憐れみの3章のレビュー・感想・評価
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カルト、エログロ、支離滅裂で奇想天外な3話
3話オムニバスの作品。それぞれが、愛と支配をテーマにした奇想天外なストーリー。
それぞれの短編は、主たるキャストが別の配役で演じる。予告編からは予想しえない展開で、時に支離滅裂。カルトでエログロさに溢れる、ぶっ飛んだ映画。
「世にも奇妙な物語」的な側面も若干あるが、観る者により入り込み方が異なる。そんな理解、解釈しようとしてはいけないほどのスピーディーなストーリー展開、その理解不能なところについつい魅入る。
エマ・ストーン、ジェシー・プレモンスが好演。「バードマン」「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーンから、大きく進化した演技が素晴らしい。
サイコ的なぞわぞわ感にも襲われ、万人向けとはいえない映画だが、自分にはフィットした。
個人的にはマッケンローのラケットより、セナのヘルメットだなぁ
前作『哀れなるものたち』は頭では理解できるけど、微妙に心には刺さらない作品として記憶してました。正直、『ロブスター』や『聖なる鹿殺し』の方が好きでした。
本作は同一キャストによる中編3作という構成ですが、ものすごく魅力的でいて、全然理解できません!!!
シビル・ウォーを見た後にこちらを拝見したのでジェシー・プレモンスの一挙手一投足に目を光らせながらも、ウィレム・デフォーやエマ・ストーンの快演に心を奪われっぱなしです。
とりわけ三章目でダッジ・チャレンジャーをグリグリとドリフトさせるエマさんに痺れました(運転はしてないかもですが)
また、なによりマーガレット・クアリーさんの各パート変化ぶりはすごく、某作品の某まさみさん以上に堪能させていただきました。
「映画を見る楽しみ」を劇場でこれほど思い知らされる作品もなかったです。
次回作も期待しています、理解できないかもだけど
得体の知れない後味
スパイディヒロイン対決!
昨日は『スパイダーマン』のヒロイン・MJ役のキルスティン・ダンスト主演『シビル・ウォー』を観ました。
今日は今年最高候補の『哀れなるものたち』でも主演だったエマ・ストーンの『憐れみの3章』を観ました。エマ・ストーンは『アメイジング・スパイダーマン』のヒロイン・グウェンも演じました。
この2作を並べて観る意味は…特にありませんが、奇しくも共通点を見出すことができました!
それは2人とも、まだまだ健在!ということです!
キルスティン・ダンストの方は『シビル・ウォー』のレビューを書く時間があればそちらで言及するとして、エマ・ストーンはあゆを超える目の大きさと美貌! 『アメスパ3』が作られたら、新撮の回想シーンとして当時の年齢の役をこなせると思います!
あと、どっちも『トワイライト・ゾーン』感ありますよね。
『シビル・ウォー』は中盤の、時が止まったような普通の日常を続ける町。
『憐れみの3章』は2話が特に。宇宙人来襲モノとも取れて。(◥◣_◢◤)
あとは、どちらも目を覆いたくなるようなシーンが多いです。
『シビル・ウォー』は『ヘレディタリー』とかの「A24」の映画ですが、『憐れみの3章』の方が予算おさえめのホラー?で、不穏な音楽がかかるところや、宗教色、もといカルト教団色強めなところが「A24」っぽいなと思いました。(アリ・アスター監督?)
ところで、邦題の「憐れみ」は「哀れ」より「同情」の意味が強いらしいので、あまりしっくりこない気もします。
豪華な俳優陣でおくる奇妙奇天烈な世界たち〉
オムニバス形式の作品。3作品どこかに関連性があるのかな?って考えながら観たけど、私は特に見つけられなかった。
1つ目は一番現実味がある内容。それ故によけいに不気味で謎めいてる。ウィレル・デフォーから狂気が滲み出てる。
2つ目はどこかに都市伝説としてありそうな話をベースにかなり奇妙な雰囲気が漂ってた。ラスト、あ、ほんとに帰ってくるんだってちょっと驚いた。
3つ目はこれまた現実に存在しそうな団体と奇跡の話。3作品の中では一番オチが好き。
冒頭で共通点無いって書いたけど、感想書いてるうちに思ったのが、どの話もぶっ飛んでるのにどことなく現実味がある。だから奇妙奇天烈な設定なのに最後まで目が離せずに鑑賞できたのかな。
エマ・ストーンやウィレルたち名優がそれぞれの作品で全く異なる役を演じてるのもこの作品の魅力の1つ。役者の演技を浴びる映画だったな。
星新一のテイスト… 邦題は狙い過ぎ?
