「原田知世が素晴らしすぎる!」35年目のラブレター ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
原田知世が素晴らしすぎる!
西畑 保を演じた笑福亭鶴瓶、妻 皎子を演じた原田知世、
若かりしころは重岡大毅、上白石萌音。
この4人の演技がとにかく素晴らしいのだが、
原田知世が神すぎて、もうそれだけでやられてしまった。
セリフや表情や仕草が絶妙すぎて、保への愛情をハンパなく感じる、
保に感情移入できる、そんな演技でずっと目が離せなかった。
出番は少なかったが、これは上白石萌音も同様だ。
ただ、原田知世が群を抜いて素晴らしかった。
割とヘビーな社会問題が軸になっているものの、
重くなりすぎず、夫婦愛の物語として一貫して描いているがゆえに
説教くさくなりすぎず、感動できる作品に昇華していると思う。
特に秀逸なエピソードは、
8個入りのたこやきを5個食べた保にキレる皎子の場面。
これは現在と若かりしころ、いずれも発生するイベントなのだが、
皎子の反応が全く同じなのが笑える。
キレる皎子を演じる原田知世も上白石萌音もキュートだ。
ここだけで惚れてまうやろ!という演技で、お気に入りのシーンになった。
私も劇場の観客も最も泣いたのは、
保が亡くなった皎子の押し入れ(クローゼット?)から、
保宛てのラブレターを見つけ、読むシーン。
その内容と原田知世の声に、保と同じく胸を貫かれてしまい、涙腺崩壊で
ぐちゃぐちゃな顔になってしまった。
脇を固める、皎子の姉役の江口のりこ、保の師匠役の笹野高史、そして夜間学校の先生 安田顕。
娘たちもみんな素晴らしい演技で、主役を引き立てていて、感動もひとしおだった。
本作は予告だけでも泣けるので、本編はさぞかしと期待していたら、
全くその通りだった。
これも笑いとのバランスがうまくとれているからこそ、泣ける場面での涙腺のゆるみ方が
大きいのだろうと思う。
NHKのニュースで過日取り上げられていて、その時に実話であることを知り、
保さんの奥さんが亡くなったことも知ったので、大凡のストーリーのイメージはついていたのだが
わかっていても、やはり泣けた。
鑑賞後感も実に良く、多くの方へオススメしたい作品だ。