憐れみの3章のレビュー・感想・評価
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不条理ホラーコメディ?
映画のトーンとしては極めて正統的で社会派の映画なルックス。
ところがその内容が不条理極まりない。不条理であるが設定が絶妙で、物語の構成は先が読めずとてつもなく面白い。
鬼才ヨルゴス・ランティモス監督がとてつもない熱量で描いた傑作「哀れなるものたち」から間髪入れず製作した中編3作からなるオムニバス映画。
3作の出演者は共通しているが役柄は全く違うというアイデアが面白い。
関連性のない物語であるが、根底のテーマは共通していて「支配」と「服従」で、
第一話は支配する男と全てこの男の指示で生活する男が初めて反抗する話
第二話は遭難した妻が生還したが別人だと思い込み夫婦が崩壊していく話
第三話はカルト教団の教祖からある不思議な力を持つ神の子を探すよう命じられた女の話
物語は奇天烈で何が起こるかわからないところはホラー的展開。一方で変さ加減に思わず笑ってしまう部分はコメディー要素。
支配する者がいて、気が付かずに服従しているともいえる現代社会を誇張風刺しているのか。
各話は会社の上司と部下、結局は他人である夫婦、独裁的な国家元首に洗脳された国民、と解釈できるし、この辺りは観るものに委ねているのだろう。
相変わらず悪趣味なので観る人は選ぶ。
前作もそうであったが、今作でも動物虐待を思わすシーンがありその分マイナス評価。
ただ、物語の着想と脚本はとてつもなく面白いので映画ファンには強くお勧めしたい。
結構、笑える映画かも
この映画、支配被支配、従属、家族、宗教、生(性)と死などいろいろ論じるテーマはあると思います。YOUTUBEでいろんな人のレビューを聞いて感じたのは、難しいことは抜きにして、結構笑えるシーンがあるなということです。3話目でエマストーンがあの紫色の車(ダッジチャレンジャーというらしい)をアクセル吹かせながら車両後部を大きく回転させながら止まる(ドリフトというらしい)シーン。あれなんかはわざわざそんなことをする必要はないのに、なぜか毎回やってることに笑ったという人がいましたが、同感です。「なぜそんなことするの」と突っ込みながらも、笑うしかありません。2話目で妻がいなくなったジェシー・プレモンスを友人夫婦が訪ねて励まそうとして、結局この夫婦2組のスワッピングビデオを3人で見るシーン。ジェシー・プレモンスは食い入るように見てますが、友人夫婦は嫌々ながらそれに付き合わされている印象。唖然としますが、でもこれも爆笑ポイントだと思います。江戸時代、春画は笑い絵と呼ばれていたそうです。これは映画そのものではありませんが、町山智浩さんがこの映画を見ていない聞き手に、この映画を見た後の食事は、焼き肉だけはやめた方がいいと言ってましたが、これにも大笑いしました。焼き鳥も食べない方がいいと思います。他にも笑えるシーンがあると思います。もう1回見て、それを探したいと思います→2回目に見て、笑ったシーン:3話目で死者を蘇らせる力のある女性を見つけ、裸にし、両乳首とへその間の間隔を測るシーンがありますが、ここは奇妙さ満点で、やはり「なぜそんなことするの」と突っ込んでしまうのですが、それを真面目にというか一生懸命にエマストーンがやることで、もう笑いがこみ上げてきます。私にとって、理解不能のシーン、これは笑うことでしか受け容れられないということなのかもしれません。また、自分の娘の部屋に忍び込み、聖水(教団の教祖が浴びた水?)を手でパラパラとベッドや床などに振りかけるシーンが2回くらいあります。多分娘への愛情あるいは娘の健やかな成長を願う親の気持ちの表れだと思いますが、これも実に奇妙です。ヘンテコな行為をいかにもまじめな面持ちで行うエマストーン。このことが滑稽さを生み出しています。
映画らしい快作!
「哀れなる…」よりもこっちが好き。
この監督、こういう方が得意だよな。
●異常な世界でリアルな人物葛藤がある。そのコントラストが新鮮だ。
●観客の隙をつくのがうまい。そういうのは見せないんだよな…と思ってたら見せるんかい!みたいな?
