「バディ映画からファミリー映画にシフトする中で、銃撃戦中漫才が薄くならないか心配してしまう」バッドボーイズ RIDE OR DIE Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
バディ映画からファミリー映画にシフトする中で、銃撃戦中漫才が薄くならないか心配してしまう
2024.6.21 字幕 イオンシネマ京都桂川
2024年のアメリカ映画(115分、PG12)
シリーズ4作目、『バッドボーイズ フォーライフ』の続編
恩人である警部にかけられた嫌疑を晴らそうとする刑事ふたりを描いたアクション映画
監督はアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラー
脚本はクリス・ブレイナー&ウィル・ビール
原題は『Bad Boys: Ride Or Die』で、「悪い奴ら、死ぬまで一緒」という意味
物語の舞台は、アメリカ・フロリダ州マイアミ
前作にて、ハワード警部(ジョー・パントリアーノ)を亡くした部下のマイク(ウィル・スミス)とマーカス(マーティン・ローレンス)は、マイアミ警察にて活躍を続けていた
恋人との死を乗り越えたマイクは、セラピストのクリスティン(メラニー・リンバード)と結婚することになった
その式場にてはしゃぐマーカスだったが、突然意識を失って倒れてしまう
心肺停止になって救急搬送されたマーカスは、その昏睡の中でハワード警部と会い、「こっちに来るのはまだ早い」と追い返される
何とか蘇生したマーカスは行動がおかしくなり、マイクは気がふれたんじゃないかと心配していた
その後、マイアミはあるニュースにて騒然となってしまう
それは、ハワードがマフィアと内通しているというもので、多額の資金がハワードの口座から見つかってしまう
そこでマイクとマーカスは、警部の嫌疑を晴らすために行動し、その事件を追うことになったのである
映画は、前作にてハワードを殺したのがマイクの恋人の息子アルマンド(ジェイコブ・スキピオ)で、それを恨んでいるのがハワードの娘ジュディ(リーナ・シーホーン)である、という前提を知っていないと厳しい流れになってしまう
なので、最低限『バッドボーイズ フォーライフ』をおさらいする必要がある
個人的にはそのあたりがうろ覚えで、この姉ちゃん誰?から始まって、なんでキレてるんだろうと思って眺めていた
なんとなく因果があって、それが上記のことだとはわかるのだが、この関係性を知っていないと、ラストシーンがエモく感じられなくなるので要注意である
本作は、銃撃戦のさなかに繰り広げられる漫才が見どころで、「Bad Boys」を歌えるかどうかなどの掛け合いも健在だった
アクションシーンはさほど激しくないし、正義の味方はかすり傷ひとつ受けない系のファンタジーなのだが、そのあたりはお約束だと思って鑑賞するのが筋のように思えた
いずれにせよ、犯罪自体は難解でもなく、犯人は最初にわかっているタイプのミステリーになっている
ただし、このおっさん誰?という展開がずっと続き、そのネタバレも「え?」という感じになっていて、ハワードを陥れる理由は釈然としなかったりする
逆恨みが乗じている感じになっていて、警察側から敵側(マフィア)に寝返った感じになっているのだが、たいした意味はないように思えた
本作は、とにかく降りかかる火の粉をふたりがどのように解決するかを見る映画で、今回はアルマンドやマーカスの義理の息子レジー(デニス・グリーン)が活躍するので、そのあたりも含めた「ファミリー映画」だと思えば満足のゆく仕上がりになっているのではないだろうか
どことなく、『ワイルド・スピード』っぽくなっていく感じがするのだが、それはそれで悪くないと思った