先生の白い嘘のレビュー・感想・評価
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男女の性の不条理に切り込んでいる…のか?
サスペンスとして面白く観ていたのだが、キャッチコピーで原作漫画のテーマ性を大仰にアピールしている割にテーマが反映されているのか疑問に感じ、終盤はワケが分からなくなってしまった。
主人公の教師・美鈴(奈緒)が、自分はいつも損をする側の人間だと独白するところから映画は始まる。
だが、なに(誰)と比べて損をしているのかが、物語が進んでも現れてこない。
それどころか、別の視点、男との性に関する彼女のモノローグが再三挿入され、冒頭の言葉は置き去りなのだ。
例えば、友人の美奈子(三吉彩花)か、教え子の新妻祐希(猪狩蒼弥)か、せめてどちらかの人物像と美鈴との関係をもっと掘り下げて描写していれば、美鈴の心理にリアリティを出せたのではないか。
原作から何を切り取って映画にするのか、そこがしっかりしていないとこんな体たらくに陥る。
重要な要素を見失わなければ、映画の尺にそれを収めるために大胆な改変をしても良いはずだ。
なのに、原作のセンセーショナルな部分を忠実に映像化したいがためか、筋を考えずにブツ切りにして繋ぎ合わせてしまっている。
ならば、女性感・セックス感が異常なサイコ男と、その男に蹂躙・翻弄される二人の女性を描いたサスペンスだと宣言したほうが潔い。
下手に、男女の性の不平等とそこに生じる不条理をテーマとしてアピールするからいけないのだ。
でも、そこを無視してはこの原作を映画化する意味がないか…。
美奈子の婚約者・早藤を演じた風間俊介の鬼畜ぶりが凄い。
最近こそ好感度が高い彼だが、若い頃はジャニーズ(当時)としては珍しく陰湿な悪役をよく演じていたように記憶する。
主演の奈緒と三吉彩花も体当たりの熱演である。
風間との暴力的な絡みはこの物語で最も動的な要素なので、演出も力が入っている。
奈緒があんなことされて、三吉彩花もあんなことされる💦
奈緒は、地味で内向的な美鈴に見事になりきっていた。
この映画、インティマシー・コーディネーターの導入をめぐって三木康一郎監督の時代錯誤で無理解な発言が物議を醸し、遂には舞台挨拶で奈緒にフォローしてもらう始末だった。
これは三木監督だけが問題なのではない。監督を諭すことができなかった、否、恐らくしなかったであろう製作陣にも大いに問題がある。
なにしろ、三木監督はインティマシー・コーディネーターを入れなかったことを自慢気に話していて、世間の批判を浴びるまで事の重大さに気づいていなかったのだから。更には、舞台挨拶での謝罪で「私の不用意な発言」で迷惑をかけたと、この期に及んで本質を理解していないことを露呈している。
これは氷山の一角で、日本の映画界全体にこういう古き悪しき体質が残っているのだと見るべきだ。
とはいえ、三木監督のサスペンス演出には巧みな見どころもある。
原作者と出演者には申し訳ないが、やはりサイコ・サスペンスとして仕上げたほうがよかっただろうと思う。
愛も暴力も思い込み次第
後半のテンポ、、、。
原作未読。
なかなか生々しかったし、痛々しかった。
ねじ曲がった3人がぶつかり合い、自分のねじれに気付き傷つきながらも修復して行く、、、そんな話。
後半説明的台詞が多いような気がした。
どれも重要な台詞のように思ったけどやっぱり絵の力に任せる部分を作らないとテンポ悪くなる。
ちょっと友人の三吉彩花が天使過ぎるなぁと思ったけどまあいいや。役者はみなナイスキャスティングだと思ったし、ダークな田辺桃子は新鮮でよかった。
映画のチケットに原作漫画無料で読めるQR付いてたから、見てみようかな。加筆するかも。
PS:原作自体モノローグの多い作品であった。
もう少し映像、演技で見せた方がよいとやっぱり思う。あとそれぞれのキャラに鬼滅みたくストーリーがあり、なかなか重厚で深みがあったが2時間にまとめるためには田辺や三吉の話はカットせざるおえないよね。原作を超えてはいない印象かな。
タイトルなし(ネタバレ)
