ルックバックのレビュー・感想・評価
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秀逸! ただ少々人を選ぶ。
秀逸な映画でした。
まず、タイトルが秀逸。
ルックバックという短いタイトルに、「私の背中を見てついてこい!」「行き詰まった時は過去を振り返って初心を思い出せ!」「背景にも刮目せよ!」と、いくつものメッセージが込められている。
映像に関しても秀逸。
綺麗な映像であるがそれだけでは無い。
ただ背中を見せて漫画を描いているだけの単調な場面を、背景の方を徐々に変化させることで時間の経過を示す。
努力という目に見えないものをスケッチブックの量という目に見えるものに変換する。
敢えて似たような画面を使い、差異でメッセージを伝える。
単調なのに単調では無いという矛盾。
音楽も秀逸。
昨今、歌詞でストレートにメッセージを伝える映画が多い中、楽曲で勝負。無音すらメッセージとしている。
シナリオもなかなか。
まあ、どっちかが死ぬんだろうな〜とは予想付きましたが、if展開がなかなかグッときました。
様々なオマージュも散りばめられており、中でも京アニ事件への追悼とアンサーにもなっていると思います。
そして何より、全編を通じて全力で伝えてくる「創作の苦しみと喜び」が胸に来ました。
「テクニック云々より取り敢えずひたすら描け!」「どんなものであれ完成させることが大前提であり、それが出来ない人がほとんど」「創作は苦しくて単調でつまらない作業がほとんどだけど、とにかく続けろ!」「評価されない冬の時代があっても、とにかく続けろ!」「続けられなくなったら、自分がなぜ創作を始めたのか、初心を思い出せ!」「その先に喜びがあるから創作はやめられない」「さあまた、産みの苦しみを続けよう!」
これは、個人的にはどストレートに突き刺さりましたが、
どんな些細な作品でもいいから、一度でも何らか創作を作り上げて、他人の目に晒したことのある人にしか分からないメッセージかもしれません。
その点では人を選ぶ映画かもしれません。
1時間にも満たない短編映画ですが、3時間ダラダラ見せられる映画より、グッと中身の濃い、良い映画でした。
全体としては、非常に秀逸なのですが、少々見る人を選び、万人には勧められないと思うので、星4にしておきます。
無駄なく
原作の無駄のない話を、無駄に話を足したりなどせずに映像化したところは良かった。あの話で映画一本?と思ったが、この短さでやるのかと。
1700円均一という値段設定はどういう意図かわからんが、その価値はあったと思う。
評価は私が思った星の数で、漫画を読んだ時に、凄い作品を見てしまった、、という凄い衝撃だったので、勝手にそれを超えるものがあるかと期待しすぎた結果、この星になったかと。
個人的に、漫画を越えてなかった。漫画の時の衝撃はなかったということで。
ネタバレになるのでレビュータイトルは書きません
評判がかなり良かったので、シネコンの一番大きなスクリーンで観てきました。
大きな画面に耐える画面でしたが、普通くらいのサイズのスクリーンでも十分に画面の良さは分かると思います。
絵を描く人たちの葛藤の話だと思ってみたら、恋愛映画でした。異論は許します。
絵柄が好みでないせいか私にとっては★4です。
最後のクライマックスの後は、届かぬ愛を届け続ける重さに苦しみました。
互いの才能に敬意を持ち・嫉妬し・望む自分を目指す二人の関係が、小学生から成人過ぎの期間で描かれていました。
私には恋愛映画に観えました。叶わぬようになった恋。
二人が別の道に進み別れ、突然一人がこの世を去り主人公は、友人の自分への思い・二度と会うことのできない友人への自分の思いの前に絶望します。二人が出会っていない世界を夢想して友人の死を回避することを図りますが、死の現実は変わりません。
友人に自分の絵をストーリーを漫画を魅せたくて漫画を描き続けていた主人公は、二度と会えぬ友人に向けて漫画を描き続けていく。
1時間弱のお話ですが、映画料金が高いとは思いわない良い作品でした。
子供のころを思い出させた映画
映画の評判が良いので見てきました。原作は未読です。
物心つく前から、紙と鉛筆を与えておけば大人しくしていた、という幼少期を送った自分としては、共感できるところも多かった。人見知りだったので、藤野よりは京本に近いだろうか。自己肯定感の低い子供だったので、自分より絵のうまい人なんていっぱいいるだろう、と思っていた。
