憐れみの3章のレビュー・感想・評価
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スパイディヒロイン対決!
昨日は『スパイダーマン』のヒロイン・MJ役のキルスティン・ダンスト主演『シビル・ウォー』を観ました。 今日は今年最高候補の『哀れなるものたち』でも主演だったエマ・ストーンの『憐れみの3章』を観ました。エマ・ストーンは『アメイジング・スパイダーマン』のヒロイン・グウェンも演じました。 この2作を並べて観る意味は…特にありませんが、奇しくも共通点を見出すことができました! それは2人とも、まだまだ健在!ということです! キルスティン・ダンストの方は『シビル・ウォー』のレビューを書く時間があればそちらで言及するとして、エマ・ストーンはあゆを超える目の大きさと美貌! 『アメスパ3』が作られたら、新撮の回想シーンとして当時の年齢の役をこなせると思います! あと、どっちも『トワイライト・ゾーン』感ありますよね。 『シビル・ウォー』は中盤の、時が止まったような普通の日常を続ける町。 『憐れみの3章』は2話が特に。宇宙人来襲モノとも取れて。(◥◣_◢◤) あとは、どちらも目を覆いたくなるようなシーンが多いです。 『シビル・ウォー』は『ヘレディタリー』とかの「A24」の映画ですが、『憐れみの3章』の方が予算おさえめのホラー?で、不穏な音楽がかかるところや、宗教色、もといカルト教団色強めなところが「A24」っぽいなと思いました。(アリ・アスター監督?) ところで、邦題の「憐れみ」は「哀れ」より「同情」の意味が強いらしいので、あまりしっくりこない気もします。
Sweet Dreams
ユーリズミックスの「Sweet dreams」。
大好きな曲が使われていると知り、この作品を見に行った。
美しくどこか悪魔的で抗えないメロディー。
謎めいているのに確信を突くような歌詞。
そしてそれは心に長くエコーを引く。
この作品もそんな印象がする。
本当は自分が選んだ世界だったんだろう。
でもその世界に飲み込まれ、翻弄され、縋って、拒絶されて。
そして力の限りを尽くして臨界に達する。
なんだかSFみたいなファンタジーみたいな、
どこにもありえない世界でありながら、
どこにでもあるような世界で、
誰にも似ていないような、
でも誰でもそうであるような人々が、
それぞれの強い思惑で他人を引き、
他人の強い思惑に引かれ、
そして悪夢に追い付かれる。
かなり長い映画だったが、全く飽きなかった。
美しい映像の中で人々がエキセントリックにクルクル回る様に、
息を呑み、失笑し、気分が悪くなり、切なくなり、
そして映画館の明かりが点った。
映画でなくてはできない表現の映画が好きだけど、
これは久々にそういう感じのする映画だった。
個人的には第三話が好き。
轢き殺されて復活した彼は、
(と自分は思っている)
何事も無かったかのようにサンドウィッチを食べる。
それに何かホッとする自分が奇妙で可笑しかった。
むむむ
ポスターに惹かれて、ムム人間の内面に関わる問題提起か?と勝手に先走っていたが、この映画は真面目に観てはいけないのかも知れない。
おいおいそうくるかあと斜に構えて、あははと笑いながら観るのだろう。
最後のRMFの登場でやっとそれを理解した笑
豪華な俳優陣でおくる奇妙奇天烈な世界たち〉
オムニバス形式の作品。3作品どこかに関連性があるのかな?って考えながら観たけど、私は特に見つけられなかった。 1つ目は一番現実味がある内容。それ故によけいに不気味で謎めいてる。ウィレル・デフォーから狂気が滲み出てる。 2つ目はどこかに都市伝説としてありそうな話をベースにかなり奇妙な雰囲気が漂ってた。ラスト、あ、ほんとに帰ってくるんだってちょっと驚いた。 3つ目はこれまた現実に存在しそうな団体と奇跡の話。3作品の中では一番オチが好き。 冒頭で共通点無いって書いたけど、感想書いてるうちに思ったのが、どの話もぶっ飛んでるのにどことなく現実味がある。だから奇妙奇天烈な設定なのに最後まで目が離せずに鑑賞できたのかな。 エマ・ストーンやウィレルたち名優がそれぞれの作品で全く異なる役を演じてるのもこの作品の魅力の1つ。役者の演技を浴びる映画だったな。
星新一のテイスト… 邦題は狙い過ぎ?
