憐れみの3章のレビュー・感想・評価
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ふつうのひとなんかいないのだなあというリアリティ
不穏で奇天烈でポップでずっとワクワクしてた
難解すぎない
弱くて汚い人間がいっぱいでてた
そしてみんなどっかおかしくてふつうの人なんかいないのだなあというリアリティ
ショートドラマ3本の構成もめちゃよかったな
藤子不二雄Fの不穏な漫画を読んでるみたいな感じ
出演者同じなのにちゃんとちがう話
すごい演技力だ
エマ・ストーン カサカサした肌の感じとか、髪の毛がボサボサだったり、足首がそんなに細くなかったりとかそういうのが全部かわいかった
ジェシー・プレモンスをマット・デイモンだと思っていた笑
ホン・チャウの信仰宗教の教祖感笑
ランティモスのやさしさ
前回の「哀れなるものたち」の壮大な冒険譚も良かったけど、やっぱ、ランティモスは神話的アイロニー&悪趣味ブラックコメディが良い!今後もこの路線でお願いしたい。
本作の神は、無力な人間が謙虚に神に頼って従い、その上で「神のお入用なのだ」と勇気を持って日々歩むことを望む。そんな神の狡猾な方法にすっかり取り込まれているようなジェシー・プレモンスが見せる、エマ・ストーンへの様々なKINDNESS。
1章。ジェシー・プレモンスは自分と同じ境遇のエマ・ストーンを殺人の罪から救いたい。一度断った自分が代わりに罪を負う。
RMSが死んだのは、弱い人間を利用した神の計画、目的、意図の結果のように描かれているが、実は人間の無意識にある自由意志、根底にあるKINDNESSだったというお話。
これから始まる世界へ誘う完璧なストーリー。
2章。タブーなものを食べて生き延びて帰って来たエマ・ストーンに、自分の食事のために残酷な依頼をするジェシー・プレモンス。
人間の肉欲の力は、神の前になんの価値もない、神の心を満足させられるのは、エマ・ストーンが喜んで悔い改めること。ジェシー・プレモンスは神のように振る舞いながら、タブーを犯した妻(肉欲のカラス)を昇天させ、素直な妻(鳩)に帰って来させた。
宗教は人間が倫理を守るために寓話的に利用するもの。
3章。悪魔的クソ旦那と愛する娘への葛藤からカルト集団に依存しているエマ・ストーン。「愛されたい」「受け入れられたい」「支配されたい」と願いながら、無駄にドリフトを決めて駐車する癖は、「自由でありたい」「自己管理したい」という気持ちの現れ。そんな危ういバランスの彼女をジェシー・プレモンスは家族のように見守っている。
救世主を探し、ついに不思議な力を持つ女を見つけたエマ・ストーンは自由に喜びのダンスを踊り、その後の乱暴な運転で教団の愛を失うことになる。
無意識に「愛されたい」より「自立したい」が上回ったようだ。
で、ラスト。キリストの血は全人類の罪に赦しをもたらすために流されたと言うけれど、復活したRMSの胸を染めたのはまさかのケチャップ。大爆笑した。
登場人物たちが理不尽な目に遭うことで、人間の生はそもそも不条理であること、人は理由なく人を殺し、殺されること、神がいざという時になんの助けにもならないこと、そもそも神は介在しないことを問答無用に理解させる。今の世界に痛烈なメッセージだと思った。
以前のランティモスは少々自虐的だったが、本作のランティモスは意地悪さがない。人間の自由意志、倫理、自立という三柱を軸に、私たちの根底のKINDNESSに希望を与えてくれた。
愚かさは人間味?
人間の愚かさ、可愛らしさや盲目さ、時の流れの空虚さ、不条理や馬鹿馬鹿しさみたいなものをギュッと濃縮したストーリーを3つのパターンでみせられました。
奇想天外な設定を生む発送と出演者の見事な演技が無ければ成り立たないものでしたね。
もちろんエマ・ストーンがキレキレでしたが、マーガレット・クアリーが光っていました。
少し「笑うせえるすまん」の世界を思い出してしまいました。
思っていたよりずっとダーク
Qアノン、陰謀論、カルト集団……
それぞれの顛末を描いた3章。
もうね、豪華俳優陣がそれらを演じているので、
それを観れる贅沢さはあるんですけれども、
本当に居心地は悪いですね、ええ。
ランティモス、以前は自虐的なものばかりだった印象だけど、
最近はだいぶ社会を俯瞰で見た中に自分のフェチズム差し込んでる感じ。
それはそれでスケールでかくて見ごたえあるんだけど、
まだまだ子供の私は、昔のようなやつも観たい。
いやー、3章目のエマ・ストーンがとんでもなかったな。
もうさ、あのスタスタ歩く感じと濃いめの化粧でさ、
あの車ドリフトさせる感じも堪らなく切なかったですな。
もう、あの夫の事実を知ってからは冷静に観られないのよ。
そこを感傷的にしなかったのがいい事なのか、悪い事なのか
今でも掴み切れてはいない。
でもやっぱノリノリで演じてるから観てても最高に気分上がるし、
もう結局はあの主人公に身を寄せてしまうのよね。
ホウ・チャンも素晴らしかったし。
あのキャラ、モデルが色々浮かんでくるよ…。
そしてジェシー・プレモンスよ。
あの3章のキャラクターって今まであんまり無くなかったですか?