見ていて羨ましかったのは、あんなにスケッチブックが買えていいな、という本題とは関係のないところ。デッサンはチラシの裏とか、ノートの余白に書いて、スケッチブックは画家で言うところの習作を描くためのものだった。スケッチブックに、もう描くところが無くなっても自分の小遣いではなかなか買えなかったし、親にスケッチブックが欲しいと言っても、絵ばかり描いてないで勉強しろ、と言われるのが落ちだった。
藤野の担任の教師も、藤野の漫画は認めていて、馬鹿にしたりはしない。私の小学生の時の担任は、私の絵を、絵画コンクールのようなものには選ばなかった。理由は、絵が達者なので、小学生らしくないから、だったようだ。小学生らしい絵って、何だ?と当時は真剣に悩んでいたが、今でも分からない。
担任が小学校の卒業証書を京本の家に届けるように頼むのも、京本が藤野に憧れているということを京本の親から聞いていて、小学生最後だし、会わせてやろう、なんて考えたのかもしれない、という空想もしてしまう。
小学校を卒業してからは、少し駆け足で話が進む。京本は死ななくてもよかったようにも思うし(京アニ事件の影響もあるらしいことが言われているようだが)、パラレルワールド的なIF展開もそれほどストーリーにマッチしているとは思わないが、不要とまでは言えないか。短編としてはすっきり纏まってはいないが、話として小奇麗に纏まると、青春の青臭さというか、そういう雰囲気も失ってしまう気もする。
アニメーションの動きはとても良い。最近見た中では『窓際のトットちゃん』位によかった。監督が動画をすべて手がけているらしい。これどれくらいすごいかは、アニメの制作に関わったことは無いので私には実感はできないけど。
もう一回くらい見てもいいかな、と思うくらいには気に入っていて面白いとは思うけど、傑作だとか、最近の表現だと、”心に刺さる”ようなことまでには至らなかったように思う。
そうなるには、私は年を取りすぎていて、色んな経験や知識が雑多に増えすぎているからかもしれない。
衝撃の展開は必要だったのだろうか?
冒頭の、貧乏ゆすりをしながら机に向かって何かを描いている藤野の背中が延々と映し出されるシーンから、画面に引き込まれる。
4コマ漫画を映像化したシーンも、いかにも小学生が書いたような絵柄と物語で楽しめる。
その後も、藤野がライバルと目していた京本と初めて会い、自分が「先生」と敬われていることを知って、スキップをしながら帰るシーンや、2人で街に出かけて、藤本が京本の手を引きながら、人混みの中を通り抜けていく時の、それぞれの主観映像のシーンなど、手描きアニメーションならではの躍動感に溢れた描写を堪能することができる。
物語としても、ライバルに負けまいと一所懸命に練習したり、どうしても勝てないと諦めたり、志を同じくする者と仲間になったり、一つの目標に向けて一緒に頑張ったりと、スポーツや芸術に打ち込んだことがあれば、誰もが経験し得るような「情熱と友情の日々」が丹念に描かれていて、胸が熱くなった。
やがて、絵の技量を上げるために美大へと進学する京本とは、袂を分かつことになるものの、それでも、人気漫画家への道を歩んでいく藤野のサクセスストーリーとしては、あまりにもトントン拍子で順調すぎるのではないかと思っていると、予想もしなかったような衝撃の展開が訪れて驚かされる。
ここから想起されるのは、明らかに京都アニメーションの放火事件だが、藤野と京本が出会わなかったパラレルワールドでは、漫画を描くのをやめて空手の練習に励んでいた藤野が、美大への乱入者を撃退して、京本の命を救うことになる。
京本の部屋の扉の下を行き来する4コマ漫画の紙片は確実に存在するものの、この、もう一つの物語が、どこかのマルチバースに実在している世界での出来事なのか、それとも、藤野が「もしも」と夢想していることなのかは定かではない。ただ、いずれにせよ、せめて物語の中だけでも、あんな理不尽な事件はなかったことにしたいという、作り手の熱い思いだけは感じ取ることができた。
京本が命を落としたのは、彼女を外の世界に連れ出した自分のせいだと後悔する藤野が、もし、自分たちが出会わなかったら、2人で寝食を忘れて漫画作りに没頭するという、かけがえのない時間を過ごすことはなかったし、何よりも漫画を描く自分も存在しなかったということに気が付いて、再び前を向くようになるくだりも感動的である。
その一方で、わざわざ悲劇的なエピソードに持っていかなくても、美大を卒業した京本が、漫画家の藤野のアシスタントになるといったシンプルでストレートな話だけで、十分に楽しむことができたのではないかとも思ってしまう。
