憐れみの3章のレビュー・感想・評価
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隷従・猜疑・狂信の3章 ★悪趣味炸裂★
ヨルゴス・ランティモス監督の悪趣味が炸裂。一章ごとにエンドロールが流れるので3本を連続鑑賞した気分になる。だから、上映時間は気にならない。
最初の章は、金持ちのジジイに人生を売った男の物語。無茶な命令をされて後悔することになるが、やはり贅沢をすてることができない人間の性が哀しい。
第二章は、遭難して帰ってきた妻が偽物と疑いを抱く男の物語。とんでもないグロシーンにノックアウトされるが、ラストにはもっと驚かされる。
第三章は、命の水教団と呼んでいいようなカルト宗教にどハマりした女性の物語。個人的にはこの章が一番面白い。乳房とヘソが正三角形の配置をしていて、一卵性双生児の女性が救世主らしくて、その女性を探すエミリー。
ワケのわからない設定の中、エマ・ストーンがダッチ・チャージャーをフルスロットルでぶっ飛ばす。これがラストへの伏線となるのだが、どのシーンもアングルが決まっていてゾクゾクする。
演技力がある俳優がヤバイ役を真剣に演じたらこうなるよね。ジェシー・プレモンスの個性的な顔立ちが、各章のスパイスとなっている。
俺は大好きだけど、人によっては悪酔いすると思う。
自己責任で楽しむ大人の童話でございます。
痛みをエロスで中和・・・出来てません(笑)
ヨルゴス・ランティモス監督最新作です。監督の作品は前作「哀れなるものたち」と信頼おけるレビューアーさんからおすすめされた「籠の中の乙女」の2作のみ鑑賞済みです。
特に「籠の〜」で、「痛い描写」に対して耐性というか免疫が出来ていたので、私はそれなりに楽しめました。しかし悪い言い方をするとグロくて悪趣味なシーンが満載で人を選ぶ作品であることは確かでしょう。ちなみに良い言い方のほうは私の語彙力では表現困難なので割愛いたします(笑)。
エマ・ストーンさんはじめおそらく監督作品に何度も出演されてる方がオムニバス形式で、それぞれ違う役柄で演じております。見た目は穏やかで紳士、淑女だが突発的に時に笑みさえ浮かべ何しだすか分からない危うさ、狂気・・・を含ませた演技は、皆さん本当に素晴らしかったです。
また、彼の作品に特徴的で普遍的?なエロシーンは今回も健在ですが、「前触れもなく出て消えてシチュエーションも微妙」なので単発的な清涼剤にはなっても、前述の「グロくて痛いシーン」を中和するまでには至りませんでした。そこが評価星1点マイナス(笑)。
エマ・ストーンさんがどの役も結果、痛めつけられる役で苦しむ姿が印象的でした。その趣向、性癖のある方にとっては加点要素かもしれません・・・。
倫理的には最初からぶっ壊れた作品ですが、設定やストーリーでは決して破綻させず伏線もしっかり張り、最後まで押し切る力量は本当に見事です。
続きものではないですけど、監督の過去作、特に前作は鑑賞してからのほうが理解は深まるかもしれません・・・知らんけど(笑)。
では。
ヨルゴス・ランティモス・サーカス団・・世にも珍奇な演目を3つ
恐怖の悲鳴では無い。ただただ不愉快なのだ、笑っちゃう位。
ギャーギャー心の中で悲鳴をあげていた。
無茶振りに【従う側】にも、とても問題があると言う理論を
164分の嫌コメディで表現した映画である。
不思議と退屈はせず、あっという間の鑑賞でした。
癖がかなり強い映画で決してオススメはしませんが、
観て損はないが、この笑いのセンスを面白がれるかは、
あなたとわたし次第!!
ギャーっと悲鳴を挙げそうになるシーンが6回位はある。
(声は出すのは必死で堪えたけれど・・・)
原題は【KIND of KINDNESS】
韻を踏んでいて・・・ある種の親切さ、と言う意味らしい。
確かに3章に分かれています。
独立した3つの話しだが、演じる役者が同じで、
違う役をそれぞれが演じているアンソロジーです。
3章目がいちばん意味不明というか、分かりづらかった。
主要キャストはエマ・ストーン、ウィレム・デフォーと
ジェシー・プレモンス、足す、若くてスリムなモデル体型の
ハンター・シェイファーにマーガレット・クリアー。
【第1章】
暴君な社長(ウィレム・デフォー)に生活全般何からかにまで
コントロールされている部下のジェシー・プレモンスは、
ある日遂に「殺人」を命ぜられる。
流石に躊躇していると、「それなら、もう知らない、勝手にやれば」
と、梯子を外されるが、愛妻が消えたり不穏なことが次々起こり、
遂には従ってしまう話し。
【第2章】
海洋学者の妻(エマ・ストーン)が遭難する。
何週間後に生きて帰ってきた妻を警官の夫
ジェシー・プレモンスは別人と疑い、
精神的にも錯乱して、更に食欲をなくす。
必死で料理を作り食べさせようとする妻に警官の夫は、
とんでもない要求を突き付ける。
この2章が一番グロかった。
食欲が失せますので、ご注意を!!
