フューチャー・ウォーズのレビュー・感想・評価
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低予算をSF愛とユーモアで補ったフランス発のタイムトラベル活劇
2009年から2014年にかけて製作された4シーズン計57話のウェブドラマが元になっている。約2分のエピソード1をYouTubeで観たが、若者たちがベンチに座ったまま空き缶をゴミ箱に投げ入れようとする直前に“未来からの訪問者(ビジター)”が突如現れ、狙いを外した1つの缶がやがてポイ捨てゴミの山になり未来の環境汚染を招くと警告する話。タイムトラベル装置が腕に固定しただけのスマホだったりして低予算は明白ながら、ビジターのキャラクター(演じているのは映画と同じフローラン・ドリン)や、未来に起こる破滅的な環境破壊を未然に防ごうと奮闘するプロット、笑いをまぶした社会風刺が初回から確立されている点は興味深い。
このウェブシリーズが人気を博して映画化につながったとのことで、製作費は450万ユーロ(今のレートで約7億6000万円)でもちろんハリウッド製のSF大作に比べたら見劣りするものの、VFXはまあまあがんばっているし、テーマやストーリーに目新しさはないもののコントっぽいやり取りで軽い笑いを誘う。そして、ジャンルのファンを喜ばせるオマージュの数々。代表的なタイムトラベルものでは「ターミネーター」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、時間旅行に限定しなければ「エイリアン2」「マッドマックス」の影響も感じられる。
ハードSFではないので科学的な厳密さはないが、それなりに出来のいいアクションコメディとして気軽に楽しめた。
コメディを貫けばよかったが
B級SF映画はハズレが多い。そんなことは承知の上。でも、たまにあるアタリを求めて映画館に足を運ぶ。本作も予告編を見たわけでもなく、映画.comの説明だけで観ることを決めた作品。
最初のシーンから真面目なSFじゃないことが伝わってくる。中国語で書いてあるマニュアルを理解する方法が、とにかくくだらない。その感じは嫌いじゃないんだけど、その後はそのおふざけがやや抑えられてしまった印象だ。そうなると、しょぼい設定で既視感の強い展開が目立ってしまう。しかも中だるみがあるからかなり退屈してしまった。
あげくの果てにはタイムマシンものの定説があっさり否定されるラスト。いや、この強引な結末はある意味斬新だった。でも、コメディテイストを貫かないのはなぜだったんだろう。どうせならコメディで押し通した方が楽しめた気がする。
今回はハズレだったが、B級SF映画のアタリを探す旅はまだまだ終わらない。
娘の名前は‼
ある理由から過去を変えようと未来から来た男が、時空警察と闘う物語。
ギャグの連発で軽く進行していくのは良いが笑える程のものは1個あったかどうかくらいですかね(笑)
タイムトラベルものとしては歴史を変えようとする者とそれを阻止しようとする時空警察と…と至ってシンプルですが、結局時空警察の目的とは?本当にシンプルに改変阻止の務めを果たそうとしただけ?
それと、数こそ多くないがアクションが地味に良かったのと、ラストは意外や意外にもグッとこさせられたりして、そのギャップは良かったですね。
ひとつ変えられたら何でも出来る…はちょっと勇気がもらえた。
出来れば1か所でも、ゾクッとくるような場面があれば中々の掘り出し物になった印象。そこが惜しい!
