シビル・ウォー アメリカ最後の日のレビュー・感想・評価
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私しかいない
内戦うんぬんというよりは…
ポスターに騙されたが。
止まらない爆音と爆撃に震える
109分間、息を吐く間が無い。緊張状態が続き、何が起きるか分からない、何が起きてもおかしくない、そんな状況下で報道という使命を貫こうとするジャーナリスト4人の目から映し出される戦場。
昼も夜も戦火があがり、銃声が響く。簡単に消えていく命。一瞬の油断や判断ミスが致命的になる戦場。NYからDCへ向かう道中も、ホワイトハウスでのクライマックスも、没入感が物凄いのでとにかく恐ろしかった。
内戦が起きていても見て見ぬふりで通常生活を続け、関与しないことを貫くのが恐らく普通の人。ジェシーも最初はビビりまくっていたけど、極限状態に身を置きシャッターを切ることによる好奇心や高揚感が徐々に恐怖よりも勝ってくる。終盤のジェシーとリーそれぞれの精神状態と行動が印象的でした。
現実のアメリカの状況もあり、色々な意味や思想を包含していると思いますが、その辺りを一旦置いておくとして。エンタメとして、とても面白かったです。
結構怖かった!
そして少女は記者になる
映像美と音楽のマリアージュ。
今までにない
新しい切り口の
とてもいい作品。
戦争モノだから
仕方ないのですが
凄惨すぎて疲れましたが..
まず特筆すべきは
要所要所で魅せる映像美。
その映像にピッタリ合う音楽。
この映像と音楽の
マリアージュを
映画館に浸りに行くだけでも
この映画はとても価値があり
素晴らしいです。本当に。
もし、戦闘シーンと
残酷なシーンを
省いてこの映像と音楽
だけの特別編集版があったら
また何度でも観に行きたいなと思う。
それ位に映像と音楽が素晴らしい。
ストーリーは
説明しすぎず
観る側に判断を
委ねて、ある種の余白が
散りばめられた作品です。
その余白がある事により
想像を巡らせたり
考えさせられる事が
こう言った作品の
楽しみだと思います。
主人公を含む
主要な人物が
4人出てくるのですが
観る人の性別や
年齢などによって
感情移入する対象が
変わってくると思います。
主人公が完璧で
全てが正しいと言う描き方
ではないのです。
観る側の自由度が高い作品。
そういった難しい
作り込みが
決してごちゃごちゃ
するでなく、
シンプルに上手く
まとまっています。
人がバタバタと
死ぬ戦争モノが
苦手なのですが
結果、観て良かったです。
戦闘シーンの緊迫感、残酷さは現実感がありすごい迫力
"28日後"の脚本家らしいCIVIL WAR
初めて28日後を観た時のあの閑散としたイギリスから今回はアメリカへ。
ド派手なドンパチが描かれる戦争映画を期待していると肩透かしに合うくらい地味な映画だが、退廃的でリアリティのある人間描写と容赦ない暴力シーンで、今回はゾンビは出ないがより人間の残酷さ儚さが際立っておりドキュメンタリー映画のようなリアリティある作品だった。
連邦政府側が弱すぎるような気もするが、ワシントンD.C.へ向かう道中は誰が敵か味方かわからない怖さ、結局のところ対話を望まない西部勢力の暴力には暴力で対抗するしかないという今の世の中にはピッタリなメッセージ性の強い映画だった。故に笑えない映画だ。
エルトン・ジョンかよ!笑 ってくらいふざけたメガネで登場するジェシー・プレモンスが存在感があってよかった。話の通じないヤバい奴をやらせたら天下一品。たまたま妻のキルスティン・ダンストの付き添いでいたら抜擢されたという話だそうで。
あの結末で、これが娯楽映画として上映出来てしまうアメリカはやはりすごいと思った。
内戦は今もドコかで起きている
舞台は近未来の米国。
米国だからSFっぽいというか奇異なものと思いがちだが、世界のドコかで今も内戦は起きている。
ミャンマーとか、シリアとか。
本作では、独立側と連邦側、どっちがどんな主張をしているのか一切描かれない。
それは、その主義主張に焦点が当たってしまうこともあるが、
「特定の国ではなく、普遍的な物語」として描くためだったのではないだろうか?
(本作を左右対立として描かなかったのも同様。そのために、左派カリフォルニアと右派テキサスという、今の主義主張からはありえない組み合わせとしたが、これは「金持ち連合」という意味かも)
そうすることで、
「他人事」ではなく「もしかしたら自分の身に降りかかるかもしれない」
と臨場感、緊張感を持って見られるから。
日本だって他人事じゃない。
もちろんドンパチやるような内戦は起きないだろうが、
「暴動」みたいなのは起こり得る。
大昔の安保闘争みたいなモノが現代にも。
(ここ何十年とそれが無かったのは、たまたま国民が豊かだったから。今後、それは期待できない)
「戦争映画」の傑作として、今後も語り継がれる作品だと思う。
凄まじいリアリティ
迫力ありましたね。死と隣り合わせの日常生活を スゴくリアリティに 描かれてて 完成度の高い作品で 見応えありました。戦場カメラマンの 生々しさは ゲロも吐く程の 精神的にも肉体的にも ギリギリの所で 闘っているのが スゴく分かりました。
話の展開としては 中盤の台詞で 最後は こんな感じに なるんだろーと 思えてきたのと 実際に そーなってしまった事で そこは 残念な感じで そーなって欲しくない と願っていましたけど。。言うことを聞かず 好き放題やって 足を引っ張るとか その人がいると不幸を招くとかって 最後の最後まで それが死と直結していて 腹立たしい気持ちで した。こーいう映画は ハッピーエンドは ないですもんね。。戦場は ホントにヤバいです。
もし現実になったら?