この邦題はちょっと違うかな、変な先入観を与える、同監督の前作とは違う作品。哀れみ…は関係ない、作品は不思議なコメディに近い。3話の不思議なテイストのアンサンブル、星新一の短編小説集みたい…と思ったら、少し見え方が変わって来て、RMFに注目して見ると、何で殺されなければならなかったのか?2章のパイロット?が陰謀を知ってしまったからなのか?などと想像が膨らむ。 同じ役者で違う3話を撮るなんて、撮影中はきっと楽しかっただろうな…。グロテスクな表現も多いので、それに印象が強く影響されなければ、不思議な味わいを割と楽しめるのでは。
通好みの大作で、社会的、文化的、哲学的考察を求められるのでは?と、...
通好みの大作で、社会的、文化的、哲学的考察を求められるのでは?と、戦々恐々としてしまいましたが、監督はそんなマジレス欲しいワケじゃあないですね。 気楽な映画です。 ちょっと不条理でオフビートなコメディー。 シリアスな展開の中にちょくちょく吹き出すシーンを入れてくるんですが、社会風刺っぽいストーリーは実はどうでもよくて、全てのシーンが、オチで笑いを取るための伏線という感じ。 監督は、笑いの為には手段を選ばない、昔気質のコント師みたいな人かも。 志村けんとか。
エロくてグロくて胸クソ悪い作風
やっと観た。 この監督は苦手なんで、腰が重くなっちゃいますね(苦笑) あい変わらず、エロくてグロくて胸クソ悪い作風(苦笑) 原題は『Kinds of Kindness』 グーグルで訳してみると『優しさの種類』 うーん…深い意味あるんでしょうね。 でも『憐れみの3章』って邦題の方がセンスいい。 なんで3章なんだろうと思ってたら、3つの話で成り立つ映画で、1時間ほどの話が3つ入ってます。 だから3章、なんか引っかかる気になるタイトル、センスいい。 役者陣も1話ごとに名前も役も変わり、1話1話が独立してるみたいだけど、もしかしたら繋がってるのかな? 最後、気になった… とりあえず、もう1回観ます(観るんかい!) なんか分かりそうで(笑) 謳い文句どおり、脳も心も、かき乱されます。 動物を傷付ける描写があり、動物愛護的に疑問を感じました。 フィクションでフェイクでも不快で、やっぱり好きになれないな…
頭と心をゆっくり優しくグチャグチャにされてる感じ
気が狂っとる(賛辞) エマ・ストーンはダンスもうまい(賛辞) 犬を傷付ける奴は総じてクソ(罵倒) なんかもう…なん…何を見たんだ私は… サウナのあとに冷水浸かると気持ちいいから我慢してサウナはいるみたいな 後々の快感のためにわざときついことを耐えるみたいな そのきついこと中みたいな映画というか この映画から戻ったあとの「私の人生って普通でサイコー!」が嬉しいみたいな いや別にこれも的確な表現ではなくて、ただただ鑑賞中キツいだけなわけでもなくて 分からん。 RMFおじさんの存在意義も分からん。 分からんけどとりあえずもう一回見たい。
不条理ホラーコメディ?
