ルックバックのレビュー・感想・評価
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人生は“無限あみだくじ”
おれの眼球表面張力が暴発した🚰
思わず零れ落ちた涙、何味だったか当たった方には踊るヒット賞として、「真夏にまつわるもの」をお送りさせていただきます。
なんかこれ観て、人の人生って“無限あみだくじ”だなって思った。
人との出会いや、何喋るか、何をするか、その一つ一つでその人の人生、はたまた運命って無限に変わってくのかなーって。
それを神秘的にも捉えられた反面、めちゃくちゃ怖いなとも思えたし。
そんな大きなテーマ・メッセージを藤野と京本、たった2人の少女から教わったように感じた。
あと音楽が良かった❗️
秀逸な劇伴が、要所要所のキーとなる場面で流れてた印象←うるさいぐらいだったけど笑
あとあと、声優も良かったなー。
良い意味であんまアニメっぽくないというか、ふつーの女の子感?っていうのかな😅
んで調べたら、んまー今や人気沸騰中、こないだ観たあんのことでも凄まじい演技してた河合優実じゃあーりませんか!あなた声優もいけちゃう口なのね笑
兎にも角にも、このたったの58分に均一1700円は払う価値あり!💸
漫画もアニメどちらも良かった
手書きで描いてこそって思ったんでしょうね
非常に良かった。
ボクは早川と出会い雨の中帰路につくシーンの喜びを隠しきれず全身に溢れ出まくる嬉しさで飛んでるかもしれないってしれないってぐらい躍動する藤野のシーンが漫画で読んだ時にガツンと心を持ってかれたので
そのシーンが楽しみだったのだけど想像よりあっさりしていて、アレ?アレ?って思ってしまってからはどうも気持ちが落ち着いてしまって早く家に帰って漫画読み返して確かめたかった
映画が終わり即帰宅しルックバックを読み返したのですがやはりあのコマの感じた気持ちはままで、けど一体何が映画と違っていたのか決定的なものはわからなかった
とはいえ、すごくリスペクトを感じる映画化だったと思いました。
音楽はちょっとお涙誘いがチラついて少し耳障りに感じたので
もっとミニマルなものでも良かったのかもしれませんね
京本役の吉田美月喜さんの演技とても素晴らしかったです!
面白いんだけど、なんかモヤモヤした。
震えるアニメーション
藤野の4コマが本当に笑える
お互いが何年も知っているけど、実際会うのは初めてという緊張した場面での4コマ。
現実では亡くなった京本の部屋の前で、別次元の京本が書いて藤野に渡した4コマ。
緊張した場面でのふざけた4コマが最高に笑えるし、また喜びが伝わってくる。
漫画を通したコミュニケーションは、現実の漫画作者同士が連載の中で密かに行なっているのでは?と思うくらいリアリティがあった。魂の篭ったメッセージといった感じか。
原作を読んだ後に映画を見ると、あの癖のある絵がそのままアニメになって動いているようで、アニメーターの技術の高さに驚きました。
最近はどんな絵の原作でも(素人目ではありますが)、完璧に再現して、さらに上乗せして表現されているように思います。
原作者の藤本タツキ先生は、チェンソーマンでもそうですが、これまで世の中で表現されていなかった感情を漫画の中で表現しようとしているように感じられて、どの作品も心が揺さぶられるような感覚を与えてくれますね。
丁寧に丁寧に作られた高熱を持った映画
背中を見て。そして前へ進もう
私より絵が上手い子なんかいない。引きこもりのあの子には負けたくない。
よし!もっと上手くなろう。
でもやっばりあの子の絵はすごい。
失った創作への意欲。
でも実はあの子は私に憧れてたんだ。袢纏に書いたサイン。
再び始まる創作活動。
いつの間にかあの子は私の部屋で一緒に絵を描いている。
このシーンとても好きです。
藤野と京本。ひたむきに漫画を書く二人の物語。
そうだ、京本はずっと私の背中を追いかけて来てくれていたんだ。
さあ、もう一度歩き出そう。
不幸な出来事で夢絶たれた、同じ志を持っていた人たちへの鎮魂歌でもあったのでしょうか。
ルックバック。
素晴らしかったです。
僕のつたない文章ではこの作品の良さををどう伝えたらいいかわかりませんので、ここまでにします。
ルックバックの世界を表現した河合優実・吉田美月喜のふたり見事でした。
みんなに見てもらいたい映画です。