音楽の使い方がなんともA24っぽく最高!
まじめに作ればよかったのに
鑑賞動機:アレックス・ガーランド7割、あらすじ2割、A24 1割。
音響に色々と仕込みがしてあるので、やっぱりIMAXにしとけばよかったかなあ。
戦争です。何も起こっていない時/場所でもやっぱり戦争です。何かそんなことありそう、というエピソードを積み重ねたロードムービーになっている。あとで地図を確認したら、ニューヨークからD.C.に行くのにピッツバーグやらウエストバージニア州やらシャーロッツビルだの言ってたから、ぐるっと大回りして反対側から入ったということか。ただあまり現代戦っぽさがないのは、プレス目線だからか。『プライベート・ウォー』と、なぜか『28日後…』をぱっと連想した。
あれ?この人マット・デイモン…じゃないよね、とおもった人がジェシー・プレモンスか。リアル夫婦にやるかやられるかの状況をさせるとは、ガーランド監督はやっぱりエグ…って、いやいやプレモンスの起用を言い出したのはダンストなのか!ほえー。 ソノヤ・ミズノは全然わからなかった。
議会乱入のことが着想の一つなのだと思うが、イデオロギー的な部分はほぼないのはちょっと意外だったが、それによって現実に偏在している「戦争」そのものを解き明かそうとしたように感じた。リーとジェシーの変化が逆方向なのもポイントか。
最後「ハイ、チーズ!」と、セリフを脳内補完するとよりグロテスクになる。
メンタルを揺さぶられる映画
裏テーマは『みんな戦争大好き?』
半年前の米国公開時から期待していてようっっやく観れた!!今年ジョーカーより期待していたと言っても過言でないです。いやあ~自分は期待通りでしたね。
分断されたアメリカ。内戦が発生し、既に政府軍は劣勢な状況に立たされている。そんなアメリカ全土を舞台にした戦争ドンパチ映画かと思いきや、主人公達はジャーナリストでガキとお年寄りも交えてのんびりワシントンDCを目指す、まさかのロードムービー。ここで肩透かしを食らった感は正直否めない。
しかし、あえて安直にマイケル・ベイ的な各地の状況を扇状的に見せるやり方では無く、殆ど見せずに主人公達にスポットを当てて既成事実として当たり前になった状況からスタートさせた方が、アメリカ人的にはよりリアリティを感じたことだと思う。
実際日本の話だとして大阪で反乱が起きました~!!みたいな映像を見せられるよりも既に得体の知れない反政府勢力が結構浸透してますって状況から入った方がリアリティを感じると思うのだ(大阪民スマン笑)。
そうして半分はロードムービー、終盤が期待通りのドンパチという構成になっていて、終盤のアクションは半年待った甲斐が有る圧倒的な迫力と轟音とスピーディーさで最高だった。他の映画の数倍くらいはみんな殺意が強くて、一切の躊躇無しにワシントンの官僚やSP達を殺しまくる。どっちが悪役なのか分からなくなってくるような錯覚に陥るが、本来これが戦争なのだと思い出させられる。
そうして本作は反政府勢力の勝利に終わり、その後は伏せられたまま幕を閉じるのだが、本作の裏テーマとして人の戦いへの欲求があるのではないか?とちょっと深読みしすぎたような持論を述べていきたいと思う(笑)
本作で印象的なのはエイリアンロムルスでも主演を演じて今が旬のケイリー・スピーニー演じるジェシーだが、このジェシーが徐々にジャーナリストとして、いや、戦地を生きる人間として開花していく姿も描かれるのだ。そこには笑顔が常に描写されており、誰かに褒められるでも無く、まさに今銃撃戦が行われている現場で笑顔を浮かべている。そして最後の最後もリーが死んだばかりなのに眼の前の生死に夢中になっている。果たしてそれはジャーナリストとしての魂なのか、それとも人間が本来持つ何かを刺激されて開花してしまった結果なのか?
もう一つ印象的なのは男性ジャーナリストのジョエルが割と好戦的で銃撃戦の現場でも興奮している姿がはっきりと描かれる事だろう。ジャーナリストとしてベテランだからそうなのか、でもそれならリーは対称的に人間らしくこの状況にどこか陰鬱としている姿が描かれる。これは主役としての補正なのか。どちらかと言うとジェシーは友としてはジョエルと仲が良い感じで、ともするとジョエルの好戦的な性格に影響された結果なのか?
