サユリのレビュー・感想・評価
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元気ハツラツ〜
「死」に濃く彩られた呪われた家ホラーの前半から、「生」を濃くする師弟リベンジカンフーな二幕の後半を経て、サユリの凄惨な過去が明かされ、お馴染みの触手対決となる第三幕と、思いもよらぬ展開が楽しい快作。
「化け物よりもおぞましいのは権力勾配を利用して理不尽に欲望を果たす人間」「家父長制や男権社会に抗うために化け物にならざるを得なかった女性」という近年の白石作品に通底するテーマが、エンタテインメントに昇華されて表現されていた。
「幸せな家族」を取り繕うために実父によるサユリへのレイプを見なかった事にし、悲劇を招いた九条家の母と、「幸せだった家族」や父の思いに執着して逃げ出す事ができず、破滅に至った神木家の母という対比も良かった。
大人のくせに実父からの性暴力を見て見ぬふりをしてた母の罪は子供だった妹より全然重いのではとか、性暴力被害者であるサユリにあのキーワードは、知らぬこととは言えどうなのかとか、いろいろもやるところはあり。
軽快な特訓描写や、自分も含めニコニコ楽しそうに帰る観客たちからは2022年の『ブラックフォン』も連想。
🅑🅑🅐「命を濃くしろ」!!!
特に思い入れもないまま、為すすべもなく家族がやられていくので序盤は微妙に感じましたが、中盤のBBA覚醒からはギャグを交えつつも、BBAのキャラが激熱なため楽しめました。個人的には玄海師匠やビスケが実在化した感じ?で、根岸さんはフュリオサより遥かに激熱でした。「気を強く持て」ではなくて、「命を濃くしろ」と言うのが特に印象的で、鑑賞後も死んだように生きている現実に何か活かせる気がしました。打撃音等がでかすぎて何か笑えました。祈祷師が関暁夫みたいで胡散臭かったですが、家にすら入れず笑えました。現在と過去で家の中の色味が違って、映画のサイレントヒル1作目みたい(触手攻撃もありますしね)で良かったです。BBA以外のキャラクターは、まあぶっちゃけ普通だと思いますが(失礼)、根岸さんが米アカデミー助演女優賞なのは、もう間違いないと思います。「貞子VS伽椰子VS根岸」や「八尺様VS根岸」(リゾートバイト)、「根岸@羽生蛇村」(サイレン)等も観たいです。
生命力
激ヤバで最高なホラーでした。
しかもジャンルを転換させるという荒技を見事にやってのけて面白さに繋げていて、さすが白石監督だ、さすが押切先生だとなりました。
序盤は間取りが不気味だったり、女性の霊がちょろちょろ現れて不穏な雰囲気が漂っているんですが、まだ違和感程度というホラーあるあるですが悪くない出だしだなぁと思っていたところで一気にギアが入っていきます。
序盤から良い子感全開の則雄がとても良いキャラしていて頑張ってくれ…!と応援に身が入りました。
見える系女子の住田ちゃんが何やら怪しい発言で不安にさせてきますが、そんなもん遥かに超えてくるものが出てくるもんですから大変です。
お姉ちゃんが弟の顔を柱に思いっきりぶつけて怪我させた辺りからゾッとさせられ、サユリの霊が原因だという事は分かりますがなぜそうなったのかというのが分からないまま父も急に死に、続け様に祖父も死んでいくので戦々恐々していました。
呪いが回りに回って弟は3階から突き落とされてグチャグチャに、姉は自分で首を刺して死に、母はコードを首に巻きつけて自殺(若干ここでの母の絵面はやり過ぎ感はあった笑)ととにかく絶望を叩きつけまくってくるので大変でした。
母が引っ越さない理由とか家の呪いとはなんなのかという細かな疑問にも納得のいくシーンがあったり、この後の展開に活きてくるものもあって巧いなぁと思うところがたくさんあったのも良かったです。
家族全員死亡というとんでもない展開、特に子供が死ぬシーンって邦画にはあまり無かったのでその点でもインパクトがデカかったんですが、ここにきてボケてた婆ちゃんが覚醒して師範代の頃の自分を取り戻してサユリに立ち向かうという復讐胸熱展開はめっちゃ燃えました。
