「複雑な思い」ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
複雑な思い
ニコラスのお母さんと奥さんが最高だった。
また、ニコラス自身は、チェコへのナチス進行により助けられなかった、120人の子どもたち(さらに一緒に活動したチェコの支援者が捕まってアウシュビッツに送られたこと)への罪の意識で、活動を失敗と捉えて無言を貫くはずだったというあたり。
史実を踏まえた、堅実な作りのドラマだった。
アンソニー・ホプキンスのセリフが極端に少なく、その表情や指先の演技だけで雄弁に哀しみと喜びを語っていたのも印象的。
映画としての出来の良さとは別に、史実的な面で「ただ子供たちを助けたいと思い、黙っていられず体が動いた」青年の存在に圧倒されます。
その事実は重く、感動的。
ただ、世に知られるきっかけがBBCのバラエティ番組だったからか、この映画の製作にBBCが関わってたりしていて手前味噌感があったのと。
昨今のガザ関連のせいで、イスラエル含めたユダヤ人勢力に対して、モヤっとした感情を抱く自分を認識し、素直に褒められないな、とか思ってしまった世界状況が悲しいと感じました。
イスラエルの新型コロナワクチンの開発と国民的治験協力については感謝してるけど、ユダヤ人の「これだけやられたんだから、やり返す権利がある」という態度には納得できていない、とかいろいろ複雑な思い。
素直に感動したかったな。
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