それから、京本からは「先生」ともてはやされた藤野だが、彼女の方は、「自分が、一度漫画を描かなくなったのは、絵の才能では京本にかなわないと観念したからだ」と打ち明けたのかということも、最後まで気になってしまった。
あえて言うなら
ネタバレありです
原作未読で評判だけで観に行きました。
最近の何でも美男美少女キャラに描いてしまうアニメ界とは一線を画すキャラ図柄はそれだけでも好感度アップです。
ストーリーのほうも前半の藤野がライバルと思っていた京本からファンだと言われ浮かれて変なステップを踏みながら帰って行くシーンは微笑ましかったし京本が勇気を出して美術大学へ行きたい一人でやってみたいと打ち明けるシーン惹きつけられました。
ただ原作未読の立場からあえて言わせてもらうなら京本は何故死ななくちゃいけないのかがわからない。
しかも事故でも自殺でもなく訳のわからない人物の手によって。
そういう話だからと言われれば元も子もないのだがそれまでの話の流れからはその必然性を全く感じられなかった。
人の死は悲しい
それだけで涙を誘うこともある。
結局話はその死によって停止したあとは藤野の後悔と回想、再起の背中でエンデイングを迎える。
それまでが良かっただけに死で終わる話にしてほしくなかった。
今一番話題の映画
今一番話題の映画ということで仕事帰りに観てきました。
公開から一週目ではあるものの、平日にもかかわらずほぼ満席でした。
100分という短めの映画ですが、短い中でも感情をぐわんぐわんさせられるとんでもない映画でした。
チェーンソーマンもそれ以外の漫画も未読ですし、正直、藤本タツキという名前もこの名前で知り、ただ話題に乗っただけの私が感じたことは、この作者は、自分の能力だけではなく、背景となるものの支えによって成り立っていることを表したのかなと、それへの感謝が込められている作品なのではないかということです。
それがタイトルにも込められており、ルックバックとは、背景も見ろという意味があるのではないでしょうか。
あと、音楽もかなり良かった。
★2024.7.14 追記★ 同じ学校で出会った少女二人が、同じ世界を目指します。辿り着いた世界の先に見つけたものは…。甘酸っぱさとほろ苦さ、切なさと愛おしさに溢れた秀作です。
< 2024.7.14 文末に追記しました >
「チェンソーマン」という漫画の作者が描いた短編作品。
その劇場版アニメ作品です。この作者の絵柄は割と癖があり
洗練された絵柄とは言えないかもしれない(失礼)のですが
描かれた作品からは、独特の魅力ある世界を感じることが
できる、そんな作者だとも思っています。 ・_・ハイ
原作漫画の冒頭だけを「お試し」で読んでみたら、とてもいい
感じだったので鑑賞してみることにしました。
さあ鑑賞開始。/☆
舞台は地方の小学校。
学年新聞に4コマ漫画を書いている少女と、途中から漫画を
載せるようになった同学年の少女のお話。
一人目の少女は藤野。(CV 河合優実)
二人目の少女は京本。(CV 吉田美月喜)
藤野は、絵を描くのが好き。絵を褒められるのが好き。
京本は、藤野の漫画が好き。他人が怖くて引きこもり中。
ある日、学級担任が藤野に声をかけた。
学年新聞の4コマ漫画、2枠の片方を引きこもりの子に譲って
くれないか? ということだ。 ” いいですけど ” と承諾する。
京本の4コマ漫画が初めて載った日。
クラスメイトの声が藤野の耳に聞こえてきた。
” こうしてみると 藤野の絵って 上手くないじゃん ”
京本のマンガは、マンガというより学園生活の風景を描いた
背景画のような作品だった。人物は登場しない。だが…。
上手だった。圧倒的に。
衝撃を受ける藤野に心の底から、ある感情が沸き上がってくる。
” 悔しい。負けたくない ”
マンガがもっともっと上手くなりたい。上達したい。
なりふり構わず、マンガを書く時間が増える。
基本的な技術を向上させるため、色々な本を読んでみる。
次の学年新聞。
その次の学年新聞。
並んで掲載されるたび、打ちのめされる。
頑張って上達したと思っても、京本は更に上達している…。
そんな6年生のある日。
学年新聞をみた藤本の心が動きを止める
” …やーめた ”
こちらが学校に行っている間も、相手はマンガを書いているのだ。
追いつけるハズない。…もう疲れた。
普通の小学生に戻ろう。
残りの小学校生活を楽しもう。
そのままマンガから遠ざかった藤野。
だったのだが、卒業式の日。学級担任から呼ばれる。なんだろう?