映画のトーンとしては極めて正統的で社会派の映画なルックス。 ところがその内容が不条理極まりない。不条理であるが設定が絶妙で、物語の構成は先が読めずとてつもなく面白い。 鬼才ヨルゴス・ランティモス監督がとてつもない熱量で描いた傑作「哀れなるものたち」から間髪入れず製作した中編3作からなるオムニバス映画。 3作の出演者は共通しているが役柄は全く違うというアイデアが面白い。 関連性のない物語であるが、根底のテーマは共通していて「支配」と「服従」で、 第一話は支配する男と全てこの男の指示で生活する男が初めて反抗する話 第二話は遭難した妻が生還したが別人だと思い込み夫婦が崩壊していく話 第三話はカルト教団の教祖からある不思議な力を持つ神の子を探すよう命じられた女の話 物語は奇天烈で何が起こるかわからないところはホラー的展開。一方で変さ加減に思わず笑ってしまう部分はコメディー要素。 支配する者がいて、気が付かずに服従しているともいえる現代社会を誇張風刺しているのか。 各話は会社の上司と部下、結局は他人である夫婦、独裁的な国家元首に洗脳された国民、と解釈できるし、この辺りは観るものに委ねているのだろう。 相変わらず悪趣味なので観る人は選ぶ。 前作もそうであったが、今作でも動物虐待を思わすシーンがありその分マイナス評価。 ただ、物語の着想と脚本はとてつもなく面白いので映画ファンには強くお勧めしたい。
結構、笑える映画かも
この映画、支配被支配、従属、家族、宗教、生(性)と死などいろいろ論じるテーマはあると思います。YOUTUBEでいろんな人のレビューを聞いて感じたのは、難しいことは抜きにして、結構笑えるシーンがあるなということです。3話目でエマストーンがあの紫色の車(ダッジチャレンジャーというらしい)をアクセル吹かせながら車両後部を大きく回転させながら止まる(ドリフトというらしい)シーン。あれなんかはわざわざそんなことをする必要はないのに、なぜか毎回やってることに笑ったという人がいましたが、同感です。「なぜそんなことするの」と突っ込みながらも、笑うしかありません。2話目で妻がいなくなったジェシー・プレモンスを友人夫婦が訪ねて励まそうとして、結局この夫婦2組のスワッピングビデオを3人で見るシーン。ジェシー・プレモンスは食い入るように見てますが、友人夫婦は嫌々ながらそれに付き合わされている印象。唖然としますが、でもこれも爆笑ポイントだと思います。江戸時代、春画は笑い絵と呼ばれていたそうです。これは映画そのものではありませんが、町山智浩さんがこの映画を見ていない聞き手に、この映画を見た後の食事は、焼き肉だけはやめた方がいいと言ってましたが、これにも大笑いしました。焼き鳥も食べない方がいいと思います。他にも笑えるシーンがあると思います。もう1回見て、それを探したいと思います→2回目に見て、笑ったシーン:3話目で死者を蘇らせる力のある女性を見つけ、裸にし、両乳首とへその間の間隔を測るシーンがありますが、ここは奇妙さ満点で、やはり「なぜそんなことするの」と突っ込んでしまうのですが、それを真面目にというか一生懸命にエマストーンがやることで、もう笑いがこみ上げてきます。私にとって、理解不能のシーン、これは笑うことでしか受け容れられないということなのかもしれません。また、自分の娘の部屋に忍び込み、聖水(教団の教祖が浴びた水?)を手でパラパラとベッドや床などに振りかけるシーンが2回くらいあります。多分娘への愛情あるいは娘の健やかな成長を願う親の気持ちの表れだと思いますが、これも実に奇妙です。ヘンテコな行為をいかにもまじめな面持ちで行うエマストーン。このことが滑稽さを生み出しています。
映画らしい快作!
「哀れなる…」よりもこっちが好き。
この監督、こういう方が得意だよな。
●異常な世界でリアルな人物葛藤がある。そのコントラストが新鮮だ。
●観客の隙をつくのがうまい。そういうのは見せないんだよな…と思ってたら見せるんかい!みたいな?