この邦題はちょっと違うかな、変な先入観を与える、同監督の前作とは違う作品。哀れみ…は関係ない、作品は不思議なコメディに近い。3話の不思議なテイストのアンサンブル、星新一の短編小説集みたい…と思ったら、少し見え方が変わって来て、RMFに注目して見ると、何で殺されなければならなかったのか?2章のパイロット?が陰謀を知ってしまったからなのか?などと想像が膨らむ。
同じ役者で違う3話を撮るなんて、撮影中はきっと楽しかっただろうな…。グロテスクな表現も多いので、それに印象が強く影響されなければ、不思議な味わいを割と楽しめるのでは。
通好みの大作で、社会的、文化的、哲学的考察を求められるのでは?と、...
エロくてグロくて胸クソ悪い作風
やっと観た。
この監督は苦手なんで、腰が重くなっちゃいますね(苦笑)
あい変わらず、エロくてグロくて胸クソ悪い作風(苦笑)
原題は『Kinds of Kindness』
グーグルで訳してみると『優しさの種類』
うーん…深い意味あるんでしょうね。
でも『憐れみの3章』って邦題の方がセンスいい。
なんで3章なんだろうと思ってたら、3つの話で成り立つ映画で、1時間ほどの話が3つ入ってます。
だから3章、なんか引っかかる気になるタイトル、センスいい。
役者陣も1話ごとに名前も役も変わり、1話1話が独立してるみたいだけど、もしかしたら繋がってるのかな?
最後、気になった…
とりあえず、もう1回観ます(観るんかい!)
なんか分かりそうで(笑)
謳い文句どおり、脳も心も、かき乱されます。
動物を傷付ける描写があり、動物愛護的に疑問を感じました。
フィクションでフェイクでも不快で、やっぱり好きになれないな…
頭と心をゆっくり優しくグチャグチャにされてる感じ
不条理ホラーコメディ?
映画のトーンとしては極めて正統的で社会派の映画なルックス。
ところがその内容が不条理極まりない。不条理であるが設定が絶妙で、物語の構成は先が読めずとてつもなく面白い。
鬼才ヨルゴス・ランティモス監督がとてつもない熱量で描いた傑作「哀れなるものたち」から間髪入れず製作した中編3作からなるオムニバス映画。
3作の出演者は共通しているが役柄は全く違うというアイデアが面白い。
関連性のない物語であるが、根底のテーマは共通していて「支配」と「服従」で、
第一話は支配する男と全てこの男の指示で生活する男が初めて反抗する話
第二話は遭難した妻が生還したが別人だと思い込み夫婦が崩壊していく話
第三話はカルト教団の教祖からある不思議な力を持つ神の子を探すよう命じられた女の話
物語は奇天烈で何が起こるかわからないところはホラー的展開。一方で変さ加減に思わず笑ってしまう部分はコメディー要素。
支配する者がいて、気が付かずに服従しているともいえる現代社会を誇張風刺しているのか。
各話は会社の上司と部下、結局は他人である夫婦、独裁的な国家元首に洗脳された国民、と解釈できるし、この辺りは観るものに委ねているのだろう。
相変わらず悪趣味なので観る人は選ぶ。
前作もそうであったが、今作でも動物虐待を思わすシーンがありその分マイナス評価。
ただ、物語の着想と脚本はとてつもなく面白いので映画ファンには強くお勧めしたい。
善に寄って立ち正気を保ってるのは幸運である
不可解なのか何なのか
脳フル回転で不思議な時間を堪能できる満足感
マッケンロー
奇怪な3章
エマ・ストーンはハリウッド女優の中で指折りのお気に入り女優なので、彼女の出演だけで観賞確定。
【物語】
3章のお話が独立している。
1章
上司・レイモンド(ウィレム・デフォー)に故意に自動車衝突事故を起こして相手を死なせることを強要されたロバート(ジェシー・プレモンス)。彼はこれまでプライベートに至るまで何でもレイモンドの指示通りに行動してきたが、「これはできない」と初めて断ったところ、妻を初め次々と大事なものを失い始める。
傷心のロバートはかつて妻を口説いたときと同じ方法(レイモンドの指示だった)で口説いたリタ(エマ・ストーン)と付き合おうとするが、彼女は交通事故に遭い入院してしまう。ロバートがリタの病院を訪れると、リタの病室からレイモンド出て来るのを見掛ける。
2章
