シビル・ウォー アメリカ最後の日のレビュー・感想・評価
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ある意味、オブラートに包んだ情緒的な作品。
予想よりも、かなり情緒的な描きかたではある。やはり、はっきりとは描きにくい題材なのかもしれない。
各州の州知事が出てくるのかと思いきや、そのあたりは説明のみで、大統領のインタビューを敢行しようとするメンバーの置かれる劇的な状況がロードムービー的に描かれていく。
少し物足りない感もあり、期待とは違う印象もある。
何かを意図して作られた可能性もあるのではないかと、勘ぐってしまうほど、大統領選の動向によっては、あり得ない話ではなくなっていると感じる。
民主主義は多数決で物事が決する。その結果を不正な手段や、暗殺や、戦争で変えようとするときが、シビル・ウォーの始まりかもしれない。
いくら嫌いな人間が大統領になったとしても、そこに多数の民意があるのであれば、その事実を受け入れて、平和的な手段で乗りきってほしいと思う。
評価は割れると思うけど、私は高評価。
とにかく、映画館では何度も、周囲の人が吃驚しているのを感じられるほどに、怖さを体感できるアミューズメント的な映画ではあったと思う。
そんな風に銃撃シーンを楽しんで見ている人なんて私くらいのものかもしれないけれど、ホラー映画が怖さを楽しむ映画であるように、この映画もその衝撃シーンを楽しむ映画としては最高だったかもしれない。
いや、そこが結局映画館で金払って、観る理由でもあるんですよ。死体がいくら出てこようと、衝撃的な殺戮シーンがいっぱいあろうとも、それらは作り物なのだから。
だから、どれだけ問題作だと言われていても、映画はアミューズメントでないと困る。
その意味で、本作は十分楽しめたので秀作だと思いました。特に、やはり映画館の音響でないと、この映画のアミューズメント性は半減すると思えるほどに、音は凄かったです。多分、音に関してはかなり入念に作られていたと思います。
ただ、ストーリーに難を感じてしまうようなタイプの人だと、この映画は全然面白くないかもしれません。例えば、大統領選の年に公開されていることを意識するような人で、かつ、トランプが好きな人だと、リベラル・民主党のプロパガンダ映画にさえ見えるんじゃないでしょうか? カリフォルニア州とテキサス州の連合軍っていう設定がかなりあざといわけですし。FBIを解体してたり、実際の憲法に合致してない三期目の大統領だなんて、トランプそのものなわけですしね。
しかし、この映画にはストーリーらしいストーリーは特にないのです。いや、作り手のアレックス・ガーランド監督には何か言いたいことはあるのでしょうけれど、そんなの無視して良いと思います。とにかくこの映画は、怖さを存分にアミューズメント感覚で楽しむ映画なのです。
それにしても、あの傑作ドラマ『ブレイキング・バッド』に出演以来売れっ子となった、マット・デイモンをブサイクにしたとよく言われる、ジェシー・プレモンスはサイコパス的な役をさせたら素晴らしい怖さと気持ち悪さを発揮しますね。
秀作です。
追記:そのジェシー・プレモンスと、ジャーナリスト役をやってたキルスティン・ダンストさんは夫婦だそうで。
プロットは刺激的ですが、合衆国が国内戦争に至った事情が皆目わからず、リアルな戦闘場面が宙に浮いてしまっている問題があります。
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、アレックス・ガーランド脚本・監督によるアメリカ合衆国・イギリスの合作映画で「A24」の製作・配給によります。
19の州が合衆国から離脱しテキサス州とカリフォルニア州からなる「西部勢力」と連邦政府による内戦が勃発した近未来の米国を舞台に、ニューヨークから首都ワシントンD.C.へと向かう4人のジャーナリストたちを主人公に圧倒的没入感で描いたアクションスリラー作品です。
