「臨場感を味わうなら4DX! 後半のとあるシーンで席を立ってはいけませんよ〜」ツイスターズ Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
臨場感を味わうなら4DX! 後半のとあるシーンで席を立ってはいけませんよ〜
2024.8.1 字幕 T・JOY京都
2024年のアメリカ映画(122分、G)
竜巻研究を断念した気象学者を描く自然災害パニックムービー
監督はリー・アイザック・チョン
脚本はマーク・L・スミス
物語の舞台は、アメリカのオクラホマ州
そこには竜巻ベルトと呼ばれる多発地帯があり、大学生のケイト(デイジー・エドガー=ジョンズ)は学位を取るために竜巻のデータ観測を行なっていた
だが、竜巻の威力を見誤ったために、恋人のジェブ(ダリル・マコーマック)、幼馴染のアディ(キーナン・シプカ)、友人のプラビーン(ニック・ドダーニ)を失ってしまう
唯一、データ受信で別の場所にいたハビ(アンソニー・ラモス)は無事だったが、それ以来、会うことを避けていた
その後、大学を卒業したケイトは、国立気象局に就職し、アメリカ全土への警報発令などの業務に就いていて、彼女の竜巻の予測は的確なものとして信頼されていた
ある日、彼女の元に旧友ハビがやってくる
彼は「Storm PAR」という会社を立ち上げ、竜巻の観測データを出資者たちに売り込んで資金援助をしてもらっていた
出資者の1人リッグス(デヴィッド・バーン)は、被災者たちに寄り添う形で土地売買を持ちかけて、再起のための資金を提供していた
ハビの願いを聞き入れたケイトは、1週間限定ということで、ハビのチームに参加することになった
ハビにはMIT卒の相棒スコット(デビッド・コレンスウェット)がいて、今は彼の分析を基に竜巻を追っていた
彼らは竜巻の周囲3ヶ所にパネルを置いて、3D技術にて竜巻の様子を観察しようと考えていた
だが、竜巻がいつ発生し、どのように成長して消滅するかは誰にもわからない
そこで、経験豊富で勘の鋭いケイトが呼ばれたのである
現地には、竜巻の様子を配信してグッズを売り捌いている「竜巻カウボーイ」や、彼らの熱心なファン「ストームチェイサー」たちも訪れていた
そして、Storm PARの活動と同じように竜巻を追いかけるのだが、その行動は危険極まりなかった
そんな中、ケイトは持ち前の直感と分析力を駆使して竜巻の出現と進路を予測するものの、大学時代の恐怖から逃げてしまう
さらにStorm PARが営利目的でデータを取っていることに疑問を感じ始めていた
そして、それまではただの迷惑行為の象徴のような竜巻カウボーイが、被災者支援に従事し、人助けに尽力していたことを知る
ケイトはその行動に感銘を受け、竜巻カウボーイのリーダーであるタイラー(グレン・パウエル)と行動を共にしていくのである
映画は、かなり昔に公開された『ツイスター』の続編だが、劇中に登場する「ドロシー」ぐらいしか繋がりがない
時代が変わり、技術が進歩した中で竜巻に向かう様子が描かれ、気象学もその間に随分と進歩している
理論的には可能なところまで来ているが、竜巻に特攻してという行動の部分に安全性が全くないので実行されない
いっそのこと、莫大な費用がかかると思うが、ジェット機に物質を積んで、竜巻のはるか上空から投下するしかないように思える
竜巻の発生条件などが理論化されても、発生してから被害が出るまでに猶予がほとんどないのが現状で、竜巻発生のメカニズムが解明されたら、その発生過程に至らない環境を作り出すしかないように思えた
いずれにせよ、迫力満点の作品で、4DX向けの内容になっていた
後半に映画館に逃げ込むシーンがあるのだが、このシーンは4DXのみが体感できる恐怖のように思える
2Dの通常スクリーンでもヤバさを感じるので、これが風やミストが吹き荒れる4DXで観たら、ヤバさ倍増というレベルではないだろう
なので、アトラクションムービーとして楽しむなら「4DX一択」であると思った