ボケを直した後の婆ちゃんがピンピンしまくっててさっきまではなんだったのかくらい拳は振るうわ口は悪いわで面白いですし、この作品の根幹にある生きる事の大切さを常に問いてくれるのも良かったです。
食事をしっかり取り(めっちゃ美味しそうで予想外の飯テロ注意)、しっかり寝て、しっかりと運動して、どんなことも笑い飛ばしていく姿勢には勇気をもらえました。
アクションも派手にやってくれますし、霊媒師が来た時に思いっきりボコボコにしてたのは面白すぎました。そんなやらんでもってくらいには大暴れしてくれる婆ちゃんに感謝です。
サユリの過去が中々に悲しいもので…。
父親に近親相姦させられ、母に助けを求めても見て見ぬフリをされてしまい、引きこもってからいざ部屋を出て復讐しようとしたら家族に殺されてしまいという思わず息が詰まるような展開がサユリの暴力性や行動の真の意味を表しているようで凄いなともなってしまいました。
サユリの家族を拉致ってくるハチャメチャな婆ちゃんの行動には笑いましたが、3人を見事にまで痛めつけていくのは中々にパンクでした。
もうサユリの分までやってるんじゃってレベルの傷つけっぷりに味方であるはずの則雄と一緒に引いて見ていました。
サユリも見事に恨みを晴らすように父親にAF(死を孕む)をキメて行くところはぎゃあー!!と叫びそうになりました。
妹にも容赦なくバールのようなものを振るい、母の目を潰してと復讐のオンパレードには傍観することしかできませんでした。
完全にモンスターと化したサユリに立ち向かう2人の前向きさが本当に見ていて清々しく、血反吐吐こうがボコボコにやられようが生き延びる事大前提で突き進んで行くので応援に力が入ります。
生きるための呪文を唱えて、住田に思いの丈を伝え、なんなら伝えすぎでサユリを突破していく様は最高でした。
その後も怪しげな雰囲気で終わらすという愚行は全くせず、元通りの日常に戻り、その中でより生きることを楽しく思いながら家へ帰るという爽やかな終わり方まで美しかったです。
ホラー映画を見て感動するというのは初体験で一本取られました。
原作ありというのも込みで1本で作品が完結しているというのもとても良くて、1から10まで無駄なく楽しめるJホラーで最高でした。今年ベスト候補です。
鑑賞日 8/26
鑑賞時間 15:20〜17:20
座席 D-18
根岸季衣vs柴田理恵 が見たい!
原作未読。観終わって原作が押切蓮介だと知って納得。ババアがやたら強いのはまさに押切イズム。
前半はありがちなJホラーだが、中盤からの気合いで悪霊に逆襲していく展開がアツい。
霊感強め美少女・住田さん役の近藤華が良い。
お隣さんが連れて来た最強霊媒師を、根岸季衣演じる婆さんが文字通り一蹴するシーンに爆笑。
作品違いだがここで登場する霊媒師が柴田理恵だったら、と一瞬夢想する。根岸季衣vs柴田理恵の最強ババア決定戦を誰かマッチメイクしてくれ。
純然たるホラーコメディです。短髪デブの女悪霊に乾杯。
めちゃおもしろかったです。
簡単な紹介文だけ読んで、鑑賞しました。
原作未読です。
終始、楽しかったです。
自然に囲まれたマイホームを購入して意気揚々としている家族の風景から、
だんだん姉がおかしくなって、家族が不穏になっていく空気。
溢れるように家族の死体が増えていく様。
幸せから不幸のどん底にかんたんに落ちていく。ホラーとして最高に楽しいです。
あとでおばあさんの変異が待っていると思うと(紹介文を読んでいるからね)、たまらなくワクワクします。
おばあさんの役者さんは、名前は知らなかったけど、テレビ等で当然存じている、なんかガタイのいいかっこいい女性です。それがファンキーババアになるのです。期待しないわけがない。
期待通り、ババアは大活躍してくれます。あんだけかっこいいババアなら、疑うより前についていこうと息子が思うのも納得です。
悪霊のサユリもブタ女で、最高の醜さで言うことなしでした。蔑むにはピッタリの外見です。
しかし後半に、サユリの背景も出てくるので、それはもう同情しきりです。あの設定はかわいそうしかありません。
一番の悪役は別にいましたね。
誘われて行った映画でしたが、最高のホラーコメディでした。
誰のレビューも見ずに劇場へ!
