正体のレビュー・感想・評価
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人を信じること…逃亡犯の希望
染井為人の原作も公開前に既読。骨太で読み応えある長編で、あの大作をどの様に2時間枠の映画にまとめるのか、藤井道人監督の手腕も楽しみのひとつだった。原作小説を実写化すると、どうしても細かな部分が端折られて、「今ひとつ」という作品が多い。しかし、本作は見事に原作以上の作品に仕上がっており、「流石、藤井監督!」と思わる、極上のサスペンス・ドラマとして、素晴らしい作品に仕上がっていた。
特にラスト10分間は、原作とは違う流れだったが、脱獄犯・鏑木慶一の冤罪を訴える姿に、そしてその運命に、涙腺が緩みっぱなしで、かけていたマスクがびしょびしょになった。個人的な意見ではあるが、本作も鏑木を演じた主演の横浜流星も、来年のアカデミー作品賞・男優賞の候補に挙がることは、間違いないように感じた。
ある一家を皆殺しにし、日本中を震撼させた殺人事件の犯人で、死刑が確定していた鏑木慶一が脱走をした。未成年で初めて死刑を宣告された鏑木は、終始、無罪を主張していたが、聞き入れてもらえず、その潔白を証明することができず、やむなく脱走を図った。その中で、ある時は工事現場での日雇い、またある時はフリーライター、水産加工場のパート、そして、介護施設の介護士と、顔と姿を変え、正体を隠して潜伏していく。
その逃走劇の中で、浮かび上がってくる鏑木の姿は、とても凶悪殺人犯とは思えない頭の良さと優しさ。そして、鏑木自身も、出会った人から、初めて人を信じる心の温もりを感じとる。そうした前半からの布石が、ラストシーンで彼の冤罪を信じる人々のうねりとなって、感動的なシーンを呼び起こすことに繋がる。
鏑木役の横浜流星は、冤罪を訴える迫真の逃走のシーンと、潜伏先での穏やかで物静かなシーンの両局面の演技に、役者としてのキャリアが高まったと感じた。また、横浜流星をはじめ、周りを固めた吉岡里帆、山田安奈、森本慎太郎の演技も予想以上に良かったし、原作のキャラクターのイメージにピッタリで、なかなか素晴らしいキャスティングだったと思う。
一つ残念だったのが、これだけすばらしい内容の作品なのに、我が郷土の映画館での観客が10人足らずだった…。先日、袴田事件の冤罪が認められたが、こうした無謀な警察のやり方によって、冤罪に苦しんでいる人もいるのかもしれない思うと、もっと多くの人に観てもらいたい作品でもある。
原作あってこその映画化なのですが・・・
原作はめちゃ長編で文庫本で600ページほどあります。
もちろん原作があってこその映画化なのですが、原作のようなめちゃ余韻の残る終わり方ではなく、映画はさすがに誰もが納得できる仕上がりになっています。極端な言い方をいすれば、原作と「オチ」が違うので、全く違うお話のようにも思えます。
原作は懇切丁寧に逃亡犯の人柄を表すために5箇所ほどの潜伏先で彼と彼を取り巻くその場所場所での仲間との信頼関係を描いていますが、映画では3箇所に絞られています。それがすごくわかりやすかったと思いました。ただ、工事現場でのシーンは映画はちょっと物足りなかったかな。
藤井道人監督作品も最近の10作の内、清原果耶で3本、横浜流星で3本ありますが、藤井監督でこの二人の共演を観てみたいです(線は、僕を描くで共演していますが、監督が違う人なので
日本映画の本流
1.日本映画らしく人の心、中心の映画だった
2.公開前に何かの賞取っていて怪しいと思ってた
3.しかし、良い映画だった
4.映画なのでしょうがないが、サクサク良い方に進んだ
5.現実の世界も捨てたもんじゃない事を信じる
6.私もに若い頃、一生懸命やってたら助けてくれた人いた。
7.吉岡里帆の父さん無実証明されたのかなぁ?