ある警察官(ジェシー・プレモンス)の妻(エマ・ストーン)が海難事故で行方不明になる。諦めかけた頃妻が発見されて無事に戻って来る。しかし、妻は食の好みが変わっていたり、靴サイズが変わっていたり、男が奇異に感じる。やがて、男は「彼女は妻ではない」と言い始める。
3章
ある男女(ジェシー・プレモンス/エマ・ストーン)はある特殊能力を持った女性を探していた。その女性とは死後の人間を甦らせることができる女性で、限られた手がかり(条件)で女性を探していた。その男と女はある特異な集団に属しており、捜索はその集団のリーダー(ウィレム・デフォー)の指示だった。
【感想】
“哀れなるものたち”もやや奇妙な話だったが、本作はそれをはるか上を行く。もはや奇怪。
恐らく、3つの話に共通するもの、あるいは3つの話TOTALで描いているものがあるのだろう。が、俺にはサッパリ。 もう笑うしかない(笑)
但し、わからなくても退屈することは無かった。観終わったときに「わからん」とつぶやく作品は珍しくは無いのだが、そういう作品は途中で時計が気になったり、眠くなったりするのだが、本作はそれが無かった。165分という長尺にも関わらずだ。
それが、この監督の凄いところかも。
ちなみに長尺ということもあってか、エンドロールが始まると席を立つ人が多かったが、最後まで居た方が良い。一番最後に大事な映像があるのだ。
その映像でストーリー的には3章の終わりが1章の始まりに繋がっているらしいことが分る。
じゃあ、独立しているようで1~3章が繋がっているのか? と改めて思い返してみた。
が、1章と2章はどうやっても繋がらないし、2章と3章も同様。 やっぱり分からない・・・
共通点を探しても、1章と3章はウィレム・デフォー演じる組織の親玉の独裁・暴君ぶりは共通だが、2章にはその存在が無い。エマ・ストーンとジェシー・プレモンスの関係は3話とも近しい関係であることは共通だけど、「これから近づこうという男女」、「夫婦」、「任務遂行のパートナー」とう風に違うし、互いの気持ちも同じと言えない。
共通項も何も見つからない。
ウーン・・・
これ以上考え続けて、答えを出したいという気にもならいので、もう止めておこう(笑)
人によって好み・評価が分かれる映画。
私はこの映画に出演しているマーガレット・クアリーが好きなので鑑賞した。
まぁ、彼女のヌード姿が見れたので嬉しかったけれど、今後役者としてどうなって行くのだろうと一抹の不安を抱いた。エマ・ストーンと見比べると、一層そう感じる。
連作3編で構成され、同じ俳優を起用している。私は3編とも評価するが、観ていて楽しかったと問われれば否だ。面白かったのは確か。
第一話はドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」の次男イワンの「大審問官」そのもの。人はパンさえ与えておけば、生きていくのに自由意志はかえって邪魔になる。そんな一面の真理を突いた作品。
第二話は、遭難して死んだと思っていた妻が生きて助かった話。但し、その妻が姿形はそっくりなのに、別人ではないかと被害妄想に囚われた夫。
私は人間関係のストレスで、うつ病になったことがある。それまで自分はメンタル疾患とは無縁だと思い込んでいた。
被害妄想に囚われた夫を他人事だと思って観ていたら、誤りですよ。メンタル疾患は誰でも罹る時代になった。
第3話はカルト宗教の話。教主と男女を問わず性交するなんて、それで救われると思い込んでいてある意味感心した。
死者を生き返えらせる力を持つ人間を探すところは、宗教に有無を言わせぬ力を与えるので、奇跡が必要なのだと考えた。本来なら教主が持っているはずの能力なのに。
恐らく新興宗教のみならず、キリスト教も監督は批判的に見ているのだろう。聖水とか穢れとか。なんでエマ・ストーンは荒っぽい車の運転をするかと疑っていたら、最期に繋がっていた。
3時間近い社会批判に繋がる映画を製作するアメリカ映画界は凄いと感心した。日本だったら、無理だろう。挑戦する日本の映画人に期待する。
この監督はグロテスク描写に躊躇がない。嫌いな方は心して鑑賞するように。
私は駄目なタイプだ。
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