「現実に起こりうるアメリカ二極化」シビル・ウォー アメリカ最後の日 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
現実に起こりうるアメリカ二極化
当初、『エンド・オブ・シリーズ』の様な、アメリカ政府転覆を狙う、テロリストとの攻防を描いた、強いアメリカ・アクション大作と思っていた。しかし、内容は全く違った。アメリカの19の州が連邦政府から離脱し、政府軍とカリフォルニアやテキサス州を中心とする西部勢力との内戦を描いた作品。その戦闘の最前線で、命を張ってスクープを狙うジャーナリストが主人公の物語。映画というより、戦場ドキュメンタリーを観ている様な感覚だった。
先日、アメリカ大統領の座を巡る選挙の末に、あのトランプが返り咲いた。これは日本人の感覚では考えられない事。当初、接戦と言われていた選挙も、明けてみればトランプの圧勝。しかし、今のアメリカは共和党と民主党という二大政党による主導権争いと言うより、トランプ派か反トランプ派の二極化になっているように思う。
この物語の様な事も、決してフィクションとして片づけるのでなく、移民問題や社会格差、ウクライナとロシア、ガザとイスラエル、シリア内戦などの世界情勢を鑑みた場合、一触即発のアメリカが抱える社会問題が山積しているのも事実。アメリカ第一主義のトランプ政権によって、どう舵を取っていくのか、世界中が注目している。
物語は、各地での激しい内戦の中、大統領が政府軍勝利を確信した演説をするシーンから始まる。しかし実は、西部勢力軍によってワシントンは陥落の一歩手前。ジャーナリスト・リー・スミス達は、その陥落の様子と大統領の最後のインタビュー・スクープを狙い、戦闘の最前線に向かう。その途中、究極の内戦状態にある人々の狂気と恐怖を目の当たりにする。同じアメリカ人同士が、相手が誰ともわからずに発砲している戦場、アジア人だからということだけで、いとも簡単に射殺されるジャーナリスト仲間、多くの人々の遺体を、トラックで大きな穴に埋めるシーン等、胸が締め付けられるシーンが、次から次へと映し出されていく。
銃弾が飛び交う戦闘シーンの映像や効果音はとてもリアルで、自分が戦場に居るかのような臨場感と恐怖が伝わってきた。と同時に、こうした恐怖が今も世界中のあちこちで起きている事実から、目を背けて居はいけないと感じた。
主演には、かつて『スパイダーマン』のヒロイン・メリー・ジェーンを演じたキルステン・ダンストが、スクープを狙うジャーナリスト役を務めている。当時の面影は全くなく、銃弾の恐怖に心揺れながらも、ジャーナリスト魂を決して失くさなかった、戦場カメラマンを演じていた。
bunmei21さん
そうですね。
地球温暖化が加速している今こそ、地球の未来を見据えて世界が力を合わせるべきなのですが。
bunmei21さん、本作がレビュー投稿999本目ですね ✨
共感ありがとうございます。
FBIを解体した大統領…トランプならやりかねないですね…
そんなアメリカ解体の政治的危険性よりも、戦争が人をどう変えるか…だと思いました、この映画が示すのは。
bunmei21さん
とても恐ろしい事ですが、台湾有事、韓国有事の際に、アメリカ軍基地の在る日本が、戦争に巻き込まれてしまう可能性がとても高いのではと考えています。
中国や北朝鮮が、軍事侵攻しないよう祈るばかりです。
トミーさん(^^)その通りですね。
政権はなかなか不安定な日本ですが、内戦や戦争が勃発する可能性は低いですよね
でも、最近の世界情勢は、第三次世界に向かっているのかもしれませんね。