米国の分断についてはもはや当たり前のように語られ、大統領選を控え、両陣営が激しく批判し合っているのを見ても、さもありなんという感じですが、そんなふうに麻痺しかかった頭を、本作は激しく覚醒させることでしょう。
タイトル通り、テーマは内戦ですが、比喩ではありません。南北戦争以来ともいえる、米国本土を戦場にした戦争が描かれるのです。
●ストーリー
強権を振りかざす(憲法で禁じられているはずの3期目を務める、FBIを解散させるなど)大統領に反発した19の州が分離独立を表明し、内戦に発展した近未来のアメリカ合衆国。テキサス・カリフォルニアを中心とした「西部勢力(WF)」と、オクラホマ~フロリダにかけて広がる「フロリダ連合」は政府軍を次々と撃退。けれども権威主義的な大統領は勝利が近いことをテレビ演説で力強く訴えます。しかし、WFはワシントンD.C.に迫り、首都陥落は時間の問題となっていました。
ベテラン戦場フォトグラファーのリー・スミス(キルスティン・ダンスト)と、ジャーナリストのジョエル(ヴァグネル・モウラ)は、14か月間メディアの取材に応じていない大統領に直撃インタビューを行うべく、2人の師である老記者サミー(スティーヴン・ヘンダーソン)と、リーに憧れる駆け出し写真家ジェシー・カレン(ケイリー・スピーニー)を連れ、ニューヨークを出発します。寸断された州道を迂回し、ピッツバーグ、ウェストバージニア、バージニア州を経由する、およそ1500kmの旅となったのです。
無政府状態となっている郊外を移動する間、一同は様々な光景を目撃します。ガソリンスタンドを守る地元民と、見せしめに晒されている瀕死の略奪者。政府軍の捕虜を処刑する民兵。敵の正体も判らぬままにらみ合いを続ける狙撃兵たち。内戦に不干渉を貫き、監視兵の警護の元で安穏とした生活を求める村。ジェシーは同道する3人から教えを受け、戦場ジャーナリストとして成長していきます。彼女に若き日の自分を重ねるリーもまた、ジェシーの師として振舞うようになるのです。
彼らは戦場と化した道を進むなかで、内戦の恐怖と狂気を目の当たりにしていくのでした。
●解説
映画の舞台は内戦状態の米国。合衆国から離脱した“西部勢力”と政府軍が戦い、反乱軍は首都に迫っていました。戦場カメラマンのリーたち4人は、14カ月も取材を受けていない大統領への単独インタビューの特ダネを狙ってワシントンDCへ向かおうとして車で首都を目指すのです。
観客が与えられる情報はこれだけ。内戦に至る経緯や反乱軍の実態などは、登場人物の会話やニュースの断片から推測するしかありません。そして車で出発してからは、リーたちにも何が待ち受けているか分からないのです。観客は4人と一緒に、戦場を通り抜けることになるのです。
ワシントンDCまでの道筋には、焼け焦げた車が放置され、激しい局地戦にも遭遇します。いかにも不穏な空気が漂う場所もあれば、戦争などないかのように不気味に静まりかえった町もあるのです。そこがどの勢力圏なのか、出会った人物たちの素性や所属など、全く分りません。画面はヒリヒリした緊張感に包まれて、片時も気が抜けないです。
入念な音響効果が、戦場体験を迫真のものに高めている。銃撃音、爆発音、ヘリコプターのローター音などが大音響で響き渡り、平穏な風景が突然銃声に切り裂かれて度肝を抜かれます。そうした恐怖と共に、最前線に到達する高揚感も生々しく伝えてきます。銃撃や爆発に近づくにつれて興奮状態となり、最初は戦場の現実に泣きべそをかいていたジェシーは、前へ前へと突き進むようになっていくのです。
ところで、本作の立脚点は徹底しています。