コメディなのでツッコミ所は満載だし、パラドックスの仕組みとかよくわからなかったが…ドラえもん的と言うよりはドラゴンボール的なタイムパラドックスシステムなのかな。
いずれにせよ、軽く観られて楽しく意外にも感動できる作品で中々面白かった。
何だか
内容がハッキリとしてない作品です。主人公がアクションも含めて活躍する訳でも無く、危機迫る感がある訳でも無く、親子愛を徹底的に追いかけてる訳でも無く。学生の撮った自主映画的です。
悲壮感皆無のタイムトラベル歴史改変ものだけど、ラストは某映画の裏エンディングに通ずる部分がありましたね
2024.5.16 字幕 T・JOY京都
2022年のフランス映画(101分、G)
2555年の地球を救うためにタイムトラベルをする男を描いたSFコメディ映画
原題は『Le visiteur du futur』、英題は『The Visitor from the Future』で、「未来からの来訪者」という意味
物語は、フランスで稼働している原子力発電所がメルトダウン寸前に陥っている様子が描かれて始まる
科学者のガブラローシュ(デヴィッド・コスカス)とデフナックス(ラファエル・カリール)がそれを止めようとするものの、説明書が中国語で書いてあるために読まなかった
そんな二人の元にどこからともなく謎の男(フローラン・ドリン)が現れる
彼はメルトダウンを防ぐためにそこを訪れたタイムトラベラーだったが、彼の奮闘も虚しく、原発はメルトダウンを起こしてしまった
そして、遡ること数十年前のフランス・パリ
そこでは、中国の企業との契約を結んだ国会議員のギルバート・アルベール(アルノー・デュグレ)が質疑応答に答えていた
記者たちのいくつかの質問の後、その場に潜り込んだ学生アリス(エンヤー・バルー)は彼に問いかける
だが、彼女は部外者だったためにその質疑には応じず、不法侵入したとのことで、警察に連行されることになった
アリスには活動仲間のシャルリー(ジェニー・レテリエール)とリュシアン(ヴァレンティン・ジーン)がいたが、彼らも一緒に捕まってしまう
その後、アリスの身元引受人として警察に来たのは先のギルバートで、アリスは彼の娘だった
アリスは環境問題に敏感で、古い技術の原発の誘致には反対の立場だったのである
映画は、原発事故をどうしても防げない謎の男(のちにキツネと呼ばれていることが判明)が、原発建設をさせないようにとさらに過去にいく様子が描かれていく
そして、ギルバートの行動を阻止しようとするものの、誤って彼とアリスを2555年に連れてきてしまう
そこでパリの未来を見たアリスは、なんとかして父を心変わりさせようと考えるのである
物語は、キツネがもうすぐ訪れる終末を止めようと奮起する様子が描かれ、この状況が改善されることが困る時空警察たちが阻止する様子を描いていく
時空警察のトップ・コンスタンス(レニー・チェリーノ)は、部下のマテオ(マチュー・ポッジ)、ルイーズ(オドレイ・ピロー)、ヴィクトール(ヴァンサン・ティレル)たちにキツネを追わせるものの、なかなかうまく行かない
キツネには恋人のイタチ(アサ・シラ、役名:ベレット)がいて、彼女はアンリ博士(スリマン=バプティスト・ベルフン)とともにコロニーのような場所を作っていた
そして、この世界にはアリスと同じように過去から連れてこられたラフ(ラファエル・デスクラック)という青年もいたのである
映画は、終始コメディ口調で進み、笑えない状況をコミカルに描いていた
冒頭のメルトダウン騒動のくだりからほぼコント状態になっていて、そのテイストで最後まで描かれていく
未来を救うために過去を改変するという内容で、ラストでアリスが取る行動は「某有名映画の真のエンディング」のように思える
他の作品のネタバレをするのはアレなので伏せるが、超有名なタイムトラベル系映画には「真のエンディング」なるものがあって、そこで描かれる悲しすぎる結末というものが、本作のラストに似通っていた
いずれにせよ、主人公が誰かよくわからない作品で、クレジットの順番は「登場順」になっていたように思う
実質的な主役はアリスで、彼女の行動によって未来が救われるのだが、その犠牲によって従来のタイムトラベル系で起こることが起こらないという流れになっていた
本作の特徴はそこにあって、その時空の歪みを許容することによって、息苦しいエンディングにはなっていない
コミカル調には悲劇は合わないので、ハッピーエンドになる結末を探した末に反則技を使うことになったのかな、と感じた
