大きな家のレビュー・感想・評価
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非常に見てよかったと思う作品ですが……
こういった施設に関しては極めて無知だったと気付かされて、拝見して非常に良かった作品です。
施設を施設としてしか見ない小中学生とこのような施設の存在をありがたがる高校生や卒業生などのグラデーションは見事です。
その一方として、ドキュメンタリーとしては、かなりの頻度で鳴り続ける劇伴や、撮るべくして撮られたショットの数々などを考えると演出過多だったと思います。
無味乾燥なドキュメンタリーこそが素晴らしいと思いませんが、ドキュメンタリーでさえある種の演出が存在することをはっきりと示すのは、良くも悪くも作り手の「正直さ」と「ある種の美学」の持てる業なのでしょうね。
非常に感動しつつも、のどに残る小骨の多さが気になる作品でした。
淡々とした暮らしの中にある複雑な思い
児童養護施設は、おおむね2〜18歳之子どもたちが暮らす施設。
批判も否定もすることなく、ありのままの生活を知ってほしいという映画。
生まれも
性別も
年齢も
育った環境も違う子どもたち
その子たちが、自分の言葉で思ったことを話します。
まず、こういう子たちがいることを知ってほしいと思います。
子どもたちが話した言葉をそのまま受け止めてほしいです。
施設に暮らす子たちは、むしろ幸せなのかもしれません。
冒頭、施設職員が話した自立後の子たちの困難さ…半分の子たちは挫折を味わっていることに、むしろ目を向けてほしい。
コミュニティ?
配信、レンタル予定無しだそうで鑑賞
皆さん一様にでも家族ではないと口にしていたのが印象的
家族と過ごしていてももっと不幸な境遇の子供達はいるだろうので、季節のイベントや誕生日を祝ったり、お弁当、食事を用意してくれる人達が居るのは充分特別なことなんだろうけど 家族だと遠慮がいらないし無条件に愛を注いでくれる血が繋がっている人がいないのがやっぱり何か違うと感じるのかな でも親が会いに来れなくてもいろいろと勘ぐらない良い鈍感さを身に付けてるのは安定した愛情のもとで育った証拠だと思った この子達もいつか家庭や子供を持つのだろう、負の連鎖には負けないでほしい
血の繋がっていない大家族
児童養護施設が舞台のドキュメンタリー映画といえば、2011年公開の『隣る人』を想起。
『隣る人』の方はどちらかといえば施設で働く職員にスポットが当てられていて、映画を観終わった後は席を立てなくなるぐらいの衝撃を受けた記憶があるが、今回の作品はそこまでのエグ味は無い感じ。
『隣る人』は、ある場面のことを思い返すと今でも泣きそうになる。
竹林監督の前ドキュメンタリー作品『14歳の栞』と構造は似ていて、舞台が中学校から児童養護施設に変わり、数人の子供の日常をフィーチャーしていく作りは同じ。
オシャレでCM的な演出が、個人的にドキュメンタリーとしては演出過多に感じる。
女子チームが賑やかなのに対し、男子チームはよくいえばクール。
他人の誕生日に蔑む発言を連呼する感じが、体育会系中学生男子っぽいなあと思った。
きっと、画面に映ってないところで、職員の方々はそうとう苦労されているのでは?と思いを馳せてしまった。
血は繋がっていないけど、大家族もののテレビ番組を観ている感じ。
女子チームはずっと修学旅行みたいで楽しそうで、この映画を観て、児童養護施設に悪い印象を持つ人はいないのでは?