押切蓮介さんの別作品が好きで彼がホラー?と気になり見に行きました。
大正解でした。
さすが押切さんという展開、力強さ、程よい下品さ、
そして押しつけがましくない愛。
※ここからは作品関係ないです。
観客に若い人が多く、においのきつい食べ物の持ち込みや大声での会話など
正直作品に失礼な人が多かったです。
おそらく若い人向けの宣伝かなにかがバズッたんでしょう
あんなに上映前にマナーについての映像が流れるのに・・。
若い人が呼べる映画は貴重だと思う。
でもマナーも大事。イオンシネマさん、見回りや注意もしましょう。
自分には全く合いませんでした、申し訳ありません‥
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
結論から言うと、自分には全く合いませんでした‥
この映画『サユリ』は、呪われた家で巻き起こる様々な恐怖のいわばホラー映画です。
そして、もはやベタとは思われる前半のホラー展開、その後にがらりと変わるテイスト、時にジブリ感も感じさせる少女ヒロインを救出する少年ヒーローの描写、嫌悪感すら感じさせる事件の発端、最後のスプラッター的解決方法など、様々な場面は全て面白いと思える人達からするとそれぞれ素晴らしさはあるんだろうな、とは観ていて感じてはいました。
しかし、私的にはそれぞれが全て絶妙にマッチせず、ことごとく自分にとってダメな作品となってしまいました。
音楽に例えると、自分が興味ないジャンルなのにわざわざそのライブにやって来てしまった観客に近いと思われます。
ここまで来るとそこに参加したこちら側の問題だとしか思われない合わなさ加減でした。
なので私的評価は僭越ながら今回の点数ですが、あくまで私的評価で申し訳ない気持ちもあり、今作に合致した評価をしている人も多数いるのだろうと、一方で思われています。
びっくりするほどユートピア!
原作は読まずに拝見しました
公式サイトで監督ご本人も仰っていましたが、これは白石監督にしか撮れない映画ではないでしょうか
特に姉弟とお母さんの大虐殺シーン。お子さんは大切に扱う映画が多い中、弟さんどうするのかなと思ったら……やりやがった!
妙に少年漫画的な成長や淡い恋とR-15ホラーとの融合、最強にかっこいいおばあちゃんの大活躍は見ていて気持ちがよかったです
おばあちゃんのシーンで一番好きなのはサユリの家族である九条家を訪れる所
うんうん家族と話して戦いのヒントをね……と思ったのにまさか拉致監禁暴行とは!しかもサユリに向かって「こいつら好きにしろ」なんて!その思い切りの凄まじさ、惚れてしまいます
ネットホラーでは有名な話ですが、幽霊を退ける方法として、裸になって白目を剥き、お尻を叩きながら「びっくりするほどユートピア!」と叫ぶ、というものがあります
確かに低俗で下品な面もあるかも知れませんが、そこにこそ作中最も大切にされている力強い生命力が表れる
白石監督らしさが非常によく表現された作品だと思います
ホラー要素はしっかりあった。
前半のホラーパートはしっかり面白い。サユリのビジュアルの不気味さと、薄暗い家の中が恐怖を倍増させてて良かった。理不尽で惨い家族への仕打ちに、観客であるこっちもサユリへの怒りが溜まる。
そしてついに、認知症のばあちゃんが覚醒し、ここから始まるんだなとワクワクした。
中盤の鍛錬シーンは少しダレたが、ホラー要素は安定で怖かったし、終盤にあるであろう復讐展開への布石だと思えば耐えれた。
が、肝心の終盤がめっちゃつまらなかった。唐突に始まる生前サユリの回想には萎えた。可哀想なのは分かったけど、だからといって所業が許されるわけないだろと思ったのだが、主人公たちは同情モードに入ってしまって困惑。