8.ジャンプ、山田サン良かった
9.吉田里帆のファンになった
10.色々変なところがあるが、それを含め良かった
11.公開前に賞取るのはしょうがないと思った。
12.横浜サン、いい男で演技上手いのはズルイ。
13.横浜サン、セクハラやパワハラ等問題なく年取って良い俳優になって欲しい。
14.横浜サン、めちゃくちゃ猫背だった、役作りすごい
15.逃げたのは、ただ死刑になりたくなかったから
16.アシリパさん、今時女子になっていた。
いつか
完璧☺️
冤罪事件を扱った社会派ファンタジー
エンターテインメント映画として、私は楽しめました。
※原作未読、ドラマ未視聴です。
冒頭の死刑囚である鏑木(横浜流星)が救急車から逃げるシーンや
お金を持っていないはずなのに、いろんなところに転がり込んだり
仕事を見つけて何とか1年近く逃亡し続けているのは、
ちょっと理解に苦しみましたが、ツッコミを入れると面白くなくなっちゃうと思い、
ファンタジーだと割り切って鑑賞しました。
各地で出会う人たちが、みんな鏑木を好きになっちゃうところもすごいなと思いましたが
そういう魅力的な人なんでしょうね。
鏑木は21歳ということで、高校生のときに死刑囚になって以来、社会に出ていないため
世間知らずなところはあるものの、よく仕事を見つけることができたな〜と感心しました。
学業は優秀という情報は出てきていましたけれども。
そして、刑事の又貫(山田孝之)をも感化してしまう
(もともと犯人なのか?という疑問はもっていたようですが)ところもすごいなと思いましたし
その最たる場面が、記者会見での又貫の今までをひっくり返す発言でした。
ラストは逃亡から3年足らずで無罪判決を勝ち取るというスピード決着&ハッピーエンドは
現実世界だと違和感ありありながらも、ファンタジーだとカタルシスを感じました。
このあたりはさすが藤井道人監督だなと思いましたね。
ちょっと無理があるんちゃうん?と言いたいところではありますが、
俳優陣が魅力的、上述のおふたり以外には特に吉岡里帆と山田杏奈がステキでした。
他の俳優陣もしっかりと固めていて、存分に演技を堪能できたので、よかったです。
もっと冤罪事件を徹底的に掘り下げる、キリッとしたつくりあがりにもできたとは思うものの、
フィジカルにエンターテインするつくりにした藤井道人監督は、私としては期待通りであり、
今後も追っていきたい監督です。
横浜流星には来年の大河ドラマ、頑張っていただけると思いますし、楽しみにしています。
ドラマ版も観てましたが
キャストや監督が違うだけでこんなにも別物になるんだなっていうお手本ですね
素晴らしい作品です
とにかくずっと力が入りっぱなしで観てました
結果はわかってるのにやったー!と声が出そうになりました
すごく細かいのですが山田さんと前田さんが乗っていた覆面車両がリアルに警察でも使用されてるものすごく珍しいスズキのキザシにビックリです
「1.5章」より先が抜け抜け(個別の採点においてネタバレを含みうるので注意)。
今年422本目(合計1,513本目/今月(2024年11月度)28本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
ネタバレありにしていますので、個々のストーリー紹介ほかはほぼほぼすっ飛ばします。
一人の法律系資格持ち(行政書士持ち)の立場からのレビューです。
うーん、どうなんだろう…といった作品です。作品自体は冤罪を描く映画で、これまた年に何本でもある作品だし、つい1~2か月に正式に確定した袴田事件を扱う映画でもないし、一方であるいはこの手の映画でありがちな「無茶苦茶な警察組織」の論点もテンプレ通りであり、かつ法律系資格持ちは途中からストーリーが抜け抜けで何を言ってるのかわからない展開になるのが極端に厳しいといったところです。
救いはハッピーエンドであること、あるいは「法律ワードが極端に出てこない」ことくらいくらいだろうと思います(後者は出す度合いによっては詰まる方が確実に出てくる)。
採点は以下のようにしています(3.2を3.0まで切り下げたもの)。
ネタバレありにもしていますし、理解の参考になればと思いますので詳しめに書いておきます(法律初学者の方でもわかるように書きました)。
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(減点0.5/冤罪を描く映画としてストーリーが明確に変)
