劇場公開日 2025年1月24日

「退屈なシーンが続く時代劇は、古き良き時代劇と言えるのか?」雪の花 ともに在りて ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0退屈なシーンが続く時代劇は、古き良き時代劇と言えるのか?

2025年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

小泉監督のこれまでの映画は、
個人的にはあまり合わない感じの作品が続き、
当初から期待値低めのところから、いざ鑑賞。

退屈な作品だった。やっぱり合わない。とにかく眠くて辛かった。
控えめなトーンが続く、単調な展開で。

主人公が、ピンチに陥る山場が、主として2つ。

1つは、種痘の苗を越前福井に持ち帰る為に、冬場の峠越えを敢行する場面。
なぜ吹雪の中行くのか。朝倉軍だって冬の移動はしないのに、なぜ冬?

2つめは、役人が仕向けたと思われる悪党が、武力で邪魔に入る場面。
悪党を返り討ちにするのはともかく、
結局は、仕向けた役人より上の役職にいる者の力を使い、政治力で邪魔者に勝つわけで。
主人公の手柄か、これ?

山場らしき所2つで、大きなクエスチョンを抱えるストーリー。
主人公の功績、ちょっと少なすぎやしないか?

実質的な種痘成功の功績は、役所広司と吉岡秀隆の役どころの人物であり、
主人公は、無謀な峠越えを敢行し、失敗しかかっただけ。

あわや「八甲田山」の遭難寸前じゃねーか!!!

原作が悪いのか、脚本が悪いのか。感動するには程遠いストーリーだった。

あと、主人公松坂桃李と、ヒロイン芳根京子という組み合わせも、
「居眠り磐音」で既視感あり。新鮮味に乏しかった。

昨年「SHOGUN」で真田広之作品がクローズアップされた際に、
「時代劇の復興」というキーワードが提示されることになった。
真田は、現代劇や西洋劇に寄せすぎた今の時代劇に、危機感を抱いているらしく、
古き良き時代劇にもう一度、光を、という意味で「SHOGUN」の制作に携わったという。

そして、真田のそれは大成功し、大成果を挙げた。
でもそれは、古き良きの精神だけでなく、ハリウッドやディズニーという、
大きな資本が入った功績のほうが大きい。スケールの大きい作品だからこそ、
古き良き時代劇の精神が世界に示されたのだ。

たとえば、最近の話題だと、「新暴れん坊将軍」がバズっていた。
かなり斬新なアイデアを入れた、現代劇寄りの時代劇である。
やはり、エンタメ要素が強くないと、時代劇は古臭いのではないだろうか。

今回のこの作品は、ストーリー的にも、地味で退屈な時代劇だった。
ちょっと古臭い印象のほうが強かったように思う。

ソビエト蓮舫
uzさんのコメント
2025年1月29日

峠越えの季節はやはり違和感ありますよね。
史実として何か事情があったにせよ、描いてもらわないと分からないし。
桃李無双は「お前も強いんかい!」となり、だったら芳根京子の方は要らなかった。
あんな書状一つでひっくり返るのも、クライマックスとしてショボかったです。

uz