リーは目の前で起きる凶行に「自分は質問しない。他の人が質問するために記録する」と中立を標ぼうします。同様に本作も米国の分断や正義、ジャーナリズムや戦場の倫理といった問いについて、映画は一切の価値判断をしていません。観客にただ、戦場を体験させるだけなのです。これ以上ないリアリティーで。
●感想
主人公たちが車を走らせる頭上には青空が広がり、美しい田舎の風景は牧歌的ですらある。しかしほんの少し視線を移すと、あちこちで煙が立ちのぼり、戦闘、拷問、処刑などの陰惨な現実が繰り広げられています。その強烈なコントラストと、誰と誰が戦っているのかもわからない戦争の不条理性が戦慄を呼ぶのです。相手が誰かもわからず撃ち合う農場での恐怖。分断の一因でもある「どういうアメリカ人だ?」というセリフの現実性。終盤の銃撃戦を含めジャーナリストの視点で見せることで、暴力の臨場感が駆け抜けます。連邦議会襲撃事件であらわになった無秩序と崩壊への不安が背景にあるのでしょう。さらに、過去に行ってきたアジアや中東での武力衝突のすさまじさも想像できます。
また、観客の視点を担うキャラクターのジェシーは、野心満々だが経験の乏しい駆け出しカメラマンですが、そんなルーキーが血生臭い地獄巡りの果てに、皮肉な形で成長していくドラマも見応えたっぷりでした。
やはりついさっきまで平穏な日常があった場所で、暴力や戦闘が目撃されるシーンは、怖かったです。真に身近に戦争を感じさせてしまうから。
ラストに向かうにつれ、アレックス・ガーフンド監督による本作は、来国の現状を鋭くえぐった傑作と確信し始めました。ところが、ラストの展開を見て呆然としました。これこそリアルという高らかな宣言なのか、それとも全編が政治的な主張にすぎなかったのか。複雑な思いにとらわれ、素直に傑作と認めがたくなったのです。
まず前途してきたように確かにプロットは現状を反映し、なかなか刺激的ですが合衆国が国内戦争に至った事情が皆目わからず、同問題への洞察力が足りないため、リアルな戦闘場面が宙に浮いてしまっている問題があります。
やはりどうして内戦に至ったのかという経過と背景を描くべきでした。
説明を省いて、恐怖を煽る手法は、黒沢清監督の映画『Cloud クラウド』と一緒でしょう。確かに説明しない方が、よく分からない恐怖感はアピールできます。しかしそれでは現実味に欠けてしまうのです。
次ぎに、とにかくホワイトハウスに侵攻する西部勢力は、大統領を撃ち殺せば、なんとかなるといった発想の一点張り。立ち向かってくるSPは無条件で銃殺するどころか、大統領専用車で逃走を図る大統領の家族も皆殺しにするのです。もし幼い子供が交じっていたらもかなり惨たらしい映像となっていたことでしょう。そこには一切人間としての感情というものがありません。A24が得意とするゾンビと西部勢力の兵士たちとの差がないのです。つまり本作はゾンビ映画の変形といって過言ではないでしょう。
もし本当にアメリカ国内が内戦状態に突入したら、アメリカ国民は黙っていないはずです。政府軍や反乱軍に対して果敢に反戦を唱え、燎原の火の如く全国に抗議デモが広がっていくことでしょう。それがアメリカという国のお国柄で、本作のように内戦に傍観してしまうなんてあり得ません。
そして極めつきは、核のボタンの存在です。
本作のような独裁者タイプの大統領なら、ホワイトハウスを包囲されそうになったら、あらゆる手で反撃するはずです。その中には核で西部勢力を威嚇するというオプションも含まれます。核のボタンについて全く触れられなかったことも疑問に感じました。
現実味のある終末
簡単に言えば、「もしアメリカで内戦が起きたら」という想定で描かれた作品ですが、多くの方がそう感じているように、ここには何かの啓示のようなものがあるような気がしてなりません。