そもそもの内戦の理由がぼかされている点、道中で印象的だった「どのアメリカ人だ?」の赤メガネ、最後のホワイトハウス虐殺。これらを踏まえると、裏テーマとして人は殺しが大好きというメッセージが隠されているのではないだろうか。内戦の理由がぼかされている点に関してはそもそもリアルの情勢を考慮してのことだろうが、赤メガネに関しては死体を見るに人種差別的な思想を持っていそうだったし、反政府勢力なのかどうかも分からず仕舞いで判明しているのは明らかに民間人ばかりを殺していた大量殺人鬼だということ。
そういえば序盤のガソリンスタンドで吊るされていた人間も、家に立て籠もっていたスナイパー対決もどっちがどっちなのかよくわからない存在だった。
本作、一見政府軍と反政府軍との戦いを描いた作品のようだが、道中でかなり曖昧な存在が3回も出てくるのだ。そしてそれらの状況に特に絶望する事も無く、むしろ徐々に好き好んでいくような素振りすら見せていくジェシー。
ホテルのシーンでおじいちゃんが言っていた言葉が印象的だ。どちらかが勝利すれば今度はそいつら同士で争うだろう、と。
政府軍と反政府軍の戦いは序章に過ぎない。今はこうした形が有るだけ。本来、人間は戦争が大好きでみんなその麻薬に染まっていくのだ・・・・・
だってそうだろう?
僕達だって終盤のホワイトハウス攻略戦で興奮したじゃないか^
戦争は最高だ
所詮、戦争に正義はない!
連邦政府軍とカリフォルニアとテキサスからなる西部軍との内戦。主人公は、ベテラン報道カメラマンのリーと新人カメラマンと他2名が、大統領に直撃インタビューを図り、ワシントンDCへ向かう。途中略奪者として同じ隣人を吊るす市民兵や全く無関心の街。暴徒と化した兵隊達。
戦争は、ほんと人を変えてしまう。リーを演じたキルティンダンストがいいね。後味の悪い映画だ。
緊張感がすごい
音の使い方(緩急)がすごくて、視点も面白かった。
題材であるカメラマン視点であり、スナイパー視点のような不穏さもあり。
印象的なシーンがいくつもありました。
レビューというかメモ代わり。順不同
『あなたはわたしが死んだら写真を撮る?』
墜落したヘリを撮るシーンで、ジェシーがリーに聞いたこと。
リーの方が先に死ぬなんてきっと思ってない。
そりゃまぁ駆け出しの新人とベテラン(ヒーロー)だから、その認識も間違ってはいないと思うんですが。
実際はリーが死に、ジェシーは一瞥するだけで撮らずに進む。
人間らしく感情的だったジェシーと、冷静にジャーナリズムを説いていたリーが、ここで入れ替わる。
前半のジェシーはまだまだ新人というか子どもっぽさというか純粋さが残っていて、“危なっかしい”印象。でもリーはそれに救われて(癒されて)いたのかな。
「あの子に厳しいんじゃない。君は自分に厳しい」とサミーに言われていたリー。少なからず昔の自分をジェシーに重ねていただろうなと。
後半、さまざまな経験を経て、ジェシーはどんどん前に、どんどん撮る、どんどん進む。
成長する姿は頼もしくもあるけど、違う“危うさ”を孕んでいって、リーにどう見えていたかな。それが最後に繋がったのかも。
『お前はどの種類のアメリカ人だ?』
ここ、本当にゾクゾクしました。ぞわぞわ。
白い粉(?)を撒いてるときも、死体が荷台に引っかかってても、どこの誰かも分からん記者が必死こいて命乞いしてても、全体的にあんまり興味なさそう。
興味なさそうっていうか、感情の動きがないというか。
何が正解か分からない。
必死に、慎重に生存ルートを探るジョエルたちと、淡々と作業し、淡々と問い、淡々と殺す赤サングラスの兵士(本当に兵士なのか)の対比。
このシーンから狂気がどんどん加速していく。
『いい知らせだ。』
こんなに不穏なことある?ってくらいえげつない空気感から始まり、来ると思っててもびっくりしちゃう銃声。
運転手ジョエルの判断、さすが慣れてる。
「相手は何だ?」
「分かった、お前バカなんだな。」
相手が何だとか、誰だとか、そんなん言ってられない。
撃たれたから撃つ。殺られる前に殺る。
お前バカだな。そんなの当たり前だろ。
こんな世界でよ。言わせんじゃねぇよ。
一瞥すらくれないスナイパーも合わさって、
個人的にはめちゃくちゃ好きなシーンだった。
『なるべく関わらないようにしてるの。』
観客にも刺さった人がいるんじゃないかな。
わたしはぶっ刺さりました。
ぶっ刺さってなお、映画を観終わって、好きな音楽を聴きながら平和な街を歩いて、安全な水とごはんでお腹を満たして、のんきにレビューなんて書いている。
あの街の優雅な生活や人々がわたし達なら、戦地の日常や狂気もまたわたし達のものであり得るということですね。
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