雪の花 ともに在りてのレビュー・感想・評価
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題材・役者は良いが、脚本・演出に大いなる疑問
今や実力派俳優の地位を確立した松坂桃李主演、NO,1男優役所広司も出ているということなので期待を持って観賞。
【物語】
舞台は江戸末期の福井藩。疱瘡(天然痘)の大流行によって多くの庶民が命を落としていた。城下町に暮らす町医者笠原良策(松坂桃李)は、ただ患者を隔離するのみで何も治療することなく患者を見捨てている自分に深く絶望していた。そんなとき、たまたま旅先で出会った蘭方医(吉岡秀隆)から蘭方の先進性を聞き、そこに光明を見出す。
漢方医だった笠原は蘭方も学ぶことを決意。 京都の蘭方医・日野鼎哉(役所広司)の門下生となり教えを請う。貪欲に蘭方を学ぶ中で、日野から西洋では疫病の予防法として種痘が広まっていると聞かされ、笠原は福井にもこれを広めようと決意する。
地元に戻った笠原は、妻・千穂(芳根京子)に支えられながら、地元の人々を救うため、種痘導入に向けてさまざまな困難に立ち向かう。
【感想】
正直いささか期待ハズレ。
私財をも投げ打ち、命を賭けて、全身全霊人々の命を救うために尽力した、正に医者の鑑と言える人物が居たと言う話。一般の人には知られていない偉人にスポットを当てたことはとても良いと思うし、彼の半生は興味深かった。
つまり映画の企画としては秀逸だと思う。キャスティングも全く問題が無い。ガッカリなのは脚本・演出の部分だ。
1つ1つの展開が不自然で、違和感を覚えた。
一番良い例は、笠原と笠原に協力した町人たちが命懸けで雪の峠を越えるシーン。“命懸け”を演出したかったのは分かるが度を過ぎていた。あれでは“八甲田山”の雪中行軍だ。現代の雪山装備ならともかく、あの時代のあの軽装では間違いなく死人が出る。しかも翌日は全員ピンピンしていて「苦労掛けて悪かったね」くらいの軽い労い。 あの峠越えが史実だったら彼らの中の「何人かは凍死、また何人かは手足を失うような重い凍傷で床に臥せている」でなければおかしい。 「危ういながらも全員無事に峠越えを果たした」が史実であれば、「突然の吹雪で視界も利かない中の峠越え。幸い積雪は3~4cmだったが、もしあと1時間遅かったら積雪で峠を越えられなかったであろう」という演出が妥当だ。 そもそも地元の人間なのだから冬の峠越えが命懸けなのは知っているはずだから、なぜこの時期に峠越えしたのか説明が必要。笠原が村人の話を聞いて「もう雪が降ったのか」というセリフで例年により雪が早かったことは分かるが、それのみ。弱過ぎる。
「本当はもっと早い季節に越えるはずだったが、予期せぬ障壁で初冬になってしまった」とか「今大流行中でたくさんの人がどんどん亡くなっており、春まで待てない」とか。命を救うことに全身全霊の笠原が、命懸けのリスクを軽く考えているように見えるのは大いなる矛盾。
それだけでなく、藩の協力を得るのに苦労していたのに、次の展開であっと言う間の解決。呆気にとられるばかりで説得力に欠ける。 周囲で誰も経験していない医療行為に慎重派・反対派が出るのは理不尽ではなく行政としては至極当然のこと。だからこそ「なるほど」と藩の幹部も納得した説得力ある展開が必要だろう。
そう感じる納得できない展開が随所に。「偉業の実話」ということに甘えてそういう観客を説得する脚本・演出を提供する努力を怠ったのではないか、そんな風に思えてしまう。題材、役者が良かっただけに残念。
静かで穏やかで善良
形だけ模して‼️❓侮る勿れ‼️❓
芳根京子さんの代表作になるのでは?