「アメリカの内戦」 ≒ 「アメリカの崩壊」という図式ができるのですが、まずこの地球上にある国家で最強とも言える「アメリカの崩壊」なんてことはなかなか考えづらいです。しかし、2017年に誕生して以降、アメリカ国内では様々な形で分断が強調され、2021年の連邦議会襲撃事件を見れば「アメリカの内戦」は決して考えにくい未来ではないのかもと思えてきます。つまりは「アメリカの崩壊」も否定し切れないわけです。
PR映像の中で、本作は「終末を描いた作品」と言っていましたが、正しくその通りだと思います。映画はこれまで数多く終末を描いてきました。それは自然災害であったり、宇宙人の襲来、巨大隕石の衝突、ゾンビの大量発生だったりするわけで、そのどれもがSFであり、まさか現実に起こるとはといった内容。しかし、世界の終末がアメリカの崩壊であったなら。一転、終末が現実味を持って迫ってくるわけです。
ここまで、その企画の素晴らしさを述べましたが、ストーリー上では戦争という極限状況の下での人の変化、成長や狂気をうまく描いており、本当によくできた作品です。
主人公を演じたのはキルスティン・ダンスト。若い頃はその役柄に違和感だらけでしたが、本作でのベテラン感、冷めた視線など、素晴らしくハマっていたのは特筆すべきかと思います。
大々的にCMを打っているので大味な作品だと勝手に思っていましたが、しっかり芯のある映画。これがただの絵空事であることを祈るのみです。
人間の醜さを上手に表現
カリフォルニアとテキサスが西部連合するかなぁ
ゲリラ、テロ映画です
大手ではない独立系制作会社が費用が膨大にかかる戦争映画を撮れるのか?という素朴な疑問がありましたが、やはり戦争映画というよりゲリラ戦映画、若しくはテロ映画というべき映像作品でした。
宣伝文句に騙されて本格的な戦争映画を期待していた人の落胆は十分に理解できますが、お金を使えない分ゲリラ戦、即ち接近戦に特化した映像のスリラーとリアリズムは群を抜いています。
美男でも美女でもない普通のお兄さんお姉さんがダサい服に身を包んで恐怖におびえながら銃弾の中を彷徨するさまは、通常の戦争映画やアクション映画の枠を遥かに超えて、「怖い」という以外の形容はできません。
戦争の愚かしさとか虚しさといった優等生的な感想を遥かに凌駕した「怖さ」がこの作品の真骨頂です。
2回目見て来ました
何故、アメリカが内戦になったのか、その理由がはっきりと描かれてないところが、最後まで、もやもや感が抜けなくて、もう一つ作品に没入できなかった。でもすごいことが起っているとは、感じていた。だから1回目は☆4の採点を付けた。
鑑賞後、某有名ユーチューバー(手描き紙芝居のひと)の解説を見て、すごく納得した。
内戦の原因なんか関係ないのだ!
あらためて2回目の鑑賞して、採点を☆5に変更します。
感想は書きません。文章が下手で、うまく表現できないから。
でも、大統領を殺害したあと、みんなで、にっこり記念撮影は、アメリカ正義への大いなる皮肉だと思う。
中東、キューバ、中南米で、大ヒット間違いなし!
今年一番の映画だと思います。ぜひ、多くの人に鑑賞してもらいたい。必ず映画館でね。
それにしても、赤メガネ、怖かったス。本気でビビリました。
想像してた内容と違った
「28週後…」の製作総指揮を務めた監督の作品、なるほど。
難民の様子など描かれていたけど、そこのムードの描かれ方が印象的だった、そこの部分に関しては個人的にもっと尺を設けて掘り下げて欲しかった。あと、カメラマン目線だったせいもあるのか、全体的に銃撃戦以外に幅広い危機的状況さの表現が薄かった印象がありもっと色濃くエッジを効かせて欲しかった。例えば、店舗の荒らし、物の奪い合いなど。実際、もっと現場は荒らされていただろうと想像はつくのだが、そこに対するリアルな表現がもっと欲しかった。銃撃戦は迫力満載。BGM効果もセンスが効いていた。
戦争映画ではなかったの?