一時間に満たない作品ですが、想いが込められた素晴らしい作品でした。
いい映画を見ました
あの事件のオマージュにより
ネタバレになるのでレビュータイトルは書きません
評判がかなり良かったので、シネコンの一番大きなスクリーンで観てきました。
大きな画面に耐える画面でしたが、普通くらいのサイズのスクリーンでも十分に画面の良さは分かると思います。
絵を描く人たちの葛藤の話だと思ってみたら、恋愛映画でした。異論は許します。
絵柄が好みでないせいか私にとっては★4です。
最後のクライマックスの後は、届かぬ愛を届け続ける重さに苦しみました。
互いの才能に敬意を持ち・嫉妬し・望む自分を目指す二人の関係が、小学生から成人過ぎの期間で描かれていました。
私には恋愛映画に観えました。叶わぬようになった恋。
二人が別の道に進み別れ、突然一人がこの世を去り主人公は、友人の自分への思い・二度と会うことのできない友人への自分の思いの前に絶望します。二人が出会っていない世界を夢想して友人の死を回避することを図りますが、死の現実は変わりません。
友人に自分の絵をストーリーを漫画を魅せたくて漫画を描き続けていた主人公は、二度と会えぬ友人に向けて漫画を描き続けていく。
1時間弱のお話ですが、映画料金が高いとは思いわない良い作品でした。
原作者は天才
感動のあまりウルッときてしまった。
山形県の小学校の学校新聞で四コマ漫画を任される「藤野歩」(河合優美)は、同級生たちの賞賛を浴びることを無上の喜びとしている。ただ、斜に構えているところもあって、徹夜で考えたネタも5分でまとめたと友達には吹聴している。
担任から不登校の「京本」の漫画を新聞に載せていいかと訊かれ、内心不愉快だが、どうせ自分に勝てるはずがないと考えて承知する。だが、掲載された京本の作品の画力の高さに、衝撃を受ける。
同級生に自分より漫画がうまい者がいるのは許せないといきり立つ。それからはスケッチブックや技法書を買い込み、勉強もせず、友達遊びや家族の団欒も断ち、文字通り寝食を忘れてデッサンに打ち込む。だが、姉からは、父さんや母さんは口には出さないがお前を心配している、私と一緒に空手道場に通わないかと誘われる。友達からは、私たちもうすぐ中学生だよ、このままじゃオタクだと思われちゃうよと諭される。
いくら練習しても京本のレヴェルに追いつけず、ある日やーめたと漫画を諦める。友達遊びを再開して、姉と一緒に空手を習い始める。
小学校の卒業日、担任から京本に卒業証書を届けてくれと頼まれて、嫌々引き受ける(さすがに卒業証書授与は本人に学校に来させるか、担任が家庭訪問して行うのが普通だけど)。
玄関が開いていたので上がりこみ、廊下に山のように積み上げられたスケッチブックを目にして、京本も修練を重ねて画力をあげたのだと理解する。
その場で京本の不登校をからかうような四コマ漫画を描きあげるが、その紙を落としてしまう。漫画は奇跡のように子供部屋のドアの下に吸い込まれる。慌てた藤野は逃げ出すが、裸足で追いかけてきた京本(吉田美月喜)に、もしかして藤野先生ですか、ずっと前から尊敬してましたと声をかけられる。サインくださいと頼まれて、京本の半纏の背中にマジックで大きく「藤野歩」とサインする。なぜ漫画をやめてしまったんですかと訊かれて、実はコンクールに応募しようと思っている、だから四コマ漫画からは卒業したんだと出まかせを口にする。
有頂天になり、雪解け水の残る農道をスキップしながら帰宅。帰るなり、漫画を再開する。
中学校に進学した藤野と京本は、互いの家を行き来しながら、コンクールに向けた作品を1年がかりで完成させる。「藤野キョウ」のペンネームで『週刊少年ジャンプ』に応募して、見事佳作に入選する。
高校でも共作を続け、集英社の編集者から『ジャンプ』に連載してみないかと誘われる。だが、京本は美大に進んで絵の勉強をしたいと言い出し――といったストーリー。
きっと漫画をはじめクリエイティヴな分野で活躍している人は、多かれ少なかれ似たような青春を過ごしてきたんだろう。同じ目標を追い求める2人だからこそ、友情を超える絆が生まれた。京本が美大に進みたいと言ったのは、藤野と決別したいという意味ではなく、技量を上げてあらためて共作したいという気持ちだったに違いない。京本のように、優れた才能を持ちながら、志半ばにして夢断たれた人間が、この世にはいったいどれほどいることだろうか。