” この卒業証書を、京本に届けてくれないか ”
学年新聞に連載していた同志じゃないか と言われ渋々引き受け
初めて尋ねた京本の家。
呼び鈴を押しても反応が無い。どうしよう。
と、玄関のドアに鍵がかかっていない。
” 卒業証書を届けにきましたァ ” と小さく声を出しながら上がる。
そこで目に入ったのは、床に積み上げられたスケッチブック。
廊下を曲がった所から奥の部屋の前までびっしりと。
いったい何冊あるのだろう…。
と、一冊のスケッチブックの上の原稿用紙が目に入った。
4コマ漫画用の、まだ何も書かれていない原稿用紙だ。
つい手に取ってしまった藤野。カバンから鉛筆を取り出して
京本に向けた4コマ漫画を書いてしまう。
” 何やってるんだろ ”
我に返り、力の抜けた藤野の手から原稿が滑り落ち、目の前の
ドアの隙間から部屋の中に入っていってしまう。 あっ。
慌てて京本の家から飛び出す藤野。その後ろを
藤野を追いかけて、家から飛び出してきた少女。
引きこもり継続中の、京本だった。
” 藤野先生ですか? ”
思わず藤野の足が止まる。振り返る。
ボサボサ頭の、半纏を着た少女がそこにいた。
◇
…と。
こんな感じの二人の出会いから話は進んでいきます。
中学生になり、マンガの世界へと踏み込んでいく二人の
活躍が描かれていきます。
このあとの展開が気になる方、ぜひ劇場での鑑賞をお薦めします。
原作を知らずに観ましたが、最後まで引き込まれて鑑賞しました。
内容を知っていても尚、楽しめる作品と思います。
私は充分満足しました。 ・_・/♪
観て良かった。
◇あれこれ
■ヒロインの声
本職の声優ではない女優さん(河合優実・吉田美月喜)が、声の担当
でした。二人の演技が上手な事は、最近観た作品を通して知っている
つもりですが、声だけの出演はどうかな? と心配も少々…。
ですが、要らぬ心配でした。 ・_・;
藤野・京本ともに、キャラのイメージ通りの声でした。
■舞台
小学校への通学路が、田んぼの広がる農道だったりします。
どうやら山形市のどこからしいのですが、気になります。
原作者の通った大学もモデルになっているとか。 へぇ。
たまに出かける都会のシーンはどこだろう とか
山形市にしては賑わっているなぁ(失礼) とか
バスで一時間なので仙台市ではないか? とか
竿燈祭り(秋田)のパンフを持っていた とか
原稿持ち込んだのはやっぱり東京だろうな とか
色々と想像して楽しんでます。(山形好きです♡)
◇最後に
一人がキャラや話を作り人物を描き、もう一人が背景を担当。
単なる作者とアシスタントの関係ではなく、藤子不二雄のように
制作のパートナーだということが「藤野 京」のペンネームから
分かり、この二人の関係性いいな と思って観てました。・_・
※「まんが道(藤子不二雄A)」が頭に浮かんだ人、私だけでは
ないかと ・_・
あと詳しくは書けませんが、「if」の世界との繋がりも見事でした。
見事というか、どこかに救いがあると思わせる終わり方、個人的には
大好きです。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
↓
↓
↓
< 2024.7.14 追記 >
2回目の鑑賞に行ってきました。・_・v
改めて気付いたコトもいくつかありました。良かったと思う気持ちがより強くなりました。
1回目同様★5つ。合わせて★10です。(ダメ?)