優しいとか、勘違い野郎とか、寡黙なやつとか色々ありましたけど、
なにあの風貌、仕草。エマとの相性も最高だった。
どういう顔して見ていいか分からないのが、
やっぱりヨルゴス・ランティモス。ずっと期待を裏切られる。
理解が追いつかない
アリ・アスター監督のボーはおそれているを思い出しました。何となく悪夢を見ているような感覚。
ランティモス監督は聖なる鹿殺しが良かったので、それ以降追いかけてますがちょっと好みに合わなくなって来ました。。
エマ・ストーンももっと綺麗に撮ってくれる監督作品に出て欲しいです。
”アワレ”シリーズ第2弾の正解は見つかるか?
「哀れなるものたち」に続くヨルゴス・ランティモス監督、エマ・ストーン主演作品でした。ウィレム・デフォーも両方とも出演してるし、「アワレなるものたち」に続いて「アワレみの3章」と、邦題的には「アワレ」シリーズ第2弾とも言えるのかなと。ただ「哀れなるものたち」は幻想的な世界のお話でしたが、本作は現実社会が舞台になっていて、内容的には全く繋がりはありませんでした。ただ不気味さ、不可解さは相変わらずのヨルゴス・ランティモス風味であり、一見したところの「なんだこりゃ」感は共通していたと言って良いかと思います。
さて本作の内容ですが、邦題の通り3つの章だてのオムニバスで、「アワレ」シリーズ第1弾と第2弾同様に、3つの章それぞれの話に直接関連はなかったものの、エマ・ストーンやジェシー・プレモンスらの出演者は同じ。それぞれの話にどんな共通項があるのだろう、何のメタファーになっているんだろうなど、そんなことを考えながら観ましたが、第1弾同様正直正解を掴むのは中々難しいと感じたところでした。
私なりの稚拙な解釈としては、1章目は支配者に不満を抱きながらも支配者を欲する現代の大衆がロバート(ジェシー・プレモンス)であり、”パンとサーカス”を与えながら大衆を弄ぶ支配者がレイモンド(ウィレム・デフォー)のメタファーなんだろうと感じました。これは結構正解に近いと自負(笑)
ただ2章目は難しい。ダニエル(ジェシー・プレモンス)の”被害妄想”とリズ(エマ・ストーン)の”純粋な愛情”のすれ違いを描いていましたが、はてこれは何を意味するんだろう?極度の緊張状態が続く日常の末に”言葉”が無力化していき、コミュニケーション不全に陥り、分断が進む世界を描いているのかしら?
そして3章目は、オミ(ジェシー・プレモンス)を教祖とする新興宗教っぽい団体の過度な純粋さの追求と言うか、処女崇拝と言うか、ピューリタニズムと言ったものと、その反転としての純粋でないものの排除を描いており、これには現実逃避することでしか精神の安定を得られない現実世界へのペシミスティックな視点が感じられたところでした。
以上稚拙な感想が頭に浮かんだところで「Kinds of Kindness」という原題に注目。”Kindness”には”親切”、”優しさ”、”いたわり”、”慈愛”なんていう意味がありますが、ここでは”優しさ”とか”慈愛”とするのが妥当なのかしら。とすると、原題を直訳すれば「優しさの種類」となる訳で、それを素直に解釈すれば、3章の共通項は”優しさ”ということなんでしょう。
1章目では、自立できない大衆に生きる意味を与えてくれる支配者の”優しさ”を、2章目では夫に与えて貰った恩に対する恩返しをするためなら、自らの命も顧みない妻の”優しさ”を、そして3章目では”純粋さ”に帰依する教義を守れる者の間だけの”優しさ”をそれぞれ描いているのかなと思ったところでした。そしてそんな”優しさ”は、当事者にとっては至高の存在でありながら、第三者的には全く意味がなさそうと感じた訳ですが、果たして正解は何処にあるのでしょう?
