大きな家のレビュー・感想・評価
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観る者の思い込みを排す
【大きな家】
東京の或る養護施設で暮らし旅立って行く子供らを見つめたドキュメンタリーです。ここには、何らかの事情で親と暮らせない子供らが預けられ、18歳になると退所して行きます。と聞くだけで、「周囲とぶつかり合いながらも職員の人々の愛情に支えられ成長して・・」という感動物語が思い浮かんでしまいます。しかし、本作はそうした思い込みを排する所から始まっています。
子供の一人は、同じ施設の仲間を「家族でなく一緒に暮らしている他人」とクールに語ります。児童養護施設を「暖かな家」、共に暮らす仲間を「家族」と見ず、早いカット割りの映像は観る者の安易な共感を拒絶している様にすら映りました。かと言って勿論ここは冷たい施設である訳ではなく、職員の人々が子供を観る眼差しは暖かく感じます。
それでも、子供らはやはり「本当の」父母の許に帰りたいのだろうか、施設に預けた親を恨む事はないのだろうか、そんな問いへの答えは全て観る者に委ねられるのでした。
一方、本作で描かれるネパールの擁護施設の子は「みんなが家族」と言います。その差は何なのでしょう。文化の違いなのでしょうか。日本の子が悪ぶっているだけなのか、ネパールの子が言わされているだけなのかな。その答えも観る者に預けられます。
表情、景色が眩しすぎて
**「美しい映像と心揺さぶる物語――今観るべき映画『大きな家』
家族ではない
変えられない過去より、変えられる未来志向で
東京にある児童養護施設で、死別・病気・虐待・経済的問題などの事情で親と一緒に暮らせない子どもたちが、職員や他の子どもたちと生活していた。そんな彼らは、両親への思いや、職員との関係、学校の友だち、施設を出たあとの暮らしなど、さまざまな葛藤を抱えながら暮らしていて、養護施設は18歳で出ていかないといけない。そんな話。
おねがいのパンフレットを貰った。
この映画に登場する子どもたちや職員に対するプライバシーの侵害や誹謗中傷をご遠慮くださいとの事。
全国に42,000人も居るらしい。親がいるのに一緒に暮らせない、って悲しいなぁ、と思ったし、親は無責任じゃない?とも思った。
卒業して5割はうまくいっていないという話があったが、5割は頑張ってるんだとそっちに感心した。
何を感じれば良いのかわからないが、過去のことは変えられないから、今からのことを考えて未来を変えていこう、という話をしていたのが印象に残った。
それと、ネパールへボランティアに行った子、向こうで同級生で児童養護施設の子がインタビューに英語で答えてたことにどう感じたのか、興味深かった。
非常に見てよかったと思う作品ですが……
こういった施設に関しては極めて無知だったと気付かされて、拝見して非常に良かった作品です。
施設を施設としてしか見ない小中学生とこのような施設の存在をありがたがる高校生や卒業生などのグラデーションは見事です。
その一方として、ドキュメンタリーとしては、かなりの頻度で鳴り続ける劇伴や、撮るべくして撮られたショットの数々などを考えると演出過多だったと思います。
無味乾燥なドキュメンタリーこそが素晴らしいと思いませんが、ドキュメンタリーでさえある種の演出が存在することをはっきりと示すのは、良くも悪くも作り手の「正直さ」と「ある種の美学」の持てる業なのでしょうね。
非常に感動しつつも、のどに残る小骨の多さが気になる作品でした。
コミュニティ?
