ガール・ウィズ・ニードルのレビュー・感想・評価
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戦争に直接参加しなかった戦争犠牲者
第1次世界大戦の終戦直前のデンマーク・コペンハーゲンで、夫が戦争に出たまま1年以上連絡が無く、針子として働きながら、貧困生活を送っていた女性カロリーネは、夫が死んだと思い、新たな恋をし、会社の社長と結婚を約束した。お腹に赤ちゃんを抱えて、社長の母親に承諾をもらいに行ったところ反対され、彼は母親の言いなりになり彼女を捨てた。そんな時、公衆浴場でダウマという女性と出会った。ダウマは表向きはお菓子屋を経営していたが、その裏で秘密の養子縁組機関を運営していて、貧しい母親たちが望まない子どもを里親に託す手伝いをしていた。かろりーは、出産後赤ちゃんをダウマに預け、我が子が里親に出された後、ダウマの家に住み込みで乳母として働くことになった。彼女はダウマに親しみを感じていたのだが、ダウマの行っていた里親に関する恐ろしい真実を知り・・・さてどうなる、というという話。
実話ベースとの事で、どこの国でも戦争未亡人(後で未亡人じゃ無いことがわかったが)は生きるために大変だったんだろうと思った。
貧困から抜け出そうとして、玉の輿に乗ろうとした事を責めることは出来ないな、とも思った。
公衆浴場での針を持ち込んでのシーンは迫力あり、とてもカラーでは見れないだろうと思った。
カロリーネ役のビク・カルメン・ソンネもダウマ役のトリーヌ・ディルホムも必要なら裸体を披露するという姿勢は素晴らしかった。
しかし、戦争は勝っても負けても悲劇しか生まないのだろうとあらためて思った。
何とも言えない映画
モノクロームの社会派ドラマ
モノクロームの映像で綴られる見ごたえある社会派ドラマ。
白黒の画面から、生活にあえぐ庶民の苦しい生活にリアルさがにじみ出る。
戦争で男性達は徴兵にとられ、女たちの働く工場は軍服を縫製する。
(一応、工場勤務なのに家賃滞納を続けてしまう主人公は、借金? ホント何に使っているんだろう?)そこら辺不思議には思うけれど、家を失い追い詰められた主人公が、さらに絶望の底に落とされる。
やっと帰ってきた夫への態度も、優しくもあり酷くもあり、揺れ動く心模様が、これまたリアル。
自分の苦境から、中年女性にすがりつき、歪んだ共依存が引き起こす、不協和音アンサンブル。
女性たちも、美しく見える瞬間も有り、不潔さが際立って見える瞬間も有る。
逃げ場のない世界の絶望の中で、ラストに少しだけ光が見えた。
北欧ミステリーの新たな1作
闇の中にある微かな光
《試写会にて鑑賞》
舞台は第一次世界大戦後のデンマーク。
コントラストの強い美しいモノクロ映像で描かれた
北欧ゴシックミステリーをしっかりと目に焼きつけました。
幸福から絶望へ。心を突き刺す作品。
傍観者ではいられない。
100年前の堕胎方法がまさかの…。
貧困と男性優位社会は、
現代の社会問題にも通じるものがありました。
直接的な描写はなくとも
ひとつひとつが生々しく痛々しい。
ホラー好きとしては個人的にとても好きな作風でした。
ラストは弱めでしたが濃密な123分でした。
俳優さんの目の演じ方が見事で
ダイレクトに感情が伝わってきました。
心理的恐怖を煽る音響、美術、画角、カメラワークが完璧。
本日はありがとうございました。
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