【大3章】
カルト教団に取り憑かれた妻(エマ・ストーン)は、夫と娘に心を
残しているが、教祖(ウィレム・デフォー)の言い付けで、
家庭を捨てている。
夫が薬を酒に混ぜて、エマを犯す。
すると信者に「汚(けが)れている」と見抜かれて、
教祖の信頼を失ったために
エマはとんでもない事を始める。
特別な能力(死体安置所の死人を生き返らせる能力)の
霊能者を探し出す・・・そして・・・悲劇が?
ヨルゴス・ランティモス監督の原点回帰とも言えそうです。
監督はカミュの戯曲化「カリギュラ」を読んでいて、
この映画のプロットを思い付いたそうです。
ローマの皇帝「カリギュラ」はとんでもない暴君でした、
ネロ以上の。
支配するもの、支配される者。
を、描いている。
ジェシー・プレモンス、エマ・ストーン・ウィレム・デフォー。
ヨルゴス監督の指揮で踊る、狂う、はしゃぐ、演じる・・・
どんな命令も即決で完璧きに応答する。
息の合った俳優たちの、珍味を味合う満艦飾のご馳走。
お口に合うかは、あなた次第(笑)
もうコーヒーが落ちた頃ね
こないだ鑑賞してきました🎬
これは…ランティモス監督のねじれた世界観が炸裂してますね😅
3話構成なんですが、それぞれ俳優さんたちが3役を演じます。
エマ・ストーンの役は、派手だったりせっかちだったり🤔
ジェシー・プレモンスの役は、堅物そうに見えて実は…だったり、坊主になったり。
中でも、ウィレム・デフォーの役は異様な存在感がありました。
もともと顔が濃いと思うんですが、3話目の衣装が…❗
マーガレット・クアリーは、毎回スタイルが際立つ衣装で登場してたような🤔
どの役もあどけなさと妖しさが同居してる感じでしたね。
終盤にヒントらしきものはありましたが、それでも私には❓だらけでいまいち、いやほとんど分からなかったです😥
あの蘇った彼は、一話目の彼なのか❓❓
監督の独特な世界観が好きな方は、楽しめるでしょう🖐️
狐につままれたような気分を存分に楽しめる
話が難解で訳の分からない分、「この先、一体どうなるのだろう?」と、グイグイと引き込まれる。
3つのエピソードで、同じ俳優が、違う役柄の人物を演じているのだが、各エピソードのタイトルにもなっている「RMF」という役に限って、同じ俳優が演じているのは、何か意味があるのだろうか?