第一審は地裁から始まっていると思われますが、その後最高裁まで描かれないため(刑事裁判においては、単に量刑不当を訴える等は上告が制限されます(刑事訴訟法。以下、刑訴法))、かなりヘンテコな展開になっています。もっとも、日本においては特に殺人罪など「死刑か無期懲役か」というような裁判に関しては国民の関心が高いこと、また誤審を防ぐために最高裁での審理は通常行われます。
ただ、その描写がないので第一審での有罪判決のあと控訴していないものと思われ、一方でその一方で冤罪を描くのは明らかに理論が矛盾しており(この点は後述)、何とかならなかったのかなという気がします。
(減点0.3/女性に関しての犯人隠匿罪関係)
犯人隠匿罪は、「懲役1年以上の罪の被疑者または、現に逮捕・収監されているものの脱走者」をかくまうことで成立します(刑法103条)。かつ、この罪は「無罪、冤罪、勘違い…」の場合でも「とりあえず取り調べをして、勘違いだったら帰ってもらえばそれでよい」ので(換言すれば、罪を犯したものを逃がさない、という趣旨の条文)、本人が無罪か冤罪か、あるいは具体的に何罪で問われているかまで問わずに成立します(判例)。これはこれで別の問題でちゃんと扱わないとまずいのではと思われます。
(※) ただし、刑法だけならともかく、個別の行政法規など一般人が知らないような事情まで本罪に問うのは酷に過ぎるので(特に何が「懲役1年以上の罪か」まで把握している人はまぁいない)、適用例は多くはないですが(毎日、死刑が確定するような事件が起きる国のほうが嫌)、少なくとも連日報道されている、それも死刑の脱走者の隠匿はほぼアウトです。
(減点0.3/裁判所の判決)
刑訴法における裁判での有罪無罪(「無罪」も含むので注意)には、主文のみでは足りず何をもって有罪無罪とするかの「理由」が必要です(刑訴法44条)。これは、それを不服として控訴上告する側は理由が不明であるからであり、また広く「なぜ有罪か無罪か」かが示されないと(無関係の)国民も理解できないからです。このことは冤罪を争う再審においても同じ話です。
((まとめて)減点0.7/「第1.5幕」以降の扱いが全般的に不足している)
(0.2) 再審における無罪の言い渡しは検察官側の控訴上告を放棄しないか最高裁のそれでない限り確定はしません(刑訴法。いわゆる四大冤罪事件の冤罪確定までの道のりが極端に長期化したのもこのことが理由)。この部分は暗黙に省略されているものと思いますが、映画の趣旨を鑑みるに少しでもちゃんと描くべきところです。
(0.2) 冤罪が確定すると「刑事補償法」に基づいて本人に補償金が支払われますが(通常は最高額の1日あたり12,500円で補償される)、ここで(元)被告人にも落ち度があるようなケース(裁判に非協力的である等)は金額上調整されえます。この点は最初に書いた「冤罪を訴えるのに控訴放棄したとみられる部分」にも関係しますので(途中から「死刑を言い渡された被告人」から「死刑囚」になっているので映画のストーリーが途中ワープしているようにも思えるが)、二重にまずいところです。
(0.2) 上記のことと国家賠償法とは別の話なので、今度は国を争って国家賠償請求がスタートしますがここも完全カットされています。ただこのことは映画の論点ではないのでまぁ仕方なしとしても、冤罪確定や刑事補償法での補償とは別の問題ですので(どちらかが成立すればもう一方が排斥されるといったものではない)、扱いはきちんとすべきです。
(減点なし/参考/外国人関係) このような冤罪による誤認逮捕などは日本人以外にも当然発生します。一方で国家賠償法6条で「外国人に対しては、その国において自国民(=日本人)に対して同様な規定がある場合、相互に補償する」という「相互補償規定」が存在します。
ただ、通常、適法非適法とわず、在住する外国人の大半にはその出身国の立法権など持ち合わせていないのであり、もともと国家賠償請求は誤認逮捕や「国立、都道府県営のビルがいきなり落下して下敷きになった」等の争いに対し「国の償い」であって、当該諸外国で「そのような法律が日本人に適用されない、または存在しない」ことをもって補償しないというのは極めてヘンテコな話なので、この規定は原告被告も事実上争わない運用になっています(特に日本では、北朝鮮・台湾のように「独立国家としての認知問題」という複雑な問題も明確に抱えるため。この国賠6条はもともと日本の敗戦後「全てに補償していたらきりがない」という事情で作られたものの、2024年時点ではかかる趣旨がそもそも妥当しない)。
