劇場公開日 2024年12月6日

「納税の意義を感じる作品」大きな家 テレビウォッチャーつばめさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0納税の意義を感じる作品

2025年3月8日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

ある児童養護施設の日常を映像に収めた作品です。
予告を見たときは、受け止めきれる内容か不安もありましたが、実際はすがすがしい気持ちとともに映画館を出ることになりました。

設備も運営も充実した施設だったことで、親がいないとか親と離れても、保証される社会保障のレベルがこのレベルならば安心だと感じました。

独り立ちするにあたっての準備期間を過ごす、自立準備室では、アパートで独り暮らしするような体験ができるので、施設から出た後の予行練習も十分できるという点で、一般家庭よりも恵まれているところもあると思いました。

登場する子供たちのほとんどは、施設にいる人たちは友達よりも近いけど、家族ではないと言う。でも、それは家族だと断言する子もいる。

私の考えは、家族とか親子というのは血縁ではなく、社会的な結びつきによるものであるほうが、そこに属する人たちの可能性を引き出すことができるというものであり、最後に出てきた子供と意見が一緒です。

クラファンで集めた資金でネパールの児童養護施設にボランティア研修をしにいったメンバーは、血縁に縛られず幸せそうに過ごしているネパールの子供たちを見て、そうした考え方に気が付き、そのほうが幸せだと悟るのですが、日本ではそれができると思えないとも発言します。

儒教とか家父長制とか、凝り固まった人間関係のフォーマットが人間の幸せを奪っている理由なのだと改めて感じました。

また、出自や家庭環境に関わらず、子供たちが健康で文化的な生活を送るために必要な財源は、大人の負担で確保しなければならないとも感じました。

テレビウォッチャーつばめ