仮に、彼が同一人物だとすると、3つのエピソードは、救難航空機のパイロットが、殺されて、蘇るという一つの物語として繋がるのだが、だからといって、「なるほど、そういうことか!」と納得することはできない。
簡単に言ってしまえば、1つ目のエピソードは、ある男に人生を支配された男が、それに抗おうとする話だし、2つ目のエピソードは、海難事故から生還した妻を、別人だと疑う男の話だし、3つ目のエピソードは、カルト教団の信者が、死者を蘇らせる能力を持つ教祖を探す話ということになるだろう。
いつまでたっても何の話なのかが把握できなかったのは3つ目のエピソードだったが、何の話なのかが分かった後でも、何を言いたいのかが理解できなかったのは、2つ目のエピソードだった。
1つ目と3つ目のエピソードは、何とか現状を打開しようと苦闘する主人公が、結局挫折してしまうところに共通点があると思われるが、2つ目のエピソードについては、終盤、夫と妻の主観が入れ替わり、それぞれが話す内容も食い違い、どちらの主張が正しいのかが分からないまま、遂には本当の妻らしき人物が現れて、まさに狐につままれたような気分になる。
どうせ、各エピソードの裏に隠された寓意を読み解こうとしても無駄なのだろうし、そもそも、そんな寓意は、始めからないのかもしれない。
ここは、敢えて、各エピソードの不条理さや、不合理さや、意味不明さを受け入れて、それを楽しめばよいのだろうし、実際、存分に楽しむことができた。
さっぱり分かりません
ぶっ飛んでいるようでリアリティに溢れている
奇妙で奇抜なユーモア
ちょっとコレは…(汗;)。色々なシーンに絶句!「一体、何を見せられているんだろう?」と戸惑いながらも、スクリーンに目が釘付けになってしまいました。同じ役者が複数の役を演じる面白さは「大河への道」(22)にもありましたが、今作はもっと捻りが利いていて、何とも妙な感じがしました。「一体何が言いたいんだろう?」と観客を煙に巻いてプツンと終わってしまう作品とはひと味違っていて、得体の知れない何かが脳内を刺激して、理解不能ながら共鳴してしまっているような不思議な感覚でした。それは、唐突にはじまるエマ・ストーンのくねくねダンスが象徴的です。あのダンスにどんな意味があるのか全く理解も説明も私にはできませんが、作品の世界観にはとてもしっくりくる感じがしました。あまりに理解不能だったのでパンフレットを買ってみたら、とても充実した内容だったので、ポイントが上がりました(笑)。普段はあまり直視することのない人間の奇妙で奇抜なところを見せつけられてビックリ、という感じでそれなりに楽しめました。
あのビデオ意表付き過ぎw
「ドッグマン」以来のSweetDreams!
やっぱヨルゴス・ランティモスって自分と同じ世代かなとか思いながらテンション爆上がりで臨んだが、これまた中々の難敵。
支配と被支配がテーマとのことだが、人間のごく一般的な生活圏である会社、家庭、宗教の3つを舞台とした物語自体は、目の前に起こっている事だけを追うと極端なハラスメントモノとしても非常に面白く、結末がどうなるのか知りたくなるほどだったが、いかんせん説明が足らないからなのかたくさんの何故が解消できぬまま。
R.M.F.(B.M.F.はパルプフィクションでジュールスが持ってた財布?)は唯一3章全てに出てるキャラだが特に狂言回しの役どころでもなく、終始無言のままただ◯んで、ヘリで飛んで、サンドイッチを食べるだけだったが何故か面白く感じてしまう。
交通事故の後の顔やケチャップの拭き方など面白すぎて今も忘れられない。
エマ・ストーンをどうしてもキレイに撮りたくない?ランティモスだが、今回は更にマーガレット・クアリーも。
乳首の間隔や体重を測定されたり空のプールやフロントガラスにダイブしたりとまさに体当たりの熱演を見せインパクト大だった。
ダッジでの荒っぽい運転はドライバーの心の不安定さがあらわれておりいちいち面白いのだが、せっかくなのでドリフトミスで最後の事故を起こして欲しかったw
ラストの無表情のキレッキレダンスは何故かツインピークスを思い出してしまった。
あの小人さんとスーツの色が少し似てたし。
関係性から強く命令されたり、または法令や制度だからと言って自分の意思ではないにもかかわらずそれに従う姿を滑稽に見せることによる体制批判は「ロブスター」でも見られたこの監督の一貫したテーマなのかな??
ギリシャ国民ってそんなに抑圧されてるのとか思ったりして。
解釈に時間が必要。
"R"eal "M"other "F"u⚪︎ker (本物の馬鹿)が1番幸せ
前二作がわかりやすすぎたのか、原点回帰ともいうべきヨルゴス・ランティモス監督のやりたい放題の1品。
三章仕立てで、それぞれ第一章:仕事と家族、第二章:友人と家族、第三章:宗教と家族といった人間社会の関係性をヨルゴス・ランティモス監督風にみるとこんなにも皮肉の効いた奇妙な世界観になってしまう。
そんな世界の中で最後に1番得した奴は誰か。
R.M.F (Real Mother Fuc⚪︎er)である。冒頭でB.M.Fと間違えられるのはB.M.FがBaddest Mother Fucker(最高にイカれた奴)というプロレス UFCの非公式タイトルをオマージュしていることからR.M.Fの意味が推測できる。
今現在で"最高にイカれた監督"であるヨルゴス・ランティモスによる最高にイカれた映画。
ウィリアム・デフォーのフルチン解禁と、ジェシー・プレモンスとランティモス監督作の相性の良さに悶絶しました。
変な登場人物のすごく変な話
圧倒的クレイジー!