あと、全然本作とは関係ないところですが、日常生活が舞台なのに、最終的には破滅的な結末が待っていた本作。鑑賞後感としては夏目漱石の「夢十夜」と似たところがありました。オムニバス形式ってところも共通しているし。
そんな訳で、いろんな解釈を考えることで鑑賞後も楽しめた本作の評価は★4.5とします。
きっついっっっ
♪Sweet dreams are made of this
Who am I to disagree?
I travel the world and the seven seas♪
ユーリズミックスのスィートドリームスじゃん
♪Everybody's looking for something♪を一緒に歌おうとしたらいきなり止まった。
あっぶねー。ご用心。
途中までマットデイモンだと思ってた。
♪Some of them want to use you
Some of them want to get used by you
Some of them want to abuse you
Some of them want to be abused♪
他者の力を利用しようとする者もいれば
他者に利用されることを望む者もいる
他者を虐待しようとする者もいれば
他者に虐待されたいと望む者もいる
あああああ・・・
疲れたぁ
帰りの運転が不安になる程,精神がやられた‥
R15ならいけるだろうと思ったら、いやはや激しい!
「ちょっとホラーですよ」って言ってくれてたら見なかったのに。
ふーー疲れた。
帰宅して、落ち着いて思い起こせば、凄い作品!
変態博覧会
これは中々にとち狂った作品でした。この手の作品でワクワクさせられるとは思っておらず、食べてたポップコーンへ伸びる手が何回止まったことか。
第1章では富豪に人生そのものを奪われて使い勝手の良い駒のように扱われてる男の話で、殺人も厭わずにやるけれどそれ至るまでの経緯が妙に長ったらしいですし、引き込む流れがもう憐れすぎて良かったです。
足をぶつけて痛めるだけなのになんで骨折レベルまで痛めるのか全く分からなかったですし、もう行動全てが支離滅裂ですが、自分の立場を守るためにがむしゃらに行動するという点では理解できました。
3つの物語の中ではそこまでぶっ飛んでない気がするので物足りなかったんですが、RMFおじさんを轢きまくるところだけは良かったです。
第2章は遭難事故から帰ってきた妻が別人なんじゃ?と疑う旦那の話で絵作り的にも話的にもこの2章が一番気持ち悪くて好きでした。
帰ってきた妻の変化を怪しむだけならまだしも、色々と見えなくなってきて民間人を撃ってしまうなどなどヤバさが集まってきましたが、そんな事より4Pプレイの映像を鑑賞するというとんでもない空間のシーンは家だったら腹抱えて笑い転げる自信があります。
今作のグロの部分はこの章に集結していたなと思いました。
君の指が食べたいな〜どの指でもいいから切ってくれない?とねだるレベルが異常ですし悪気なく旦那が言うもんですからゾワゾワしますし、今日は肝臓が良いな〜と軽い感じでメニュー変更したら本当に肝臓抉り取って死んでるという絵面のインパクトと実行力が悍ましかったです。
オチ含め謎に満ちていた作りで好みでした。好んだってしょうがないんだけれども。
第3章ではカルトじみたストーリーになりますが、そのきな臭さが絶妙なラインを突いていて頭の中こんがらがりましたが、もう3つ目の物語になればそれさえも癖になってくる不思議。
宗教ならではの細かい決まりごとに沿って進んでいくんですが、エマ・ストーンが3章の中で一番活き活きしていますし、絶対にそんなスピード出さんで良いやんってくらいのスピードでドリフトかましちゃったりしてるところは笑いっぱなしでした。
唐突にダンスしだすところでバッチリ吹き出しました。お世辞にも上手とはいえないダンスを1分くらい見せられるので館内が唖然とした雰囲気だったのが面白かったです。
分からずじまいのところも多かったですが、ジェットコースター感覚で楽しめたのでもうヨシです。
RMFというおじさんが全編ノー台詞ながら根幹にある作りでしたし、最後にサンドイッチ食べれて良かったね〜となんかポップな気分になれて終わったのが不思議でした。
とち狂った気味の悪さがとても好みでした。少し長すぎる気もしましたがまだ見ぬ映画体験だったので満足です。
鑑賞日 10/1
鑑賞時間 9:50〜12:50
座席 I-8
完成度の高い完璧な悪趣味
不条理な世界を描かせたらピカイチのランティモス。今回も期待を裏切らない、完成度の高い完璧な悪趣味な世界が繰り広げられています。
この見終わった後に感じる、独特な後味の悪さとクセになるこの感じ…。
特に今回は『籠の中の乙女』や『ロブスター』のランティモス風味満載でとても良かった。
3本のオムニバス形式で、出演者が変わらないものの、それぞれのストーリーで立場が変わり、繋がっているようで繋がっていない、不条理な世界で物語が進んでいく。
特に説明もなく、謎のようなタイトルと、その世界がさも当たり前のように展開され、気が付いたらストーリーは終わり、そしてまた次の世界が展開される…
ランティモスの世界を堪能するには充分な作品。
完成度が高い故(インテリアが素敵とか、車がかっこいいとか、、、)、完成度の高い悪趣味さが際立って見えます。そこが好き嫌いの分かれ目なんだろうな。
『哀れなるものたち』みたいな壮大さはいらないので、いつまでも心の奥底に澱のように溜まってしまい消すことのできない、良い意味で後味の悪い作品を、ランティモスには撮り続けてもらいたいです。
邦題は酷く反語的なタイトルになっていると思う。3時間近くずっと不条...