サユリとの最終決戦も、ビジュアルがクリーチャーすぎてもう怖くなかった。ニチアサ見てる感覚に近い。
そしてサユリへ復讐という復讐もないまま(てかサユリが自分の父親と妹に復讐し)、全てが許されたムードに包まれて、サユリは主人公の家族と共に成仏して行った。
よく分からない感情でエンドロールを眺めました。
悪い意味で白石ワールド
前半はちゃんとしたホラーで、ここからどうするんだろうという期待をさせてくれる内容ですが
後半いきなり婆さんが覚醒してコメディーに変わります
婆さんが覚醒してからはサユリもクソ雑魚に成り下がり恐くもなんともありません
元気ハツラツおマ◯コ満々とうい呪いだけで退散する始末
後半はずっと、つまらない3流コメディーを見せられ辟易します
サユリが悪霊になった経緯は良いものの途中が抜けていていきなり劇の冒頭に繋がるものだから
え、その間何してたの?という疑問が・・・
サユリの攻撃も婆さんと孫(男)以外には憑依したり色々するのに
婆さんと孫(男)には電気をチカチカさせてテレビの映像を乱れさせるくらいで
後はバールでの物理攻撃ばかりw
サユリの瞳も綺麗すぎて違和感が湧きます
白石監督でおなじみのミミズもでてきますがおまけ程度
もうちょい なんとかならなかったのか🤔
モンスターを生んだ
「サユリ」
幸せな家族が一気に崩れていく。
中古物件に移り住んだ家族が
邪悪な影によって次々と死を迎える。
前半は最恐ホラー
後半はがらりと様子を変えながらも
最恐モンスターサユリとの対峙していく。
サユリの残酷な運命に胸が詰まる。
モンスター化した彼女の過去とは。
映像と音が恐怖度を上げている。
ゾクゾクする感覚は必見。
ジャパニーズホラーとエンタメもののハイブリッド
原作ミリ知らで、前情報の「悪霊に家族を殺されたババアが復讐して悪霊を地獄に送る映画」というなんとも気を引く広告につられて見にきました。
映画を見た感想はネタバレこみでこんな感じ
前半(悪霊キルパート)
・ジャパニーズホラーの良いところとパラノーマルアクティビティのような、徐々に取り憑かれていく家族の様が見れたり、定点視点での恐怖演出など割と良質なホラー
・悪霊のキルタイムが早すぎる、エクソシスト信じる者も見習って欲しいくらいのスピード
・幻覚能力がめちゃくちゃ強い、洋画に出てくる悪魔より断然強い
後半(ババアバチギレマンマンパート)
・前半との温度差と緩急に風邪をひきそうになるが、笑えるシーンも多い。この映画の醍醐味とも言えるところかも
・すでに死んでる雑魚が生きてるやつに勝てるわけねーだろ、の論調はホラーに対する風刺がちょっと効いててグッド
・無敵のババアもおじいちゃんが死ぬところを見せられると少し動揺するところも細かいながらも良い表現
ラスト
・悪霊ことサユリのバックボーンが明らかになる。なんか触手が出てきたりするし、別に地獄送りにもせずになんか成仏したっぽくてモヤモヤ
5人殺されてるけどええの?って感じ
ラストの泣いてるシーンでババアがサユリに根性焼きしてバチクソ殴りつけて地獄に送ってたら迷いなく120点をつけていた
ラストがよかったらもう少し評価したい映画だった。原作を知ってたらもっと感想が変わるのかもしれない。
見る前はもっとウィリーズワンダーランドのようなババアがクソほど無敵で悪霊がバキバキにされるのかと思ったら言うほど無敵ではなかった。強いけど。
残ったモヤモヤしているところ
・サユリを殺して埋めてから、神木一家が引っ越してくるまでに何回か他の家族がきているみたいなことを隣人が言ってたが、そんな年数たってなく無いか?