配信、レンタル予定無しだそうで鑑賞
皆さん一様にでも家族ではないと口にしていたのが印象的
家族と過ごしていてももっと不幸な境遇の子供達はいるだろうので、季節のイベントや誕生日を祝ったり、お弁当、食事を用意してくれる人達が居るのは充分特別なことなんだろうけど 家族だと遠慮がいらないし無条件に愛を注いでくれる血が繋がっている人がいないのがやっぱり何か違うと感じるのかな でも親が会いに来れなくてもいろいろと勘ぐらない良い鈍感さを身に付けてるのは安定した愛情のもとで育った証拠だと思った この子達もいつか家庭や子供を持つのだろう、負の連鎖には負けないでほしい
血の繋がっていない大家族
児童養護施設が舞台のドキュメンタリー映画といえば、2011年公開の『隣る人』を想起。
『隣る人』の方はどちらかといえば施設で働く職員にスポットが当てられていて、映画を観終わった後は席を立てなくなるぐらいの衝撃を受けた記憶があるが、今回の作品はそこまでのエグ味は無い感じ。
『隣る人』は、ある場面のことを思い返すと今でも泣きそうになる。
竹林監督の前ドキュメンタリー作品『14歳の栞』と構造は似ていて、舞台が中学校から児童養護施設に変わり、数人の子供の日常をフィーチャーしていく作りは同じ。
オシャレでCM的な演出が、個人的にドキュメンタリーとしては演出過多に感じる。
女子チームが賑やかなのに対し、男子チームはよくいえばクール。
他人の誕生日に蔑む発言を連呼する感じが、体育会系中学生男子っぽいなあと思った。
きっと、画面に映ってないところで、職員の方々はそうとう苦労されているのでは?と思いを馳せてしまった。
血は繋がっていないけど、大家族もののテレビ番組を観ている感じ。
女子チームはずっと修学旅行みたいで楽しそうで、この映画を観て、児童養護施設に悪い印象を持つ人はいないのでは?
子供たちは父親か母親はいるようなので、ではなぜ施設にいるのかは気になった。
この映画は字幕付きで、幼児の発言はひらがなで表示されていたが、子供に「どこ行きたい?」と質問した時の答えが「さいきょうせん」で、ひらがなにすると強そう、とどうでもいいことを思った。
運動会のエピソードが素敵。
教室で子供を孤立させてしまったことに責任を感じた担任の「もう一度チャンスをもらえませんか?」という発言がカッコ良すぎる上に、ちゃんと結果を出すのが素晴らしすぎる。
施設の子供たちは成長するとみんなチャラくなっていくのが若干気になったが、まあでもそれが普通な気もした。
17歳の女子の「20年後どうなりたい?」と聞かれた時の答えが、ダメなんだろうけど個人的には「わかる!」と思ってしまった。
映画の最初と最後に「映画に出てくる人をSNS等で誹謗中傷しないで」と警告が出るが、そんな警告が必要なほど腐ってる世の中が悪い。
とある児童養護施設の子供達の話
最初と最後に、お願いとしてSNS等の映画に出ていた方々の発信は控えるようにとの告知が画面に出ていた。
映画を見ると分かるけど、ある児童養護施設の子供達、スタッフの方々の素顔が映し出されている。
名前(下の名前だけ)もセリフを追いかければ、容易に彼らに辿り着けるだろう。
だから映画館でだけの上映で、DVDの発売やサブスク等での配信は予定されていないらしい。
最初の方の演出は、POPな音楽、ローアングル、普通のドキュメンタリーではないと感じた。
その辺は映画として拘って作ったんでしょうね。
(テレビと違って、お金を払って見てもらうインターテイメントとして)
これは、児童養護施設で暮らす小学1年生から、19歳の大学生までの5~6人を追いかけたドキュメンタリー映画です。
映画館の上映スケジュールの中の映画紹介のページで知った映画でした。
それ以外で見聞きした事前情報はなかった。
音楽はハンバートハンバート。
先日見た映画『ぼくのお日さま』で彼らの事は知った。
そういった事もあって見てみる事に。。
良い映画でした。
カメラを気にしない子供達を見て、かなり長い間密着していたんだろうと思う。
児童養護施設で暮らす彼らは、お金に困ってるとか、生活に困っている感じは一切しない。
国からお金が出ているというような話が劇中であったが、いまの養護施設はこんな感じなんですかね。
