港に灯がともる

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劇場公開日:

港に灯がともる

解説・あらすじ

阪神淡路大震災の翌月に神戸に生まれた在日韓国人3世の女性を主人公に、高校卒業から12年間にわたる葛藤と模索の日々をつづったドラマ。自身の出自と親から聞かされる震災の記憶の板挟みになり双極性障害を発症した主人公が、コロナ禍を経て回復を目指すなかで希望を見いだしていく姿を描く。

1995年の震災で甚大な被害を受けた神戸市長田区。当時そこに暮らしていた在日韓国人・金子家の娘として生まれた灯(あかり)は、両親から家族の歴史や震災当時の話を聞かされても実感を持てず、どこか孤独と苛立ちを募らせていた。震災で仕事を失った父・一雄は家族との衝突が絶えず、家にはいつも冷たい空気が流れている。やがて、しっかり者の姉・美悠が日本への帰化を進めようとしたことから、家族はさらに傾いていく。

「ソロモンの偽証」の富田望生が灯役で主演を務め、姉・美悠を「サマーフィルムにのって」の伊藤万理華、弟・滉一を「まなみ100%」の青木柚、母・栄美子を麻生祐未、父・一雄を甲本雅裕が演じた。NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の安達もじり監督がメガホンをとった。

2025年製作/119分/G/日本
配給:太秦
劇場公開日:2025年1月17日

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(C)Minato Studio 2025

映画レビュー

2.5too much かな

2025年2月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

個人的に期待している俳優の富田望生さんが主演なので観に行きました。
阪神淡路大震災のメモリアル的な内容なのかと想像していたら、主人公の出自や家族との関係などで悩み多く心病みつつも立ち直ろうとひたむきに頑張る、という感じの物語でした。
震災は背景にあるけれど、心を病む主な原因は家族関係で、繊細な主人公を富田望生さんはひたむきに演じていた気がします。

丁寧に描かれた映画でしたが、このテーマで二時間はちょっと長い。
せめてもう15分短ければ、観る側に余韻やよりそう気持ちが生まれたかもしれないけど、これでもか、これでもか、という感じがして、私にtoo muchでした。

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Jo

3.5灯(あかり)の心の叫びに心が震えました

2025年2月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

主人公 灯(あかり)を演じた富田望生の演技に心が震えました。

ここまで感情が溢れるような演技というのは
正直あまり記憶にないくらい圧倒されましたし、
主人公が置かれた複雑な状況も相まって、心打たれる作品でした。

灯が悩み苦しみながらも、年を重ねるごとに、
また、いろいろな人と関わることで、視野・視座が広がっていき、
父親が言っていることをよく理解できなかったのが、解像度が上がっていくところに
見応えがありました。

安達監督は長回しを結構されるのですかね。
本作ではすごく印象的でした。
父親の部屋のトイレで自分の気持ちが落ち着いてやっと出てくる灯。すごくリアルでした。
ラスト近くでの父親との電話のシーンも、灯の成長を感じられて心にぶっ刺さりました。
国籍関係なく間違いなく親子だと思いました。

父役の甲本雅裕、母役の麻生祐未、姉役の伊藤万理華、弟役の青木柚、
みなさん素晴らしかったです。

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ひでちゃぴん

2.5「自責志向か他責志向か」で、 作品の見方や感想が分かれそうな作品

2025年2月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

人生の生きづらさ、人間関係の煩わしさに、
苦しみ、葛藤する、在日コリアン女性のお話。

個人的に関心強めな話だったので、注目度は高いまま鑑賞したが、
テーマが、重いのは承知しつつも、複数あり過ぎて、
終盤にかけて、だいぶ見づらくなった印象。

在日の出自や、震災の経験が、親世代の「それ」への思いとは、
違った重さと感覚で主人公が思っている故、共有できず、
ジェネレーションギャップに苦しむのは、理解できた。

これは、私の世代の親の話でたとえれば、
「戦争や戦後直後の貧しさの体験や実感」になる。
なにか親子喧嘩があれば、すぐに団塊の世代な私の親世代は、
「アンタねぇ。私たちの子供のころは、食うもんにも困って・・・」
と始まる、一連のアレである。

「うるせえよ」と思い、常套手段のように聞き流してたもんだが、
主人公は、それを上手く聞き流せず、
まともに食らってしまい、心を病んでしまう。

その部分については「メンタルの弱さ」を感じてしまい、
なんだかなぁという感想になってしまった。
主人公の、親に反発する部分は理解共感できても、
抵抗の部分で免疫の弱さを感じ、
主人公の女性は、親に反発しながらも、
同時に親に「も」依存もしているのか、と気づく。

凄く幼稚な精神年齢で、子供じみて見える。
親と理解しえないなら、家から出ていけばいいし、経済的に自立すればいい。
父親とただ接触しなければ解決しそうなのに、主人公はそうはならない。

なぜなんだろうかと思ってしまった。

そんな私は、弱者に寄り添えない、非情な人間なのだろうか。
充分弱者側だと自覚していたのだが、、、

私も、父親とは確執があり、絶縁している。
主人公のように、相互理解や和解を試みた時期もあったが、
バカや努力しない貧乏人と長く付き合っても、何もいいことはないから、
40歳手前で、完全に見切りをつけてしまった。遅すぎる位だとも思う。

ただ、疎遠になると、だいぶ精神的には楽になる。
家も買ったし、お金持ちとはほど遠いが、
経済的にはなんとかなるまではきた。

となると、これは男女の違いなんだろうか?

そんなことはないだろう。男といっても、
今では「おじさん」として、様々な迫害を受けている。
「おばさん」と呼ぶのはダメでも、おじさんと呼ばれるのは、
なぜか社会からは、OKという理不尽な太鼓判を押されている。

精神が弱くとも体は健康なのだから、体が壊れてないなら、
この主人公はいくらでも自立する機会はある。

ということは、昭和生まれと平成生まれの違いなんだろうか。

結局この作品は、普段から物事を、
「自責で捉えるかor他責で捉えるか」で、
作品の見方が分かれそうな作品だと思った。

そして、主人公は、他責傾向強めの人間なんだと思われる。

ただし、実は私も、他責傾向強めの人間だから、物事は単純じゃない。

他責であるがゆえに、父親を恨んで、恨んで、コンニャローの精神で生きてきた。

恨みをバネにしたから、自責で潰されることもなかった。
恨みをエネルギーにしながら生きていくのは、スマートな生き方ではない。
かなり歪んだ性格にもなる。性格が悪くもなる。
でも、自責で潰されたり、自滅したり、心の具合が悪くなるよりはマシ。

ふむふむ。平成生まれってやっぱザコでヤワだな、
と、性格の悪い昭和おじさんは、歪んだ感想で片づけてしまうのだった。

良かった演者
富田望生
山中崇

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ソビエト蓮舫

4.0心の傷は容易く治るものではないことがよくわかる

2025年2月2日
iPhoneアプリから投稿

泣ける

萌える

在日の問題を通して、人と人とのつながりの難しさを主人公がすばらしい演技で描いた。
これは単なる在日の問題ではなく、お互い相容れない中で心を病み、そして癒していくのは、結局人とのつながりだということ。
最後の父と娘のシーンで簡単に相容れない関係が解決されないことに安心した。でなければ嘘に見えてしまう。

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morick