イーちゃんの白い杖 特別編

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イーちゃんの白い杖 特別編

解説

全盲の女性イーちゃんと重度の障がいを持つ弟を25年にわたって取材したテレビ静岡制作による2018年公開のドキュメンタリー「イーちゃんの白い杖」に新たな映像を追加して完成させた特別編。

静岡県に暮らす、生まれつき目が見えない「イーちゃん」こと小長谷唯織さんと、重い障がいを持つ2歳下の弟・息吹さん。25年前、盲学校に通うイーちゃんは、自分が周囲の人と違うことに疑問を感じるようになる。成長していくなかで多くの友だちとの別れを経験し、いじめにも遭い、死にたいと思うこともあった。そんな時、彼女の隣には、病と向き合いながら前進し続ける弟の姿があった。

さまざまな挫折や苦難を乗り越えて幸せを見つけていくイーちゃんの姿と、姉弟の絆を映し出す。落語家の春風亭昇太がナレーションを担当。

2023年製作/108分/G/日本
配給:シネマイーラ
劇場公開日:2024年5月10日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
プロデューサー
日比野雅彦
永井学
撮影
杉本真弓
編集
大澤裕也
効果
山川英夫
松阪史高
デザイン
森部道子
音楽
川口カズヒロ
語り
春風亭昇太
音声ガイドナレーター
堀内里美
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(C)テレビ静岡

映画レビュー

決してお涙頂戴にはしない

2024年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 全盲の女性・イーちゃんと、同じく全盲な上に重い障害を抱える弟・イブキくん、そしてそのご家族を25年に亘って記録し続けたドキュメンタリーです。2018年に前作が発表されているのですが、本作はそれからの二人と家族の記録も交えた特別編です。

 前作を観た時も、「決してお涙頂戴にはしないぞ」「可哀想な人としては描かないぞ」と言う制作者の思いが強く印象に残ったのですが、今回改めて「やはりいい作品だな」と感じ入りました。

 本作は、勿論「障害者の映画」ではあるのですが、何より共感するのは「一人の女性イーちゃんの成長物語」として記録されている点です。視覚障害は勿論あるのですが、イーちゃんは自分なりに「こうなりたい」「こんな仕事に就きたい」という望みを少女期に持っていました。しかし、いざそちらに進もうとすると上には上がある事を知り、世の中はそんなに甘くない事に気付くのです。そして、「自分が何をしたいか分からない」と迷路に入り込みます。これって、障害とは関係のなく誰もが通る道ですよね。それがひりひりする思いと共に記録されており、それと向かい合う僕の胸もずきずきしてしまいました。

 また、障害者社会のクールな現実も描かれます。イーちゃんは盲学校に通うのですが、そこでは、弱視者による全盲者へのいじめ構造があるのです。つまり、世の中から冷たくされがちな視覚障害者の中でも僅かな差による上下強弱の構造が築かれてしまうのでした。これもどんな社会にも敷衍できる人間の姿です。

 更に。子供の頃のイーちゃんは辛いことがあると二階の自室にこもって、ピアノを弾きながら(これが上手い)自分の作ったお話をその場で物語り始めます。これって、「人間はなぜ物語を必要とするのか」を端的に表している記録です。

 などなど、本作を強く牽引するのは、どんな時も自分の言葉で思いをハッキリ語るイーちゃんの姿と、「弟のイブキが大好き」の思いです。そして、今回遂にイーちゃんの結婚式が描かれます。おめでとう。覗き趣味で申し訳ないのですが、これからも彼女の変化をカメラと共に見守りたいです。

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La Strada

4.0見えないからこそ通じ合う心

2024年3月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:TV地上波
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まゆ

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