「ツヅクウタ」あのコはだぁれ? 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ツヅクウタ
染谷クン演じる悠馬が開幕早々車に轢かれて重体に。
染谷クンがそんなチョイ役…な訳ない。後々、意外な役所。
目の前でそれを目撃してしまった恋人のほのか。この時、不気味な少女の鼻歌を聴く…。
ほのかは臨時教師としてとある中学校の夏季補習クラスを担当する事に。
数人の男女生徒。そこに一人の女生徒。が、彼女は“いる筈のないコ”。
そんな時、一人の女生徒の転落事故が発生。これをきっかけに、ほのかや生徒たちは不可解な現象に巻き込まれていく…。
中学校で30年前にもあった同じ転落事故。そして、あのコはだぁれ…?
賛否はあれど『ミンナのウタ』が久々に良かった清水崇監督がその調子のまま新しいホラーを…と思ったら、『ミンナのウタ』と同じ世界観。
謎の少女さな、死の鼻歌、30年前の事件、一部キャストも続投。
“あのコ”にまつわる例の事件を、新たな登場人物と別視点から描いた“姉妹編”。
30年前と現在、似たような転落事故。何か関係が…?
やがて生徒たちは不気味な鼻歌を聴き、最期を迎える。
『ミンナのウタ』にも登場したマキタスポーツ演じる“元”探偵。調査から判明。少女さなによる“サイゴのウタ”集め。
関わった人々の“最期”があのカセットテープに録音されていく。
それは30年前の事件のみならず、現在も新録。呪いのカセットテープは進化していく。
ほのかと恋人・悠馬の事故に遭った時の音も。
何故、悠馬はさなに狙われる…?
やがて判明。悠馬の正体。まさかの…!
さなの生家、高谷家も再び登場。迷い込んだほのかが見舞われるエンドレスの恐怖もまた。それにしてもこの“エンドレス・ハウス”、恐怖と笑いの紙一重!
不気味さと不可解さ。『ミンナのウタ』とリンクしつつ、さなと事件をより深掘り。
渋谷凪咲がなかなかのホラーヒロインぶりを発揮。ただのバラエティーアイドルだけではなかった。
『違国日記』の早瀬憩、『君たちはどう生きるか』の山時聡真らフレッシュな顔触れ。
清水崇、『ミンナのウタ』に続いての快打!…と言いたい所だが、正直『ミンナのウタ』の方が面白かったかな、と。
あの呪いのカセットテープにはゾクゾクさせられたし、話も『リング』みたいにシンプルだった。
夏季補習クラスに“もう一人いる!”…なシンプルな話じゃなくて、『ミンナのウタ』を見てないと(覚えてないと)よく分からない箇所もあるし、話的にはちょっと焦点がボヤけていた気がする。
でも、凡作連続の一時期に比べれば、上々。
呪いは終わったのか…?
ピアノに映るさなの影。ラストシーンのほのかの無音の悲鳴。まだ続きそうな…?
それとも、新しい恐怖を開拓するのか…?
再び恐怖と調子を取り戻した清水崇の次が、ちょっと楽しみになってきた。