キレイな個室があてがわれていて、質素な感じとかは無い。
子供達も基本みんな明るい。。
ただ、もちろん、複雑な家庭環境で育ってきているのでところどころ心の闇は感じられる。
そういった告白シーンだけが、普通の子たちと違うところ。
それに寄り添うスタッフの人達が凄いと思った。
おそらく、散々ぶつかり合いながら育ててきたんだと思う。
そういうシーンは無かった。
過去の話としてはあったが、そこに焦点は当てず、さりげなく彼らの思いを聞き出していた感じ。
ドキュメンタリーのディレクターは凄いですね。
家族のようで家族では無いという一緒に暮らす子供達。
社会に出ても頑張って欲しいですね。
影を映し出す演出、構成、良い映画でした。
うーん
おとなとこども、おやとこ、かぞく
幸多かれ
子供たちの事情や施設の仕組みなどについての説明は殆どなく、できうる限り子供たちの姿をそのまま描こうとする。彼らは一緒に住む子供たちや職員を家族だとか、施設を家だとか思ってはいないんだ、というところ。いっぽうで本当の親(多くはどちらかが連絡が取れるようだった)に対して愛情を期待しているが、往々にしてそれはうらぎられるところ、などを赤裸々に映し出していた。
そうしたバランスを意図しているいっぽうで、冒頭からどうもテレビのドキュメンタリー的に劇伴がうるさい。これは意図に沿わないものではないのだろうか、と疑問…
途中の登山のくだり、海外ボランティアのくだりがこの映画のために行われたフィクショナルなものに見えてしまうので、過剰な演出はそぐわないのでは、と思った…
が、それはそれとして、登場する子供たちはみな愛情に恵まれてしかるべき、と思われる良い子たちだった。幸多かれと、愛情に恵まれて欲しいと、そればかりを想う…
家族って何?
養護施設のドキュメンタリー。
ドキュメンタリー映画として過去一かな。
ドキュメンタリー映画はちょっと苦手だけど観てよかった。
もちろん、音楽流れたり、どんな質問するのかによって「演出」はもちろんありますが、とても勉強になり感動しました。
あくまでも子供目線という所も良かった。観ていると、大人が観ると「だったらなぜそこにいるのか?」「それって誰がお金出したの?」と思ってしまいますが、その答えはこの映画にはありません。子供たちがどう感じてどう思っているか、その目線に徹しいるのも良かった。
そして今日、それに関わる大人たちも優しい。
全員が幸せであって欲しい。
家族って何?家って何なんだろう。
少なくてもこの映画に取り上げられた子供たちは辛いこともあるだろし大変だろうけど、可愛そうでは無いし、幸せそうでした。
MONDAYSと同じ監督とは、、、
14歳の栞も観ないと。
配信やDVD化せずに映画館しか観られないのは良いですね。春が楽しみです。
成長物語
ドキュメンタリーではありますが、10歳くらいから19歳の青年まで、年の順にインタビューされていたので、成長物語として見られました。またそういうエピソードが選択されていました。
・最後の方で声だけの参加だった子も知れませんが、
「あと20年位生きられればいいよ。これまで生きるのもたいへんだったから」
というのが気になりました。
・その前の方のエピソードで、男の子数人で年中行事の百名山を登るというのがありました。登山も登りのほとんどの時間は大変です。でも頂上に着けば、その苦労は忘れます。
人生には、小さな達成感が必要なのです。
さきほどの子は、まだ登山の途中なのかもしれません。
・最後のエピソードは、陸上をやっている青年の「自己ベスト更新しました。」
で終わっています。人生には、小さな達成感が必要なのです。
児童養護施設に入っている人は約4万人だそうですが、小中学生の不登校は約29万人。
15歳から64歳までの引きこもりは146万人だそうです、各世代の2%に当たります。
施設だろうがなかろうが、みな生きるのは大変なのです。
でも小さな達成感を積み重ねて乗り越えていくのです。私もそうして生きてきました。
簡単に
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