約3時間ではあるものの、3章仕立てということと、それぞれのストーリーが圧倒的クレイジーで
引き込まれる世界観だったため、全然長いとは感じませんでした。
1章
ジェシー・プレモンス演じるロバートがやっている生業も
それをさせているウィレム・デフォー演じるレイモンドも倫理観が崩壊しすぎて
もはやクレイジーとして言いようがありませんが、
ロバートの思考・行動はまさに「哀れ」であると結論づけられる結末でした。
2章
ジェシー・プレモンス演じるダニエルは精神的に参っていたのだろうか?
それともエマ・ストーン演じるリザの生還自体、非現実だったのだろうか?
ダニエルが見ていたのは全て幻?
それとも現実?
最終的には2人も死んじゃって、死後の世界で幸せになったのかな・・・と
自分の中では決着させました。
3章
カルト教団という世界観に今一つついていけなかったのですが、
ラストのエマ・ストーン演じるエミリーのダンスがかっこよいことと、
エミリーの車(ダッジ)のかっこよさだけが印象に残りました(笑)
ハンター・シェイファー演じるアナがめっちゃ美しくて眼福でしたね。
正直、本作を理解できたどうかは甚だ疑問なのですが、
少しでも深く知る&余韻に浸りたいと思い、パンフレットを購入しました。
なかなか読み応えがあり、おすすめです!
1年に2本、ヨルゴス・ランティモス監督作品を鑑賞できるとは思ってもみませんでしたが、
いずれも堪能させていただきました。
私は『哀れなるものたち』の方が好きです。
期待度◎鑑賞後の満足度◎ 原題が『様々な親切さ・優しさ』の意味なら内容に何ともピッタリ。第三話のラストに“世の中そんなものよ”と思い、鑑賞後は何故か愉快な気分になった私って変(かな)?
《愉快、痛快、奇々怪々》
①世の中、自覚的にせよ無自覚であるにせよ「救われたい」と思っている人がいっぱいいるんだろうな、と思わせてくれる📽️。
本作の三つのエピソードに登場する中心人物たちは殆ど皆かなりおかしい人達ばかりだけれども、その「救われたい」という気持ちがエスカレートし過ぎていて自分や周りが見えなくなっているだけと捉えると、もしかすると自分の周りで理解できなかったり、変だよな、と思う振る舞い・行動(本作の登場人物ほど極端でないにせよ)をしている人がいれば、そういうことか、と府に落ちたり、いやいや、そういう自分も自覚していないだけで実は他人から少し変わっているなと密かに思われていたりするかも、とも勘繰ってしまいそう。
まあ、この歳になれば人にどう思われてたっていいや、と開き直ってしまうけど…
②大傑作『哀れなるものたち』で一皮剥けた(と思う)ヨルゴス・ランティモス監督が、今年初めに公開された『哀れなるものたち』から一年も経たない間に公開された本作。どんだけ作んの早いねん、と思ったけれども、観る日を楽しみにしておりましたん。内容としては『聖なる鹿殺し』『ロブスター』の世界観に近いものに戻ったが(同じ共同脚本家との合作だし、『哀れなるものたち』は原作ありきだし)、『ロブスター』『聖なる鹿殺し』『女王陛下のお気に入り』が鑑賞後に不穏さと共に後味の悪さが残ったのと違い、本作は不穏さはあるが、愉快は気分になったのでやはり一皮剥けたのかな。
④開幕を告げるユーズリミックスの『Sweet dreams are made of this』。
ランティスモス監督作品が醸し出す不穏さにぴったりのオープニングだし、歌詞も見終わった後に本作の内容をそれとなく語っていたとわかるし、何より1980年代の海外ポップスをリアルタイムで聴いていた世代としてはか0この選曲が嬉しい。
第一話のラストでヴィヴィアンが歌う(ヘタっぴ 笑!)ビージーズの『How deep is your love』も話の内容に余りにピッタリ過ぎる選曲で可笑しい。
ーここからは各エピソードの具体的な内容に触れますー
第一話:現代社会を生きる私たちも結局何かに依存して生きていることをかなりカリカチュアライズした話。
変人だが大金持ちで権力のある男に衣食住(愛すら)を依存していた男がささやかな反抗を試みるが、結局彼なしには普通の社会生活が送れないことを悟り許しを乞い彼の命令を嬉々としてこなす男の話。
ヘルメットの黄色から目玉焼き(サニーサイド)の黄身にパンする映像。出来た目玉焼きの黄身の部分だけ切り取って捨てた(と私には見えたんですが)映像の意味するもの。
