「劇場から逃走したくなった」逃走中 THE MOVIE フリントさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場から逃走したくなった
100億円より価値ある友情の話
ごめん全然楽しくなかった。むしろつまらないまである。
私はTV版あまり見たことが無いし、さほど本作に興味なかったので鑑賞中は疑問や怒りが少なからず浮かびましたが番組ファンの方には楽しめる出来だったのではないでしょうか。
20周年らしいし、歴史のある人気コンテンツなんでしょうな。
そんなお祭り的作品に私のようななんの愛着もない人間が水を差すのは違うのかも知れない。
なので以下の感想はファンでも何でもない一般人が本作を見て思ったことですので、的外れトンチンカンかもですのであしからず。
鑑賞”直後”は「幼児が見る映画」以外のなにものでもないと思った。
大人からお金とっていいレベルじゃない。
もとがTV番組だし無料で公開すべき。
主演アイドルをスクリーンで見る目的の鑑賞や「逃走中」が好きな方は満足だと思いますが、それ以外の方は無理。苦行に時間です。
大切な2時間を「確保」して鑑賞したけれど無駄に「消滅」させただけだった。
子ども向け映画に大人げないのですが書きます。
こんなスカスカでガバガバなストーリにOK出したのは誰?観客をバカにしすぎ、なめすぎです。
「どうせアイドル目当てなんだし、ストーリーとかどうでもよくね?」「突っ込み所はいっぱいあるけど、気付かないだろ」って制作陣は思って作ったのか?
逃走中を知らない人は見ないでくださいってことなの?
矛盾とか設定の不可解さとかてんこ盛りなので、見ていて?になる場面がそこら中にあるし、土台がグラグラでどこから考えたらいいのかわからない。
考えたところで無駄んだけど、一観客としてストーリーを理解したかったのに突き放された感じです。
ゲーム参加は個人が応募してたようだったけど、仲間の1人が全員に会いたくて勝手に応募した的な事を言い出したりして謎でした。
ハンターが大口開けて吸い込むシーンが随所にあるが、なぜか捕らわれた人は足から消えてく、食べたり吸ったりしてる訳ではないのか?
喋れない弟君はどうやって21ゲームを勝ち抜いたの?
10人密告のルール説明がなくて場面の緊張感が理解できない。
スズキはリセットボタンの効果をなぜ知っていた?
最後の展開
リセットボタン押す→みんな元に戻ったし悩みも消えた!
ハッピーエンドなんだけど銀行の融資とか借金とかどこいったの?
ゲーム参加前の事もいい方に歴史修正されてる理由がわからん。
まだまだ突っ込み所はあったと思うが、切りがないので止めます。
鑑賞後にストーリーを読んで気付いたんですけど。
そもそも「逃走中」って西暦2900年の未来人(月面に居る)が現代人にゲームを持ちかけてるって設定なんですね。
私は鑑賞中その事実を知りませんでした。劇中最初にあったのかしら?
鑑賞”直後”は「幼児が見る映画」以外のなにものでもないと思った。
と書きましたが設定を考えてたら頭の中がややこしくなってきました。
TV版も映画版も同じ設定でゲームしてるんですよね。
でも現実(TV版)ではTV局の制作なわけで未来人なんていないわけで。
視聴者としてはそういった舞台設定のゲームだとわかっていて見てるわけです。
でも映画版は未来人が実在する世界感だから、TV局の制作物ではない訳で登場人物も視聴者(劇中の一般人)も本気なわけです。
TV版の「逃走中」視聴者=私
映画版の「逃走中」視聴者=映画内の一般人
映画版の「逃走中」の観客=私
TV版を見る時は私は視聴者ですが、映画版の視聴者は映画内の一般人(役)で私は映画を見る観客。
TV版感覚で映画版を見る事はできないし映画版の感覚でTV版を見るともできない。
なんとも不思議な感じです。
TV局が作った半ライブ感のある番組の設定を映画が取り込むことで生まれる摩擦、違和感、矛盾。
言語化は難しいのですが、あれ?なんか構造がおもしろいぞ!
設定は同じなのに見る媒体が違うことで、変なことになってる。
これは「逃走中」が映画でなければ発生しない現象だ(多分)
普通のTV番組を映画化しただけはこうはならないはず(たぶん)
もしかして映画史上でも稀な現象が起きてるのかも知れない。
ある意味めちゃくちゃレアな映画体験なのか!?
混乱した頭で考えてたら不思議とだんだんこの映画が好きになってきました。
個人的にこの映画の内容は全く褒められませんが、稀な体験ができたと思えば見てよかったと思う・・・多分
鑑賞中と鑑賞直後は「大怪獣の後しまつ」級の駄作だと感じていました、いや今もちょっとそう感じているがレビュー書いてて気持ちも落ち着いたし、普段使わない脳みそ使ったからヨシ!
「逃走中」ありがとう!
幼児が見る映画だなんて思ってごめんよ。
私も楽しかったよ(考察が)
意味不明な長文&駄文失礼いたしました。最後まで読んで頂きありがとうございます。
本作を見て憤りを感じた方の荒んだ心を治める一助となれば幸いです。
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劇中セリフより
「その選択の答えは100年後わかるだろう」
100年後は多分、私は生きてないんですけど頑張ってみます。
この作品に費やした時間や経験が100億円より貴重だと思える日が来ることを信じて。