(0.1) 被害者の生存者は正しい証言をしていれば何の問題も発生してなかった事案なので、不法行為(709条ほか)に基づく民事訴訟が考えられますが、日本においては事実上タブー扱いなので(日本におけるいわゆる四大冤罪事件や匹敵する事件でも「ちゃんと証言すれば問題にならなかったのに」という民事裁判は元被告から遺族(のうち、軽傷重傷など。要は亡くなっていない、という意味)には起こされていない。不法行為における排斥期間の論点ほか複雑な問題もありますが)、この点もすっ飛ばされた模様です(ただ、実際に裁判を起こされるとかなり面倒(これ一つを主軸にした映画のストーリーさえ作れうる)。刑事補償や国家賠償と民事訴訟での補償は別の話なので、3つ全部起こすことも可能)。
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(減点なし/参考/主人公が異様に法律に詳しいのは何故か(序盤の労災隠しのお話))
死刑確定後にも冤罪を訴える場合、弁護士との接見において法律を知る必要があるためで、逆に懲役(禁固)と違って極端に「すること」が限られる現状、六法を読むくらいしか時間のつぶしようがないためです(この点、確定囚に六法の貸与を認めなかった点について日弁連だったかが人権侵害で勧告したケースが存在します)。ただ、一般的なハンディサイズの六法に掲載されている個別の労働法規はせいぜい労働基準法くらいではないかと思います(いきなり安衛法やらマニアックな法律の話をするのは謎)。
(減点なし/参考/労災隠しが起きる理由)
この点は専ら社労士ネタだと思いますがどなたも書き込まないと思いますので、もともと社労士試験自体が行政書士試験から分離した事情(昭和55年)も鑑みて知る範囲は書いておきます。
もともと通勤・労災については全額が事業者負担です(いわゆる給与明細参照。これらの項目は存在しないはず。雇用保険は引かれる)。
一方で労災申請にかかわって、労災保険の負担は「過去にどの程度申請があって認められたか」によって、認められた率や業種によってその負担額が異なるようになっています(「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」。一般的に「徴収法」という)。この制度を「メリット制」といいます(労災が多いと負担が増えるので「デメリット制」ともいいうる)。
このため、事業者としても労災申請の申請自体を認めると負担額が増えるため(最終的に労災認定不認定を決めるのは労働行政の側です)、ということになります(ただし、業種によって負担率は機械的に決まるものの、特に工事現場等といった事業で何ら労災申請が一切発生しないのも逆に労災隠しを疑われるため、逆に少なすぎてもチェックされうる)。
(※) このあたりは完全に社労士ネタかなと思うのですが、こちらに話題を飛ばすと映画の方向がおかしくなるので(再審査請求やら行政事件訴訟法、あるいは個別の労働法の話をすると誰もついていけない。過去に社労士ネタ映画ってあったっけ?)、完全にすっ飛ばされた模様です。
山田孝之さんの表情と佇まいが良い
物語はサスペンスが3でヒューマンドラマが7という印象でした。ストーリーは予告の通り、一人の青年の逃亡劇だけれど、常に追われるわけではないので、そこまでのハラハラもないし大どんでん返しの驚きがあるわけでもない。なんといっても人と人との会話、瞳と瞳の交わし合い、そしてその暗闇の中にある一筋の光のような優しさが、彼を立たせ続けてくれていたんだなと思うと、心があたたかくなる。
違和感があったり、思ってたより人間の醜悪さもそんなになかったりしたので、ご都合展開ではあったけどエンタメ作品なのでまぁ胸糞展開はない方がいいのかもしれないですね。ラストの無音には、ちょっとスッキリ感が半減してしまいました。あの言葉を聞きたかったのは主人公もだけど、鑑賞者もだったんだけどなと、はっきり耳にしたかった。
演者さんたちみなさんよかったです。私は特に山田孝之さんの真贋を見極めようとする目力と語る背中と一つ一つ重みを感じるような言葉がとてもよかった。キャラクターとして十一人の賊軍もよかったけど、こちらの山田孝之さんの方がもっと好きかも。
主題歌のヨルシカさんも癒してくれる優しい曲で良い余韻に浸りました。
スーパーマンすぎだろ
役者さんは素晴らしい。内容は並。
原作を知らない方は、前情報無しで見るのがオススメ!