・サユリは憎しみで悪霊になっているだろうに、神木一家が苦しんでる時めちゃくちゃヘラヘラしてない?一貫性がない気がする
・じいちゃんがバグってサユリの骨が埋まっていたところを掘っていた理由がわからない。サユリがわざわざ骨のありかを教えるのか?という疑問
という考証がはっきりしない部分もあるので70点くらいのホラー映画というのが総評
時間を無駄にするような映画ではないと思う
原作が好きなだけに変更点には賛否があると思う。
原作を100点とすると50点
謎の太極拳推し。監督が好きなのか、スポンサーのゴリ押しか…
一番の減点はサユリに下手な理由を作ったこと。
私見ですが、原作でのサユリは引きこもった後も家族は嫌いではなかった。だから家族に殺されて悪霊となったが、家族を人質に取られて、弱体化した。人の家族を殺しておいて自分の家族が痛めつけられただけで抵抗できなくなることで捨てきれない家族愛を描いていたし、人の家族は殺しておいて!と復讐心に説得力が生まれた。
正直サユリが最後復讐し始めてから一気に面白くなくなった。
後、日本の実写化は恋愛要素を入れないといけない呪いでもかかっているんでしょうか?あのシーン入れるために色々変えたっぽいし残念。
白石作品お馴染みのぴゅるぴゅるは健在!
過去作でも出てくる「怪異的ぴゅるぴゅる」、出てきたねえ。「あー、白石作品だ」としみじみ。
前半は正統派ホラーのテイストからの中盤の作風変化!ああいうテイストやってみたかったんだろうね。子どもも女性もバンバンやられていくのはホラーの定番を外す展開。あ、原作未読です。
※追記:原作の流れを踏襲してるみたいですね
おばあちゃんは後半の豹変ぶりを意識してるからなのか、前半の演技がわざとらしい。だからギャグ要素になっちゃってて、「本格ホラーテイスト」だが、正統派な感じになってないのが、惜しい。
霊との対決姿勢は「貞子vs伽倻子」風だから、まあ、予想の範囲内。基本、嫌いじゃないんだけどね。
一周回って、後半のテイストはいい。でも勢いつき過ぎたのか、「一周半」まわっちゃったかな。つまり、サユリがどうして引き篭ったのか、っていう理由がね、ダーク過ぎる。後半味変してホラーから少し空気が軽くなったのに、あれじゃあね。あの理由が分かってからも「軽い空気」は残してるんだから、ちょっとチグハグ。そもそも母親だけ生かすのも「?」って感じで。父の行為を見逃してるし、妹と一緒になって父と3人でやってるんだから、そこで「母と子」のテイストはむりくりかも。
後半もっと勢いよく、対決ムードから明るく突き進んでくれたら、もしかしたら★5も考えちゃうかも。まあ、でもその「惜しい」感じが「白石ワールド」なのかもね。鑑賞後の空気はホラーではなかったし、あのテイストは海外では作れないかも。
想像を超えて
いやー
この映画みる前に一つだけ情報が入ってしまいました。
「お婆さん大暴れ」
まさか、あの方じゃないだろうなあ
と思って観に行ったら
(キャスト知らなかったです)
本当にあの方で・・・。
と、気分は萎え萎えだったのですが・・・。
こちらの想像を何倍も超える「暴れ」で
認知症のお婆さんが「対サユリ」において覚醒。
怒濤の展開に観ていて幸福の絶頂でした。
そして、対戦終了後はもとにもどるのはまるでジェットジャガーです。
なお
喫煙
「お××こ」の台詞
お婆さんの作戦
等TV局が委員会に入ってたら出来そうもない事の連発(とどめは「美少女が引きこもって変貌してゆく理由」でこれは切ないです)
でも委員会は博報堂とか東北新社(制作プロダクションもここ)とか入ってるんですよね。
といいつつ東北新社は、「あの問題の大企業」である以上に
「牙狼」を制作したり「エマニュエル」のDVD出したりしている会社ですから、まあ当然の帰結かもしれません。
上映中にスマホを見るのはやめよう!
「プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち」を観に行った時に、女性客が多くて驚いたんですが、今回「サユリ」を観に行ってまたまたビックリ!ヤローばっか!まぁ、夏休みの昼の回ってこともあるかもしれませんが、中高生と思われる男子学生が集団で何グループか、来ている状態でした。
そして、こいつらのマナーが悪い!映画が始まってもスマホ見てるもんだからイライラしちゃいました。
そんな嫌な気分で始まった本作品でしたが、楽しませてもらえたんで良かったです。
総体的に言えば、白石監督の醍醐味である笑えるホラーでした。ゾゾゾってしながら、ギャハハって感じです。
原作は見てません。「ミスミソウ」と同じ作者ということで期待したのですが、随分、雰囲気か違うような・・・やっぱり監督の影響でしょうか。
【ネタバレ】
冒頭、象足の登場から、すっかり引き込まれました。
そして、いきなり10年後、先ほどのいわく付き?の家に、今時、珍しい三世代家族が越してきたところから本編が始まります。
怖じ気づく弟を尻目に、はしゃぐ家族だったが、姉の異常を皮切りに、不幸が襲い来る。父が死に、祖父が死に・・・
怒涛の展開は、女、子供にも容赦無し。長男が絶望にうちひしがれた時、ボケかけていた祖母が覚醒する。
もう、ここからはお笑い要素満載ですね。
人間が悪霊に勝つ!ってのが、本作のテーマみたいです。
大いに笑わせてもらいました。
でも、サユリが悪霊になる件は、ちょっと切なかったですね。
父親の異常な愛情(おそらく性的なもの)に怯え、母親に助けを求めても、見て見ぬふりをされてしまう。
父親を避けるために部屋に閉じ籠り、お菓子を食べ漁ったすえ、醜い姿へと変貌してしまった。
怒りを露に示した時、家族総出で殺害され庭に埋められてしまった・・・
そりゃ、悪霊にもなるわな。
ババア無双
原作漫画が好きなんで楽しみにしてました。
概ね原作通りだし、太極拳等のオリジナル要素も良かったと思う。
演出も王道を抑えた正統派ホラーって感じ。
やっぱ暗がり+静寂+電気点滅のコンボって良いよね。
また、原作とは違う、吹き抜けが印象的で変に複雑な間取りの家を使った立体的なカメラワークも良かった。
キャストについてだけど、やっぱり婆さんの再現度が凄かったな。
太極拳の達人っていうオリジナル要素も良い。父親が死んだ後の食卓でのぶち切れシーンとか霊媒師をぼこすシーンとか随所にアクションのこだわりを感じる。
そして何よりボケてる時と覚醒時の演じ分けが秀逸よな。本当に同一人物かと思う程の演技力は流石の一言。っていうか婆さんのせいで他のキャストが霞む。
だが残念っていうか、評価分かれそうだなって思ったのがサユリの設定。
何でデブスにしたの?って疑問だったけど、バックストーリーの改変の影響だったのね。
まぁ、外側を醜悪な腐れデブスにしたことで本体の可憐な少女とのギャップが強調されてて良かったと思う反面、普通に原作通りの貞子、伽椰子に次ぐ新たなホラーヒロインを見たかったなって思いもある。っていうか見た目汚いだけで狂気と禍々しさが全然足りんのよね。
禍々しさで言えば婆さんに対する爺さんを使った精神攻撃は原作に無い展開で良かったけど(本当は原作の黒髪モジャモジャ攻撃も見たかった。)、則雄への精神攻撃ももっと頑張って欲しかった。死んだ家族全員を使ったエグめの精神攻撃を見たかったな。
そしてあのラストバトルは何なんだ?
太極拳推しはよくわかったけど、笑っちゃうっての。触手のCGも変にチープだし。婆さんが太極拳でサユリを倒すシーンは良かったけど、全体的にあの対決シーンはいまいちかな。
全体的に見れば原作を大きく逸脱しなくて良かったけど、後半のオリジナル要素多めの展開が微妙だったな。
やっぱ脚本て大事よね。
人類よ、覚醒せよ!