藤本タツキさんは『チェンソーマン』でしか知らなかったが、まぎれもなく天才だと思う。
子供のころを思い出させた映画
映画の評判が良いので見てきました。原作は未読です。
物心つく前から、紙と鉛筆を与えておけば大人しくしていた、という幼少期を送った自分としては、共感できるところも多かった。人見知りだったので、藤野よりは京本に近いだろうか。自己肯定感の低い子供だったので、自分より絵のうまい人なんていっぱいいるだろう、と思っていた。
見ていて羨ましかったのは、あんなにスケッチブックが買えていいな、という本題とは関係のないところ。デッサンはチラシの裏とか、ノートの余白に書いて、スケッチブックは画家で言うところの習作を描くためのものだった。スケッチブックに、もう描くところが無くなっても自分の小遣いではなかなか買えなかったし、親にスケッチブックが欲しいと言っても、絵ばかり描いてないで勉強しろ、と言われるのが落ちだった。
藤野の担任の教師も、藤野の漫画は認めていて、馬鹿にしたりはしない。私の小学生の時の担任は、私の絵を、絵画コンクールのようなものには選ばなかった。理由は、絵が達者なので、小学生らしくないから、だったようだ。小学生らしい絵って、何だ?と当時は真剣に悩んでいたが、今でも分からない。
担任が小学校の卒業証書を京本の家に届けるように頼むのも、京本が藤野に憧れているということを京本の親から聞いていて、小学生最後だし、会わせてやろう、なんて考えたのかもしれない、という空想もしてしまう。
小学校を卒業してからは、少し駆け足で話が進む。京本は死ななくてもよかったようにも思うし(京アニ事件の影響もあるらしいことが言われているようだが)、パラレルワールド的なIF展開もそれほどストーリーにマッチしているとは思わないが、不要とまでは言えないか。短編としてはすっきり纏まってはいないが、話として小奇麗に纏まると、青春の青臭さというか、そういう雰囲気も失ってしまう気もする。
アニメーションの動きはとても良い。最近見た中では『窓際のトットちゃん』位によかった。監督が動画をすべて手がけているらしい。これどれくらいすごいかは、アニメの制作に関わったことは無いので私には実感はできないけど。
もう一回くらい見てもいいかな、と思うくらいには気に入っていて面白いとは思うけど、傑作だとか、最近の表現だと、”心に刺さる”ようなことまでには至らなかったように思う。
そうなるには、私は年を取りすぎていて、色んな経験や知識が雑多に増えすぎているからかもしれない。
衝撃の展開は必要だったのだろうか?
冒頭の、貧乏ゆすりをしながら机に向かって何かを描いている藤野の背中が延々と映し出されるシーンから、画面に引き込まれる。
4コマ漫画を映像化したシーンも、いかにも小学生が書いたような絵柄と物語で楽しめる。
その後も、藤野がライバルと目していた京本と初めて会い、自分が「先生」と敬われていることを知って、スキップをしながら帰るシーンや、2人で街に出かけて、藤本が京本の手を引きながら、人混みの中を通り抜けていく時の、それぞれの主観映像のシーンなど、手描きアニメーションならではの躍動感に溢れた描写を堪能することができる。
物語としても、ライバルに負けまいと一所懸命に練習したり、どうしても勝てないと諦めたり、志を同じくする者と仲間になったり、一つの目標に向けて一緒に頑張ったりと、スポーツや芸術に打ち込んだことがあれば、誰もが経験し得るような「情熱と友情の日々」が丹念に描かれていて、胸が熱くなった。
やがて、絵の技量を上げるために美大へと進学する京本とは、袂を分かつことになるものの、それでも、人気漫画家への道を歩んでいく藤野のサクセスストーリーとしては、あまりにもトントン拍子で順調すぎるのではないかと思っていると、予想もしなかったような衝撃の展開が訪れて驚かされる。
ここから想起されるのは、明らかに京都アニメーションの放火事件だが、藤野と京本が出会わなかったパラレルワールドでは、漫画を描くのをやめて空手の練習に励んでいた藤野が、美大への乱入者を撃退して、京本の命を救うことになる。
京本の部屋の扉の下を行き来する4コマ漫画の紙片は確実に存在するものの、この、もう一つの物語が、どこかのマルチバースに実在している世界での出来事なのか、それとも、藤野が「もしも」と夢想していることなのかは定かではない。ただ、いずれにせよ、せめて物語の中だけでも、あんな理不尽な事件はなかったことにしたいという、作り手の熱い思いだけは感じ取ることができた。
