ナミビアの砂漠のレビュー・感想・評価
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支配と服従。
不動産屋で働く彼氏ホンダと浮気相手の彼ハヤシと脱毛サロンで働き人との会話は上っ面なカナの話。
女友達に会ってくると言っては浮気中なカナと、仕事の出張で札幌すすきのに行くが…上司の誘いを断れず風俗に行ってしまった事を神妙な面持ちで暴ってしまった事で、それを都合のいい理由にしホンダと生活してる家から出て、浮気相手ハヤシとの同棲生活が始まるが…。
付き合い始め、同棲前は互いに気を使い、自分の嫌なところは見せなかったりするけれど、月日が経つうち見えてくるカナの荒くれぶり、男に服従させる感じ、言ったことは絶対、私が一番的な感じと見せるけど、何かこういう人っているよねって感じで鑑賞。
本作期待して楽しみにしてたんだけれど、カナの日常、男達とのやりとりをダラダラ見せられ約140分。あのダラダラでなければ120分以内で収まったのではと思ってしまった。タイトルの「ナミビアの砂漠」と本作って何かリンクしてるのかな。
あと若さ故に付き合う人の本質を見抜けずノリや顔で選らんでしまう若い時って感じも含めで。カナ演じた主演の河合優実さんは相変わらず良かった!サプライズなアレはありがとう!
パラレルワールドにいるもう一人の河合優実さんを追いかけたドキュメントみたい
河合優実さんの、体を張った演技と、場面場面で見せる異なる表情は、今回もすごいです。危なっかしい状況なのに、それでもバランスを保っているような人を演じるのが、本当に上手だと思います。
彼女の演技を最初に観たのは、「愛なのに」の、古本屋のおじさんに恋する高校生役でした。ずっと不思議ちゃんだったけど、最後に安堵したように、ニッコリする表情が良かったです。今回も、散々、荒れ狂った挙句の最後の場面で見せる、すべてを受け止めたかような優しい表情が最高でした。
作品自体は、難しいけれど、印象としては、監督さんがイメージする、パラレルワールドにいる、もう一人の河合優実さんを追いかけたドキュメントを見ているような感じでした。
この映画の中の主人公は、多分、ご本人とは似ても似つかぬ性格なんだろうけれど、それでも、もしかしたら、もう一つの世界には、こんなふうに人生を歩んでいる河合優実さんもいるのかもねって思いながら、鑑賞していました。
ティンプトン!
ナミビアの比喩の是非?
若さ故の
若さ故の矛盾の輝き、それは何を変えるのか。
よくあるテーマだけど金にならないから映画にしないw
特に響くものは見つけられなかった。
むかし散々見たATG映画の傾向だなと…w
他の俳優も河合優実も良いんだけど、
なんだか小綺麗すぎて…不細工を持って来いよと強く想ったw
あとカメラワークがあざとすぎて嫌悪を感じた。
キーワード的なセリフが多々あった、適当に言葉を鏤めるだけなら誰にでもできる…。言葉を意味を繋ぎ合わせ、それを分かり易く映像化するのが、映画監督だが、まだ、そこまでには達していない幼稚さ。
ま、これからの監督で応援はしたいが、今後、多分進んでは観ないだろうかな…。
あ、何かに似てると思ってたら「痴人の愛(1967)」だわ。そういうことかw
乾いた砂漠を生きるのに水の補給は不可欠だ
東京・町田在住21歳、脱毛エステ店員、二人の恋人、(女性から男性への)DV、双極性障害の主人公カナ(河合優実)。母親は中国出身。遠い実家には帰れない。
正方形に近いスタンダードサイズの狭い画面が、情報量を削ぎ落とし鑑賞者の視線をカナに集中させる。冒頭のズームアップ。その後も、意図的なズームアップが何度かあり、カナの心情を訴える。
『映画なんか観て何になるんだよ』、と問いかけられる。鋭利なセリフが幾度と発せられ、相手を突き刺す。その中でも特に『-、死刑じゃん!!!死ね!!!』は強烈だ。さらに、『日本は少子化と貧困で終わるので、今後の目標は生存です』、こんなセリフ少し前なら悪い冗談に聞こえるが、現実感が漂う。カナが生まれた2003年は出生数112万人、2024年は予想69万人。隣人(唐田えりか)のセリフ『どうせ子供も産まないし』の通りだ。