生きている上で怖くて怖くて仕方がなくても戦わなくてはならない瞬間がある。私にとってとても心に響く映画でした。今にも消えてしまいそうな声で「助けて、助けて」と言う台詞の音がたまらなく私の心に響きました。
誰にも共感できないファンタジー
原作は未読なので、映画だけのレビューです。主人公はなぜ、友達の彼氏にレイプされてそれを黙ったまま、6年以上もその男と体の関係を続けるのですか?それって、「セフレ」と言いませんか?また男と女、どちらかに愛情がなければ6年以上もの間、体の関係を続けていけるのか疑問が残る。言い方を変えたら友達の彼氏を寝取ってるとも言えるのではないか?そんなに嫌なら着信拒否したらいい。電話番号変えたらいい、相談も出来ないなら友達とも関係を断てばいい。また教師という立場なのに生徒の事を全く考えない自己中の先生ですね。いつも被害者意識丸出しで、「男って、女って」のセリフも上滑りして頭に入って来ず。男の側、友達、生徒の心理も上っ面だけで、生の人間性が感じられない。演技力は皆さんあるんですね。しかしどうやって役作りされたのでしょう?辻褄が合わないまま演じるのって大変でしょうねとしか言えないですね。主要キャラすべての行動、心理が取ってつけたようで、何が言いたいのか全く不明。題材が近親相姦ならわからないでもないが・・・結論、後味が悪いだけの意味不明映画でした。やっぱり男社会特有のファンタジーなんじゃないでしょうか?それを上手くオブラートに包んでフェミ映画っぽく見せてるだけなのでは?と思ってしまいました。
よかったわ〰スッゴい。
なぜ美鈴は早藤に何度も会いに行ったのか
ポップコーンを食べながら観る映画ではない
期待度○鑑賞後の満足度✕ バカな女とバカな男で白けました。
①いやはやなんとも。学園ものかと思ったらニューロティックな昼メロみたいな話。
②これだけどの登場人物にも感情移入出来ない映画も珍しい。
どんな映画でも何処かに良いところは無いかと探すのだが、殆ど良いところが見当たらない。
ヒロインの自主性、主体性の無さにはイライラするし、理解してあげようと思うけど言ってる事はいまいちよく分かんないし、成長したというより勝手に自己完結している感じ。
風間俊介扮する男の言動も不愉快なだけ。こんな男が昼ちゃんと仕事出来ているとは思えないし、首つってるのに生きてたなんて、真面目に(?)首つってなかったんじゃない?
こんな男、昭和ではわからなくはないけれども、令和の時代にもいるのかね?
ヒロインの親友という女も、「あの人はあたしがいないとダメなの」とか「あの人を救えるのはあたしだけなの」とか、こういう勘違い女は昔からいるけれども、令和の時代にも堂々と生息していて且つ肯定的な描き方されてるし。
③人付き合いが苦手なのに先生してるなんてのも変な設定。
暴力的なチ○コと醜い(とヒロインが言う)ヴァ○ナなんだけれども、結合したら希望という名の赤ちゃんが生まれる、という持って行き方も陳腐だし。
④(後出しジャンケンですが)男女間の性の格差を描くのなら他にやりようがあったと思うんですが…
いやはやなんとも…
ありなしだけではさらいきれないものと たぐりよせられる誰かの存在を感じる
あと10円あれば、
何か問題になっているらしいが、できるだけ先入観を持たずに観ようと思って、予告篇以外の情報を入れずに観た。出演者の顔ぶれから、まさかこんなだとは思っていなかった。
奈緒さんと三吉彩花さんと風間俊介さん、熱演だけど、レ○プシーンは見たくない。(ラブシーンやポロリは好きなんですよ)
せっかく映像と音楽が美しかったから、生々しいシーンと「女の人のあそこがこわい」なんて台詞はなくして、先生と生徒の純愛物語にしたらよかったのに。それだとありきたりか。いっそのことR18にしてもっと過激にするか、、。
奈緒さんはあのタイミングで涙が出せるってすごい、もう大竹しのぶの域に達してるな。
風間俊介はいい俳優さんだから、もっと仕事選べばいいのに。テレビでディズニー・ランド愛語っててもこの映画の顔が浮かんでしまうだろうな。
面白かったけど、エピローグの、エピローグの、みたいな終わり方いいかげんにやめてほしい。
和田誠さんの句集に「白い嘘」ってのがありましたね。
真っ赤な嘘でなくて白い嘘。
ココロを殺す
