エイリアンVS.プレデター : 特集
「エイリアン」と「プレデター」の2大SFシリーズのクリーチャーが激突する「エイリアンVS.プレデター」。ヒットシリーズは同じ監督が続投する場合が多いが、この2シリーズはすべて別の監督が担当してきたところがユニークなところ。それぞれの監督たちの「監督時」と「その後」をチェックしてみたら、監督たちのその後には、ある法則が見えてきた?(文・構成:編集部)
2大SFシリーズの監督出世度をチェック!
■「エイリアン」(79)
監督:リドリー・スコット(監督第2作)
公開時年齢:42歳
その後:大出世
77年の第1作「デュエリスト/決闘者」でカンヌ国際映画祭新人監督賞を受賞。第2作の本作で世界的な注目を集め、続く82年の「ブレードランナー」もSF映画の金字塔に。その後、アカデミー賞監督賞には91年「テルマ&ルイーズ」、00年「グラディエイター」、01年「ブラックホーク・ダウン」と3度ノミネートと、今や大監督の風格。
■「エイリアン2」(86)
監督:ジェームズ・キャメロン(監督第3作)
公開時年齢:32歳
その後:大出世
デビューは81年の低予算映画「殺人魚フライングキラー」だが、84年の低予算SF「ターミネーター」で注目を集め、第3作の本作で一躍人気監督に。初めてSF映画ジャンルから離れた97年の「タイタニック」が世界的に大ヒットし、アカデミー賞監督賞、編集賞を受賞し、世界の大監督に。日本製コミック「銃夢」の映画化する新作でSFに復帰か?
■「エイリアン3」(92)
監督:デビッド・フィンチャー(監督第1作)
公開時年齢:30歳
その後:大出世
ILMを経て、ナイキやコカコーラのCMなどを手掛けていたが大抜擢されて監督デビュー。製作陣との衝突が激しく公開版には不本意で、全米成績もイマイチだったが、その後は、95年の「セブン」や99年の「ファイト・クラブ」と話題作が続々の人気監督に。スコット・フィッツジェラルドの短編が原作の新作「Benjamin Button」で新境地開拓か?
■「エイリアン4」(97)
監督:ジャン=ピエール・ジュネ(監督第3作/単独では第1作)
公開時年齢:44歳
その後:大出世
シリーズ初の非アメリカ人監督。母国フランスでマルク・キャロと共同監督した91年の第1作「デリカテッセン」、第2作「ロスト・チルドレン」で注目されてハリウッドに進出。本作は不評だったが、その後、母国に戻って単独監督になり01年の「アメリ」がアカデミー脚本賞ノミネート。新作「ロング・エンゲージメント」も批評家たちに好評。
■「エイリアン5」
監督:未定
製作陣はまだシリーズを続ける意向らしく、断続的に噂が浮上。シガニー・ウィーバーもその噂を否定していない。最近では、第1作のリドリー・スコット監督がシリーズ最終作としての第5作の監督を打診されたとの噂が流れた。一方で「エイリアンVS.プレデター」をヒットさせたポール・アンダーソン監督が第5作の脚本をオファーされたという噂も。
■「プレデター」(87)
監督:ジョン・マクティアナン(監督第2作)
公開時年齢:36歳
その後:ビミョー
本作はそこそこヒットで続編が登場したが、続く88年の「ダイ・ハード」、90年の「レッド・オクトーバーを追え!」が大ヒット。しかしその後が続かず、95年に「ダイ・ハード3」はあったが、近年は01年の「ローラーボール」、03年の「閉ざされた森」もいまひとつヒットに結びつかず。新作は「ダイ・ハード4」だとアナウンスされている……。
■「プレデター2」(90)
監督:スティーブン・ホプキンス(監督第3作)
公開時年齢:32歳
その後:ビミョー?
監督第2作「エルム街の悪夢5/ザ・ドリームチャイルド」で注目されて本作に。その後は94年の「ブローン・アウェイ/復讐の序曲」、98年の「ロスト・イン・スペース」もパッとせずTV仕事が増えていたが、ここに来て朗報。新作「ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方」が昨今の伝記映画ブームの中で好評。復活するかも?
■<番外編>「エイリアンVS.プレデター」(04)
監督:ポール・W・S・アンダーソン(監督第6作)
公開時年齢:39歳
その後:さてどうなる?
SFファンで自作脚本でSF映画を撮り続けてきた彼が、前作「バイオハザード」続編の監督を降りて本作を監督。2シリーズの歴史を踏まえた小ネタを集積し、ファンなら監督の気持ちは分かるファン対応作品に仕上げた。本作が「エイリアン」の系譜なら今後は出世するはずだが、「プレデター」の系譜なら微妙。アンダーソン監督の明日はどっちだ?