原作は未読。前情報は一切入れずに観てきました。
一家惨殺事件にて死刑判決を受けた鏑木慶一が脱走。
次々と容姿を変え、様々な人々と関わりを持ちながら逃亡を続ける。
衝撃的なオープニングから一気に世界観へと引き込まれる。
鏑木の何を考えているか分からないミステリアスさ、そして孤独感が何とも生々しく、臨場感が半端なかったです。
何となく、ここで捕まるわけ無いと思っていても、その緊張感たるや相当なものでした。
果たして鏑木の逃走の目的は何なのか?気を許せない展開の連続に、見が離せないままあっという間の2時間でした。
久々に、重厚で見応えのある作品を鑑賞したといった印象です。
原作本がなかなかのボリュームだった為、映画にするのに省略したシーンも多いと思われますが、それを差し引いても素晴らしい作品だったと思います。
ノンストップな展開に、ドキドキしながら観てほしいですね☺
逃亡した理由は思いつかなかったなぁ
ありふれたストーリー展開と批評していた方もいらっしゃったけど…まぁその通りかなと思う
しかしながら最後に警察官から逃亡理由を確認するシーンが有るのだけどこのセリフは全く思いつかなかったなぁ
理解はするけど俺にはこのセリフは吐けないと思いながら観終わった
途中、条件が揃えば(人の思い込みなんて当てにならない)犯罪の種類は色々だけど冤罪の可能性は誰にも有るなぁなんて感じながらも怪我をした人に刃物等が刺さってたら処置出来ない場所では抜いちゃ駄目でしょ…知らないというのは恐いなぁなんて思いながら鑑賞しました
軒並み高評価なのも納得の作品…気持ち良く終わります
横浜さん格好良い(ちょっと好きになったかも) 吉岡さん可愛い
演者の皆さんの演技が良かった
逃亡した理由は鑑賞後のお楽しみです
松重豊が悪い奴に思えた
鎌で家族3人を狂気的に殺した事件の現場で現行犯逮捕、起訴され、死刑判決を受けた鏑木慶一が、吐血を偽装して救急車で病院に搬送中に脱走した。死刑囚の脱走という警視庁にとって重大な汚点であり、早期脱走犯確保のため、刑事の又貫は、逃走中の鏑木が出会った人々を取り調べた。しかし、彼らが語った鏑木は、殺人犯とは思えないような優しくて良い人だった。さまざまな場所で姿や顔を変えながら、鏑木が逃亡を続ける真の目的は・・・どうなる、という話。
一言で言えば警察の捏造による冤罪事件なんだけど、それがわかるのはラスト近くになってから。
そこまでは殺人犯として何を考えてるんだ、と気になって引き込まれた。
横浜流星はさすがで、素晴らしい表情と体当たりのアクションを見せてくれた。
吉岡里帆はカッコ良かったし、山田杏奈も可愛くて良かった。
山田孝之は松重豊を上司に持つ刑事で、ずっと悪い奴に見えてたが、最後は良かった。
松重豊は警察の権威を傘に冤罪事件を生み出した悪い奴だなぁ!と思った。もちろん演技は素晴らしいです。
インスタで動画を撮られてそれで指名手配犯とバレたとか、ちょっと薄いストーリーのようにも感じたが、全体的には面白かった。
横浜流星と山田孝之が向き合うシーンが有るが、横浜流星の首長いなぁ、と思った。山田孝之は肩からすぐ頭なのに。
無難でベタな王道
公開当日にちゃんと自分のお金で観てきました。
前評判は割と良かったので期待しすぎたのか、自分にはあんまりでした。ひとことで言えばU-NEXTかアマプラでよかったかなあ。
開始早々「TBS」のロゴがバーンと出るんですが、それでわかっちゃいました。いわゆるそういうタイプの映画です。テレビ局が主導の、万人受けを狙った無難でベタなクセのない映画って言うんでしょうか。10年後、20年後にはきっと誰もこの映画のことを覚えていない、消費される映画。
横浜流星さんはじめ役者さんの演技は良かったです。そこは文句のつけようがないくらい。なんだけど映画としては、なんの余白のない、全部説明しちゃってるような、ザラッとしたところのない、つるっとしたキレイな映画っていうのかな。そういう映画の方がいいっていう人もいるんでしょうけど、僕には物足りなかった。
死刑囚の逃亡劇というスリルとサスペンスとしてなんとか最後まで乗っかって観たんだけど、着地点がなんだか物足りない。冤罪もののヒューマンドラマとしても、なんだか物足りない。なんだか物わかりが良すぎる優等生って感じで。
映画を観ながら、市橋の逃亡や袴田巌さんの冤罪事件のことが頭を過ぎり、現実の方の重さや熾烈さを思うと、映画はどうしてもそれを超えられない。そんなことを考えちゃったなあ。
あと、横浜流星演じる逃亡者とそれを追う山田孝之演じる刑事の関係、どうしてもレ・ミゼラブルのジャン・バルジャンとジャベールを連想させる。もっともジャベールのような悲劇的なエンディングを迎えはしないんだけれども。そういうともなんだか弱いんだよなあ。
映画を観る前からそんな映画なんじゃないかと恐れていたが、もしかしてとんでもない当たり映画かもと期待しつつ、結構私はこの映画の「正体」を見たい一心でこの映画を観に行ったのかもしれない。
藤井道人はこうじゃないとって作品 ストーリー展開もちょうど良くてス...