芳根京子さんの佇まいが素敵で、特に指の美しさに釘付けになりました。
作品は、映像の一つ一つが華美ではないが美しく、自然の音も、BGMも素敵でした。ストーリーも難し過ぎず、明快。
コロナ渦で、ワクチンが出始めたときに、ワクチンのデメリットを取り上げて大騒ぎになっていた、わが国を思い出しました。
京都〜福井。北陸新幹線の延伸も進展が遅く、昔も今も難所なのだと思いました(いろんな意味で)
町医者とその妻との夫婦愛が語られる作品
純度の高い時代劇
人から人へ ともにありて 実際は違うかもだけども 真っ直ぐな主人公 真っ直ぐな撮影に打たれた
コレ 星🌟0・5マイナスは前半10分❓少し不覚にも寝てただけ
基本 フィルム🎞️どり の CG無し ほんのわずかVFX
ほぼ そのまま撮った 職人芸です
小泉堯史 監督の 良い意味での 黒澤精神が生きている。
ほっとする 日本の四季映画 医は仁術なり 近所のピアス茶髪医者いい加減に教えたい 見せたい
天然痘 撲滅宣言は1980❓頃
種痘 予防接種💉ワクチン的な
人から人へ 失敗から成功へ
有料パンフ🈶は是非購入オススメ
短いページで 天然痘との主人公の戦い葛藤がわかります。医学的背景 理由も まさに命のバトン的な
詳細は 映画館で作品観て 🈶パンフで補ってください
幕府 藩 でも 最初 主人公は 漢方医です 人のつながりの大切さ
主人公松坂桃李 芳根京子 役所広司 の役者魂
撮影 美術 装飾 照明 録音 音楽 大道具 小道具 衣装 かつら・床山・髪結
昔ながらの 真っ直ぐな画面・映画が心地よい
松坂桃李主人公 福井藩 町医者 笠原良策夫婦の真っ直ぐさに打たれた。
『最新鋭の古風なほぼアナログ映画』でございます。
この後 『アンダーニンジャ』🥷見るから セットとしては相性抜群でしょ 真っ直ぐの後に コメディアクション
まあ泣くまでは行かないけど 真っ直ぐさに打たれた 俳優陣 スタッフ 監督
唯一残念だった点:『どっかで観たなぁ既視感』🟰室町無頼 琵琶湖畔 が共通に見えた。
この監督
『明日への遺言 藤田まこと』はイマイチだったが 安定している
『峠 最後のサムライ 役所さんつながり』よりはわかりやすく 面白かった。
有🈶パンフは ほんとにおススメ‼️ お金無理ならせめて ウイキペディアで事後でもいいので確認して❗️
いい話なのだが、流れが悪い
タイトルに込められた意味
名を求めず、利を求めず
もう少し深堀りがあってもよかったかもしれない
今年29本目(合計1,571本目/今月(2025年1月度)29本目)。
ドキュメンタリー映画ではないですが、実際に実在した江戸時代の学者を描く部分もあるので、「その限りで」ドキュメンタリー映画というふしはあり、そのため、あまりこう起伏のない部分はあります。あまりにも大幅に改変しすぎているのは問題ですからね。
この手の(広義の意味での)時代劇は言い回しが難しいといった問題などありますが、海外進出も想定しているのか、現在でいう現代日本語とほぼ同じ発言になっていたのは確かにそうですが(江戸時代中期以降は、今の日本語と大差なかったといわれる)、そこは海外への進出を考えればよかったかなと思えます。
純粋たるドキュメンタリー映画ではないですが、性質上どうしてもその色は出るし、そのレベルでは仕方がないのかな、と思えます。
天然痘の撲滅というと「ちょっと前」ではありますが、その「撲滅宣言」にいたるまで日本ではいろいろな学者が研究を進めており、それが実を結んだ形になります。一方、最初に出るように、当時、天然痘は恐れられる病気として知られていましたが、この主人公をはじめとして、京都や長崎(映画内参照)でオランダ流の西洋医学を学んだ医師が、各国の諸藩に戻りこの天然痘の予防接種をはじめたのは事実で(だから、彼1人「だけ」の功績ではない)、、それが日本が第二次世界大戦を経験した中でも「比較的早めに」撲滅宣言を出せたいのは、彼らの生涯の歴史によるところが大きいです(後述)。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.2/その後、天然痘がどのような扱いを受けたのかまるで書いていない
もちろん、主人公とは「無関係」ではありましょうが、ここは一言欲しかったです(後述)
(減点なし/参考/主人公、また京都・長崎等で西洋医学を履修した医師の功績)
この映画はほぼ江戸時代末期にあたります。日本ではその後「天然痘は撲滅すべし」という考え方から明治政府も普及を進め、今につながったところがあります。このことは、日本が第二次世界大戦後に撲滅されたことにあらわれます(現在は全世界で撲滅宣言がWHOでなされている)。日本では昭和21年に戦後の混乱期で20,000人ほどの患者が見られた(戦前、戦中でもここまでの人数は記録されていない。戦後の混乱期を示すひとつのデータ)ほかは目立ったデータはありません。