インティマシー・コーディネーターの件は一旦置いといて、映画本編について率直にレビューしていきます。
見ていてとても気持ちのいい映画ではなかったが、切り込み方は非常に面白く、原作も相当な力作だと伺える。男女の性の不条理を問う物語として、かなり考えさせられる。男は強く、女は弱い。100パーセントそうとは言いきれないし、そのような凝り固まった考えは危険だが、男女間で格差が生まれてしまうのは生物学的に致し方ない。
しかも、性に関することとなるとより一層、その差は広がっていく。男は女を酷く苦しめる力を持っていることを、女は男が力を持つ種であることを知っておく必要がある。
女性はもっと立ち向かうべきだ、という男性サイドに変わることを求めない姿勢は気になったが、1人の男として、色々と思うところがあった。
何より役者陣の本気の演技に食らってしまった。風間俊介はこれまでのイメージからは想像できないほど、救いようのないクズ男を好演。終始怒りが込み上げてきて、あまりの演技の上手さから早藤だけでなく、風間俊介すらも嫌いになりそうだった。壊れていく三吉彩花もかなり良かった。あのぐちゃぐちゃな様、なかなか出せたもんじゃないよ。これまであまり役に恵まれてこなかったが、本作をきっかけに、演技派女優として評価されて欲しいものです。
そして、奈緒。近年映画もドラマも引っ張りだこの彼女だが、主演作は少なく、いつも主人公の友人や恋人役ばかり。それでもかなりの演技力の持ち主であり、いつか爆発するタイミングがあるだろうと思っていた。それが、本作だった。あまりに体当たりな演技に息をするのが苦しくなる。辛い、辛い。どうか、どうか彼女に幸せを与えてくれ。役という壁を超えた表現力。凄まじい。
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何故、せっかく手にした主演をお粗末に扱ってしまったのか。何故、彼女を大切にしようと思えなかったのか。大好きな監督だったがために失望した。この作品から何を学んだのか。少なくとも自分は、この映画を見てから女性をもっと大切にしたいと思えた。インティマシー・コーディネーター。働きやすい環境を整えて欲しいという意見を聞き入れるのは、上に立つ人間、責任者の最低限の使命だと思う。それは女性に限らず、男性に対しても。性が絡んでいなくとも。
監督は不愉快な言動を取ってしまったことを反省していたが、行動そのものが間違っていたと、しっかり受け止めて頂きたい。しかも、いい作品だったのだから。奈緒だけでなく、共演者、スタッフが気持ちよく世に送れる作品であって欲しかった。見た人がこの映画は見るべきだと高らかに言える作品であって欲しかった。悔しい。
(別の意味で)考えさせられる
観終わったとき、一緒に観た人と感想を語り合うのが難しい映画ってある。本作もそうなんじゃないか。一緒に観た人が異性だとなおさらだ。
男性に性的な存在として見られることに対する女性の嫌悪感を、男は本当の意味で理解できないと私は思っている。だから本作に登場する早藤の酷さやクズさを話し合っても深いところまで共感することはできないんじゃないかと恐れてしまう。美鈴が本当に嫌ならもっと拒む方法はあるだろうと思う部分もあるから。
たしかに早藤はクズだし抱える闇も相当に深い。でも、美鈴や美奈子がそこまで執着したり、拒めないでいる魅力を早藤に感じることはできなかった。実はここがこの映画で一番の問題なのかもしれない。もちろん美鈴と美奈子も相当に歪んでいる。だから所々で3人の行動が理解できない。なんでそんなことするんだろう?と思いながら観るのだから共感できるわけがないし、感情を揺さぶられるわけでもない。人間の行動ってそんなに理路整然としていなくて、自分でも理解できない行動をとってしまうことがあるってことなんだろうけど。彼らの抱える闇を描くには尺が足りなすぎたんじゃないか。
この映画が面白かったのかと聞かれると微妙な答えをすることになる。女性たちが傷つくのを見て暗い気持ちになる前に、メンドクセーこと言ってんな!とか、それじゃないだろ!とか、まず救急車だろ!とか、別の感情を持つことが多かった。そして何を訴えるのかがあまり伝わってこなかった。もっと嫌な気分になって男女の性差について考えさせられるのかと思っていたのに。