戦場カメラマン
内戦ほどグロテスクな戦争はない
戦争映画をよく鑑賞しますが、この作品を通じて、やはり、内戦ほどグロテスクで無意味な戦争はないと感じました。作品自体は政治的に中立的な立場が貫かれており、たとえば、反乱軍は、民主党が強いカリフォルニア州と、共和党が強いテキサス州の連合軍としており(実際には、なかなかありえなさそう)、それどころか、内戦にいたった政治的背景も明確にはされていません。もっとも、大統領は、本来ありえない3期目で、大統領さえ捜査対象にできるFBIを解体するなど、米国の民主主義の基本を破壊している描写があるため、反乱軍の「大義」はこのあたりにありそうですが、明確に描かないこともあって、内戦がもつ不気味さが増しています。大義があろうがなかろうが、戦争が悲惨であることは変わらないと感じました。
興味深かったのは、ジャーナリストの描き方。危険な前線に向かう理由に、ゴールデンカムイの登場人物・二瓶鉄造よろしく「勃起」をあげる人物や、日本ならネットで叩かれまくられそうな、覚悟のまったくない若い女性が登場します。このような人たちが戦場に赴いても、犬死になることも多いのかもしれませんが、(運が味方したり、あるいは極限状態で覚醒したりで)手に入れてくる「事実」に対して、リスペクトを感じられる描き方でした。
なお、音響に迫力があるため、Dolby Atmos(鑑賞料金200円程度加算)がオススメです。
unitedじゃなくなる日
Jプレモンスって、Kダンストのパートナーの人なんですね、知りませんでした。
赤いメガネが怖かった。
ベテランのリーと、彼女にあこがれて一行に加わるひよっこのジェシー、2人が変わっていくところが興味深い。
最後はこうなるのか、と驚く。
特に中盤以降、息をつくひまもありませんでした。
ときどき無音になったり静止画になったり、どぎついだけじゃないところも良かった。
ジャーナリストのロードムービー
あらすじも感想も見ずに観に行ったら思ってた内容と違ってた。ブラックホークダウンぽくてジャーナリストが絡む系かな?って予告編で思ってた。ワシントンD.C.に着くまでがほとんどでちょっと残念だったけど、そういう裏切りも好きだ。
最近はYouTuberとジャーナリストの違いがよくわからなくなってきているが、使命に駆られたジャーナリストの原動力ってなんなんだろうってよく思う。ゲスい週刊誌系から戦場カメラマンや紛争地帯に入っていく人たちの熱意が自分には全くないので狂気染みているけど、この映画では熱意はあまり感じられずに必死さもなく割と淡々と進む。何回か激戦現場取材の迫力とかすごいな!って思ったけど赤いサングラスのやべー奴(全員ヤバいが)の時が最高に緊張したが、最前線でいるにもかかわらず使命を帯びた人間は死線を彷徨う現場でいても割とどこかさめていて不思議な感じがした。立ち直りが早い。どこか壊れていきながら部分修正ですぐ立ち直っていく姿が痛ましい。戦場の兵士と何ら変わらないと思った。
左思想だなあ、と思ったのは誰一人武器を持たずに赴いていること。車や服に報道って書いているだけでペンの力ででどうにかなると思っているのがアホやなあと思ってしまい、自分はそっち側の人間じゃないんだなと思った。アメリカで内戦の最中にすげーな!ヘルメットや防弾チョッキだけでどうにかなるって思えるのは自分の考えにはないので自分がアメリカで生まれてたらどの立場をとるんだろう?って思って銃をとる側なんだろうな、って思ってしまった。
田舎のガソリンスタンドで私刑、命乞い無視して射殺、誰が敵かわからないけど応戦する、なかったことにして日常生活を続ける、政府側、反政府側、アメリカ人の定義に癖がある殺戮者、など。この映画に殺人という定義はなかった。命を奪う権利と守る権利が等しい土壌が有るから銃撃戦は全部正しく思えてくるのが怖いところ。
でも日頃銃をぶっ放している警察やギャングなどの一般組織は描かれておらず、パッと見普通の人々が兵士になって普通に銃撃戦をしている。最後の集合写真もゼロダークサーティーのチーム6とかの猛者じゃなく向こう見ずな一般募集州兵っぽいのが余計に怖かった。
どうせ観るなら音響のいい映画館がおすすめです。迫力有る銃撃戦(意外と少ない)は臨場感がすごいです。
そこにリアリティはあるのか?