京本が命を落としたのは、彼女を外の世界に連れ出した自分のせいだと後悔する藤野が、もし、自分たちが出会わなかったら、2人で寝食を忘れて漫画作りに没頭するという、かけがえのない時間を過ごすことはなかったし、何よりも漫画を描く自分も存在しなかったということに気が付いて、再び前を向くようになるくだりも感動的である。
その一方で、わざわざ悲劇的なエピソードに持っていかなくても、美大を卒業した京本が、漫画家の藤野のアシスタントになるといったシンプルでストレートな話だけで、十分に楽しむことができたのではないかとも思ってしまう。
それから、京本からは「先生」ともてはやされた藤野だが、彼女の方は、「自分が、一度漫画を描かなくなったのは、絵の才能では京本にかなわないと観念したからだ」と打ち明けたのかということも、最後まで気になってしまった。
あえて言うなら
ネタバレありです
原作未読で評判だけで観に行きました。
最近の何でも美男美少女キャラに描いてしまうアニメ界とは一線を画すキャラ図柄はそれだけでも好感度アップです。
ストーリーのほうも前半の藤野がライバルと思っていた京本からファンだと言われ浮かれて変なステップを踏みながら帰って行くシーンは微笑ましかったし京本が勇気を出して美術大学へ行きたい一人でやってみたいと打ち明けるシーン惹きつけられました。
ただ原作未読の立場からあえて言わせてもらうなら京本は何故死ななくちゃいけないのかがわからない。
しかも事故でも自殺でもなく訳のわからない人物の手によって。
そういう話だからと言われれば元も子もないのだがそれまでの話の流れからはその必然性を全く感じられなかった。
人の死は悲しい
それだけで涙を誘うこともある。
結局話はその死によって停止したあとは藤野の後悔と回想、再起の背中でエンデイングを迎える。
それまでが良かっただけに死で終わる話にしてほしくなかった。
今一番話題の映画
今一番話題の映画ということで仕事帰りに観てきました。
公開から一週目ではあるものの、平日にもかかわらずほぼ満席でした。
100分という短めの映画ですが、短い中でも感情をぐわんぐわんさせられるとんでもない映画でした。
チェーンソーマンもそれ以外の漫画も未読ですし、正直、藤本タツキという名前もこの名前で知り、ただ話題に乗っただけの私が感じたことは、この作者は、自分の能力だけではなく、背景となるものの支えによって成り立っていることを表したのかなと、それへの感謝が込められている作品なのではないかということです。
それがタイトルにも込められており、ルックバックとは、背景も見ろという意味があるのではないでしょうか。
あと、音楽もかなり良かった。
★2024.7.14 追記★ 同じ学校で出会った少女二人が、同じ世界を目指します。辿り着いた世界の先に見つけたものは…。甘酸っぱさとほろ苦さ、切なさと愛おしさに溢れた秀作です。
< 2024.7.14 文末に追記しました >
「チェンソーマン」という漫画の作者が描いた短編作品。
その劇場版アニメ作品です。この作者の絵柄は割と癖があり
洗練された絵柄とは言えないかもしれない(失礼)のですが
描かれた作品からは、独特の魅力ある世界を感じることが
できる、そんな作者だとも思っています。 ・_・ハイ
原作漫画の冒頭だけを「お試し」で読んでみたら、とてもいい
感じだったので鑑賞してみることにしました。
さあ鑑賞開始。/☆
舞台は地方の小学校。
学年新聞に4コマ漫画を書いている少女と、途中から漫画を
載せるようになった同学年の少女のお話。
一人目の少女は藤野。(CV 河合優実)
二人目の少女は京本。(CV 吉田美月喜)
藤野は、絵を描くのが好き。絵を褒められるのが好き。
京本は、藤野の漫画が好き。他人が怖くて引きこもり中。
ある日、学級担任が藤野に声をかけた。
学年新聞の4コマ漫画、2枠の片方を引きこもりの子に譲って
くれないか? ということだ。 ” いいですけど ” と承諾する。
京本の4コマ漫画が初めて載った日。
クラスメイトの声が藤野の耳に聞こえてきた。
” こうしてみると 藤野の絵って 上手くないじゃん ”
京本のマンガは、マンガというより学園生活の風景を描いた
