「犬と共に北を目指すロードムービー、ちょっと長いけど犬好きにはどう映るのだろうか?」チャーリー Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
犬と共に北を目指すロードムービー、ちょっと長いけど犬好きにはどう映るのだろうか?
2024.7.4 字幕 MOVIX京都
2022年のインド映画(164分、G)
悪質ブリーダーの元を逃げ出したラブラドールの野良犬と関わることになった地元の嫌われ者を描いた動物映画
監督&脚本はキランラージ・K
原題の『777 Charlie』は、野良犬の登録番号と名前を意味する言葉
物語の舞台は、インド南部のチンマヤ団地
そこには、なんでも一人でこなし、余計なことをしない堅物のダルマ(ラクシット・シエッティ)という男が住んでいた
彼は、他人と交流を持たず、神様も信じない男で、唯一の心の拠り所がチャーリー・チャップリンの映画を観ることだった
ある日、彼の住む団地に一匹のラブラドールの野良犬がやってきた
犬は悪質なブリーダー(Abhijit Mahesh)によって近親配合されたメスで、ダルマの住む近くのゴミ箱を漁り始めていた
ダルマは近所のイドゥーリ屋で食事を買うのだが、そこの店員(Bhargavi Narayan)は注文が2つなのに、いつも1つおまけをしてくれていた
彼はそういった施しを極端に嫌い、いつもその1枚を捨てていて、犬はそれを食べて飢えを凌ぐことになった
犬は餌を与えてもらっていると感じ、それからダルマにまとわりつくようになった
そんなある日、団地住人のヴィッキー(Dhabraj Shivkmar)が犬をバイクで轢いてしまう
彼らは犬を無視し、居た堪れなくなったダルマは、獣医アシュウィン(ラージ・B・シェッティ)の元へ送り届ける
何度も「飼い主ではない」と告げるものの、アシュウィンは「次の飼い主が現れるまで預かってくれ」と押し切ってくるのである
ダルマが犬を飼っていることはやがてバレ始め、中でも少女アドリカ(Sharvari)は犬と親しくなっていく
だが、団地はペット禁止になっていて、さらにダルマが犬を虐待しているのではないかとの通報を受けて、動物愛護団体が調査にくることになった
団体職員のデーヴィカ(サンギータ・シュリンゲーリ)は不審に思い、犬に発信機をつけて彼らを追うことになった
ダルマは犬を登録する際に名前を決めかねていたが、犬がチャーリー・チャップリンの壁細工を壊したことをきっかけに、犬をチャーリーと呼ぶことに決めた
体調を崩したことで、アシュウィンの元を再度訪れることになるのだが、彼は悪質なブリーダーが近親相姦をさせて犬を生産している現状を説明し、そう言った環境で育った犬は寿命が短いという
そこでダルマはチャーリーに何かしてやれないかと思い、彼女が雪に興味を持っていたことを思い出して、雪山へと向かおうと考えるのである
映画は、インド南部からカシミールに向けて移動するロードムービーになっていて、それを虐待の延長線上だと誤解するデーヴィカが追う流れを汲んでいる
そんな中で、今時な感じで新聞記事になったり、地元民や自然災害で出動している軍隊の助けを借りて、北へと向かっていく様子が描かれていく
物語の終着点はほぼ予想できるものだが、それでも感動できるところに普遍的なものがあるのかな、と感じた
いずれにせよ、約3時間あって、着地点が見えているので、思った以上に体感は長い
インターバルの文字が出て、あと半分あるの?という感じになるのだが、もう少し上手くまとめても良いような気がする
後半ではドッグショーに参加することになるのだが、チケットを見て参加証か入場券かがわからなかったのはタミル語だったからと理解するしかない
この一連のシーンは結構なあざとさがあるのだが、映画的な盛り上がりのシーンにもなっているので欠かせない存在なのかもしれません
オルゴールがなぜか「ラピュタ」だったが、「フランダースの犬」だったら観客全員が号泣していたのかな、と感じた