子供たちは父親か母親はいるようなので、ではなぜ施設にいるのかは気になった。
この映画は字幕付きで、幼児の発言はひらがなで表示されていたが、子供に「どこ行きたい?」と質問した時の答えが「さいきょうせん」で、ひらがなにすると強そう、とどうでもいいことを思った。
運動会のエピソードが素敵。
教室で子供を孤立させてしまったことに責任を感じた担任の「もう一度チャンスをもらえませんか?」という発言がカッコ良すぎる上に、ちゃんと結果を出すのが素晴らしすぎる。
施設の子供たちは成長するとみんなチャラくなっていくのが若干気になったが、まあでもそれが普通な気もした。
17歳の女子の「20年後どうなりたい?」と聞かれた時の答えが、ダメなんだろうけど個人的には「わかる!」と思ってしまった。
映画の最初と最後に「映画に出てくる人をSNS等で誹謗中傷しないで」と警告が出るが、そんな警告が必要なほど腐ってる世の中が悪い。
とある児童養護施設の子供達の話
最初と最後に、お願いとしてSNS等の映画に出ていた方々の発信は控えるようにとの告知が画面に出ていた。
映画を見ると分かるけど、ある児童養護施設の子供達、スタッフの方々の素顔が映し出されている。
名前(下の名前だけ)もセリフを追いかければ、容易に彼らに辿り着けるだろう。
だから映画館でだけの上映で、DVDの発売やサブスク等での配信は予定されていないらしい。
最初の方の演出は、POPな音楽、ローアングル、普通のドキュメンタリーではないと感じた。
その辺は映画として拘って作ったんでしょうね。
(テレビと違って、お金を払って見てもらうインターテイメントとして)
これは、児童養護施設で暮らす小学1年生から、19歳の大学生までの5~6人を追いかけたドキュメンタリー映画です。
映画館の上映スケジュールの中の映画紹介のページで知った映画でした。
それ以外で見聞きした事前情報はなかった。
音楽はハンバートハンバート。
先日見た映画『ぼくのお日さま』で彼らの事は知った。
そういった事もあって見てみる事に。。
良い映画でした。
カメラを気にしない子供達を見て、かなり長い間密着していたんだろうと思う。
児童養護施設で暮らす彼らは、お金に困ってるとか、生活に困っている感じは一切しない。
国からお金が出ているというような話が劇中であったが、いまの養護施設はこんな感じなんですかね。
キレイな個室があてがわれていて、質素な感じとかは無い。
子供達も基本みんな明るい。。
ただ、もちろん、複雑な家庭環境で育ってきているのでところどころ心の闇は感じられる。
そういった告白シーンだけが、普通の子たちと違うところ。
それに寄り添うスタッフの人達が凄いと思った。
おそらく、散々ぶつかり合いながら育ててきたんだと思う。
そういうシーンは無かった。
過去の話としてはあったが、そこに焦点は当てず、さりげなく彼らの思いを聞き出していた感じ。
ドキュメンタリーのディレクターは凄いですね。
家族のようで家族では無いという一緒に暮らす子供達。
社会に出ても頑張って欲しいですね。
影を映し出す演出、構成、良い映画でした。
うーん
おとなとこども、おやとこ、かぞく
幸多かれ
子供たちの事情や施設の仕組みなどについての説明は殆どなく、できうる限り子供たちの姿をそのまま描こうとする。彼らは一緒に住む子供たちや職員を家族だとか、施設を家だとか思ってはいないんだ、というところ。いっぽうで本当の親(多くはどちらかが連絡が取れるようだった)に対して愛情を期待しているが、往々にしてそれはうらぎられるところ、などを赤裸々に映し出していた。
そうしたバランスを意図しているいっぽうで、冒頭からどうもテレビのドキュメンタリー的に劇伴がうるさい。これは意図に沿わないものではないのだろうか、と疑問…
途中の登山のくだり、海外ボランティアのくだりがこの映画のために行われたフィクショナルなものに見えてしまうので、過剰な演出はそぐわないのでは、と思った…
が、それはそれとして、登場する子供たちはみな愛情に恵まれてしかるべき、と思われる良い子たちだった。幸多かれと、愛情に恵まれて欲しいと、そればかりを想う…
家族って何?
養護施設のドキュメンタリー。
ドキュメンタリー映画として過去一かな。
ドキュメンタリー映画はちょっと苦手だけど観てよかった。
もちろん、音楽流れたり、どんな質問するのかによって「演出」はもちろんありますが、とても勉強になり感動しました。
あくまでも子供目線という所も良かった。観ていると、大人が観ると「だったらなぜそこにいるのか?」「それって誰がお金出したの?」と思ってしまいますが、その答えはこの映画にはありません。子供たちがどう感じてどう思っているか、その目線に徹しいるのも良かった。
そして今日、それに関わる大人たちも優しい。
全員が幸せであって欲しい。
家族って何?家って何なんだろう。
少なくてもこの映画に取り上げられた子供たちは辛いこともあるだろし大変だろうけど、可愛そうでは無いし、幸せそうでした。
MONDAYSと同じ監督とは、、、
14歳の栞も観ないと。
配信やDVD化せずに映画館しか観られないのは良いですね。春が楽しみです。
成長物語
ドキュメンタリーではありますが、10歳くらいから19歳の青年まで、年の順にインタビューされていたので、成長物語として見られました。またそういうエピソードが選択されていました。
・最後の方で声だけの参加だった子も知れませんが、
「あと20年位生きられればいいよ。これまで生きるのもたいへんだったから」
というのが気になりました。
・その前の方のエピソードで、男の子数人で年中行事の百名山を登るというのがありました。登山も登りのほとんどの時間は大変です。でも頂上に着けば、その苦労は忘れます。
人生には、小さな達成感が必要なのです。
さきほどの子は、まだ登山の途中なのかもしれません。
・最後のエピソードは、陸上をやっている青年の「自己ベスト更新しました。」
で終わっています。人生には、小さな達成感が必要なのです。
児童養護施設に入っている人は約4万人だそうですが、小中学生の不登校は約29万人。
15歳から64歳までの引きこもりは146万人だそうです、各世代の2%に当たります。
施設だろうがなかろうが、みな生きるのは大変なのです。
でも小さな達成感を積み重ねて乗り越えていくのです。私もそうして生きてきました。
簡単に
親ってなんなんだろう?