カナ(河合優実)がトイレで排泄している最中に、ハヤシ(金子大地)が上から跨り排泄をする。恋人二人の幸せの絶頂が、排泄で描かれる名シーンになっている。
延々と通っても効果がないエステ脱毛を痛烈に批判する。これは監督の実体験だそうだ。
カナは冷酷だ。ハヤシには、孕ませたくせに中絶させたと異常な怒りをぶつける一方で、ホンダには中絶したと嘘をつき追い払う。
最後のシーン、画面の中央にあるブルドックソースとトマトケチャップは何を示唆するのか。元彼ホンダが作ってくれた冷凍ハンバーグを食べる二人。ティンプトン、ティンプトン。そして、部屋の配置が左右に全部入れ替わってる!?(これは勘違いかなと思ったら、bunkamura.co.jpの記事で意図的にした旨が言及されてました。)
序盤の会話「ノーパンしゃぶしゃぶ」は、"何もないナミブ砂漠"、"人工的な水飲み場"、"集う野生の動物"の隠喩だろうか。
アイリスオーヤマの2L水が何度も登場する。乾いた砂漠を生きるのに水の補給は不可欠だ。ネット通販で最安値の水だから私もよく飲む(笑)。
山中監督の才能と河合優実の演技力が炸裂した最高傑作。
映画パンフレット(1,000円)に、批評家3人の長文レビューが載っている。難解なこの映画の理解を助けてくれる。
日常だけど独特な世界観にズルズルと引き込まれていく
河合優実好きとして、着目していた作品、ジャパンプレミアで鑑賞。
予告や、取っている賞からも、独特な世界感なんだろうな、とおもっていたが、想像の上を行く独特性。
そこに河合優実の名演が混ざり、終始ニヤニヤしながら観ていた。
決してわかりにくい映画ではなく、個性的なキャラクターの意外な行動に、理解できる、できないと考えながら観るのが楽しい。
2時間あまり、正直長いと感じていた。ただ、退屈なわけでも、すごい夢中になるというわけでもないが、目が離せなかった。
身近にありそうでないような世界に触れたとき、いつのまにかズルズルと引き込まれていく感覚。
新しい体験をさせてもらった。
俳優陣はみなとてもよかった。
河合優実は、喋っても喋らなくても、カナそのものになっていて、生態を理解するために全ての行動に目がいった。
彼氏役、林の金子大地は…理解できない。笑 けど逆に気になるような演技であった。
そして、もう一人好きな、唐田えりか。ミステリアスな役柄がピッタリで少しの時間ながら印象的な役柄でさらに好きになった。
独特な世界観の象徴がカメラ。手持ちでの撮影がとても味が出ている。スタンダードサイズの作品はいい作品が多いね。
大画面で見るのもよいが、公開されたら、ミニシアターとかで、しっぽりまた観てみたい。
選べる時代は迷いも多いよね。
色んな物に割と簡単に流されていくカナの言動に共感はできないまでも、とにかく他人と自分を比較しがちな年齢、私も自分以外の誰かになれたらいいのになと思ってたことを思い出す。
自分の頭で考えることをしない人ばかりと辛辣に話す割に、カナ自身は流れに身を任せている矛盾も若さゆえという感じも。
心の中は誰しも自由はその通りだなと思う。
選択肢が多いほど生き方を迷う今だからこそ、共感も多いのではないだろうか。
ポスターが指紋みたいな波紋みたいなのが地模様に入ってて、どっちかしらと目を凝らしてたんだけど、多分指紋だわ。
なんで指紋なのか気になる!
監督さん若さ溢れる感性豊かな方で、表現も面白くてオシャレなお姉さんでした。
客観的に自分を眺める、をこんな風に描くのかとちょっと感動。喧嘩もマンネリ化したら客観的にみられるようになるかな、と思って喧嘩シーンを作ったというようなことを仰ってましたが、ちょっとした発言がなんかとても新鮮で面白かったです。
そんなふうに思ったことなかったな、の連続だったかな。
今後のご活躍も楽しみです。
面白かった!