「貞子vs伽椰子」の白石晃士監督作。そう思うと、作品カラー的に納得出来る。
しっかりオカルト映画している前半と、婆ちゃん覚醒を機に一気に豹変するのは、「貞子vs伽椰子」と同様のやり口🤭
そこからは、何とも生命感溢れるホラー映画となる。無茶苦茶な部分もあるけど、生きてる人間の方が強い、という理屈は意外と納得出来る。
まぁ、婆ちゃん、ちょっとやり過ぎの面はあるけど。
同級生を助けるシーンは何か「Gガンダム」で観たぞ、と思ったり🤣
そして結局、「払って済ませるつもりはねぇ、復讐じゃ!」と言っておきながら、払って許してましたね😂
面白かった。
しかし、最近、児童虐待に関わる作品を連続して観てるなぁ。
バールの正しい使い方と、悪霊退散で愛(性欲)を叫ぶのは斬新だなあと思いました
2024.8.26 イオンシネマ京都桂川
2024年の日本映画(108分、G)
原作は押切蓮介の同名漫画(幻冬舎)
引っ越し先がヤバかったというテイストの新感覚ホラー&コメディ映画
監督は白石晃士
脚本は安里麻里&白石晃士
物語の舞台は、日本のどこかの地方都市(ロケ地は静岡県熱海市)
父・昭雄(梶原善)は念願のマイホームを手に入れ、そこに一家が引っ越ししてくることになった
昭雄には妻・正子(占部房子)がいて、ふたりの間には、高校生の佳子(森田想)、中学3年生の則雄(南出凌嘉)、小学生の俊(猪俣怜生)の3人の子どもがいた
さらに、別居していた昭雄の父・章造(きたろう)とその妻・春枝(根岸季衣)も一緒に住むことになった
家に着いた早々、俊はこの家に何かがあると感じ、春枝にも何かが見えているようだった
ある日、話したこともない同級生・住田奈緒(近藤華)に声をかけられた則雄は、彼女から「気を付けて」と意味深な言葉を投げかけられる
だが、その言葉の意味もわからないまま、日常はゆっくりとおかしな方向へと進んでいく
映画では、冒頭にてある一家の異常な日常が描かれ、本編はその10年後ということになっている
冒頭の一家の長女・小百合(久保遥、幼少期:照井野々花)の身に降りかかったことが原因で、それが最悪の展開を迎えていた
一家はそのままどこかへ引っ越すのだが、そこにはあるものが残り続けていた
かなり振り切った内容になっていて、悪霊に対して太極拳で対抗するという、どちらかと言えばアクション映画になりかけていた
春枝が霊との遭遇によって覚醒しているのだが、その強さは霊媒師(ジェントル)をも駆逐するほどのものだった
また、要所要所にコメディ要素が込められていて、低俗なギャグが散りばめられている
その対象年齢は小学生ぐらいだと思うので、ガチのホラーを観に来た成人層(原作知らない人)がどのような脱力感を抱えたのかは想像ができない
呆れるというほどでもないが、悪霊に対して霊的対抗をしないという新しさがあったので、それはそれで面白かった
生命力が悪霊を凌駕し、いつの間にか恋愛対象になっていた相手を想う心がそれを打ち消すというのは、勢い以外では説明がつかないのではないだろうか
いずれにせよ、すごいものを観たなあという感じで、霊媒師を殴って倒したり、小百合の家族を拉致って復讐をするのは笑ってはいけない領域に入っていたと思う
これまでのありがちな路線を否定し、スポ根映画さながらの特訓シーンがあるのは今考えてもギャグ要素にしか思えない
友人もびっくり(察していてフェードアウトしてた)のいつの間にか恋愛関係もびっくりしたが、そこで思いの丈のなかに「やりたい!」が来るのは中学生ならではだなあと思う
相手もまんざらではないのだが、「君たちちょっと早いぞ」と思ってしまったのは私だけではないのかもしれません
とても面白い
認知症のおばあちゃんが急に覚醒してパワフルになるのがかっこいい。しかし7人家族のうち5人が死んだらいくらなんでももう耐えられない。あの家無理ってなる。
主人公の男の子も応援したくなるタイプで、霊能者の女の子もかわいい。二人には幸福な恋愛をしてほしい。
僕の遠い身内にもサユリのような人がいて、しかしその人は別に性被害にあったわけでもなく引きこもりで太って肌がブツブツで精神を病んでいる。そのことを考えると何か明確な原因があってそうなっている方がまだ救われるのではないか、しかし原因を取り除けば果たして解消するのだろうか、どうあれその人はどうすれば救われるのだろうか、など考えが頭をぐるぐる回った。結局のところ考えてもどうにもならない。世を恨み、人を呪う、内面がそんなことで満たされていたらそれこそ地獄だ。厳しい。
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