●先がまったく見えないストーリー。だから見る側がのめり込む。これって何だ?何だ?どうなるの?どうなるの?が心地よく続く感じ。小説で言うページをめくる手が止まらない的な。
●演者の演技バトルが楽しい。このレベルの俳優だと、キャラクターの演じ分けが素晴らしい。たぶんそれも狙いの内なんだろうな。
●バカさ加減もいい。
尖った作品で堪能した。
善に寄って立ち正気を保ってるのは幸運である
感想はタイトルのとおり。なんでレビューだけど余談から。少し前に劇場で予告を観て、90年代に足繁くミニシアターに通った頃の匂いがしたような気がして。「ナイトオンザプラネット」「天使の涙」などなど。まぁ確かにポピュラリティに重きを置いてはいない点は共通するけど、テーマも描写も執拗なまでにグロテスク(前作より酷い)なので昔のノリで観に行くのはやめた方がいいです。
不可解なのか何なのか
1章、2章、3章と進むにつれ、現実離れしていった感がありますが、こちらも慣れていきました。 みてはいけない不思議な世界を、みせてくれた、という感じでしょうか。 大真面目につくられていますが、全体がギャグのような気もします。 「ここから変ですよ〜」というタイミングで、不協和音やレクイエムのような音楽がかかるので、分かりやすいというか、観客に優しい気がしました。
脳フル回転で不思議な時間を堪能できる満足感
大筋は3作とも同じようなもので分かりやすく、考えて考えて自分が追いついた時に満足感が得られました。深いようでやりたい放題やってるようで何か分からないけれど、こうやって考えさせてくれることが映画を体験するということでしょう。
マッケンロー
昨日観た「シビル・ウォー」に続いてのジェシー・プレモンスに加え、ほぼエマ・ストーン、ウィリアム・デフォー、マーガレット・クアリー(ワンハリの脇毛っ娘)で回す三話構成 ヨルゴス・ランティモス版「世にも奇妙な物語」 開始早々、コンタクトが外れ暗闇の中、無事装着!(およそ7~8分の格闘!) 一話約1時間で3時間、役者が一緒なので、途中飽きが… 淡々と進む演出で、ブラックジョークを突っ込んでくる(二話目のあのビデオ…)ランティモス、キライではない オワリ
鑑賞動機:ヨルゴス・ランティモス8割、3部構成1割、予告1割
例によって例のごとく変な映画撮るね。
やあ、またあったねジェシー。
変てこ3編で長さは感じない。困惑度合いはすこし少なくなった…気がする。いいのか悪いのかわかんないけど、ちゃんと終わってる。けどさあ、シャツの刺繍!?
1話目の特に前半は、こちらがランティモス脳になかなかチューニングできず、驚いてばかりだったけど、だんだん慣れてくる。いやでも2話目はどういうことかわからないけど、それもまたよし。好きかと言われると考え込んでしまうけど。
何であんなに乱暴な運転するのだろう。
賛否別れるかも
映像や手法は凄く真っ当で王道の映画で格好よく魅力に溢れた画面作り。
だけど、3章共同じ俳優さんが演じてる事が人によっては混乱と面白さの評価が別れる気がする。
恐怖と笑いが紙一重のように、笑って良いのか怖いのか、迷うだろう。自分は2章の途中から恐怖と狂気を感じ、2章の途中からエンドロールがとても怖かった。
ハリウッドの演技力ってもの凄いんだなって改めて思い知らされた。
終演後パンフレットを見てほとんど同じ俳優さんだった事に驚いた。
髪型を変え、髭を蓄え、眼鏡をかけたり服装、演技を変える事で全く違う人に見える。メインキャストの3人だけじゃなく、周りも三役演じている。それが連続して上映されるわけだから、混乱するなと言う方が難しい。
R.M.Fだけ同じ人でも良かったのかも知れない。だけど、それを同じキャストでやってのけた俳優の皆さんに敬意をはらいたい。
パンフレットの解説で、この映画の良さがクリアになった。是非読んで見て欲しい。演劇とかあんまり見ないけど、この作品はとても演劇的でなのかも知れない。
日本で同じ様な作品を映像化すると恐らく大炎上するだろう。コンプラまみれで、キャストと俳優の境界線が曖昧になった日本では撮れないのではないか。
お笑いコントライブや演劇では自分が知らないだけであるような気もするが、それを高いクオリティーで映像化する監督やそれに答えるキャスト、スタッフはやはり一流だと思う。
最後のエンドロールが流れ初め、全く繋がってなかったのか!と答えをまとめた瞬間に続きがながれ、もしかして繋がってる?という気持ちで心臓がドキドキした。
原題の「Kind of Kindness」 =「親切の種類」?というタイトルも凄く皮肉めいていて、いい。「憐れみの」と言うのは混乱を読んだかも知れない。ただ、代わりになる邦題が思いつかないし、原題ではマーケティングに弱い。
だとすると「憐れみの3章」で良かったのか。
良い意味でも悪い意味でも価値観や倫理観が揺さぶられる作品。
とにかく、もう一度見たい。
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