近所に保育園があって、そこの様子と比較して見ていました。保育園に送迎している親たちは、子どもと楽しそうにしている人もいますが、余裕がなくてイライラしている感じだったり、何か仕事で緊急対応があるのか、子どもが道路でチョロチョロしていても、スマホの画面と必死ににらめっこしていたり。
映画に登場する児童養護施設の職員たちは、仕事として子どもと接しているとは言え、ビジネスライクではなく、子どもたちの成長をする手助けをしていて、親ではないけど見守っている立場。親でないということの距離感が、却っていいのかも知れません。保育園の保育士も同じような感じでしょう。
子どもたちは、死別等で親がいない訳ではなく、何かの事情で一緒に暮らせないことの場合が多いみたい。保育園の親もこの施設の子どもの親も、専門の人に任せることで、自分のしたいことや、都合を優先できているんでしょうね。
小学校高学年ぐらいになれば、自分の洗濯や配膳は子どもたちが行い、似たような年代の子と暮らすことで人間関係を築く力を養えたり、年下の子の世話をする機会があるのであれば、全ての世話を親がやる一人っ子の家庭より、人間として成長できるようにも思えました。
親と一緒ということが絶対なのかどうか、考えさせられました。
家ではない
知らなかった
優しく柔らかな視点 A gentle and tender perspective
映画の中、多くのカメラの視点の高さは、
登場する子供達よりも低い。
子供達はとてもリラックスしている印象で
知り合いや親戚の子供を見ているような
感覚になる。
確かに子供達を映しているけれど、
画角と構図が適度に彼らを【外していて】
それが、直に子供達と接している錯覚になる。
親戚や知り合いの子供達と
私たちが実際に会う時、
常に見ているわけではなく、
視線を外す時間があるけれど
その間
子供達の声は、走り回る音は、
笑い声は聴こえている。
この映画は
全編そんな感じだと思った。
だから、そのままの
子供達を見ることができる。
故に、
私達は
児童養護施設を
この映画を通して
観ることが出来る。
記録映画の新しい形だと思いました。
たくさんの人に
映画館で観てほしい映画です。
上映後に監督の舞台挨拶があり
たくさんのエピソードを
興味深く聴きました。
In this film, many of the camera angles are shot from a level lower than the children featured in the story.
The children appear incredibly relaxed, giving the impression of watching familiar or related children, like those of friends or relatives.
Although the film focuses on the children, the framing and composition intentionally “miss” them to some extent. This creates the illusion of directly interacting with the children.
When we actually meet the children of friends or relatives, we’re not always looking at them directly. There are moments when our gaze shifts away, but during those times, we can still hear their voices, the sounds of their running around, and their laughter.
This entire film feels like that.
It allows us to see the children just as they are.
As a result, through this film, we are able to observe the lives within a children’s care facility.
I thought this was a new form of documentary filmmaking.
It’s a movie I hope many people will watch in theaters.
After the screening, there was a stage greeting by the director, and I listened with great interest to many fascinating stories.
あくまでドキュメンタリー
とてもデリケートな作品で、配信はしない
パンフに色々と注意書きがある。
そういう中で何を映画に込めるのか?
と言ったらこういう形になるのではないだろうか。
「子供達の本音を聞き出す」
映画としては特に楽しくも無く、感動的な盛り上がりも無く
淡々と終わっていきます。
あとは受け手の想像力なのかな?
実は、施設の子に関わっています。
ボランティアです。月一外出サポートです。
小学校1年生から8年間、動物園にいったり、果物狩りしたり
うちに来てテレビゲームやったり、ご飯作って食べたり。
18歳になったら自活しないといけない。
そのあとはどうかかわれるのか?心配は尽きません。
映画の中では、家庭の事情で施設に入っている子が
多かったですが、身寄りのない子も当然います。
今サポートしている子の事情も知っています。
月1回だけの付き合いです。当然家族にはなれませんし
「家族と思ってね」なんて言ったことは一度もありません。
ただ、両手を繋いで歩いた記憶だけを与えてあげたかった。
以下秘密事項
施設はここ数年来の改修&新築工事でかなりきれいになっています。
一日密着取材されたのに、1秒も使われてなかった(笑)
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