「豪華キャストによる再現ドラマ65点」35年目のラブレター momoさんの映画レビュー(感想・評価)
豪華キャストによる再現ドラマ65点
作品内のラブレターのように65点の出来栄えだけど何とか形にして伝えてくれましたねという感じ。
元ネタを豪華キャストを連れてきて作った感動してください、いい話でしょ?と見せつけられる再現ドラマのようだ。感動ポルノが好きな人はこれで泣いたらええでしょう。
映画館で上映されてるけれど、映画じゃない。
なんでこんなに下手くそなもったいない仕上がりに?
何年もかけて読み書きを習って心を込めて書いたラブレターの内容を観客に知らしめるシーンや、妻の葬儀のシーンでなぜあのようなチープな管弦楽の曲がいるのだろう。無音でこそ伝わることもあるのに。
ええ話でしょ?ええ雰囲気の曲でしょ?と押し付けられても感動はできない。
エンドロールの時のベタな曲たるや!目も当てられない。
読み書きが出来ない、町内会の回覧板に名前が書けない。それなら夫婦になった時、婚姻届に誰がサインしたの?その時に発覚するでしょうに…そこはスルーか⤵
年配になってからと若い時とダブルキャストのようにして、どちらもしっかりそれなりのボリュームを配分して描いているけれど、それら4人を同時にベンチに並べる必要がある?
ここがまたええ話でしょ?ええ感じでしょ?の押しつけに感じた。
もうちょっといいやり方があるだろうにと映画を沢山観てきた人なんかは歯がゆい気持ちになるのではなかろうか。
まあそんなことはさておいて、俳優陣は誰も彼もが素晴らしいからキャスティングはお見事!原田知世の透明感、上白石萌音のモッサリ感、重岡大毅の歯の多い笑顔と困り顔、安田顕の人の良さそうな安心感…とはいえ鶴瓶がいないとどうにも成り立ちえない。鶴瓶の笑顔が全てを底上げしている。
形から入っちゃダメだ。この映画自体の雰囲気が定型文。
AIが過去のあちこちのデータから良さげな感じを割り出して作るとこうなっちゃうんだろうな。
こじんまりそれっぽくまとめるより、荒削りでも本音をぶつけて欲しかった。
作り手の気持ちがじんじん伝わって来てこその映画だ。