可笑しかったのは、途方にくれた男が偶々バーで見かけた女に惹かれて近づくが、実はその女も同じ境遇にあると知り(しかも男に託されたのと同じミッションを託されて殆ど成功仕掛けていた)、同じ境遇同士で結び付くのかとおもいきや、先を越されてなるものかと重傷者を無理矢理病室から連れ出すと二度も車で引き殺すという非道さ。なのにボスのもとに駆けつけると嬉々として自分のやったことを報告する。本当に人間て哀しいものですね♫
ラストシーンは『哀れなるものたち』の自己パロディかと思いました。
ただ、男が病院の介護士を襲ってユニフォームとパスを盗む時介護士を殺したのかな?そこがハッキリ描写されなかった(或いは編集でカットしたか)のが少し物足りない。
第二話:第一話では殆どエログロ描写は無かったが(R.M.F.さんを二回轢いた場面くらい)、第二話はランティスモス監督ならではのエログロ描写満開である。
三話の中でも最も不穏な内容でもあるが何故か既知感のある話でもある。
最も直接“愛”について語ったエピソードとも言うべきか。
“あの”ビデオシーンには、お約束みたいに思えてしまって笑ってしまった。
日本のヤクザ映画さながらに(こちらは大概小指ですが)、エマ・ストーンが親指を切り落とすシーン。失神する直前のエマ・ストーンの表情が忘れ難い。肝臓を取り出した後の死に顔も。
自分の中にあるので自分では見られない人間の肝臓もレバーと同じ色なんだ、と当たり前のことに気づかされたシーンでもありました。
精神科医の(若い)先生“何も分かってないやん”と突っ込みたくなるエピソードでもありました。
第三話:“水”を扱う新興宗教(モドキも含め)は日本だけでなく世界中にあるんだな、と変なところに感心。
劇中でエマ・ストーンが娘に語る通りに(娘のエマ・ストーンを見る目がすっかり冷めているのも印象的)、人間の体の大部分は水なんだから“水”を売りものにするのは確かに納得できるというか誰でも術中にはまりやすいというかクレバーだな、とまた気付かされてしまった。
家族を捨ててまで活動している狂信的なママを仕事が出来るチャキチャキとしたキャリアウーマンの如くシリアスに演じているエマ・ストーンが何故か可笑しく絶妙なコメディアンぶりを見せる。
双子の妹を自殺させてまで手に入れた「捜していた女性」を“水”のせいで死なせてしまう皮肉。
フロントガラスから飛び出して死んだルースの死に顔(確か眼から涙がこぼれていた筈、余計なことをしてくれて、と言ってるような気もしたが)を見て、思わず「世の中ってこんなもんだよな」と心のなかで言っておりました。
○でも、R.M.F.って何の略だったんでしょうね。
○第一話で無惨に殺されたR.M.F.さんを、第三話で生き返らせてあげる、という kind な📽️でもあります。
出演者:エマ・ストーンとウィリアム・デフォーはともかく、他の出演者は初めて見る顔ばかりだな、と思っていたら結構色んな映画で前から見てました。名前は忘れても顔は忘れない人間だったんですけどね、情けない😢
①エマ・ストーン;大ファンなので殆どの出演作は見てますが、王道のハリウッドスター女優街道をいく人かと思っていたけれども(でも今でも『小悪魔はなぜもてる』の彼女が一番好きです)、『女王陛下のお気に入り』くらいから独自路線を進み始めて(ハル・ベリーの、オスカーを獲った後(!)にボンドガールになった時も前代未聞で時代は変わったなぁ、と思ったけれど、エマ・ストーンの『哀れなるものたち』の演技も、かってならオスカー女優があんな役をするなんて、と云われるような衝撃度、でもそれで二度目のオスカーを獲ったのだから、ハリウッドもそれなりに進歩してるんだなと思った次第)、本作でもさすがに年齢を感じさせるようになった顔そのままで、第一話はごく普通の女の子役だが、第二話では究極のマゾヒストと断じれないし、行方不明中に見たという「人間と犬とが立場が逆転した世界」で過ごしたという夢から来る妄想に囚われてご主人様の言いつけには従わないといけないと思ったのかどうかも判然としないが、それこそ「死が二人を別つまで」を実践する女性を怪演。他の女優ならもっと怖いか不気味な女になったかも知れないけれども、そこはエマ・ストーンの個性が上手く緩和している。
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