邦題は酷く反語的なタイトルになっていると思う。3時間近くずっと不条理なことが起き続けるのだが、愛と支配(セックスとヴァイオレンスと言い換えても可)に下支えされたヒリつくような緊張感が保たれていて、飽きさせない。印象としてはまるで異星人の求愛儀式を見せられているような…共通の役者で別々の物語を演じて見せる全3章を通じたキーワードは、額の傷(聖痕)、魚(と水)、双子、死者の復活?これも3章を通じて、ウィレム・デフォーの邪悪なる大父(マグナ・パーテル)ぶりがいっそセクシーでさえある。「裸のマハ」めいたフルヌードまで披露して、その矮躯から発せられる神々しいまでの凶気たるや!不穏なピアノBGMとともに、本作品の最大の見どころだろう。
シートベルトを締めましょう
どう反応すれば良いのかわからんぶっ飛んだ内容ではあるが、保護する事と支配する事、愛する事と疑う事、悟らせる事と洗脳する事はそれぞれ紙一重ってとこかな?…などと無理矢理理解しようとせずにシチュエーションの面白さを楽しもう。
最後のダンスめちゃかっこいい。
めちゃくちゃ刺激的
冒頭からアガる⤴️
3章全然話が違うが、話はどれも面白い…やはり想像の上を行く変わったストーリー
そしてテーマもちゃんとあるし見終わってみればなるほど🤔と考えさせてくれる
凄いものを見てしまった👏
次はどんな作品を撮るのか目が離せない👀
kinds of kindness
原題のまま、kinds of kindnessにすればよかったのにと思いました。
松浦美奈さんの訳は好きなので、邦題は宣伝部の意向であって欲しい。
「憐れみ」って、人を可哀想に思うことに近い感情だと思うので。
kindnessだと、3本ともしっくりくる気がしました。
それはさておき。
「愛」の捉え方を俯瞰で見ると、こういうふうに見えるのかな。
当人たちは、いたって真面目で真剣であっても、他人から見たら残酷だったり、馬鹿馬鹿しかったり。でも愛なんだろうな。
愛する人が食事をとらなくて今にも死にそうで、唯一食べたいものが君って言われたら、自己犠牲の行動をとるだろうか?
愛する人から死ねって言われたら、死ねるだろうか?
俯瞰で見たら、他人から見たら、そんなの止めろって、一笑に付される案件だけど、当人たちは至って本気。
DVとか、ホストに貢ぐとか、何かを偏愛するとか、それと同じことなんだろうな、などと余計な思考が浮かび上がって頭フル回転で見てしまったので、次に見るときは、RMFの細かい演技をじっくり観察して見たいです。
あと、ハリネズミが好きなので、子どもが連れてきたときに、ハリネズミだけは食べないで、鍋で煮ないで〜!と祈るように見てしまいました。
奇妙な短編小説3つ
3つの話は支配とか束縛とか疑心暗鬼、みたいなテーマでゆるく繋がってるけど、基本的には別のお話し。
哀れなるものたちを観た後も奇妙な世界観に引き込まれた感があったけど、あれよりさらに独特な世界観でストーリーが説明できません。
ジワジワと恐怖が這い上がってきて、最後までスッキリしないのが分かってるのに観ちゃう。変な中毒性な映画でした。
24-099
短編3本からなる物語。
出てくる役者は同じだけけれど、
役柄も関係性も、物語の背景も違う。
頭が混乱してしまう😵💫
どの話もよくわからん🤨
設定が意味不明なのでよくわからん🤨
3本目の結末は捻りなし🤨
マーガレットクアリーのキュートさだけが救いでした😅
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