■四コマ用の原稿用紙
卒業式の日。訪ねた京本の家。部屋の前の大量のスケッチブック。
その上に乗っていた白紙の原稿用紙を藤野が拾い上げる場面から、
4コマ原稿用紙の旅が始まったと思っていたのですが、違ってました。・_・
マンガを書くのを止めた藤野が「捨てて」と家族に言ったスケッチブック。
その上から滑り落ちるシーンがあって、多分そこがスタートのようです。
二人の間を何度も往復する4コマ漫画の原稿用紙。
時空を越えて行き来する、不思議なアイテムです。
■繋いだ手
手をつないで、街を買い物して回る二人。
次第に、京本の手が長く伸びていくのです。千切れてしまいそうな程に。
このままでは藤野についていけなくなるとの、京本の焦り。
” 高校を卒業したら連載を ”
この話が出た事で、京本は一大決心をしたのだろうと推察。
4年間回り道をしてしまうけれど、簡単な選択ではなかったけれど
大学でもっと絵を描いて、上手になって。
この先ずっと、藤野の隣で漫画を描き続けていたいから。
京本の決断に敬礼。
■京本の笑顔
柔らかな表情。無垢な笑顔。
京本の笑顔にはやられっぱなしでした。
” 見たい見たい見たいッ ”
” えへぇ ”
” 良かったぁ ” などなど。
藤野と一緒にいるときの京本の笑顔。何度観ても癒されます。えへぇ。
■なぜか左利き
京本の利き手。原作では右利き、映画では左利き。 …そう気付きました。
何か意味があるのだろうか…とあれこれ考えているのですが…。うーん。
実は京本には、鏡に写ったもう一人の分身を生み出す能力があって…。
うーん…。一気にファンタジー度が上がってしまう…。
そしてその分身は、鏡の世界を通り抜けて色々な世界に行くことが…
うーん…。ミラーマンの世界になってしまう…。
■「出てこないで」の4コマ目
骸骨になった京本の場面が描かれています。うーん。
改めてこの4コマ目を見た藤本が「私のせいで京本が死んだ」と
激しく後悔する訳ですが…。
この4コマ目に何か書き足したり、他のオチに書き換えられたら
京本が死なない未来にならないだろうか
そんな事を割と真面目に考えている自分がいます。・-・
< 2024.7.14 追記 ここまで >
どんなに深い悲しみでも、後悔できないほどの喜び
※注意:勝手な妄想が強めの感想です。
藤野は京本を失って後悔をする。
あのときあの漫画を書かなければ京本を失わなかった。
でもそれは、出会ってからの「あの時間」を失うということだ。
二人とも異常に絵を描くことが好きで、
藤野は京本の凄さを京本よりも知っていて
京本は藤野の凄さを藤野よりも知ってた。
絵が上手くなりたくてたまらなくて
いろいろなものを犠牲にした。
二人の生活はとても偏っていて、健康的とは言えなかった。
他人の目には幸せには見えなかっただろう。
でも他の人には想像できないほど幸せだった。
藤野は物語の最後、京本の部屋で二人の「あの時間」を振り返る。
藤野は、やっぱり後悔することができなかったのだろう。
あのときの喜びを悔いることが出来るわけがない。
どんな深い悲しみでも、敵わないほどの喜び。
そういう種類の喜びがあるのだ。
見終わってからずっと「そういう種類の喜び」のことを考え続けている。
この感じだと、この余韻はしばらく消えそうもない。
それくらいのショックを受けた。すごい映画だった。
ストーリー性はとても良いが、テンポが早過ぎて少し物足りなさを感じた。
映画の予告で観て少し気になったので、
今回観に行きました!この原作の内容は
全く知らず、作者の藤本タツキさんの
チェーンソーマンはアニメで観ていたので、
知っていました!事前にTwitterでネタバレと
言っていいのか分からないですが、
京アニ放火事件を連想とされると言う情報を
先に入れてしまっていたので,何となく先の
展開が読めてしまったのが非常に残念でしたが、
京本の訃報のニュースを観た時は、
鳥肌が経ちました。だが,この映画を
観て思った事は、ストーリー性は非常に
良かったのですが、テンポが早過ぎて、
感情移入出来なかったところです。
なのでアニメでじっくりやるか、1時間ではなく,
2時間くらいあれば良かったなと思いました。
作品自体は良かったので、観に行く価値は、
あると思います。
一度でも、なにかを本気で好きになってのめり込んだことのある人へ。
タイトルの通り、とても純真で素敵な映画でした。
子供の頃って、男女問わず、なにかにのめり込んでは、ある日、急に脱皮するかのように
昨日までの自分の熱中を冷静に醒めて、次の自分になってゆくように
この映画で描かれる、漫画への情熱と青春はとてもよく わかりますよね。
主人公の自意識とふと 醒めるあの感じ
ヒロインのあの、一歩外へ思わず踏み出したあの気持ち
