「何度もみたい!」憐れみの3章 おのちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
何度もみたい!
予習なし初見では意味わからず2回観ました。
カインド•オブ•カインドネス
=親切の種類(邦題 憐れみの3章)
なるほど、支配者、被支配者、傍観者それぞれの優しさの種類のビュッフェ。優しいとは何??って問いかけられているように思えた。
1章と2章&3章は毛色が若干違うように思えた。(見方によっては1章3章が対ともみれるけど、私は2章、3章のための1章の方の感覚が強かったです)
1章については憐れみ、優しさを与えるのは支配者であり、被支配者脳になってしまった人間はそこから抜け出すのがどれだけ難しい事かと言う事を強調しているように思えた。
支配者レイモンドの『ついにこの日が来たか』というセリフから独立してほしいという優しさも感じられた。そして全てにおいてとても優しい。
世界は実はレイモンドのような支配者にコントロールしているのかな。
バーでロバートが飲み物を注文した時に『やけに早いな』と言うシーンがあるがバーテンさんまでもがレイモンドの被支配者で注文されるものがすでにわかっていたということになる。レイモンドが被支配者を抜けようとしているパートではバーで『何を飲んだらいいか?』の質問に対して明らかに食い気味で『ワイン』と返答するシーンもあった。
1章は考える事を辞めて被支配者脳に一旦なってしまうとそれは抜け出す事はかなりの困難である。と言いたいのかなと。
全ての章に通じている事は、憐れみと優しさはセットだよね。ということ。
そして、2章、3章では優しさを与えた登場人物は死んでいく。
極端だけど、愛おしさ強いが故に狂ってしまった人に対して、のめりこんで優しさを無償で捧げるのは自爆の可能性もある事を、死という映像(ストーリー)で表現している。
それは正しい姿なのか、、、しかし、それは世の中にあるごく当たり前の事であると。
与えるだけでなく、自分が自分で無くなる前に何かすべきことがあるのではないか?
、、、みたいな?
昨日今日2回みたけど、まだまだ色々感じられそうな作品ですね。何度も観て感じられる作品だと思いますよ。すごいです。
また3章それぞれで被支配者、支配者、傍観者の異なる役を同じ俳優が担当しているから、1人の俳優にクローズアップして観ると感じ方も変わってくるのかな。因果応報的な見方もできるのかなと。
まだまだ回数重ねてみたいなぁ。
で、、
R •M• Fって結局なんなんだ(笑)
サンドイッチはランティモス監督のギリシャのソウルフードらしい。R •M• Fが握りつぶしたケチャップの筒から飛び散る真っ赤なケチャップ。ボクは血に見えました。
監督の遊び心らしいけど、、、うーむ。