Nocturnal
ポスターを見た瞬間に「あ、これレンタルリリースのやつじゃん」と思ったらガッツリ劇場公開でなんかテンション上がりました。この手の作品が劇場で観れるのは嬉しいです。
SFコメディですが、ベースは地に足ついたものになっており、それでいてギャグも結構面白く、世界観や装甲とか色々好みのものが多く、思っていた以上に楽しかったです。
終末世界の原因になった原発事故を食い止めるために未来人が時空警察と対峙、原因となった父とその父を正したい娘も混ざってという設定自体はしっかりしていました。時空警察は地味にドラえもん以外でしっかり登場したのは初めましてでした。
序盤からベッタベタなどっちかのボタンを押したら爆発の寸止めコントに突然やってきた未来人の指示を仰ごうとしたら、今度は時空警察もやってきてしっちゃかめっちゃか、説明書が中国語で中国人連れてきたら地域が違っててんやわんやで、時空警察の指示に従ったらボカーンという正しい歴史できのこ雲とはいえ展開が早すぎて笑いっぱなしでした(笑っていいものかは悩みましたが)。
未来の姿は完全に荒廃世界なので、未来だけど別に最新技術があるわけではないので、瞬間移動や時空移動以外は00年代のオーラを纏った絵面が懐かしかったです。
中盤謎にゾンビが登場したり、困窮した人々も登場しますが、そこまでストーリーに絡んでくるわけではないので、添え物として観るのが気楽だと思います。
時空警察が親子をターゲットに絞ったりしてからのストーリーからはおふざけ少なめ(と言いつつコメディリリーフはちゃんと仕事やってる笑)でしっかりした脚本と共に進んでいきますが、ここでの駆け引きもかなり面白いものになっており、裏切り裏切られ、協力し合っての展開に身を任せられて楽しかったです。
ラストシーンはかなり良いものになっていて、記憶の改竄の有無や次世代、子供達への継承なんかもあって、その判断がその後を救うといった終わり方はかなり好みでした。
なんやかんやで存在してないけど存在してるという曖昧ながらハッピーに終わってくれたのは今作のテーマにぴったりで良かったです。
プロトタイプは15年も前に始まっていて、主演のアルノー・デュクレめちゃめちゃ若かったです。ここまで長い月日をかけて無事完成したんだなとちょっとホロッときました。
サクッと観るのにちょうどいい尺ですし、1本の映画としての完成度も中々に高く、良いもの観れたわ〜と清々しい気分で劇場を後にできました。上映館が限られているのが惜しいところですが、なんらかの形で広がってくれればなぁなんて思ったりしてみたり。
鑑賞日 5/13
鑑賞時間 13:40〜15:30
座席 H-5
結構笑えるSFコメディー映画。 本年度ベスト級。
まさかのフランス映画だった(笑)
B級臭はするもののメッセージ性のある内容に加え予想外に泣けるシーンもあって満足度はソコソコ。
2555年に地球が滅亡する危機を未来からタイムリープにより現代で行おうとする事を食い止めようとするストーリー。
ある事業を立ち上げようとする父に反対する娘のアリス。
未来からタイルリープして地球の滅亡を食い止めようとする仲間。
未来を変えないように見張る時空警察。
これらの登場人物をそれぞれの立場で描いた作品って感じ。
出だしの掴みのシーンが最高!!
どっちのスイッチを押せば良いのかでの時空を越えた壮絶な展開に笑える(爆)
父と娘のアリスの親子愛も良かった。
アリスが未来を変えようとする行動に涙が出るものの泣いた直後に後悔する(笑)
予想外な迫力ある映像も良かったけど、低予算なのか登場人物が少な過ぎた感じは否めませんでした( ´∀`)
パラドックス
既に終末世界の2555年から2022年に起きた事故を阻止するためにタイムトラベルするきつねと仲間たちの話。
あらすじ紹介がかなり限定的な書かれ方しているから、何を書いてもネタバレになりそうだけど…いきなり2022年の事故の切っ掛けから始まって黄色だ青だで、えっ!?コメディ?
そしていきなり現れた男とのやり取りでまさかの超ドタバタ劇と示してくれたので気軽に観られて、パラドックスを起こそうとするヤツらと時空警察という内容の割りには単純だしコミカルだし、まあそれなりにという感じ。
ただ、どうでも良いつまらない小ネタのオンパレードで、軽い空気なのは良いけれどちょっとダルかった。
フューチャー・ウォーズ 想像以上にコメディ要素が強く冒頭の青ボタン...