●先がまったく見えないストーリー。だから見る側がのめり込む。これって何だ?何だ?どうなるの?どうなるの?が心地よく続く感じ。小説で言うページをめくる手が止まらない的な。
●演者の演技バトルが楽しい。このレベルの俳優だと、キャラクターの演じ分けが素晴らしい。たぶんそれも狙いの内なんだろうな。
●バカさ加減もいい。
尖った作品で堪能した。
善に寄って立ち正気を保ってるのは幸運である
不可解なのか何なのか
脳フル回転で不思議な時間を堪能できる満足感
マッケンロー
鑑賞動機:ヨルゴス・ランティモス8割、3部構成1割、予告1割
例によって例のごとく変な映画撮るね。
やあ、またあったねジェシー。
変てこ3編で長さは感じない。困惑度合いはすこし少なくなった…気がする。いいのか悪いのかわかんないけど、ちゃんと終わってる。けどさあ、シャツの刺繍!?
1話目の特に前半は、こちらがランティモス脳になかなかチューニングできず、驚いてばかりだったけど、だんだん慣れてくる。いやでも2話目はどういうことかわからないけど、それもまたよし。好きかと言われると考え込んでしまうけど。
何であんなに乱暴な運転するのだろう。
賛否別れるかも
映像や手法は凄く真っ当で王道の映画で格好よく魅力に溢れた画面作り。
だけど、3章共同じ俳優さんが演じてる事が人によっては混乱と面白さの評価が別れる気がする。
恐怖と笑いが紙一重のように、笑って良いのか怖いのか、迷うだろう。自分は2章の途中から恐怖と狂気を感じ、2章の途中からエンドロールがとても怖かった。
ハリウッドの演技力ってもの凄いんだなって改めて思い知らされた。
終演後パンフレットを見てほとんど同じ俳優さんだった事に驚いた。
髪型を変え、髭を蓄え、眼鏡をかけたり服装、演技を変える事で全く違う人に見える。メインキャストの3人だけじゃなく、周りも三役演じている。それが連続して上映されるわけだから、混乱するなと言う方が難しい。
R.M.Fだけ同じ人でも良かったのかも知れない。だけど、それを同じキャストでやってのけた俳優の皆さんに敬意をはらいたい。
パンフレットの解説で、この映画の良さがクリアになった。是非読んで見て欲しい。演劇とかあんまり見ないけど、この作品はとても演劇的でなのかも知れない。
日本で同じ様な作品を映像化すると恐らく大炎上するだろう。コンプラまみれで、キャストと俳優の境界線が曖昧になった日本では撮れないのではないか。
お笑いコントライブや演劇では自分が知らないだけであるような気もするが、それを高いクオリティーで映像化する監督やそれに答えるキャスト、スタッフはやはり一流だと思う。
最後のエンドロールが流れ初め、全く繋がってなかったのか!と答えをまとめた瞬間に続きがながれ、もしかして繋がってる?という気持ちで心臓がドキドキした。
原題の「Kind of Kindness」 =「親切の種類」?というタイトルも凄く皮肉めいていて、いい。「憐れみの」と言うのは混乱を読んだかも知れない。ただ、代わりになる邦題が思いつかないし、原題ではマーケティングに弱い。
だとすると「憐れみの3章」で良かったのか。
良い意味でも悪い意味でも価値観や倫理観が揺さぶられる作品。
とにかく、もう一度見たい。
奇怪な3章
エマ・ストーンはハリウッド女優の中で指折りのお気に入り女優なので、彼女の出演だけで観賞確定。
【物語】
3章のお話が独立している。
1章
上司・レイモンド(ウィレム・デフォー)に故意に自動車衝突事故を起こして相手を死なせることを強要されたロバート(ジェシー・プレモンス)。彼はこれまでプライベートに至るまで何でもレイモンドの指示通りに行動してきたが、「これはできない」と初めて断ったところ、妻を初め次々と大事なものを失い始める。
傷心のロバートはかつて妻を口説いたときと同じ方法(レイモンドの指示だった)で口説いたリタ(エマ・ストーン)と付き合おうとするが、彼女は交通事故に遭い入院してしまう。ロバートがリタの病院を訪れると、リタの病室からレイモンド出て来るのを見掛ける。
2章
ある警察官(ジェシー・プレモンス)の妻(エマ・ストーン)が海難事故で行方不明になる。諦めかけた頃妻が発見されて無事に戻って来る。しかし、妻は食の好みが変わっていたり、靴サイズが変わっていたり、男が奇異に感じる。やがて、男は「彼女は妻ではない」と言い始める。
3章
ある男女(ジェシー・プレモンス/エマ・ストーン)はある特殊能力を持った女性を探していた。その女性とは死後の人間を甦らせることができる女性で、限られた手がかり(条件)で女性を探していた。その男と女はある特異な集団に属しており、捜索はその集団のリーダー(ウィレム・デフォー)の指示だった。
