劇場公開日 2025年5月16日

「女が命の責任を負わされる、今も変わらない世界。」ガール・ウィズ・ニードル ゆたかちひろさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0女が命の責任を負わされる、今も変わらない世界。

2025年5月20日
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鑑賞方法:映画館

今年の胸糞オブTheイヤーになりそう!yearってか嫌〜!しんどいしんどい!50歳子持ちのオバチャンにはしんどいが過ぎるよ!母乳育児大変だったなぁ⋯。

サブスタンスを観る前に観ておけば良かった。女性性の消費に対する問題提起の部分は同じだけど真逆の描き方だった。

デンマークで実際に起きた事件に着想を得た物語。ラース・フォン・トリアーに最も影響を受けたと語る監督が描いた世界と知って、かなりわかりみが深まる。

街並みや部屋の美術、音楽が白黒の世界を哀しく美しく見せてくれて、モノクロ映画どうなの?と思ったけど、実際観るととても良かった。ただ、前半ちょっと眠かった。北欧の鬱々とした雰囲気とセリフで眠くなりがちです。

母乳って、あげれないと岩みたいにカチカチになってとにかく痛いんだよね。搾っても痛いんだ。あの辛さ思い出すだけでも憂鬱。
身体の痛みと心の痛み、全身全霊で痛みを感じるのですよ。後半は観ててずっと胸が痛い。

「あなたは善いことをした」と言う彼女のセリフは自分に向けての言葉でもあったのかな。弱者が身を寄せ合うあの世界に、果たして救いはあったのか。どこにも無いのかも知れない。

現代日本も、女が命の責任を負わされるという意味ではこの映画の世界とそう大差ない、同じ糸で繋がれてるんじゃなかろうかと思う。

タイトルの針の意味をあとから知って余計に落ち込むところまでセットで味わっていただきたい!

【パンフレット B5 表紙込み28P 1000円】

縫い針がデザインされた表紙と裏表紙、全体のデザインもページ端を縫ったようにデザインされてて全体的にレトロかわいい感じ。ヒグチユウコさんのイラスト良かったぁ。内容は、受賞歴や各賞のノミネート紹介、インフルエンサーコメント、ストーリーを思い出せるような劇中写真、公式解説&あらすじ、試写会後の監督アフタートーク、専門分野の人や作家、記者のレビュー4本、美術監督&映画プロデューサー磯見俊裕氏の美術レビュー、キャストスタッフ紹介、監督コメント、少しオフショットなんかもあって、少し高いかなと思いつつ満足。

ゆたかちひろ
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