「原作改変の是非」サユリ かなぶんさんの映画レビュー(感想・評価)
原作改変の是非
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過去に死んだ人間よりも今を生きている人間の方が強いに決まっている。
本作は〈理不尽な死〉に抗うことで〈よく生きる〉とはどういうことか、一つの人生観を示してくれる異色のホラーである。
しかし、そのメッセージ性を強く前面に押し出そうとした結果であろう、原作の改変が、物語の根底を揺るがすモノになってしまったことは看過できない。
実際にメッセージ性は強化されたとは思うが、物語の最重要人物のバックボーンと、周囲の人間との関り合い方が原作とは大きくかけ離れており、終盤の展開に賛否両論が出ることは間違いない。
※筆者は圧倒的に否である。
本作は家族愛もかなり重要なキーワードの一つであると思うのだが、原作と映画との差異を許すことが出来るか否か、評価が分かれるところである。
ただ、前半の圧倒的ホラー感と後半のそれをぶち破っていく怒涛の展開自体は両作品とも変わらずなので、ただのエンタメ映画として観る分には悪くないとだけは言っておきたい。
現在、完全版が出ている原作は不朽の名作であると断ずる。是非ご覧になっていただきたい。
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