期待度○観賞後の満足度△ うーん、もうひとつ面白くない、心に響かない原因は何だろうと観賞後2時間ほど考えた挙げ句、話の語り口が上手くないのだという結論。
.*《原作未読》
①いま人気のイケメン俳優(私の基準ではイケメンではありませんが)を主役にしたよくあるサスペンス物の一つだろうと余り期待せず(あまり面白くなかった『ビィレッジ』も同じタッグだったかな)に観に行ったけれども、はじめの三分の一ほどは「おっ、これは期待できるかも」と見直したが、心を打つシーンは一つ二つ有ったのに、後半に入ってから感情のレベルが下がり続けてそのままジ・エンド。
②題名は『正体』ってあるけれども、“正体”捜しの謎解きミステリーではなく、何か目的があって行く先々で姿・名前を変える男の“正体”が知り合った人々にばれるかどうかのスリル・サスペンスの方が主でありさ、初めの2エピソードは確かに少々ハラハラしたが、段々そのスリル感・サスペンスフルさは薄れていくというか物語の重要な核ではなくなって行く。
何故そう感じだしたかというと、横浜流星が正体を偽りなから目的に辿り着くまでに必死に逃亡するからにはかなり重要な事なんだろうとおもっていたら、語が進むにつれて、杜撰な警察の捜査の実態や警察の面子を立てたり面倒をミニマイズするための様子がきちんと描かれるので、死刑判決が出たら覆すのは殆ど出来ないことであるのは分かるけれども、先ずはあの程度の状況証拠で死刑に成るのかしら。検察官が非常に優秀(というか、悪知恵が回っ)で、弁護士は無能だったのかしら。
映画を観ている限りは唯一生存した原日左子の証言が決め手になったようだけれどと、当時はパニックに陥っていて、現在でもPDSTを抱える人間の証言にどれだけ信憑性があるが警察は疑義を挟まなかったのかしら。
あれくらいで裁判で死刑判決でるなんて、どんな裁判よ、と思ったくらい。
④横浜流星側にしても、冤罪であり疑いを晴らしたい、死刑になりたくないと必死なのはわかるけれど、逃亡を続けた目的が有罪を決定つけたらしい証言を覆しすために今でもPTSD に苦しむ原日出子に近づく為で、目的がハッキリしてからは、原日出子が思い出してくれたからいいものの、PTSDに苦しむ人を更に苦しめることには変わりはないので、とても共感できない。
足利が出てきた時点で話の先が読めちゃったし。
突入した警官隊にナイフで抵抗するところも若いからの突っ走りからしれないが、横浜流星自体がもう分別のある大人にしか見えないのでいい大人が頭に来ちゃったかとしか見えないし、横浜流星は熱演ではあるけれども、おしなべてミスキャストだと思う。
あんなイケメン(まあ、私はイケメンとは思いませんけど…これで二度目か)ならすぐ足がついちゃうだろうし(って現れたところでは実はすぐついちゃ炊けど)、もう少し特徴のない顔の演技力のある若手にやらせた方が良かったと思う(あま、それでは客入んないだろうけど)。
⑤賞なんて所詮人間が選ぶものだから受賞結果に拘っても仕方ないし、報知新聞賞と過去からの受賞作品賞等を見ると、「うん、わかる」と「えー、これ/この人が?」とか色々だけど、今年は本作が選らはれて「えー、これ/この人が?」の方。
少なくとも私には『ぼくらのお日さま』『本心』の池松壮亮より本作の横浜流星の演技かわ優れているとは思えない。
⑥私の働いている会社の健康保健室の先生と映画の話で盛り上がっている時に、その先生(女性)が横浜流星ファンで『正体』を観に行くと言っておられた。今からその先生に“『正体』どうだった?”と訊かれてどう答えるの方が私にとってはスリルとサスペンス😱
好意的なレビューを参考にさせてもらおうかな😅
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