「ヨルゴス・ランティモス監督版「トワイライトゾーン」」憐れみの3章 ヤマッチさんの映画レビュー(感想・評価)
ヨルゴス・ランティモス監督版「トワイライトゾーン」
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この世に絶望した女性が、新生児の脳と大人の身体で再び生を得る物語「哀れなるものたち」に衝撃を受けた監督の新作。予備知識なしに鑑賞しました。
3部からなるオムニバス形式、同じキャストで3話それぞれで役が異なるという斬新な作品でした。
「哀れなるものたち」とは異なり、肩の荷を下ろして鑑賞できる作品です。
テーマは「愛と支配」
全ての話に共通なのは主人公の設定を考えない。今おかれている設定をたどる事です。なんでこうなんだとかこの人はどういう立場なのかなど考えず展開されるストーリーを追う事です。
第1話は狂った大富豪の言うなりに生きる男
大富豪の言われるままに生活していれば全てを与えられている男。しかし、人殺しだけはどうしてもできないと断る事で一変してしまいます。
滑稽で痛々しいまでの悲しい男の姿がそこにあります。
第2話は海難事故から生還した妻がどこかおかしいと疑う男
海難事故から無事生還した妻だが、どこかが違うと疑う男。妻であることを必死で答える女。これも痛々しいまでに刺激的な展開です。最後にあれはなんだったのかと想像することになります。
第3話はカルトな宗教団体の信者となり家族を捨て神の子を探す女
こんなカルト宗教にどうして陶酔してしまったのかと思うくらい異常な女の姿があります。予期せぬ事で宗教団体から追いやられながらも神の子を見つけることができます。しかし最悪の結末がまっています。
ブラックユーモアのような衝撃です。
目を逸らしたくなる描写もいくつかありますが、不思議な爽快さが残る作品でした。
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