ただ、これら歴史を振り返ると、彼も含め当時の医師が天然痘の撲滅に強い危機感を持っていたため、持っている知識(何とか法を試したら成功率がどうだの、注射するときの注意点や、死亡例など色々)は惜しまず全体(いわば、江戸時代の医師会のようなものか)にシェアするという考え方が普通で、当時、医師など専門職は漢文で読み書きするのが普通だったところ、「意識的に」書き言葉も漢文ではない標準語で(江戸時代末期のお話なので、会話レベルでは現在の話し言葉の日本語と大差ないといわれる)書いた書籍で出版したものが広く普及し、それが明治政府の政策においても(当時の医師等が)ほぼ「これまでの取り組みでどのようなことが分かっていたのか」ということをすぐに理解できたという「隠れた功績」があります。
(減点なし/参考/当時の質屋と質屋取締法・質屋営業法ほか)
映画内で質屋が出て「質草は質流れになった」というように、質屋はこの当時には普通にありました。
一方、明治時代以降の「法による支配」の中で帝国憲法や旧民法が定まるとき、当時の日本の商文化には配慮する必要があったため、旧民法はフランス・ドイツを参考にしていたところ、質権については抽象的規定しかおかず、その大半を法律に任せた(旧質屋取締法、現質屋営業法等)という事情があります。このように江戸時代末期にもなると現在に何を与えたかがかなりはっきりと登場します。
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雲外蒼天
松竹と東映を続けて見たので、なんとまぁ会社の特徴を表現しているものだと感心しました。
志を高く不退転の決意で艱難辛苦を乗り越えて邁進すれば周囲を巻き込んで助けてくれる人も現れ必ずや達成されるでしょう。
小学5年生の授業で見るような教育的作品でした。「天地明察」を思い出します。江戸時代中期の市中の偉人シリーズと言った所でしょうか。
美しい日本の四季、山の樹木、花、川の流れ、雪、風雪、紅葉をスクリーンいっぱいに楽しめます。確かに良作ではありますが物語としてはやや物足りなさはあります。
地球温暖化により日本から四季が無くなるかもしれない、となると四季を映し出し描く事が時代劇と言われるようになるかもしれません。
種痘撲滅の為に翻弄する若い医者がいろんな障害を経て初めての医療に取...
教育教材動画か、福井自治体パビリオン/博物館で偉人:笠原と春嶽紹介動画を見ているような。
題材と松坂さんに魅かれて、試写会応募。当選。
感謝なのだけれど、舞台挨拶に監督が出ていらして後悔。監督をチェックするのを忘れていました(´;ω;`)ウッ…。
天然痘との戦い。一介の町医者が思いを貫き、周りの人に助けられて、成しえた偉業。
その発端からの顛末を描く。
原作未読。
総てを描こうとして、メリハリがなく、物語が進む。
なのに、無駄なギャグが入って、背筋が凍る。エッヘン、エッヘン。なんだそれ。
否、描き方によっては、とてもドラマチックになるエピソードは幾つもある。
蘭学を否定していた笠原が、蘭学との出会い、のめり込んでいくまでのエピソード。
書物で、画期的な治療法を発見。個人的には、書物だけで、「これだ!」と入れ込むのは怖いと思うが、まあ、物語の進行上、仕方がないとして。
その治療法に必要牛痘が手に入らない。いかに手に入れるかだけでも、一話ができるほどの攻防があるのではないかと思うのだが…。
あっさり。
小林監督の映画は『雨あがる』『明日への遺言』『蜩ノ記』しか見ていない。
その、『雨あがる』『蜩ノ記』のレビューでも書いたが、小林監督の映画は、人の・社会のきれいな上澄みだけをすくって映画に映し出しているような、さっときれいに作った澄まし汁。 奥底に色々なものが沈みつつも、上澄みが透き通っているようなコンソメのコクが足りない。”毒”がない。
『明日への遺言』も、映画自体は何を描きたいのか迷走していると私には思えるが、それでも、主人公を演じられた藤田まことさんと、その妻を演じられた富司さんの存在感・演技で、心に残り、繰り返し見たい映画になった。だが、この『雪の花』では、そこまでの存在感を示す役者はいない。松坂さん善戦しているけれど。
「黒澤明監督の助監督」小林監督を語るときに、必ず、言及される肩書。試写会のインタビューでも取りざたされていた。
だから、つい、黒澤監督と比べてしまって、物足りなく感じるのかと思ったけれど、この映画に関しては、それがなくとも、きっと物足りないと思うだろうなと思う。
と言いながら、最近黒澤監督の映画『七人の侍』『デルスウザーラ』を観たばかりだから、つい、黒澤監督だったら、どう撮ったかと考えてしまう。黒澤監督がと言うのはおこがましいが、私だったらなんて、これまたおこがましいことを考えてしまう。