空の描写がこの映画にとって、とても大切な感情を表現していて、
「雨に歌えば」を超えるかのような、映画力のつよい、素敵なワンシーンとなっていますね。
あの雨は主人公の嬉し涙であり、ヒロインの嬉し涙でもある訳なのですね。
雨のシーンだけで、とてもグッとくるものがあり、この映画のすべてがあるような気がしました。
共依存関係のような、でも ふたりにとって いちばん良い時間が終わってしまって、
ヒロインの方が健全な決断を下すシーンも涙なくして見ていられません。
彼女はいつも主人公の背中を見つめて、いつかまた 力を付けて、主人公の背景を描くために
旅立ってゆく決断をしたのに違いありません。
主人公にもそれがわかっているのに、わかっているはずなのに、出てくる言葉は 違うものばかりで
それを後悔していたからこそ、主人公も次のステップへと駆り立てられていったし、
彼女もそれを夢見ていた最中だったろうに、
残酷にも、その決断が、あのような結果にたどり着いてしまうなんて。
後半の事件は、明らかに「京都アニメーション」の例の事件をモチーフにしていますが、
そこに対する犯人への糾弾や社会問題としてなにかを問い詰める論調はなくて
ただただ、クリエイターとしてのリスペクトと、祈り。
クリエイターとして、あるべき道を示して終わる
そこに流れる鎮魂歌、とても神聖なものを感じました。
これがクリエイターによるクリエイターへの、これ以上ない純粋な聖歌であると願ってなりません。
自分のアイデアが盗作されたのなんのって騒ぐ輩は、これだけのバックボーンで、手を動かして、
自分のすべてを注ぎ込んでゆく過程をちゃんとわかっているのかと、ひとりひとりのクリエイターの後ろにあった
これだけの努力と才能と物語と夢と人生を、身勝手な衝動でどうにかしてしまって良い訳がなくて、
揺れ動きながらも、研ぎ澄ましてゆく このクリエイティブな最先端の感覚がわかるのかっていうね。
この「凄み」は、実際に手を動かして、自分を注ぎ込んでいる人間にしかわかりませんよね。
私も分野は違うけれども、その延長線の(まぁお恥ずかしながら下の方にいる)人間ですから、まぁ、ぐぅの根も出ない表現でした。
それでも過去も背中を見ながら、前に進むしかないんですよね。クリエイターって。
主人公とヒロインの背中が、お互いを尊敬し尊重し合うものであったというタイトルが素晴らしいですね。
ウロボロスの尾のように、「永遠」を現しているかのようです。
この物語は、主人公とヒロインふたりのものですが、この物語に込められた祈りは、
数知れないクリエイターたちと、また最前線で物語を紡いでいるクリエイターとの
面識なき、けれども、たしかにそこにある絆のように感ぜられました。
観終わって思わず、合掌してしまいましたね。数々のクリエイターの魂が救われますように。
そして、現役クリエイターたちの魂が、より 高みへ昇華されますように。
人間賛歌なんだ。
ルックアップ
作画の質が非常に高く、最初の主人公の背中ですら、少ない線が効果的に使われているのが分かる。
背景はピンキリだが、初めて京本家を訪れた際の玄関フローリングは圧巻。
中編作品であることを差し引いても、劇場作品としてはスタッフ数が少なく、少数精鋭だったのだろう。
京本の四コマは漫画といえるのか、と思っていたが、背景担当となる流れは上手い。
「ファンだ」という言葉に反発があるかと思えば、アッサリやる気を取り戻したのは意外と言えば意外。
(謎のスキップ?ダンス?は面白かった)
一方的に“睨み上げ”ていたかに思えた藤野も、京本から“憧れ”られていたことを知る。
互いを“見上げ”つつ、順調にキャリアを重ねるふたりだが、京本が別の“向上心”を持つことでコンビは解散。
最終的には、再び漫画が藤野の“顔を上げ”させて終劇。
個人的には、タイトルは『ルックバック』より『ルックアップ』の方がしっくりくる。
キャラの名前やら主人公の描く漫画から、作者が自身を投影した作品なのだろうか。
安易に人が亡くなり、京アニ事件を元にしたと思われる犯人の動機など、正直独創性は薄い。
小4で称賛されるには藤野の絵や話が拙かったり、いつペンタブ作画覚えたのかなど細部がやや気になった。
ifルートは藤野が描いた漫画かと思ったがそうでもなく、少々分かりづらいかな。
などなど、思うところはあるが、河合・吉田両名の演技は余裕の及第点越えで、雰囲気にはバッチリ合ってた。
演出も好みだったので、話としての捻りか深みがもう少しあるとよかった。
二人の描く漫画が尊い
最近、感想を書くのが辛くなってきた。元々、自分の思い出の為の感想だったので、唐突に書くのをやめる気がする。
ということで
始まる前の他の映画の予告がとにかく長い!!!!!!
