ジョン・レノン 失われた週末

劇場公開日:2024年5月10日

ジョン・レノン 失われた週末

解説・あらすじ

ビートルズのジョン・レノンと妻オノ・ヨーコが別居していた“失われた週末”と呼ばれるプライベートな日々の真相を追ったドキュメンタリー。

1973年秋から75年初頭にかけての18カ月間、ジョンはヨーコの強い希望により、夫妻の個人秘書でプロダクションアシスタントを務めていた中国系アメリカ人メイ・パンとともに過ごす日々を送った。この期間、ジョンはメイの助けを借りて最初の妻シンシアとの長男ジュリアンと再会することができ、アルバム「マインド・ゲームス」「心の壁、愛の橋」「ロックン・ロール」を立て続けに制作、デビッド・ボウイやエルトン・ジョンらとのコラボレーションや、ポール・マッカートニーとの再会など、“失われた週末”という呼び名とは裏腹に、ビートルズ解散以降のソロキャリアのなかで最も多作で商業的にも成功した時期を過ごした。

映画ではメイ本人の証言をはじめ、名曲の数々や貴重なアーカイブ映像、プライベートな写真、ジョンが贈ったユニークなイラストの数々を交えながら、メイの目で見た素顔のジョンを描き出す。

2022年製作/94分/アメリカ
原題または英題:The Lost Weekend: A Love Story
配給:ミモザフィルムズ
劇場公開日:2024年5月10日

スタッフ・キャスト

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(C)2021 Lost Weekend, LLC All Rights Reserved

映画レビュー

3.5 ジョン・レノン正史から“失われた真実”を取り戻すメイ・パンの闘い

2024年5月12日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

ビートルズのメンバーとして60年代のポップミュージックを牽引し、解散後もソロや著名ミュージシャンとのコラボで名曲を数多く作り歌ったジョン・レノンへの音楽的興味からこのドキュメンタリー映画を観るなら、おそらく物足りなく感じるはずだ。ソロ時代の曲は断片的にしか流れないし、ビートルズ時代に至ってはコンサート映像を使いながら別のバンドの曲がバックグラウンドで流れる始末。音源の使用料と映画製作費の事情でそうなったと想像するが、曲をじっくり聴かせてもらえないさびしさは否めない。

レノンが妻のオノ・ヨーコと別居した1973年秋からの1年半は、アルコール依存症の男を主人公にしたビリー・ワイルダー監督作「失われた週末」(The Lost Weekend)にちなんでそのように呼ばれた。ジョンが実際この期間滞在先のロサンゼルスでアルコールやドラッグにおぼれて騒動を起こし、ゴシップネタになったせいもある。ただし一般に考えられていたような空白期間などではなく、元ビートルたちを含む他のミュージシャンとの交流が活発になり、むしろ生産的で充実した18カ月であったことが、このドキュメンタリーで明かされている。

語り手は、ジョンとヨーコの個人秘書として働き、ヨーコの要望で別居中のジョンと過ごし支えることになった中国系米国人女性のメイ・パン。このジョンとメイ・パンの共同生活が始まるきっかけや、突然の終わりを迎えた時の話を聞いて、ヨーコは仕切り屋でコントロール・フリークだったのだと改めて思う。ジョンがソロになってから1980年12月に凶弾に倒れるまでの約10年間は、いわばオノ・ヨーコ史観による“ジョン・レノン正史”が通説になっていた。ジョンがこの1年半にメイ・パンと心から愛し合い、音楽的にも活発でプロダクティブであったというのは、ヨーコからすれば不都合な真実だったはず。逆にメイ・パンの立場からすれば、失われた真実を取り戻す闘いが、この映画の基になった回想録から続いているのだろう。

メイ・パンの社交的な性格のおかげで、ジョンが前妻シンシアとその息子ジュリアンとの関係を修復できたのは心温まるエピソードだ。ヨーコがジョンの交友関係を制限するようなことがなければ、ポールの(ウイングス名義の)アルバム「ヴィーナス・アンド・マース」への参加、さらには2人の共作も実現した可能性がかなりあったのではないかと、残念でならない。

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共感した! 12件)
高森郁哉

4.0 【”失われた・・ではなく、豊穣なる週末。”今作は、ジョンがヨーコと別居した18カ月の間、彼と共に過ごした太陽の如き女性メイ・パンとの日々を彼女自身のナレーションで回顧したドキュメンタリー映画である。】

