劇場公開日 2024年9月6日

「これはエイリアン映画の幕の内弁当や~。(彦摩呂さんの口調で)」エイリアン ロムルス レントさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5これはエイリアン映画の幕の内弁当や~。(彦摩呂さんの口調で)

2024年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

興奮

エイリアンシリーズ一作目からプロメテウスまで、とにかく入れるだけぶっ込んでみましたみたいな、いろんなおかずが入った楽しい幕の内弁当のような作品。

原点回帰を目指したのか、ノストロモ号の残骸が浮かぶ宇宙空間で回収したのが一作目でリプリーがエアロックから宇宙に放り出した、まさに映画史上最初のエイリアン個体。クマムシ顔負けの生存能力で、全身を繭で覆い生き延びていたのでした。そしてシリーズ通して鬼畜ぶりを発揮して来たウエイランド・ユタニ社がまたまた登場。ご丁寧にイアン・ホルム演じるアッシュ型アンドロイドまでCG技術で復活。これで役者はすべて揃った。
さあ、いつものようにエイリアン映画の始まり始まり、というようにこのお弁当、やはり何ら変わらぬいつもお馴染みのお味なのでした。

思えば一作目は映画史に残るSFゴシックホラーの傑作で世界をトラウマ級の恐怖に陥れ、それに続いて二作目はこれまた映画史に残るSFアクション映画の傑作。その後シリーズは様々な監督にたらいまわしにされてマンネリ化が進み、エイリアンの当初の恐怖もどこへやら。本家本元のリドリー・スコットによる仕切り直しで新シリーズが作られたがこれまたなんとも微妙な出来でシリーズは完全にとん挫した。
とにかく新鮮な血を入れないとマンネリ打破は見込めないとばかりに今回白羽の矢が当たったのがドントブリーズのフェデ・アルバレス。
しかし今回出来上がったのは逆にマンネリ打破ではない、むしろそれを逆手に取り今までのパターンを踏襲すればいいんだと言わんばかりのお約束的な展開を見せてくれた。
まあ、エイリアンの新作が出れば必ず劇場に足を運ぶ自分にしてみればこれはこれでいいんだ、いつものエイリアン映画で、と納得。斬新なことをやろうとして失敗したリドリーの新シリーズよりは良かったかも。あっちはあっちで続編あれば見たいけど。

無重力に浮かぶエイリアンの酸の血液が生き物のように襲い掛かるシーンなんて「ブロブ」みたいで面白いし、無重力ごっこもなかなか楽しめた。何日かしたら忘れるような内容だけどね。

おまけ エイリアン映画の作り方

まず登場人物の誰かがフェイスハガーに幼虫を植え付けられる、チェストバスターが胸を食い破り成虫に成長したエイリアンが一人ずつ人間を殺してゆく。最後は必ず女性が生き残ります。その女性にエイリアンは宇宙に放り出される。その生き残った女性は航海士でもないのに航海日誌を最後につけて終わりです。これを基本にたまに人間とエイリアンの融合個体なんかを出すなどの応用を利かせてアレンジします。後は大さじ一杯の醬油、みりん、料理酒で味を調えれば、あら不思議、誰でも簡単エイリアン弁当の完成です。作品に箔をつけるためにタイトルにはコヴェナントとかロムルスのような検索しないとわからないような副題をつければ完璧です。一度お試しあれ。

追記
ちなみに今回冒頭で回収されたのが一作目の個体だけど、どうやって繫殖させたんだろ。エイリアン2のクィーンエイリアンならわかるけど。

レント