劇場公開日 2025年6月6日

「「血」」国宝 SING SINGさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「血」

2025年6月13日
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鑑賞方法:映画館

大絶賛のレビューが多くて気後れしてしまいますが、個人的には冷静に見てしまいました。生で本物の女形を見た時のあの感動を期待していたからかもしれません。
また、主人公を取り巻く3人の女性について、あまり理解できなかったのもあります。

とは言え、やはり良い映画だったことは間違いありません。
ヤクザの血筋と歌舞伎の血筋。常に「血」を感じさせられました。流血や吐血の「血」もあり。終盤には喜久雄の唯一の血のつながりある娘とのシーンも印象に残りました。娘もやっぱり血を感じているのでしょう。

この「血」を特に思い知らされるのは、襲名式で2代目半二郎が倒れて意識が遠のく中、俊介の名前を呼ぶシーンでした。喜久雄の気持ちを考えると胸が苦しくなりました。

ただ、この作品で描かれる嫉妬心は全く醜くないので、嫌な気持ちにはなりませんでした。ヤクザの血を引く喜久雄に誰も意地悪しませんし、喜久雄も俊介とは良きライバル関係でなんとも爽やかな描かれ方でした。
緊張で震える喜久雄のメイクを俊介が手伝うシーンが美しかったです。

一方で、喜久雄が落ちぶれて舞台とも言えないような所で大して興味もなさそうな客に向けて演劇をしていた頃には女と間違われて散々な目に遭いますし、この転落ぶりがとても痛々しく感じられました。

最後のシーンは、すこし説明不足な気がしました。人間国宝になった時点でもまだ見えなかった景色。わかる人にはわかるのでしょうか。

終盤で出てくる瀧内公美さんの複雑な心情を表現した演技は存在感たっぷりでした。この方、本当に素晴らしい役者さんで今後も目が離せません。

そして、吉沢亮さんと横浜流星さんのこの映画への情熱を強く感じることができました。役者人生のターニングポイントになったかもしれませんね。

役者さん達には満点付けさせていただきます。

SING SING
トミーさんのコメント
2025年6月14日

共感&コメントありがとうございます。
2代目の死の淵の言葉が息子を呼ぶものでショックまた死後は、後ろ盾が全く無くなるってWショックでしたね。

トミー
uzさんのコメント
2025年6月14日

『奇麗な、悪』で一人芝居を成り立たせた瀧内公美だから、ほぼ声だけであのシーンが成立したと思います。
(あの作品自体は好みではなかったですが…笑)
台詞の情感に半生を滲ませていたのは、本当に見事でした。

uz
トミーさんのコメント
2025年6月13日

女性は程度差こそあれ、男にかしずく描き方をされてましたからね。高畑さんは女帝になりそうですが、息子は海のモノとも・・。

トミー
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