今そこにいる若者達
肉食化する女と飼い慣らされた男たち
注目の若手女優河合優実ちゃん演じるカナは、『わたしは最悪。』のユリヤ、もしくは『お嬢ちゃん』のみのりにとてもよく似ているキャラクターだ。弱冠27歳の女流監督山中瑶子が影響を受けた映画監督として、なぜか中国人ロウ・イエの名前をあげていたが、ヨアキム・トリアーや二宮隆太郎の作品にふれなかったのには何か理由があるのだろうか。さらにいうならば、映画中盤のタイトル表示などは、おそらく濱口竜介のパクりだろう(“こわれゆく女”はカサヴェデスか)。高く評価されたデビュー作品『あみこ』は未見なのだが、未だスタイルが確立されていない山中の作風は(柔軟といえば聞こえはいいが)河合優実ちゃんの体幹同様フニャフニャだ。
『わたしは最悪。』は、欲しいものかなんでも手に入るようになったノルウェーの首都オスロで、選択肢の多さに逆に生き苦しさを覚える北欧女子ユリアの葛藤が描かれていた。『お嬢ちゃん』のみのりは、ナンパ男に見きりをつけ自立した生活を送ることを決心した湘南のマイルドヤンキーだ。では、世話焼き男のホンダ(寛一郎)からほったらかしの脱サラライターハヤシ(金子大地)へと男をうまくのり換えたカナは、何に対してこんなに怒っていたのだろう?それがどうも伝わってこないのである。
自殺話をする昔の友人にホストクラブ、失礼きわまりない風俗嬢スカウト、インチキエステ脱毛の退屈なお仕事、カナに尽くしたはてに捨てられる炊事洗濯男ホンダ、ホンダと別れる前から身体のつき合いがあったハヤシ...そのどれもが21歳の令和女子カナを精神的に満足させることはできなかったのである。それは何となくわかるのだが、結局のところ、少子高齢化の影響でお先真っ暗な日本の将来を悲観して(生存本能に目覚めた肉食系女子というよりも)厨二病におかされたかまってちゃん、にしか見えないのである。
剃っても剃っても女性のデリケートラインに生えてくる無駄毛が、遠いナミビアの地にある不毛の砂漠地帯と何かしら関係があるのかと思いきや....エンドロールでは、ナミビアとおぼしき砂漠に作られた人工池に水を求めにやって来た3頭のオリックス(多分♂)を写し出す。「思っていることとやってることが違う人が、街にいるって怖くないですか?」精神を病んだカナが精神科医に打ち明けたこの不安は、本能に従って男を求めただけなのになぜ病気扱いされなきゃならんのか、という単純命題に行き着くのだろうか。
ホンダやハヤシといった世間に飼い慣らされた草食男子には本心をさとられたくないと攻撃的な態度に出るカナだが、なぜか精神科医やお隣のお姉さん(唐田えりか)、ナミビアの砂漠に生きる動物たちとはうまくコミュケーションがとれる気がするのである。「それはねカナちゃん、単に男に捨てられたくないって女の防衛本能が働いているだけですよ」って教えてあげたいところだが、面倒くさそうな令和女子に声掛けする男など、バカ◯んこ目当てのキャバ嬢スカウトぐらいのものだろう。物質文明に汚染されていない自然物など、もうこの世界にはほとんど存在しないだから。
※もしかしたらこの映画、周囲の操り人形と化して右も左もわからないまま“才能ある若手映画監督”に仕立てあげられた、監督山中瑶子の苦悩が描かれているのではないでしょうか。映画ゴロの言われるがまま無気力に生きてきた山中=カナが、「(あんたたちじゃなく監督である)わたしが決める」とぶちギレたい気持ちを素直に表現した作品なのではないでしょうか。でもね監督、近くにいて何かとご高論をウザくのたまわってくる日本の映画関係者(ホンダやハヤシ)と違って、(日本語を理解しない)遠く離れた海外メディア(唐田えりか)の方が自分の作品を「わかる、わかる」って言ってくれる、なんて勘違いしてはいけませんよ。あいつら、巨匠カブレの気がある山中監督のことを利用しようとしているだけですから。うかうかしていると河瀨直美みたいに誰も見ない映画を撮る監督で終わっちゃいますから、お用心を。
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