背景画のような作品だった。人物は登場しない。だが…。
上手だった。圧倒的に。
衝撃を受ける藤野に心の底から、ある感情が沸き上がってくる。
” 悔しい。負けたくない ”
マンガがもっともっと上手くなりたい。上達したい。
なりふり構わず、マンガを書く時間が増える。
基本的な技術を向上させるため、色々な本を読んでみる。
次の学年新聞。
その次の学年新聞。
並んで掲載されるたび、打ちのめされる。
頑張って上達したと思っても、京本は更に上達している…。
そんな6年生のある日。
学年新聞をみた藤本の心が動きを止める
” …やーめた ”
こちらが学校に行っている間も、相手はマンガを書いているのだ。
追いつけるハズない。…もう疲れた。
普通の小学生に戻ろう。
残りの小学校生活を楽しもう。
そのままマンガから遠ざかった藤野。
だったのだが、卒業式の日。学級担任から呼ばれる。なんだろう?
” この卒業証書を、京本に届けてくれないか ”
学年新聞に連載していた同志じゃないか と言われ渋々引き受け
初めて尋ねた京本の家。
呼び鈴を押しても反応が無い。どうしよう。
と、玄関のドアに鍵がかかっていない。
” 卒業証書を届けにきましたァ ” と小さく声を出しながら上がる。
そこで目に入ったのは、床に積み上げられたスケッチブック。
廊下を曲がった所から奥の部屋の前までびっしりと。
いったい何冊あるのだろう…。
と、一冊のスケッチブックの上の原稿用紙が目に入った。
4コマ漫画用の、まだ何も書かれていない原稿用紙だ。
つい手に取ってしまった藤野。カバンから鉛筆を取り出して
京本に向けた4コマ漫画を書いてしまう。
” 何やってるんだろ ”
我に返り、力の抜けた藤野の手から原稿が滑り落ち、目の前の
ドアの隙間から部屋の中に入っていってしまう。 あっ。
慌てて京本の家から飛び出す藤野。その後ろを
藤野を追いかけて、家から飛び出してきた少女。
引きこもり継続中の、京本だった。
” 藤野先生ですか? ”
思わず藤野の足が止まる。振り返る。
ボサボサ頭の、半纏を着た少女がそこにいた。
◇
…と。
こんな感じの二人の出会いから話は進んでいきます。
中学生になり、マンガの世界へと踏み込んでいく二人の
活躍が描かれていきます。
このあとの展開が気になる方、ぜひ劇場での鑑賞をお薦めします。
原作を知らずに観ましたが、最後まで引き込まれて鑑賞しました。
内容を知っていても尚、楽しめる作品と思います。
私は充分満足しました。 ・_・/♪
観て良かった。
◇あれこれ
■ヒロインの声
本職の声優ではない女優さん(河合優実・吉田美月喜)が、声の担当
でした。二人の演技が上手な事は、最近観た作品を通して知っている
つもりですが、声だけの出演はどうかな? と心配も少々…。
ですが、要らぬ心配でした。 ・_・;
藤野・京本ともに、キャラのイメージ通りの声でした。
■舞台
小学校への通学路が、田んぼの広がる農道だったりします。
どうやら山形市のどこからしいのですが、気になります。
原作者の通った大学もモデルになっているとか。 へぇ。
たまに出かける都会のシーンはどこだろう とか
山形市にしては賑わっているなぁ(失礼) とか
バスで一時間なので仙台市ではないか? とか
竿燈祭り(秋田)のパンフを持っていた とか
原稿持ち込んだのはやっぱり東京だろうな とか
色々と想像して楽しんでます。(山形好きです♡)
◇最後に
一人がキャラや話を作り人物を描き、もう一人が背景を担当。
単なる作者とアシスタントの関係ではなく、藤子不二雄のように
制作のパートナーだということが「藤野 京」のペンネームから
分かり、この二人の関係性いいな と思って観てました。・_・
※「まんが道(藤子不二雄A)」が頭に浮かんだ人、私だけでは
ないかと ・_・
あと詳しくは書けませんが、「if」の世界との繋がりも見事でした。
見事というか、どこかに救いがあると思わせる終わり方、個人的には
大好きです。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
↓
↓
↓
< 2024.7.14 追記 >
2回目の鑑賞に行ってきました。・_・v
改めて気付いたコトもいくつかありました。良かったと思う気持ちがより強くなりました。
1回目同様★5つ。合わせて★10です。(ダメ?)