フューチャー・ウォーズ
想像以上にコメディ要素が強く冒頭の青ボタン黄ボタンのくだりから笑えるシーンが多々あり楽しかった。このくだらなさはフランスコメディの良さで、フィリップ・ラショーの作品あたりが好きな人には確実に楽しめる要素有り。
世界観や作風なんかはバイオハザードっぽかったり、バック・トゥ・ザ・フューチャー、ターミネーターっぽかったり…でも安っぽさが良い意味で目立つ変な映画作品だった。
何度も見たい作品ではないけど、期待値低く見る分には楽しめる作品ではあった。
個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング
1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8
2 Firebird ファイアバード 4.8
3 コット、はじまりの夏 4.7
4 アイアンクロー 4.7
5 オッペンハイマー 4.7
6 クレオの夏休み(横浜フランス映画祭2024) 4.7
7 コンセント 同意(横浜フランス映画祭2024) 4.7
8 ARGYLLE/アーガイル 4.7
9 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5
10 9 恋するプリテンダー 4.5
11 バティモン5 望まれざる者(横浜フランス映画祭2024) 4.5
12 システム・クラッシャー 4.5
13 デューン 砂の惑星 PART2 4.5
14 愛する時(横浜フランス映画祭2024) 4.5
15 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5
16 アクアマン/失われた王国 4.5
17 ニューヨーク・オールド・アパートメント4.3
18 マリア 怒りの娘 4.0
19 異人たち 3.7
20 ミツバチと私 3.6
21 ブリックレイヤー 3.5
22 23 猿の惑星/キングダム 3.5
23 ネネスーパースター(原題) Neneh Superstar (横浜フランス映画祭2024) 3.4
24 胸騒ぎ 3.4
25 オーメン:ザ・ファースト 3.4
26 RHEINGOLD ラインゴールド 3.3
27 12日の殺人 3.3
28 インフィニティ・プール 3.3
29 ゴーストバスターズ フローズン・サマー 3.2
30 プリシラ 3.2
31 コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話- 3.2
32 コヴェナント/約束の救出 3.0
33 僕らの世界が交わるまで3.0
34 ゴジラ×コング 新たなる帝国 3.0
35 ブルックリンでオペラを 3.0
36 ストリートダンサー 3.0
37 カラーパープル 2.9
38 弟は僕のヒーロー 2.8
39 RED SHOES レッド・シューズ 2.8
40 画家ボナール ピエールとマルト(横浜フランス映画祭2024) 2.7
41 Vermines(横浜フランス映画祭2024) 2.6
42 関心領域 2.6
43 タイガー 裏切りのスパイ 2.5
44 ジャンプ、ダーリン 2.5
45 またヴィンセントは襲われる 2.4
46 人間の境界 2.4
47 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3
48 けもの(仮題)La Bête(横浜フランス映画祭2024) 2.3
49 マダム・ウェブ 2.3
50 落下の解剖学 2.3
51 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3
52 哀れなるものたち 2.3
53 フューチャー・ウォーズ 2.3
54 殺人鬼の存在証明 2.3
55 エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命 2.3
56 ザ・エクスチェンジ 2.2
57 DOGMAN ドッグマン 2.2
58 パスト ライブス/再会 2.2
59 リトル・エッラ 2.2
60 パリ・ブレスト 夢をかなえたスイーツ 2.2
61 ボーはおそれている 2.2
62 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2
63 瞳をとじて 2.2
64 ゴースト・トロピック 2.2
65 葬送のカーネーション 2.2
66 Here ヒア 2.1
67 美しき仕事 4Kレストア版(横浜フランス映画祭2024) 2.0
68 ハンテッド 狩られる夜 2.0
69 サウンド・オブ・サイレンス 2.0
70 トランスフュージョン 2.0
71 ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ 2.0
72 ゴッドランド GODLAND 2.0
73 キラー・ナマケモノ 1.9
74 ザ・タワー 1.9
75 ポーカー・フェイス/裏切りのカード 1.9
76 マンティコア 怪物 1.9
77 潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断(イタリア映画祭2024) 1.9
78 アバウト・ライフ 幸せの選択肢 1.8
79 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8
80 デストラップ 狼狩り 1.6
81 No.10 1.5
82 VESPER/ヴェスパー 1.5
83 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5
番外
ソウルフル・ワールド 5.0
QUEEN ROCK MONTREAL 5.0
あの夏のルカ 5.0
私ときどきレッサーパンダ 5.0
FLY! フライ! 5.0
犯罪都市 NO WAY OUT 4.5
DUNE デューン 砂の惑星 リバイバル 4.0
バジュランギおじさんと、小さな迷子 リバイバル 2.0
メメント リバイバル 2.0
π〈パイ〉 デジタルリマスター 2.0
貴公子 1.5
ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター版 1.5
コミカル・低予算のタイムトラベルもの
歴史改変のタイムトラベルもの。
友人ベースで作ったWEBドラマシリーズの映画化なので、実に賑やかな、ちょっといい加減なストーリー。いかにも低予算(何しろ時空警察が5人くらいしかいない、等々)だが、それを補うようにコメディ・タッチで、サービス精神に溢れている。
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