余りに出来過ぎた第一作の後、続編が出来る度にどんどんつまらなくなったりマンネリになるという宿命を『エイリアン』も逃れる事は出来ず、第一作の御大リドリー・スコットが復帰しても何だか勿体ぶった一部ファンの為だけの作品になってしまいました。だから、前作『コヴェナント』を観た段階で僕はもうエイリアンにはさようならをしたつもりでした。
しかし、本作の予告編にはそそる物を感じ、恐る恐る映画館に向かいました。
ふむ、久しぶりに「怖いエイリアン」が帰って来ました。『ドント・ブリーズ』のフェデ・アルバレス監督らしく、観客のビビらせ方も心得ています。
ただ、本作のエイリアンは「怖い」というより「気色悪い」が先に立っている気がしました。第一作では、あの粘液の「気色悪さ」は飽くまでも「怖さ」を演出する導入に過ぎなかったので、そこがちょっと残念。
そして、これは仕方ないのですが、「宇宙船の閉鎖空間でエイリアンと相対する」という設定である以上は、第一作と類似に成らざるを得ず、それを超える事が出来ないというのもまた哀しい宿命でした。特に僕は、エイリアンが沢山出て来るという設定には大反対で、第一作では、リプリーがたった一人で一匹のエイリアンと闘ったからこそあそこまで緊張感が研ぎ澄まされたのだと思います。それに対し、エイリアンが次々出て来ると言う事は「エイリアンが不死身になった」と同義であり、「目の前のエイリアンを殺しても無駄」となり主人公の大きな選択肢の一つが削られてしまうのです。
とか何とか言いながら、本作で若いファンを獲得する事が出来ればまだシリーズは続くのかな。
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