映画館によるものなのか、作品によるのかわからないが最近のは長いのが多い
約20分、興味のない映画予告を見させられる、こんなのは入場を20分前にして
上映時間前に終わらせて上映時間きっちりと始めて欲しい。
そしたら新作の映画予告を見る人が減るだろう、そりゃそうだ。目的の映画を見に来たんであって、まだ知りもしない映画の内容よりもPVだけが良さげに加工された映像を見に来たわけじゃない人が多いだろうからなぁ。
今回観る映画のルックバック、約1時間だぞ!それが20分削られて悲しい事このうえない。
正確には映画自体は削られてはいないのですが、1時間のつもりで来てるからねぇ。
【感想】
藤野の絵が、とにかく資料を買いまくり描きまくるのだが、ずっと下手のままで成長も微妙で見ていて『これ、もう駄目じゃないか?』と思った。
小学生で、勉強も友達も疎かにしたのに、あの絵では最初の京本にも勝てない。
でも描いてるモノが2人とも違う。
藤野は漫画で京本は風景
漫画で風景も人も大事だとは思うが、やっぱり漫画は『話』が1番で多少絵が下手でも問題ない。まあ、絵が上手いに越した事はないのですが。
藤野が気にしてるのは普段、持ち上げられまくった絵を京本と比べられ
【絵が普通】と言われた事。
そして周りに色々言われながら何年も頑張った藤野は京本の絵と自分の絵を見比べて遂に、あきらめて漫画を描くのをやめて学級新聞には京本の風景のみが載ることになった。
学級新聞で風景と漫画なら、漫画のが良いと思うけどなぁ。
風景画には風景画の良さがもちろんあるが、それはそれである。
生徒だって漫画を見て笑ってたのに、それが突然なくなって寂しくないのか?と言う疑問がある。そりゃ皆、もう中学生になるから漫画も卒業がカッコいいと思ってる子供が多いのかも知れない。
むしろ俺なんて恋愛を卒業だよ、もうどんな美少女だろうと、声かけてくるような女性は何か裏があるんじゃないか?と疑いから入って警戒して距離を置いて離れる
年齢的な意味でも給料的な意味でも見た目でも女性からしたら恋愛対象外の領域に入ってる自分に仕事以外で声などかけてくるわけないのだ。
いつの頃からか恋愛なんて漫画の世界でしか自分に関係なくなり
主人公になりきってヒロインと恋をしていた方が、とても優しいのだ。
藤野が帰宅すると京本が家にして背景を描いていて、なんでいるの?と思った
彼女たちが共同で漫画を描き始めたのは唐突な展開だったが、そこからの時間の流れを上手く表現し受賞され、街へと出かけ引きこもりである京本が外で楽しく過ごすことができたのは、いい成長のきっかけにもなったが辛い別れのきっかけにもなった。
藤野は漫画家になる道を歩み、京本は美大の道を歩む為に2人は別れたけど、2人は親友でありかけ替えもない2人の絆を描いた話は素晴しくて。泣けました。
藤野が描いた四コマ、京本が描いた四コマ。
もしも、あの部屋から京本が出てこなければ、もしもあの時に漫画を諦めていたら。
そんな世界線を少しだけ見せてくれる。
京本は結局、美大に行くんだけど、それはないんじゃないか?と思ったが
学級新聞でいつも描いているのは『漫画』ではなく『風景』だったから
最初から興味があったのなら自然と美大を目指して行ったかもしれない。
そして現実に変わりはなく、京本は帰らぬ人として現実を受け止め京本との思い出と4コマを持ち帰り部屋で漫画を描き部屋を出てエンディング
【卒業証書を生徒が届けに行くの?】
クラスも違うし会ったこともない隣のクラスの京本になぜ藤野が卒業証書を届ける必要があるのか?一緒に漫画乗せた仲だろう?とか言ってたが意味がわからない。
隣のクラスの担任はお前なの?それとも隣のクラスの担任に頼まれたの?