■四コマ用の原稿用紙
卒業式の日。訪ねた京本の家。部屋の前の大量のスケッチブック。
その上に乗っていた白紙の原稿用紙を藤野が拾い上げる場面から、
4コマ原稿用紙の旅が始まったと思っていたのですが、違ってました。・_・
マンガを書くのを止めた藤野が「捨てて」と家族に言ったスケッチブック。
その上から滑り落ちるシーンがあって、多分そこがスタートのようです。
二人の間を何度も往復する4コマ漫画の原稿用紙。
時空を越えて行き来する、不思議なアイテムです。
■繋いだ手
手をつないで、街を買い物して回る二人。
次第に、京本の手が長く伸びていくのです。千切れてしまいそうな程に。
このままでは藤野についていけなくなるとの、京本の焦り。
” 高校を卒業したら連載を ”
この話が出た事で、京本は一大決心をしたのだろうと推察。
4年間回り道をしてしまうけれど、簡単な選択ではなかったけれど
大学でもっと絵を描いて、上手になって。
この先ずっと、藤野の隣で漫画を描き続けていたいから。
京本の決断に敬礼。
■京本の笑顔
柔らかな表情。無垢な笑顔。
京本の笑顔にはやられっぱなしでした。
” 見たい見たい見たいッ ”
” えへぇ ”
” 良かったぁ ” などなど。
藤野と一緒にいるときの京本の笑顔。何度観ても癒されます。えへぇ。
■なぜか左利き
京本の利き手。原作では右利き、映画では左利き。 …そう気付きました。
何か意味があるのだろうか…とあれこれ考えているのですが…。うーん。
実は京本には、鏡に写ったもう一人の分身を生み出す能力があって…。
うーん…。一気にファンタジー度が上がってしまう…。
そしてその分身は、鏡の世界を通り抜けて色々な世界に行くことが…
うーん…。ミラーマンの世界になってしまう…。
■「出てこないで」の4コマ目
骸骨になった京本の場面が描かれています。うーん。
改めてこの4コマ目を見た藤本が「私のせいで京本が死んだ」と
激しく後悔する訳ですが…。
この4コマ目に何か書き足したり、他のオチに書き換えられたら
京本が死なない未来にならないだろうか
そんな事を割と真面目に考えている自分がいます。・-・
< 2024.7.14 追記 ここまで >
アニメも良かった
どんなに深い悲しみでも、後悔できないほどの喜び
※注意:勝手な妄想が強めの感想です。
藤野は京本を失って後悔をする。
あのときあの漫画を書かなければ京本を失わなかった。
でもそれは、出会ってからの「あの時間」を失うということだ。
二人とも異常に絵を描くことが好きで、
藤野は京本の凄さを京本よりも知っていて
京本は藤野の凄さを藤野よりも知ってた。
絵が上手くなりたくてたまらなくて
いろいろなものを犠牲にした。
二人の生活はとても偏っていて、健康的とは言えなかった。
他人の目には幸せには見えなかっただろう。
でも他の人には想像できないほど幸せだった。
藤野は物語の最後、京本の部屋で二人の「あの時間」を振り返る。
藤野は、やっぱり後悔することができなかったのだろう。
あのときの喜びを悔いることが出来るわけがない。
どんな深い悲しみでも、敵わないほどの喜び。
そういう種類の喜びがあるのだ。
見終わってからずっと「そういう種類の喜び」のことを考え続けている。
この感じだと、この余韻はしばらく消えそうもない。
それくらいのショックを受けた。すごい映画だった。
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