じゃあ、つまらなかったのか?と言うとそれも違う。なんだかんだで飽きずに最後まで観てしまったから。奈緒と風間俊介の演技がよかったり、(不満は残るものの)濡れ場が意外とうまく作られていたりするからかも。そう考えると、観た後に感想を語り合うのもそんなに難しくないかもしれない。製作者の意図とは別のところで印象に残る映画だった。
なんかテーマが…
劇場の何かの予告でみてテーマに興味を持ち鑑賞。しかし公開直前にICの件でばかりテレビやネットで取り上げられてて余計な情報って感じ。
原作を読んでないので偉そうなことは言えませんが、テーマが性の格差で女性はいつも損をするみたいなことを奈緒が言ってるわりにそういうエピソードが少ない。猪狩君がアルバイト先の奥さんに強引に求められてトラウマになったわりにすぐに女性担任教師にせまる。
てことでテーマが消化不良気味でした。男女のシーンになるとどうしてもICが入るとどうなるのか、と雑念がわいて意味を深く考えられなくなってしまった。
もっと純粋にテーマを追求してほしかった。でもラストはほっこりして救いがありましたね。
動物的強弱と昨今の心情の在り方が交差した先へ
2024年劇場鑑賞55本目 優秀作 70点
世間の評価としては香ばしい感じですが、個人的には意欲作であり、伝えたいことも理解ができると思いました
主人公の自分の気持ちとは別に働く女性としての理性や動物的本能が反比例していく、自分が女なのだと気づき失望する様を脳内再生の言葉と、それを口から出せずに受動的に流される女っぷりが見事であった
また、主人公が公務員であり先生なのが、まさしく反面教師じゃないけど、教壇に立ちながらも心が虚無で、そこに自分が立っているけど、そこにはその姿を見ているもう一人の自分がいるかのようで、惨めな動物になった一人の大人を露わにしている自分を見て良いも悪いも何かを感じてと言わんばかりの佇まいである
女って、、、って失望しながらも自分もそう堕ちていく抗えなさが、個人の気持ち以上の大きな"欲"が作品通した喪失感で、これは狂演していた男側もそう
これは性に対しての認識や強弱だけでなく、何気なく発する言葉一つとっても、気にも留めない男の言葉選びや台詞も女性にとっても癇に障ったり失礼だと思う表現も多くされており、男女を描く序章として早くに掴まれた
物語の大部分である中盤から終盤の性描写やその時かわす言葉の暴力や乱暴、気持ちと欲が入り混じり抗えない心情は見事であるが、それは本作を引き寄せる目印に過ぎず、1番はその後の三好の強さとおかしさだったり、風間の弱さと惨めさ、奈緒の欲を認めそれを覆い被さる強い気持ちの告白だと思う
原作含め描きや演じや理解が難しいと思うが、良く出来ていると思いますよ
是非
星はいつも三つです。
三木康一郎監督『先生の白い嘘』
とても楽しみにしていたのですが、冒頭、主人公の女性教師の授業の場面で早くもズッコケました。残念です。
主人公は国語の教師で授業で漱石の『こころ』を朗読するのですが、普段本を読みつけていないとはっきりわかる声の抑揚とフレージング。国語教師でなければならない理由があったのでしょうか。数学教師じゃダメだったのでしょうか。どうしても国語教師でなければならないのなら、本当に読書好きの女優を使えばいいのに。
またもっとあとのほうになるとこの教師、蘇鉄や棕櫚も知らないとわかります。もう頭痛かったです。
教室の男女生徒のなかに妙にオトナな女生徒がいたところもなんだかなあでした。なにか重要な役割を果たすかと思いましたが、それもなく。
話も理解できない展開でした。
主人公の女性は何人にもわたって親友の婚約者からひどい性被害を受け続けています。
登場人物それぞれの『心の叫び』みたいなセリフがところどころで披瀝されるのですが、どれも観念的でよくわからんのです。
主人公のされた仕打ちが表現されていますが、暴力的直線的な描き方で、そこから登場人物たちの『心の叫び』が導き出されるとはどうしても思えません。
見ていてさっぱりわからん映画でした。
全150件中、21~40件目を表示