どっちの先生かよくわからない。多分、藤野の担任だと思うのだが、京本のクラスの担任に行かせろよと思った。
ちゃんと届けるかわからないし落としたり!無くしたり!捨てたらどうする!色んな事を考えれば、担任の先生が責任を持って行くべきだろう。
そして藤野なぜ届けに行く!っと藤野に突っ込みを入れたくなったが絵を描いた京本に興味があったのかもしれないので、それはいいとしても。やっぱり卒業証書は先生が行くべきだぞ!
【ファンって何?】
藤野の漫画が面白かった、ファンだと言う京本が、枠を奪ってでも自分の絵を載せたい理由が、わからなかった。もし仮に藤野に存在を知らせたいとかだとしても納得できない。
仮に自分が好きな漫画家である鳥山明先生が学級新聞に漫画を載せていたら、ファンなら邪魔はしたくない。枠を奪ったら、その分漫画が読めない!むしろ鳥山先生の漫画がもっと見たい!と思うはずである。
ファンではなく藤野より自分の方が上手く面白い漫画が描けるというので奪うならわかるんだけど。
【事件】
人が怖いです
【観。終わって】
感動しました、涙が流れる程に。
漫画チェンソーマン読んでみようと思えた
素晴らしい映画をありがとうございました。
【最後に】
パンフレットが売り切れ!完売!そろそろ全ての映画のパンフレットを電子書籍化して欲しいです。映画を見に行ってパンフレット完売されてると辛いです。
ルックバックのパンフレット完売
来週にでもパンフレット再入荷されてないか映画館に聞かなきゃ( ;∀;)
将来の夢が漫画家だった人は見て欲しい
小学生と中学生の頃、夢中で絵を描いていたことを、鮮明に思い出しました。
同級生の子が絵が上手くて嫉妬する。そして、その子より、絵が上手くなれるように頑張って練習する。これって誰もが通る道なんですよね。
もうやーめた。
藤野ちゃんはそう言ったけど、京本ちゃんがきっかけで、辞めなかった。
私は、そこでやめちゃったなぁ。もっともっと絵を描いてれば夢の漫画家なれたかなぁ。
もっかい、絵描いてみようかな。
そう思える作品でした。なんなら、絵描こう。となりました。
あと、音楽が最高です。音が大きめです。
上映後は何故か涙が止まらなくて、恥ずかしかった。私の心の何かが大きく揺さぶられたに違いなかったんだと思います。
星はいつも三つです。
押山清高監督『ルックバック』
アニメ映画は子供のころに『長靴を履いた猫』を見て以来(面白かった)、とんと見ていなかったのですが、勧められて。
やはり人様のお勧めには素直に従うものだと思いました。
文字通り寝食を忘れて一日中絵を描いている少女の姿に早くもウルウル。
積み重なるスケッチブック。
教室に並んだ机の反射。
田舎のあぜ道を雨のなか、認められた喜びのあまり踊りながら帰る少女。
知らない子の家のドアを開けたときのひんやりとした家のなか。その家のかすかな匂いまで感じられました。
とても残酷な結末なのですが、同時に深い安息感に包まれました。
映画鑑賞のおまけとして、特製のマンガ本までついています。
アニメには全く疎いのですが、押山監督のほかの作品も見たいと思いました。
マンガを共に描いた幸せな時間を振り返る。特別な関係の二人の大切な時間。
1時間では短い!!
幸せな二人の時間を、もっともっと観たかった…。
自分が漫画を描かなければ、部屋から連れ出さなければ、こんなことにはならなかったと後悔する藤野。
再び4コマ漫画が切り開く世界。
京本が部屋から出なかった別の世界が描かれる。
やがて、二人の幸せな時間が甦り、藤野は、また前に進む。
決してそんなことはない!
このような結果になっても、あの幸せな時間を経験したことは、京本にとってもとても大事なこと、かけがえのないことに変わりはない。
その後、たとえ何があったとしても。
とにかく描き続けるしかない!
京都アニメーション放火事件の追悼作品という見方
前提として、漫画をアニメにするという点では本当に素晴らしかったと思う。
しかし、京本を襲った犯人の描写が京アニ放火事件と重なり、「作品をパクられた」と叫ぶ半狂乱の男に怒りと悔恨が込み上げてきた。
追悼の意が込められていることは伝わったが、単なる物語のオチとしてあの事件が使われたとも言えるため複雑だった。
ただ「感動した」で片づけてはいけない作品であることがどうか伝わってほしい。
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