もし、私だったら、雪の峠越えから始めるな。赤子を抱えて、大人でも遭難の危険性のある峠を越えるかという論争だけでも、見ごたえのあるものになると思うけれど。
種痘を絶やしたくない笠原。そこに、藩主の許可をどう得たかとか、京都の日野たちの想いとか、天然痘で亡くなる方々の想いとか、前半のエピソードは盛り込める。
対して、子どもを危険な目に合わせたくないのが両親ではないだろうか。特に行商人は雪の峠越えの危険性を知っている。鑑賞しているこちらも、『八甲田山』や、漫画『岳』で、ホワイトアウトの恐ろしさを知っているから、当然、反対意見が出るのは想定内。
山越えに力を貸す人足や人足頭たちも言葉を挟むであろうと思うのだが。
種痘は子どもにと言うが、映画の中では、最初小瓶に入った形で届くし、京で種痘をつないだのは、幼い子どもではないから、赤子を連れまわす以外の手段の吟味もあってしかるべきなのにと思ってしまう。
そして山越え。この山越えが、映画の売りのシーンのようなのだが(役者やスタッフは大変だったろうが)、『デルスウザーラ』の凍死の危機に直面した時の緊迫感には及びもつかない。『デルスウザーラ』は黒澤監督作品の中ではあまり評価されていないというのに。
福井に種痘を持ち帰ってからも困難は続くが、この映画のような薄っぺらい描き方なら、後日談、老後の笠原の回顧話としてまとめても良いくらいと思ってしまう。
黒澤監督の映画にはもっと、人生・社会のダイナミズムが溢れている。人としての素晴らしさだけでなく、浅ましさ・欲・悲哀・滑稽さが溢れており、そこに強烈に魅了される。
でも、小林監督の映画には、敵役、エピソードや台詞としては、浅ましさ・欲・悲哀は出てくるが、シーンとしては出てこない。
『雪の花』にも、協力者だけでなく、妨害者も出てきて、対立構造となるシーンはある。笠原や妻・千穂が殺陣を披露し、笠原が大声を出して、藩の役人に楯突いたからお咎めがあるかもと悩むシーンはあるが、ガチに対決するときの緊迫感はない。『雨あがる』『蜩ノ記』にも、殺陣はあるものの、お互いがガチに対決するような猛々しいシーンとはなっていない。『明日への遺言』は、論戦で、藤田さん演じる岡田中将は大声を出して他を威嚇するようなシーン、立ち回りはないが、主水のような底知れぬ強さがにじみ出ていた。これは演出ではなく、藤田さんならではであろう。
もう一つ言うと、疱瘡に罹患しつつも生き延びたはつ。痘痕が残っていると悩むシーンがあるが、はつの顔に一目でわかるような痘痕はない。コンプライアンスが働いたのか?
そんなこんなで、きれいな部分しか見ない上っ面を撫でただけの映画に感じてしまう。
極めつけが終盤。まるで、悪いことをした児童・生徒を教員が叱るシーン?というものが出てくる。水戸黄門/暴れん坊将軍の〆と同じように、胸がすく方もいらっしゃるだろうが。う~ん。教育映画?
音楽も私には合わなかった。
音楽自体はきれい。だが、このシーンにこの音楽?ないほうがシーンを味わえると、邪魔に思ってしまった箇所が何回か。
それでも、この映画が遺作となった上田さんの映す風景は美しい。それだけでも眼福。
そして、松坂さんもまっすぐな医者を好演されている。
畳に手をついて挨拶する姿も、昔お茶をかじった時に習った作法で、時代劇を演じるにあたり、いろいろと調べたのか?この手のつき方の挨拶をしていたのは笠原だけだったから、松坂さんの工夫だと思うけれど。
とはいえ、映画の中での人物が年を取らないから、2,3年の出来事のようでそこは違和感。でも、それは演出のせい。
殺陣を披露される。『赤ひげ』へのオマージュであろう。腕を折る必要がないのに、折って見せるおまけつき。でも、こなれていないから、段取り見え見えで、失笑。ここを削って、他をじっくり見せてもらいたかった。
芳根さんが微妙。
『64』にも出演されていたが、じっくり見るのは初めて。
笠原の後ろで、笠原と誰かが話している横でのリアクションは上手い。本当は上手い役者さんなのであろう。
だが、笠原と二人のシーンとかは、作りこみすぎて、わざとらしい。変なギャグを入れてくるから余計に白々しくなる。肌を合わせた夫婦の情愛が感じられない。近くに住んでいる親が決めた婚約者が笠原の手伝いをしている感じ。
殺陣は頑張ったと思うがこちらもこなれていない。太鼓も頑張ったと思うが発表会レベル。これらのシーンはなくてよい。ここを削って、他をじっくり見せてもらいたかった。
他には三浦さんが儲け役。元沖がいなかったら、そもそも笠原の活躍はない。
良家の子息が父に反発しながら笠原のために自分の道を貫くのだが、生来の育ちの良さのおっとりさが出ていて、一種の清涼剤。御典医としての道は外さず、藩内に協力者を作っていく。
なので、★2.5。
激ヒマ
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