【感想】
“哀れなるものたち”もやや奇妙な話だったが、本作はそれをはるか上を行く。もはや奇怪。
恐らく、3つの話に共通するもの、あるいは3つの話TOTALで描いているものがあるのだろう。が、俺にはサッパリ。 もう笑うしかない(笑)
但し、わからなくても退屈することは無かった。観終わったときに「わからん」とつぶやく作品は珍しくは無いのだが、そういう作品は途中で時計が気になったり、眠くなったりするのだが、本作はそれが無かった。165分という長尺にも関わらずだ。
それが、この監督の凄いところかも。
ちなみに長尺ということもあってか、エンドロールが始まると席を立つ人が多かったが、最後まで居た方が良い。一番最後に大事な映像があるのだ。
その映像でストーリー的には3章の終わりが1章の始まりに繋がっているらしいことが分る。
じゃあ、独立しているようで1~3章が繋がっているのか? と改めて思い返してみた。
が、1章と2章はどうやっても繋がらないし、2章と3章も同様。 やっぱり分からない・・・
共通点を探しても、1章と3章はウィレム・デフォー演じる組織の親玉の独裁・暴君ぶりは共通だが、2章にはその存在が無い。エマ・ストーンとジェシー・プレモンスの関係は3話とも近しい関係であることは共通だけど、「これから近づこうという男女」、「夫婦」、「任務遂行のパートナー」とう風に違うし、互いの気持ちも同じと言えない。
共通項も何も見つからない。
ウーン・・・
これ以上考え続けて、答えを出したいという気にもならいので、もう止めておこう(笑)
人によって好み・評価が分かれる映画。
私はこの映画に出演しているマーガレット・クアリーが好きなので鑑賞した。
まぁ、彼女のヌード姿が見れたので嬉しかったけれど、今後役者としてどうなって行くのだろうと一抹の不安を抱いた。エマ・ストーンと見比べると、一層そう感じる。
連作3編で構成され、同じ俳優を起用している。私は3編とも評価するが、観ていて楽しかったと問われれば否だ。面白かったのは確か。
第一話はドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」の次男イワンの「大審問官」そのもの。人はパンさえ与えておけば、生きていくのに自由意志はかえって邪魔になる。そんな一面の真理を突いた作品。
第二話は、遭難して死んだと思っていた妻が生きて助かった話。但し、その妻が姿形はそっくりなのに、別人ではないかと被害妄想に囚われた夫。
私は人間関係のストレスで、うつ病になったことがある。それまで自分はメンタル疾患とは無縁だと思い込んでいた。
被害妄想に囚われた夫を他人事だと思って観ていたら、誤りですよ。メンタル疾患は誰でも罹る時代になった。
第3話はカルト宗教の話。教主と男女を問わず性交するなんて、それで救われると思い込んでいてある意味感心した。
死者を生き返えらせる力を持つ人間を探すところは、宗教に有無を言わせぬ力を与えるので、奇跡が必要なのだと考えた。本来なら教主が持っているはずの能力なのに。
恐らく新興宗教のみならず、キリスト教も監督は批判的に見ているのだろう。聖水とか穢れとか。なんでエマ・ストーンは荒っぽい車の運転をするかと疑っていたら、最期に繋がっていた。
3時間近い社会批判に繋がる映画を製作するアメリカ映画界は凄いと感心した。日本だったら、無理だろう。挑戦する日本の映画人に期待する。
この監督はグロテスク描写に躊躇がない。嫌いな方は心して鑑賞するように。
私は駄目なタイプだ。
原題は優しさの種類
憐れみの3章って邦題はどこからきたのか?
分かりにくい映画だったわ〜
1章は大きく社会の一部としての依存
2章は夫婦間の価値観の依存
3章は宗教への依存
だったのかな?と解釈している。
鑑賞された方のレビューを読み耽ります。
優しさや穏やかさが狂気的に描かれる不気味さにミゾミゾする。
なんとも後味の悪いのが好きな方にはたまらない映画だと思いました。
ヨルゴス・ランティモスは抽象画家のような監督だな。
哀れなるものたちの方がまだ分かりやすかった。
三章のうち二章まるまる頭に??浮かべながらエンドロールを迎えた。
考察が捗る系感性で感じ取れよ系映画だった。
前の席のご年配夫婦が濡場で気まずそうにしていたのが印象的だった。
1人で観るのが正解の映画。
万人にはオススメできません。
胸糞エロゴア大丈夫な人だけご覧ください
テーマは可哀想な人なのか
お勧めしませんが、良かったです。親切に伝えます。
ユーモアのある意地悪
おまけ映像無し
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