劇場公開日 2024年5月10日

「不条理ものが好きな方にはぜひ。おすすめ。」またヴィンセントは襲われる yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0不条理ものが好きな方にはぜひ。おすすめ。

2024年5月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年184本目(合計1,276本目/今月(2024年5月度)18本目)。
(前の作品 「トランスフュージョン」→この作品「またヴィンセントは襲われる」→次の作品「妖怪の孫」)

 ※ 時間調整のために「コードギアス」を見てからになりますが、憲法論的な論点があるアニメ以外は基本的に見てもレビュー対象外です。

 なかなかありそうでなかったタイプの不条理ものホラー・スリラーというところですね。
目があっただけで殴られそうになるし何だでまともな生活ができなくなった主人公のもとに一人の協力的な女性があらわれ…さて、主人公は無事に生き残れるのか…というタイプのスリラーです。

 個人的には単純な娯楽映画ではなく、やや個々、憲法論的な論点があるのではないかなと思ったところです。
 一つ目は「テレワークでもいいから働かせてほしい」という部分。「コロナ」という語は出ませんが(ほか、コロナ事情をうかがわせるセリフはでない)
 もう一つ目は、「他の部分」(ネタバレ回避)で、映画内でもちらっと登場して、「登場人物」(「人」か?)と言える「犬」の部分で、フランス国内では犬の映画内のような不清潔なシェルター保護が問題になっているので、2023年以降は法で「対面での受け取りが原則、ペットショップ等原則禁止」となった点です(この「シェルター」という語は後半になってまた出てくる。おそらく「シェルター」が何を指すかによっては憲法論的な観方?)。

 こうした点も含んでいるので単純な娯楽映画でもなく、また一見「ありそうでなかった」タイプの映画なのでおすすめといったところです。ただ、上記にもちらっと書いた通り「犬に関してやや嫌悪感が出うる描写」が途中あるので、「犬は見るのも嫌い」という方はちょっと注意といったところです。

 なお、タイトルと仏版タイトル(Vincent doit mourir)は全然違いますが、おそらくアメリカなどを経由したものと思います(doitは、devoir(「しなければならない」「~する運命だ」という助動詞の直説法現在の三人称単数、mourirは「亡くなる」の意味。フランス語では助動詞のほうが活用し、直後の動詞は原形のまま)。

 採点にあたっては特に気になる点はないのでフルスコアですが「犬は見るのもちょっと抵抗がある」方はやや注意といったところです(一般指定なので、それでも配慮はあるほう。2月だったか3月だったかの、同じくフランス語映画の「ドッグマン」と描写レベルは近い)。

yukispica