人生の最初の日のレビュー・感想・評価

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4.5100%の幸福なんてない。でもね、ちょっぴりでも幸せになって生き直すことができたとしたら・・・どうかな?

2024年5月3日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

難しい

幸せ

監督が、世界的にヒットし各国でリメイクされた映画「大人の事情」の監督だと聞いたらそれだけで驚くだろう映画:何故ならテーマが自殺だから。

過去、自殺した人間が透明人間のガイド役になって、自分の後に自殺した人達と1週間を過ごす。ガイドはトニ・セルヴィッロが演じる。ガイドされ不思議な1週間を共に過ごすのは自殺したばかりの4名;男性(Valerio)、女性(ブイ!)、男の子(ダニエル)そして元・体操選手の若い女性。トニと共に透明な存在で自分達が死んだ時や葬儀の様子を見る。そこで家族や仲間が自分をどのように語り振る舞い悲しむかを見る。次の日から4名&トニは共に過ごしながら、順番に今までの家族や友との関係や暮らしを眺める。徐々に言葉を交わし始め、何に苦しんだのか、辛かったのかをぽつぽつと話し出す。幸せってなんだ?自分は何を望んでいたんだ?を問わず語りに考える。

カトリックのイタリアで自殺をテーマにした監督に敬意を表したい。上映後のQ&Aで監督は次のように答えた:これはカトリックの映画でないし天を仰ぎみるものではない。同じ人間同士で、自殺する人の思いと悩みに共感し、生き直そうと思えるかどうか本人が考える1週間を共に過ごす、そこに観客も居させてもらう。人間はそう簡単には自殺しない、勇気がいる、自殺しなければよかったと後悔した人もいたはずという監督の思いが優しく伝わった。どう判断するかはその人達次第だが、この映画は彼らを糾弾するのでなくあたたかく包み込む映画。完全なハッピーエンドでなくても観客に希望を与えてくれる。

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talisman