2025年12月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

知的

幸せ

ー この映画をお勧めして頂いた、大先輩のMr.C.B.2さんに深くお礼を申し上げます。ー

■本作はジョンとヨーコの個人秘書であり、アップルレコードのプロダクション・アシスタントを務めていた中国系アメリカ人、メイ・パンに対し、ジョンとの関係が拗れていた【ヨーコの強い希望】で彼女がジョンと過ごす事になった1973年秋~1975年初頭にかけての18カ月をメイ自身の証言で描くドキュメンタリーである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・一般的にジョンとヨーコが別居していた1973年秋~1975年初頭を”失われた週末”と呼ぶそうであるが、今作を観る限りでは完全なる”豊穣なる週末”である。

・本作でも描かれているが、メイの尽力によりジョンは最初の妻であるシンシアと長年会っていなかったジュリアン・レノンと再会している。
 その際の、ジュリアン・レノンの楽しそうな写真と彼自身が語る楽しき日々の想い出。

・更には、『マインド・ゲームス』のヒットや、エルトン・ジョンを迎えて制作した彼自身も言っている予想外の全米シングルチャート第一位を獲得した「真夜中を突っ走れ」を含む『心の愛、愛の橋』を創作している。
 メイの、ポジティブ・シンキングの影響が、メンタルの上下動が激しかったジョンに正のオーラを与えたのであろうか。

・ジョンの周りには、メイの明るさに引き寄せられるように、デヴィッド・ボウイやミック・ジャガー、そして不和だったポール・マッカートニーーとの友好的な再会のシーンなども、ポップなイラストを交えて描かれているのである。
ー この、”失われた週末”はジョンにとって、ソロキャリアの中で最も多作で商業的に成功した時期なのである。-

■今作が何よりも素晴らしいのは、それまで”失われた週末”と呼ばれた時期が実は”豊穣なる週末”であった事を如実に物語る数々の映像やインタビューである。
 一番は矢張り、ジョンとジュリアンが一緒に楽しそうに遊園地で遊ぶ姿と、現在の大人になったジュリアンに寄り添うメイ・パンの姿である。
 そうなると、どうしてもヨーコが如何にしてジョンを取り戻したのかを書きたくなるが、今作ではヨーコ自身のコメントはないので、一言だけ書くと”失われた週末”という言葉を意図的に流布させたのは、ヨーコではのかな、と邪推してしまうのであるが、この辺りで止めておこう。

<今作は、ジョンがヨーコと別居した18カ月の間、彼と共に過ごした太陽の如き女性メイ・パンとの日々を彼女自身のナレーションで回顧したドキュメンタリー映画なのである。>

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NOBU

4.0 メイ・パンを知らなかった

2025年5月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

メイ・パンを知らなかった私にこの映画の感想を述べる資格があるか分からないのだが、ヨーコ・オノがとても傲慢な女性だったらしくてジョンもなんだかメイ・パンの方を愛してたみたいでメイ・パンと一緒だった時期に多くのミュージシャンとの親交を楽しんでいたようなのは、日本人として残念に思った (^_^;) 彼女はそんなに嫌われる存在だったの??知らなかった、そこが一番のこの映画の驚きであり、真実なら(なんでしょうね?) まあ知れてよかったのかなと思います

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Sheeta

4.0 メイパンが予想外に良かった

2025年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

楽しい

知的

まず今まで見たことない写真や映像がふんだんにちりばめられています
主人公のメイパンもこれまで謎の女性でしたがとてもチャーミングで
グラマラスであれじゃあジョンもイチコロだろうなと思いました
特にメイパンと付き合っていた時期はポールやミック、エルトンジョン
など有名人との交流が盛んでヒット曲にも恵まれソロ時代最高の時期だった
それを支えたメイパンはあげまん女だと思った
しかしそれもまたまたヨーコの出現ですべて台無しになってしまった
ジョンを取り返した5年後にジョンは射殺された
ヨーコは究極のさげまん女だった
ビートルズを解散させジョンを死に追いやったヨーコ
今もまだ高級マンションダコタハウスの一室でいったい何を考えているのだろうか?

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jun1969