「家族の仲睦まじさと狂気性」サユリ 由良さんの映画レビュー(感想・評価)
家族の仲睦まじさと狂気性
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序盤では朗らかな主人公がいかにも育ったかというような仲睦まじい家族のだんらんが描かれるが、祖母が覚醒してからの中盤は祖母のバイオレンスが炸裂し、それまでとは違った狂気じみた世界観になってくる。
特に、サユリの家族に対する祖母の暴力は半端ない。
その制裁を見ているうち、「紀子の食卓」の家族の崩壊からの暴力的なシーンの数々を思い出した。
それを考えると、前半の仲睦まじい主人公家族の芝居がいまいちわざとらしかったのも、何か意味があるかのようにも感じてきた。
あんな絵にかいたような家族なんて、本当にあり得るのだろうか?
サユリの家族の方が、ある意味身近なのかもしれない。
そう思うと、悲しさがあふれるホラーだった気がする。
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