細かな内容や設定は映画を見ただけでは何も分からない。ストーリーの中でも説明もない。戦場カメラマンが、アメリカの内戦の様を追いかける映画。
結論から言うと、よく分からないと言うのか正直な感想。
内戦と言うのは、あんな感じなのだろうか、種族が違うことで殺し合い、何方かの息の根が止めるまで容赦なく殺し続けるみたいな。
だが、この描写は少し違うと思う。
内戦だから、種族同士の殺し合いするのは分かるが、投降を認めない銃撃戦の中で、政府側は、警官に対する様に丸腰で投降するが、反政府軍は、狩をするかの様に殺戮を続ける。
それは、相手が悪でない、単に気に入らないから殺すと言う短絡的なものに見えるのは私だけだろうか。
まぁ何にしても、アメリカは今の国力あってのアメリカであって、分裂したら国力は衰え、それこそ共闘する中国とロシアに抗えなくなるし、反乱軍が独立を果たしたとして新しい国旗をイメージ出来るのか??
兎に角、アメリカは分裂したら、今のプライドを保てなくなるから、分裂はあり得ない。
カメラマン志望のジェシーの存在はあり得ない。実際に死に直面する危険がある中であの不可解な行動は理解出来ない。
プレス車両が銃撃されても殆どダメージを負わないのもそんな事あり?みたいな。他にもこの途中、武装してグループに捕まるシーンがあるが、勝手な行動をした2人を助けようと他の3人が交渉に行くのも信じ難い。また、その救出もあり得ない演出だと思う。
予告詐欺では?
一歩間違えれば死ぬ
ハピネットファントム・スタジオの宣伝に相当力が入っているようで、最近、ブラウザのポップアップ広告に本作のトレーラーが出続けてやや「鬱陶しいな」と言う印象をもちつつ(勿論、観ずに最短で消しますが)、町山さんもラジオで早い時期に本作を取り上げていましたし(勿論、まだ聴いていませんが)、A24作品ということもあり観逃す手はありません。有料アップグレードせずに出来るだけいい条件で観ようと、TOHOシネマズ日比谷のSCREEN1をチョイス。ただ、小雨そぼ降る平日午前中の回、会員サービスデイの割に大きなシアターはやや寂しい客入りです。
独創的なアイディアでオリジナリティに溢れる作品を世に送り出すアレックス・ガーランド監督。前作『MEN 同じ顔の男たち』はなかなかぶっ飛んでいましたが、本作は「もしこれが現実に起こったら…」と言うリアリティが感じられる世界において、そこに生きる人間の所業に恐怖で打ち震える作品となっています。
若きカメラマン・ジェシー(ケイリー・スピーニー)の成長譚をロードムービーで見せる作品性自体は古典的ですが、ポイントポイントに差し込まれる音楽と幻想的なシーンはそれまでの緊張感とのギャップが印象的。それぞれの立場やキャラクター性でジェシーのメンターとなっていく3人の先輩、リー(キルステン・ダンスト)、ジェエル(ワグネル・モウラ)、サミー(スティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン)は、「一歩間違えれば死ぬ」という究極な状況でジェシーを救い、教えることで短期間にみるみる変わっていくジェーシーの様が見られます。中でも、喋らずとも雄弁な様子で絶対的な存在感のキルステン・ダンストはやはり素晴らしい。そして、実生活ではキルステンのパートナーであるジェシー・プレモンスが、今回も相当にヤバい雰囲気を醸し出していて最高です。
ちなみにレイティングはPG12ですが、内容が内容だけに直接的な表現も多くまあまあ注意が必要。また、鑑賞前は大統領選とパッケージで紹介されている印象がありましたが、なんなら、経緯や背景を思い切って端折っていてポリティカルな話は殆どありません。上映時間も109分とタイトにまとめられており、無駄に思えるシーンは一切なく見応え充分。そして、先に進むにつれ逃げ場がなくなっていく状況は、やはり逃げ場のない映画館で観るのが絶対お勧め。是非、覚悟をもって挑んでください。
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